インドのその他ビジネス事情

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インド外国貿易政策(Foreign Trade Policy 2015-2020)の概要

モディ政権の政策“Make in India”に関連して、

2015年4月1日に今後5年間を対象とする

外国貿易政策(Foreign Trade Policy)が発表されました。

具体的には主に“製造業”および“サービス業”促進のための

優遇制度の簡素化と新たな枠組みの制定です。

今日はそんな新たな枠組みの中から

日系企業にとって影響のありそうなものを中心にいくつかご紹介したいと思います。

 

1、商品輸出スキーム「MEIS:Merchandise Export from India Scheme

これまでも商品の種類ごとに5つの輸出恩恵スキームが設定されていましたが、今回の外国貿易政策によってこれらが単独のMEISスキームとして統合され、当該スキーム適用企業には取引実績に基づいて譲渡可能なクレジット証書(Duty Credit Scripts)が発行されることになります。当該クレジット証書を利用することよって、輸入時の支払相殺関税、及び、国内調達時の支払物品税、サービス受領時の支払サービス税に対して、原則、FOB価格に一定料率をかけた金額が相殺/払い戻し(Duty Drawback)可能となります。

 

2、サービス輸出スキーム「SEIS:Service Export from India Scheme

これまで「インドのサービス提供者(Indian service providers)」に対して設定されていたスキーム“SFIS(Served From India Scheme)”が、「インドに拠点を置くサービス提供者(Service providers located in India)」にまで拡大され、あらたにSEISスキームとして新設されました。具体的な恩恵としては、純外貨獲得高(NFE:Net Foreign Exchange Earned)の3%もしくは5%をかけた金額が適用され、MEISスキーム同様、譲渡可能なクレジット証書が発行されることになります。当該クレジット証書を利用することによって、支払関税、支払物品税、支払サービス税に対して相殺/払い戻し(Duty Drawback)が可能となります。

 

3、ステータス認証保持者「Status Holders

インドの輸出貿易産業に貢献している企業に対して、その輸出額(米ドルでの外貨獲得高)に応じて一つ星から五つ星の五段階のステータス認証の付与を行い、一定の特権を与える政策が発表されています。具体的には以下の区分のとおり分けられており、ステータス認定保持者は、特恵貿易協定PTA(Preferential Trading Agreement)や自由貿易協定FTA(Foreign Trade Agreement)、包括的経済連携協定CEPA(Comprehensive Economic Partnerships Agreement)などの貿易優遇措置を適用する上で自己認定(Self-Certification)が認められます。(※認定日から5年間有効)

 

ステータス認証区分

輸出額:FOB価格

(直近3年間の米ドル累計)

1.

One Star Export House(★)

3,000,000

2.

Two Star Export House(★★)

25,000,000

3.

Three Star Export House(★★★)

100,000,000

4.

Four Star Export House(★★★★)

500,000,000

5.

Five Star Export House(★★★★★)

2,000,000,000

 

4、EPCG(Export Promotion Capital goods)スキームの条件緩和

現在、当該EPCGスキーム下においては、通常の輸出義務として、免除された関税額の6倍となる輸出額を6年以内に達成すること、という条件が課されています。一方で、インド国内製造業者から資本財を調達する場合においては当該輸出義務額に対して90%の軽減税率が適用されますが、今回発表された外国貿易政策において、国内資本財メーカーの産業促進を目的に当該軽減税率が75%に軽減されます。また、当該スキーム適用において要求される一定の書類保管義務が3年から2年に短縮されることが発表されました。

 

5、各種書類の電子申告及びペーパーレス取引の導入

輸出にかかる上記恩恵を申請するには、一定の申請書(Form ANF3AやForm ANF3Bなど)を商工省の外国貿易部(DGFT:Directorate General of Foreign Trade)のウェブサイトから入手し、電子署名を用いたオンライン申請をすることになりますが、これまではインド勅許会計士やカンパニーセクレタリー、原価勅許会計士等が発行する証明書等は電子申告による提出は認められておらず、当局に対して物理的に提出をする必要がありました。今後はこれら一連の申請手続きやその他関連手続が随時電子化・ペーパーレス化されていくことが発表されました。

 

Source : http://dgft.gov.in/exim/2000/ftp2015-20E.pdf (Original)

Source : http://dgft.gov.in/exim/2000/highlight2015.pdf (Highlight)

