複数の言語を身につけて使いこなすインド人

by 田中啓介 / Keisuke Tanaka

インドには少なくとも30の異なる言語と、2000前後の方言が知られていて、

共通語としてヒンディー語、英語の2つの言語の使用が規定されているようです。

 

インドに来るまでは、そうは言っても、インド人であれば、お互いの言語は理解できる程度の違いなのでしょう?と思っていましたが、

言語が変われば同じインド人同士でも意味が通じなくなるというのでびっくりしました。

 

たとえば「あなたの名前は何ですか?」

ヒンディー語…アープカー ナーム キャー ハェ?

タミル語(南インドのタミル・ナードゥ州)…オンガ ペール エンナ?

カンナダ語(南インドのカルナータカ州)ニムマ ヘサル エエヌ?

マラヤーラム語(南インドのケララ州)…ニンレ ペーランダ グンヌ?

 

私が通っている英会話の先生の話ですが、

彼女はケララ州出身(お父さんとお母さんがケララ州で育った人)。

お父さんの仕事の都合で彼女が生まれた頃にタミル・ナードゥ州の、ここチェンナイに引っ越してきて以来、チェンナイで育ったとのこと。

彼女は、ケララ州で使われるマラヤーラム語、タミル・ナードゥ州で使われるタミル語、他にも英語、ヒンディー語の4つの言語を話せるのだそうです。

 

彼女に「どうやって4つもの言語を話せるように勉強したの?!」と質問してみました。

「話せるようになるために勉強したのはヒンディ語だけだよ」という答え。

マラヤーラム語については両親が家で話していたから、自分も話せるようになっていたし、

また、チェンナイで育ったため、友達や近所の人がタミル語を話しているから自分も自然と話せるようになっていた。

英語については幼稚園(3歳頃)〜高校まで、英語で講義を受ける学校に通ったため、自然と話せるようになっていて、英語が話せなくて困った記憶はないらしい。

英語の文法は学校で勉強したとは言っていましたが、

マラヤーラム語とタミル語の文法は勉強をしたことはないようです。

チェンナイでは、タミル語で授業する学校と英語で授業する学校があって、自分で学校を選択できるそうです。

ちなみに、小学校にはどこも制服があるそうで、街で見かける制服は例えばこんな感じ。

そして、学校で第二外国語として、話せるようになるために初めて”勉強をした”という感覚だったのがヒンディ語。

また英語の先生はアパートに住んでいるのですが、

お隣さん、上の階の人、下の階の人の出身の州が違うらしく、話す言語が相手によって違うらしいです。

なので、

タミル・ナードゥ州(タミル語)出身のお隣さんと話すときは「タミル語」、

カルナタカ州(カンナダ語)出身の上の階の人と話すときは「英語」

(上の階に人は最近、チェンナイに引っ越してきたばかりでタミル語は話せないらしい)、

デリー(ヒンディー語)出身の下の階の人と話すときは「ヒンディー語か英語かタミル語」…どれでも!

だけど、ここはチェンナイだしタミル語で話すことが多いようです。

こんな風に、同じインド人でも話す相手によって使う言語が違うから、

知っている言語が少ないとコミュニケーションのとれる相手も狭まってしまうのだと話してくれました。

4つの言語を身につけ使いこなすってどうすればそうなるのだろうと思っていましたが、

小さいときから複数の言語を使う環境に身をおくとか、

小さいときから英語で授業を受ける環境に身をおくとかすると、

大人になるまでに4つの言語を身につけられるのも、さほど苦労なくできそうです!

という私はすでに大人だし気がついても難しいのですが…笑。

それにしても、インド人にとってはこの環境が現実としてあるのだからすごい!
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ナン 2013年8月19日 - 5:42 PM

はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
最近インド映画にハマってインドにとても興味を持っています。インドの関係の講演会とかも聞きに行ったりしています。
言葉が各州によって違うのをインド映画を見るのにも各言語にいっぱいあってどれをみればいいか迷います。ヒンディー語のボリウッド、タミル語のコリウッド、テルグ語のトリウッドといっぱいありますね。私はNTRジュニアさんのトリウッド映画から見はじめたのでトリウッド映画をよく見ます。テルグ語とタミル語は響きが似てるような気がするのですが、全く違うものなのですか?多分、役者さんがかぶっていることが多いのでそう思うのかもしれませんが。プラカシュラージさんは言語を跨いでご活躍されていますし。ヒンディー語はまるっきり違うのはわかりますが…。

TANAKA 2013年8月21日 - 1:24 AM

ナンさん、はじめまして。コメントありがとうございます。正直インド映画には詳しくないのでよく分かりませんが、もともとドラヴィダ語族は南インド4州の言語であるタミル語(タミル・ナードゥ州)、テルグ語(アンドラ・プラデシュ州)、カンナダ語(カルナータカ州)、マラヤラム語(ケララ州)から構成されていて、同じ語族になるので似ているというのは事実かもしれませんね。

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