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商社の頭を悩ませるインドの関税とその仕組みとは?

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インドの関税は国内産業保護の観点から税率が高く、

複雑な仕組みになっています。

具体的には、下記3種類の関税が存在していて、

かつ、別途、教育目的税という税金も課税されるため、

合計で関税率が25%を超えるケースがほとんどです。

 

1、  基本関税(BCD:Basic Custom Duty)

2、  相殺関税(CVD:Countervailing Duty)

3、  特別追加関税(SAD:Special Additional Duty)

 

(※参考までに、1991年に外資規制が解放されるまでは

基本関税率が実に350%を超えていたようです。

しかし、現在ではそれが10%になっており、

2011年8月に発効となった日印経済連携協定により

この基本関税率は今後10年以内に段階的に引き下げられていくようです。)

 

これら合計の関税率が高くなる一方で、

(1)関税の一部が税額控除の対象となるケース

(2)事後的に還付申請することができるケース

(3)免税の対象となるケース

(4)関税の一部を納入先である製造業者に移転するケース

などがあり、実質的な負担額はそれよりも低くなることが考えられます。

 

(1)税額控除の対象となるケース

3つの関税の中で「相殺関税」は

国内で製造した製品に課税される「物品税」に対応するもので、

また、「特別追加関税」は

国内での販売に課税される「付加価値税」や「販売税」に対応するものです。

輸入者が製造業者である場合には、

この「相殺関税」と「特別追加関税」を物品税申告上において税額控除の対象とすることができます。

 

(2)事後的に還付申請することができるケース

輸入者が販売業者である場合には、

製造行為を行わないため、

必然的に物品税の申告義務はなく、

「相殺関税」と「特別追加関税」を税額控除の対象とすることができません。

しかし、販売業者がインド国内に販売した際には、

「特別追加関税(=州付加価値税や販売税に対応)」の負担に加えて

別途、追加的に本来の州付加価値税や販売税も課せられてしまうために

実質二重課税が生じていることになります。

インド中央政府は、これに対してインドの輸入業者から多くの批判の声を受けて

2007年、この二重課税を回避する目的で還付制度が導入されました。

つまり、一定の条件下において「特別追加関税」のみが

事後的に還付申請することができるようになっています。

 

(3)免税の対象となるケース

また、”事後的に” 還付をする代わりに、

”事前に” 免除対象とできるケースもあります。

これは、上記還付申請には非常に煩雑な手続きが求められる上に、

還付を受けるまでに相当の時間を要することに対する批判の声を受けて

2010年の税制改正で小売用に包装された製品等について

一定の条件下において「特別追加関税」のみが

免除されるという規定ができました。

 

(4)納入先である製造業者に移転するケース

これは、「事後的に還付」もしくは「免税」という話ではなく、

販売業者である輸入者がある一定の登録を行うことによって、

「相殺関税」および「特別追加関税」を納入先である製造業者に移転し、

製造業者側で(1)の税額控除の対象としてもらう方法です。

ただ、このケースでは輸入時の支払関税額を

納入先に対して明記する必要があり、

販売業者側の原価とそのマージンが知られてしまうため、

販売業者(商社など)にとってインドのビジネスがやりにくいと言われる所以になっています。

 

インドで輸出入関連のビジネスをしていくには

複雑な関税制度や、貿易政策、その他優遇制度をよく理解し、

余計な手間やコストがかからないよう積極的に活用していく必要がありそうです。

 

(ラジャスタン州ジャイプールの街を通り過ぎる象)

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