Source : http://dgft.gov.in/exim/2000/AppANFS2015.pdf (Appendix)

 

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日本本社への資金還流方法とその実態に迫る

(↑↑↑ジャイプール郊外にあるアンベール城↑↑↑) 

インドに進出している日系企業にとって、インド現地法人が得た利益をいかに日本の親会社(=株主)に還元するか、つまり、インドから日本への資金還流方法について頭を悩ます日系企業が増えています。もちろん、日本の親会社が何らかのサービス等を提供している場合には、その対価として管理報酬や技術上の役務提供報酬、ロイヤリティなどを契約書等に基づいて支払うことなり、この場合にはサービス税や源泉所得税(TDS)、また、移転価格税制における税負担や税務リスクと合わせて取引スキームを検討することとなります。しかしながら、ここでは、サービス等の対価として支払うのではなく、株主との関係性において資本や税引後の利益剰余金をどのように株主に資金還流できるかをご紹介したいと思います。

 

(1)       配当(Dividend)

言わずと知れた株主の権利であり、かつ、最も一般的な資金還流方法が「配当」です(※インド新会社法第123条)。主に、取締役会決議による中間配当と、定時株主総会の普通決議による利益配当があり、単純に利益を株主に還元する最もシンプルな方法となっていますが、インド特有の「配当分配税(DDT:Dividend Distribution Tax)」が大きな障壁になっています。つまり、通常は配当を行った場合には配当を受けた株主側に課税(※配当支払時に源泉所得税として控除)されるのが一般的で、日本の場合は「外国子会社配当益金不算入制度」により大きな課税負担なく配当を受け取ることができるケースが多いですが、インドでは配当を行う側が配当行為に対して課税される「配当分配税(DDT)」という税金があります。したがって、支払時に所得税を源泉徴収する必要はありませんが、その代わりに支払側が実効税率約20%の配当税をインド税務当局に納税する必要があります。なお、個人の株主が100万ルピーを超える配当を受け取った場合には、株主側にも10%の所得税が課税される点については留意が必要です。

 

さて、ここで重要な論点となるのが、インド現地法人が負担する配当分配税(DDT)が日本法人側の外国税額控除として利用できるかどうか、という点ですが、明確な規定はなく、配当分配税は一般的な源泉所得税とは性質の異なる税金であることから、日本の親会社において税額控除として適用するのは難しいとの見解が有力であると思われます。つまり、インド現地法人としては、税引前利益からすでに法人所得税を納税しているにも関わらず、税引後利益から分配する配当に対してもさらにインド現地法人が税金を負担しなければならないといういわゆる“二重課税”が発生してしまうことから配当の実施はあまりに税負担が重く、積極的に配当を行っていない法人も多く見受けられます。

 

(2)       自社株買い(Buy Back Shares)

「配当」以外に考えられる資金還流方法の一つが「自社株買い」です。自社株買いとは、既存の株主から自己株式を買い取り、当該株式を消滅させる手続きのことです。つまり、既存株主全員が自社株買いに応じる場合に限って、各株主の持ち分比率(=会社に対する株主の影響力)を維持したまま株主へ資金を還元できることになります。なお、特定の株主が自社株買いに応じない場合には、当該株主が保有している株式が減少しないため、相対的に株式持ち分比率が高くなり、逆にその他の株主の株式持ち分比率は低くなります。

ちなみに、自己株式の買い取り価格が額面株価を上回る場合には、株式譲渡益(=キャピタルゲイン)に対する課税がなされ、原則、株主は株式売却に伴って得た利益に対して税金を納税する必要があります。しかしながら、2013年度の税制改正において、非公開会社が額面株価を上回る価格にて自己株式を買い取る場合には、株主が納税をする代わりに、株式を買い取る会社側が「利益分配税(Tax on Distributed Income)」という税金を納税する必要がある旨の規定が発表されました(※インド所得税法第115QA条)。つまり、自社株買いにおいて株式譲渡益が発生する限りにおいては、支払企業側は上述の配当分配税に似た「利益分配税」を結局は株主の代わりに払わなければならないこととなります。

 

さて、次に自社株買いの実施する上での条件や具体的な手続きについて見ていきたいと思います。自社株買いは、原則、付属定款(AOA:Article of Association)における当該規定の定めがあり、かつ、株主総会の特別決議で承認されれば実施可能です。自己株式を買い戻した後は、当該株式の取得日から7日以内に消却し、さらに、30日以内にROCに登記しなければなりません。ちなみに、過去3年間に下記3つのいずれかの債務不履行があった場合、また、自己資本について下記2つのいずれかに該当する場合には自社株買いは実施できないため注意が必要です。

