インドで「アイデンティティー」について考える

by 田中啓介 / Keisuke Tanaka

「インド独立の父」として世界的に有名な

グジャラート州出身のマハトマ・ガンディー

 

“Be the change that you wish to see in the world”

(見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい)

 

今日はそんな言葉を残したガンディーさんの誕生日

3ヶ月ぶりの更新となる今回はカンディーさんへの尊敬の念を込めて

ちょっとばかし人生について考えてみたいと思います。

あ、すみませんカンディーさん今日もお酒は飲ませて下さい、笑

 

人生って「アイデンティティー」を見つける旅みたいなもんなのかな

な~んて思ったりすることがあります。「アイデンティティー」とは、

「自分は何者であり、何をなすべきか、という個人の心の中に保持される概念」

大学生の頃、自分が何をしたいのか分からなくなって

大学2回生が終わったときに休学しました。

“自分さがしの旅”などと格好のいいことを言って

現実逃避するために海外に飛び出した記憶はまだ新しいですが、

自分がどんな性格で、自分にはどんな仕事が向いているのか

自分はどんな人間になりたいのか、そして、将来どんな人生を歩んでいきたいのか、

そんなことをいつも悶々と考えながら、でも結局は何も見つからなかった。

いままで自分自身と向き合う時間を大切にして生きてきたように思いますが、

「アイデンティティー」を確立することってむしろ自分以外の人と向き合うこと、

そして、新しいことにチャレンジして失敗を繰り返すことなんだと最近感じています。

「アイデンティティー」とは、

「自分がやりたいこと」と

「自分が期待されていること」との狭間にあるもの

「自分が心地いいと感じること」と

「自分がストレスに感じること」との狭間にあるものなんじゃないかと思います。

 

インドに住み始めてもう3年が経ちました。

仕事も私生活も日本とは比べものにならない程に難しい環境だからこそ、

とてもじゃないけど自分ひとりでは生きていけないことを痛感します。

全く違った価値観、考え方、異文化、そして、極端なまでの格差を目の当たりにして

それをかみ砕いて、飲み込んで、消化するまでのプロセスはある種の苦痛を伴いますが、

だからこそ、この地でこの苦痛を共有して生きている人々とのつながりは強く

そんな強いつながりの中から自分らしさを発見することも多いように思います。

日本のような成熟した社会においては特に、

仕事の選択肢、人生の選択肢は無数にある代わりに、

人から期待されていることがなんとなくぼやけている印象です。

幸か不幸かありとあらゆる選択肢が目の前に準備されているから

自分にとって居心地のいい選択肢についつい安住してしまいがちだったのかもしれない

自分らしく生きるための時間の過ごし方ができていなかった

今振り返るとそのように感じます。

一方で、インドのような発展途上の社会・生活環境においては

仕事の選択肢、人生の選択肢は日本と比べると限定的です。

仕事のみならず私生活も含めてチャレンジと失敗の連続ですが、

逆に、自分がこの地で期待されていることはとても明確で、

自分がストレスに感じることでも、否が応でもやるしかない。やってみるしかない。

自分さがし、つまり、「アイデンティティー」の確立とはある意味

そんなチャレンジと失敗を繰り返しながら自分の価値観、考え方でもって

選択肢を少しずつ切り捨てていく作業に似ているのかもしれません。

 

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