「安全」以上に「雇用」を守るインドのセキュリティの実態

by 田中啓介 / Keisuke Tanaka

セキュリティチェックと言えば

空港の搭乗手続きが頭に思い浮かびますが、

インドでは高級ホテルやショッピングモール

スーパーマーケットに入るときも

同様のチェックをされるケースが多々あります。

例えば、高級ホテルに入るときは手荷物をX線スキャンされ、

自らもセキュリティゲートをくぐり、全身くまなく検査されます。

また、スーパーマーケットでは入る前に同様のゲートをくぐり、

カバンのファスナーを開けることができないようにビニールの輪っかで閉じられます。

さらに、店から出るときも再度盗んでいないかレシートと買い物袋の中身をチェック。

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security

前者は危険物持ち込みのチェック、

後者は盗難防止のチェックのためにやっていると思われますが、

ただ、このやり方があまりに“ザル”すぎる

ゲートをくぐった瞬間「ブーーーーッ!!!」

明らかにアウトの音が鳴り響いているにもかかわらず

そのまま入場オッケーです。

ファスナーが2つ3つあるカバンでも

ビニールの輪っかで閉じられてしまうのは基本1つだけ。

他のファスナーはドフリーです。

先日、あるスーパーマーケットに入場した時は

カバンのファスナーを開けることができないように薄っぺらい紙のシールを貼られました。

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一応お店出るまではこのシールは剥がしませんでしたが、

それにしてもこれ、何の意味があるの?笑

また、入場前にカバンを窓口に預けなければいけないケースもありますが、

例外的に、カバンの中にノートパソコンが入っていることを伝えると

なぜかそのままファスナーさえも閉じられることなく

ドフリーのまま入場オッケーという裏ワザまであります。

最後の関門“レシートチェック”も大量に買い込んだ時でさえ照合作業は1秒で完了。

100%チェックできてない。

もう自由すぎて何が何だかよく分かりません。笑

 

少し話は変わりますが、

アパートに住んでいると「24時間セキュリティ完備」という名のもと

通常、セキュリティのおじさんが常時アパートに待機して住民の安全を守っています。

というか、守っているふりをしています。

だいたいセキュリティのおじさんは昼間寝ていることも多く、

夜も寝ているので見知らぬ人が入ってきても気づきません。

 

うちのアパートのセキュリティのおじさん「ムトゥ」は、

チップだけはいっちょ前に要求してきますが、

小柄でガリガリのおじーさんです。

たぶん左手だけで勝てるし、小学生にも負けてしまうでしょう。

そもそもアパート周辺はとても治安がいいので特に気にしていませんが、

これで「24時間セキュリティ完備」はあんまりだなーと思うわけです。

ただ、一度だけムトゥが大仕事をやってのけた日がありました。

ある日の午後、家の中で特大のヤモリを見つけたとき

あまりの気持ち悪さに夫婦共々いてもたってもいられず(私たち虫が大嫌いなのです。苦笑)

妻がムトゥに追い出してほしいと言いにいくと

「見よ!これがセキュリティの仕事だ!」と言わんばかりに

木のステッキのようなものを振り回してやっつけてくれました。

ムトゥが少しだけたくましく見えた最初で最後の日でした。(超失礼!w)

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「セキュリティ」という名のもとに仕事を得ている人が驚くほど多いインドですが、

彼ら彼女らがどれだけの安全を守っているのか疑問を感じずにはいられません。

 

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