 

【債務不履行にかかる3つの条件】

l  預り金、利息の支払不履行

l  社債の償還、優先株式の償還不履行

l  借入金の返済不履行

 

【自己資本にかかる2つの条件】

l  自己株式の取得金額が自己資本の25%を超の場合

l  自己株式取得後の自己資本が負債金額の50%未満の場合

 

なお、非居住者の株主たる日本本社から自己株式を買い取る場合には、当該自己株式の買い取り価格がインド国勅許会計士(Chartered Accountant)が証明した公正な価格(上場会社の場合には、インド証券取引委員会に登録しているカテゴリー1のマーチャントバンカー(SEBI registered Category-I, Merchant Banker)が決定する公正な価格)を上限とする株価で買い取る必要があります(※外国為替管理法基本通達第15番/2015-16)。また、日系企業のような外国法人が株主である場合には、出資当時からの為替レートの変動により為替差損益が発生します。自己株式の買い取りについては税務リスク等も含めて慎重に判断する必要があるため、専門家へ事前に相談することをおすすめ致します。

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会社法改正案が日系企業に与える影響とは?

2013年8月8日に、

インド会社法改正案が連邦議会上院で可決されました。

現行の会社法は1956年に成立して以来、

すでに60年近くが経過しており、

中には時代遅れな規定も散見されるようになったことから、

随分と前から現行の会社法を廃止して、

新しい会社法を成立させようという動きがありました。

実際に、改正案は発表されておりましたが、

インドのお国柄か、これまでの国会での審議で前に進むことはなく、

発表されてからすでに数年が経過しておりました。

しかし、昨年12月にようやく改正案が連邦議会下院で可決され、

そして今回、ついに上院でも可決されました。

今後は大統領の承認が得られた後、

中央政府がその通知をした日から新会社法が適用されることになります。

 

今回は改正案の中から、

あらためて日系企業がインド進出を検討する上で影響が出ると思われる重要なポイント

(1)一人会社の設立

(2)取締役会の構成員に関する変更

(3)インド会社と外国会社の合併

の3点についてご紹介したいと思います。

photo

 

(1)  一人会社の設立

日本の会社法上では、株主が1人のみで会社を設立することが認められていますが、

インドでは今まで最低2人の株主が必要とされていました。

しかし、今回の改正により、

インドでも同様に一人会社(One Person Company)が認められることになります。

つまり、今まではインドに100%子会社を作る場合には、最低株主数の条件を満たすために、

親会社以外にも関連会社や取締役就任予定の個人を

名義株主として設定する等の形式的な対応が求められていましたが、

今後はその必要性が無くなることが予想されます。

また、定時株主総会の開催は不要、取締役の最低人数も1名となる予定です。

 

(2)  取締役会の構成員に関する変更

今回の改正により、非公開会社(Private Company)においても、

インドの居住者である取締役を1名以上選任しなければならない、

とする規定が適用される予定です。

インド人である必要はありませんが、

インドの居住者になるためには、前年に182日以上インドに滞在している必要があり、

今後、インドで新たに会社設立を行う場合、

日本人のみで取締役会を構成するのが現実的に難しくなることが想定されます。

また、改正案が適用後は、既存の非公開会社も同様に、

1年以内に本規定を順守することが求められる可能性があります。

 

(3)  インド会社と外国会社の合併

現在のところ、インド会社による外国会社の吸収合併のみが認められており、

外国会社が合併の承継会社になることは認められていません。

しかし、今回の改正により、中央政府が認める国に限っては、

外国会社によるインド会社の吸収合併が認められることになる予定で、

外国会社が買収および合併スキームを検討する上での

選択肢の自由度が高まることが期待されます。

 

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リコーやトヨタの事例からインド子会社管理について考える

 日系企業の不祥事が相次いでいます。東芝やオリンパスの粉飾決算が記憶に新しい方も多いと思いますが、インドでも日系企業の海外子会社管理について考えさせられるニュース報道が続いています。例えば、2015年にリコーのインド子会社での不正会計処理が発覚しました。これを受けて、同社は20173月期決算において65億円もの追加損失を計上。74%の株式を保有するリコー本社はさらに当該インド子会社株式の一部を無償償却し171億円の増資を引き受けることを発表、そして、これまで債務保証を継続するなどして経営再建中でしたが、2017年末に追加の財政支援をついに打ち切るとの発表がされました。2015年に監査法人を変更することで発覚したリコーインド子会社の不正会計ですが、その後も業績は回復に向かわず、主要取引先との関係も悪化したために今回の意志決定に至ったとの報道がされております。今後の対応策として、リコー本社は定期的に海外子会社の財務諸表を精査し、本社管理部門の機能強化を図っていくようです。

 

 また、インドでは8年ほど前に発覚していたインド企業サティヤム・コンピューター・サービシーズ社(=通称インド版エンロン事件)の粉飾決算事件を受けて、インド証券取引委員会(SEBI)はこの度、2018110日に当時監査業務を担っていた大手監査法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)に2年間の上場企業の監査業務停止命令を出しました。不正会計や粉飾決算の事実関係については公表されていませんが、海外進出を検討する日系企業が増え続けている昨今、つい疎かになりがちな海外子会社の管理については、不正防止のための内部統制やコンプライアンス遵守のための管理体制の構築を検討・再考すべきタイミングに来ているのかもしれません。インド会社法においても監査法人の任期を5年(最長10年)とするローテーションの義務化や内部統制監査の義務化(一部の非公開企業は対象外)などが規定されており、企業と監査人が果たすべき責務や遵守すべきルールは厳しくなる一方ですが、何よりも企業が自主的に管理体制を再考することが大切です。例えば、信頼できる社外会計士やコンサルタントを見つけ、内部監査人として選任して定期的に社内のプロセスやコンプライアンス状況をレビューをさせるなど、性悪説に立った上で社内の従業員に一定の牽制を効かせることも検討に値するものと考えます。

 

 さらに昨年末、知的財産権(IPIntellectual Property)の観点からのインド子会社管理について、日系企業にさらなる警笛を鳴らすニュースが報道されました。2009年にトヨタ自動車がインドの地場自動車部品メーカーであるプリウス・オート・インダストリー社(以下、プリウスオート社)に対して「プリウス(PRIUS)」の商標権(Trademark)の使用差し止めを求めていた訴訟で、201712月の最高裁の判決によりトヨタの敗訴が確定し、8年間に及ぶ訴訟に終止符が打たれた、というものです。1997年に発表されたトヨタのハイブリッド車「PRIUS」が、上記プリウスオート社が「PRIUS」の商標を使ってビジネスを始めた2001年よりも以前において、国際的な名声・ブランドとしてすでに世界的に認識されており、かつ、インド国内においても浸透していたかどうかが争点となりました。結果的に、その当時インド市場においてはブランドが確立されているとは言えないとの判断がなされ、トヨタの要求は最高裁に認められなかったことになります。

 

 実は、これまでにもインドで同様の事例が多発しています。例えば、2015年にドイツ自動車メーカーであるアウディAudiがインドで“Audi TT”ブランドを使用したカーアクセサリー等を販売していたところ、同じく“TT”の商標登録をしていたインド地場企業TTテキスタイル・リミテッド社の商標権の侵害となり、“Audi TT”ブランドの販売ができなくなりました。また、2013年に米自動車メーカーであるフォードFordが、世界中で販売されている有名モデルSUVエベレスト(Everestをインドで販売しようとしたところ、インド地場のマサラ・スパイスメーカーであるエベレスト・マサラ社の登録商標権の侵害となり、“Everest”の商標は残念ながらインドでは使用できず、その代わりにインドのみエンデバー(Endeavourというモデルになっています。マサラスパイスでお腹を壊すことはありますが、フォードもまさにインドのマサラスパイスにやられちゃったわけですね、、、笑。いやいやフォードは笑えません。

 

 例えば、商標権はその権利が侵害された場合において、インド政府は「一方的業務停止命令」を発令する権利を持っています。つまり、インドに進出する日系企業が知らぬ間に他社の商標権を侵害していた場合において、突然ビジネスの停止を余儀なくされる可能性がある、ということになります。したがって、このような潜在的な事業リスクをしっかりと把握した上で、事前に商標の登録状況を確認をしておく必要があります。海外子会社の管理というのは、会計や税務、人事労務だけでなく、その他事業に必要な許認可や上述のような知的財産権に至るまで広範囲に及ぶため、特にインドという巨大市場で長期的に戦っていくためには、各分野における信頼できる専門家とのネットワークを構築し、事業の成長ステージにおいて適切なタイミングで対処・管理していくことがとても重要です。

(↓ハイデラバード中心街の様子↓)

 

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驚愕!インドの裏金問題とは?

インドの裏金問題をご存知でしょうか?

例えば、民間企業が州政府に対して申請中の承認手続に対して、

役人が「早く承認して欲しければ賄賂をよこせ」

と裏金を要求してくる、といったような話が

インドでは半ば当たり前になっています。

そして、どうやらチェンナイの某日系企業がちょうど今この問題に直面しているようです。

この企業はある工業団地に工場を構えているのですが、

ある日突然、汚染管理委員会(Pollution Control Board)より

本企業のビジネスは環境負荷の高い産業にあたるとして、

工業団地における操業資格を有していないとケチをつけてきたんだとか。

すでに然るべき手続を経て操業していた会社がなぜか突然操業停止の危機に追い込まれる。

挙句に、操業を続けたければ250万ルピーをよこせ、と言ってきたのだからビックリです。

インドでは「お役人から裏金を要求されてしまってはもはや払うしかない」というのが常識になっているようですが、

これを問題視したチェンナイ在住の日本連合軍(仮称)が

タミル・ナドゥ州政府の工業次官に対して直接相談を持ちかけたところ、

この汚染管理委員会の担当官がその後すぐに交代になり、

別の新しい担当官が職に就いたんだそうな。

いやはや、ため息交じりにもこれでようやくこの件は落着したかと思いきや、

今度は新しい担当官が150万ルピーを要求してきたんだそうです。

どう考えても理解に苦しむ話ではありますが、

一筋縄ではいかないインドビジネスの難しさの一例がここにはあります。

 

インドには様々な「手続」がありますが、

インドで生活するほとんどの人が経験する「外国人登録」。

外国人にとってはとにかく悪評高い出入国管理局での手続です。

そのうち個人の手続に対しても裏金を要求してくるんだろうか。。。

もはや笑い話にもならない、インドの裏金問題はどうやら相当に底が深そうです。

裏金

 

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成長するインド中古車市場と輸入規制

インド自動車工業会(SIAM)の発表によると

2013年12月の新車販売台数は前年同月比で約13%減少

13か月連続で前年同月比での減少が続いています。

一方で、インドの中古車市場は成長を続けているようです。

インド大手調査会社RNCOSのレポートによると

中古車の年間販売台数は年率約22%で成長しており、

2014年中には390万台に達すると予測しています。

正確な数値は公表されていませんが、

インドの新車販売台数を超えているとも言われており

その差が今後はさらに広がっていくことが予想されます。

 

元来インドでは、中古車の販売は友人や親戚

個人経営の小規模ディーラー等を通じて販売される個人間の取引が主流だったようですが、

マルチ・スズキの“Maruti True Value”やトヨタ自動車の“Toyota U Trust”

タタ自動車の“Tata Motors Assured”など

大手自動車メーカーが中古車サービス部門を立ち上げ、

インドの中古車市場の拡大を後押ししています。

また、“Car Trade”や“Auto Exchange”のような

オンライン上で売り手と買い手を繋げることを目的に

中古車販売仲介を行うウェブサイトを運営する企業も出てきています。

また、インドの中古車市場が成長している背景として、

自動車を買い替える期間が以前と比べて短くなってきていることもあるようです。

あるメディアによると平均約5年であった個人の自動車保有期間が

中間所得層や富裕層の拡大とともに現在は平均約3年にまで短縮されてきているとのこと

 

さて、中古車市場はインドのみならずアジア諸国を中心に拡大しつつありますが、

日本から中古車を輸出する場合には、各国の輸入規制に大きな影響を受けます。

ジェトロ(日本貿易振興機構)のホームページによると

例えば、タイでは国内産業保護や環境汚染抑制の観点から

一定の条件を満たす輸入許認可の取得が必要だそうです。

中国やベトナムでは左ハンドルの中古車のみ輸入可能ですが、

大規模な商業目的での輸入は現実的に難しそう。

インドネシアではそもそも中古車の輸入が認められておらず輸出不可能なんだそうです。

そして、インドでも下記のような輸入規制を受けます。

  • 輸入後2年間は販売禁止
  • 輸入する中古車は製造後3年以内であること
  • 輸入車は右ハンドルであること
  • 輸入可能台数は最大3台まで(個人の場合は1台のみ)などなど

 

また、原則160%の輸入関税に加えて煩雑な輸入手続をクリアする必要があります。

中古車ビジネスを目的にインド国外から中古車を輸入するのは現実的に難しそうですが、

一方で、インド国内における中古車ビジネスは

今後ますます盛り上がっていくことは間違いなさそうです。

 

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チェンナイで採用活動!Naukri.comとは?

6月から新しいオフィスを構え

先週は15人以上のインド人の面接を実施しました。

企業が人材を採用する場合、

人材紹介エージェントを利用することが一般的ですが、

それ以外の有効な方法として

インドには Naukri.com というサイトがあります。

ウェブサイトによると、約3,340万人もの職務経歴書が登録してあって、

年収、経験年数、年齢、地域、キーワード、職位、担当業務、勤務企業名などなど

イメージしている人物像に合った設定をもとに自由に候補者を検索できちゃう代物です。

個人のメールアドレスや電話番号までも検索で引っ掛かっちゃうところがすごい。笑

検索結果から、更新が新しい候補者順に並べ替えたり

検索内容により近い候補者順に並べ変えたりもできます。

 

ちなみに、募集要項をサイトに登録して候補者を紹介してくれるのを待つ

という方法もありますがこれはオススメできません

登録した直後からイメージとかけ離れた候補者の職務経歴書がバンバン送られてきます。

このNaukri.comのサービスは

100人分の職務経歴書をダウンロードでき

かつ、1ポジションの募集要項を登録することできて1か月6,000ルピーです。

 

まずは書類選考、そして、すぐに電話で簡単なインタビュー

英語での最低限必要なコミュニケーション能力はここで判断します。

その後、アポを取って、実際に会って面接をしていくわけですが、

今回面接をして一番難しいな、と感じたのは

知識・経験があり、かつ、素直で実直な人物を見抜くこと

特に(実がともなっていなくても)自己主張をすることが当たり前の社会で育ったインド人の

素直さ、実直さ、を見抜くことは本当に難しい

いろいろな質問をして、時には論理的に追い詰めていってその反応を見ることも必要かもしれません。

 

まだまだ採用活動は始まったばかりですが、

時間をかけて思い悩んだ末に、自分が納得して採用したインド人と

仕事に対する価値観を共有しながら一緒に仕事をする毎日を想像すると本当にワクワクします。

(引っ越したばかりの新しいオフィス↓)

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インドの経済特区 「SEZ」 とは?

「SEZ」というのをご存知でしょうか?

インドには国内にいながらにして

外国のように取り扱われる経済特区(SEZ:Special Economic Zone)があります。

ここに入居する企業は主には税務上の優遇措置を享受することができるんです。

外国のように取り扱われるのでもちろん関税は100%免除

逆に、SEZからインド国内への販売をしたときに初めて

国内購入者がその輸入関税を支払うことになります。

つまり、SEZ企業ではなく、この国内購入者が輸入したことになるんです。

そして、その他の物品税、サービス税、中央販売税等も100%免除

さらに法人税は最初の5年間は100%免除

次の5年間は50%免除

そして次の5年間は収益を再投資することによってさらに50%免除

ただ、ここ数年でSEZ企業が受けている恩恵も縮小傾向にあるようです。

2011年6月から以前は免税されていた

分配税(DDT:Dividend Distribution Tax)が課税されるようになり、

また、2012年4月から以前は免税されていた

最低代替税(MAT:Minimum Alternative Tax)も課税されるようになりました。

特に、この最低代替税の課税変更の影響は大きかったと言わざるを得ません。

最低代替税とは、法人所得税の納付額が帳簿上の利益の 〇〇% を下回る場合に、

最低でも帳簿上の利益の 〇〇%(同割合)を税金として納めなさい、というもので

インド課税当局が安定した税収を得るための制度になっています。

この制度は日本ではあまり馴染みがありませんが、

実はアメリカや諸外国でも同様の制度があり、特にインド特有の制度というわけではありません。

 

この写真はチェンナイ中心地から南に約50キロのところにある工業団地“マヒンドラワールドシティ”

ちなみにインド国内では100以上のSEZが運営されているようですが、

この敷地の半分近くもSEZにあたるようです。

SEZ企業が受けている恩恵が縮小傾向にあるとは言っても

日本企業がインドを輸出拠点として見た場合には

やはりこのSEZを利用するメリットは非常に大きいと思われます。

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「トゥーミニッツ」の裏にある引き算の発想の欠如

「インド時間」という言葉をご存知でしょうか。

いわゆる「時間を守らない」というインドの時間に対するルーズさを

なかば総称してそう呼んでいるのですが、

典型的なのが「トゥーミニッツ」

インドで生活していると毎日耳にする言葉です。

いわゆる日本語で2分を意味しますが

「トゥーミニッツ」と言われると15分待たされることはもはや当たり前です。

さらに危険なのが「ファイブミニッツ」

これは下手すると1時間待たされます。

1時間待たされた挙句にまだなのかと問い合わせると

またまた「ファイブミニッツ」

これでさらに1時間待つなんてことも。笑

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先日、日系企業の社長さんから聞いた話なんですけど

あるテレビ番組でインド人と日本人で算数対決したんだそうです。

すると、足し算と掛け算では圧倒的にリードしていたインド人が、

引き算になった瞬間に計算が遅くなり、結局日本人の圧倒的勝利で終わったんだとか。

足し算は強いのに、

なぜか引き算にものすごく弱いインド人。

 

実は同じようなことを実際のビジネスの中でも感じます。

目の前のことをひとつひとつ積み重ねていくこと(足し算の発想)は得意のようですが、

ある目標や期日に向かって逆算してスケジュールを立てること(引き算の発想)は苦手なようです。

だから、待ち合わせの時間にも当たり前のように遅れてくる。

事前にあまり計画せず

ひとつひとつの作業を積み上げた結果、

いつの間にか納期に間に合わなくなっている。

「トゥーミニッツ」と言っても結局15分かかっちゃう。

これがいわゆる「インド時間」の正体なんではないかと思います。

 

インド人の長所である足し算の発想を生かすのか。

それとも、短所である引き算の発想を身につけてもらうのか。

インド人従業員を雇用している日系企業にとって

彼らをマネジメントするのにはいろいろと工夫が必要なのかもしれません。

(写真は年に一度の祭りポンガルの日にアパート前に描かれていたコーラム)

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日本への海外送金に際して理解すべき手続の全容

巨額資産申告漏れの罪の疑いによって

有罪判決を受けていたタミル・ナードゥ州の

ジャヤラリータ前首相に対して

カルナータカ州最高裁判所は今月

なんと無罪の判決を言い渡しました。

それを受けて本日23日、同氏が政治復帰します。

個人的には「なんだかなぁ」と釈然としない中

熱狂的な市民が彼女を一目見ようと市内はお祭りモード。

外の気温は38度。灼熱のチェンナイ到来とともに街はものすごい熱気です。

 

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さて、インドから日本に海外送金するためには

インド準備銀行(RBI)が規定する

外国為替管理法(FEMA)にしたがって

一定の書類を準備する必要があります。

「えっ?単に送金するだけなんじゃないの?」

って思われる方が多いのですが、これがなかなか面倒なのです。

書類を作成するだけじゃなく、銀行手数料以外にも証明書の取得費用までかかる。

という訳で、前々回の記事に引き続いて国際取引を適切に処理するための

以下3つのポイントの中から、今回は第2回です。

第1回の記事はこちら(https://tanakkei.com/?p=11612

  • 第1回「日本法人が取得すべきPANおよびTRCについて」
  • 第2回「インドから日本への海外送金時に準備すべき書類について」
  • 第3回「日本法人がPAN取得後に対応すべきこと」

 

第2回「インドから日本への海外送金時に準備すべき書類について」

送金目的(支払の対象となっている取引内容)にもよりますが、

海外送金時には、原則、銀行から以下のような書類の提出を求められることになります。

  1. 請求書のコピー
  2. その他関連証憑書類のコピー(立替精算の場合の根拠書類や契約書、合意書など)
  3. 海外送金依頼書(Remittance Application:銀行所定の申請用紙)
  4. 海外送金報告書(Form A2:RBI規定の用紙)
  5. 海外送金にかかる源泉徴収報告書(Form 15CA:税務当局指定の用紙)
  6. 海外送金にかかる源泉税に関するインド勅許会計士の証明書(Form 15CB)
  7. 法人設立証明書(COI : Certificate Of Incorporation)
  8. 外国対内送金証明書(FIRC : Foreign Inward Remittance Certificate)
  9. 宣誓供述書(Declaration : 設立費用の立替精算の場合など)
  10. その他インド勅許会計士による証明書(Certificate : 設立費用の立替精算の場合など)

 

それぞれの書類準備にも相応の時間がかかるのですが、

No.6やNo.10のインド勅許会計士が発行する証明書は、

外部のインド勅許会計士に依頼をしなければならないため

証明書の発行手数料としてかなりの費用がかかります。

また、海外送金において日印租税条約(DTAA)に規定された軽減税率を適用する場合には

前々回の記事でご紹介をした通り、日本法人がPANおよびTRCを取得する必要があり、

インド側だけでなく、日本側でも支払に際して書類の整備が求められることになります。

なお、サービス提供等に対する対価の支払いであれば支払期限の規制はありませんが、

日本からインドへの物品等の輸入に対する支払については、

原則、船積みから6ヶ月以内に支払をしなければならない規定もあり注意が必要です。

支払時に求められる一連の手続を事前に理解した上で、

どのような契約内容にするのか、

どのようなタイミングで支払を実施していくのか等

当事者双方で十分な検討が必要です。

 

(自宅付近でジャヤラリータ州首相を激写。助手席に座るのね。)

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インド中古品輸入の落とし穴

インドに中古品を輸入するときのお話。

例えば、中古機械をインドに輸入する場合において、

インドでは、輸入通関時にCEC(Chartered Engineer’s Certificate)という

検査証明書を提出することが義務付けられています。

つまり、輸出国の公認検査技師もしくは同等の検査会社が

その中古機械の耐用年数や価格等が適正であるかどうかの検査を

事前に受けておく必要があります。(ジェトロ『貿易・投資相談Q&A』参照)

ただ、輸入関税はインド税関が適正だとする価格をベースにして計算がされてしまうため、

どれだけ安い価格で中古機械を買うことができたとしても、

相当の輸入関税を負担することになってしまうケースもあるのだとか。

何より厄介なのが、

「日本の中古品は、インドの新品よりもむしろキレイで新品っぽく見えてしまう」ということ。

いくら「中古品」として申告していたとして、

インド税関によってこれは「新品」だと査定されてしまうと、

「虚偽申告」もしくは「過少申告」だと見なされて

最悪のケースは多額の罰金を支払わなくてはならなくなるんだそうです。

 

例えば、定価1,000万円の機械を

中古品として激安価格200万円で購入できたとします。

ただ、これを第三者機関に査定してもらったところ、

この中古品の適正価格は500万円だという判断がされたとする。

この場合に、関税率を30%だと仮定すると、

購入価格200万+輸入関税150万(適正価格500万×30%)=350万円

これが通常負担すべき中古機械の実質的な費用。

ただ、この中古品の保存状態があまりに良く、

仮にインド税関にこの機械は「新品」だと査定されてしまうと、

購入価格200万+輸入関税300万(定価1,000万×30%)=500万円

そして、さらに罰金を追加で取られて大変な負担を強いられることになります。

 

これを事前に防ぐためには、

この機械が中古品であることを証明できる書類を

可能な限り準備しておくしかありません。

輸入品によっても関税率が非常に高いケースもあるので

中古品をインドに輸入する際には注意が必要です。

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インドで『LIFE SHIFT』を考えてみる

もう2月も中旬ですが2017年初めてのブログ更新です。前回の更新からいつの間にか5ヶ月も経っちゃいました。何事も継続するのは難しいですね。今年で36歳になる酉年の私は2017年が年男。昨年の申年(去る年)から一転、今年の酉年(取り年)は大きな人生の転機になる気がしています。っというわけでちょっと大げさですが、、、「これからの人生」について考えてみたいと思います、笑!そして、ずっと前から気になっていたリンダ・グラットン氏の著書LIFE SHIFTを読んだんですが、まさに自分の価値観にも深く染み入る内容だったので感じたことを備忘録としてまとめておきます。

 

20121月に結婚し、一大決心をして8月に会社を辞めて南インドのチェンナイに移住、2013年に第一子誕生、2014年にインドで脱サラ・起業、20171月に離婚をしました。今までの人生の中で間違いなく大波乱の5年間でした。公私のストレスから初めて帯状疱疹という皮膚病にもなりました。「自分の人生を生きる」ということを大切にし過ぎたがゆえに反省すべき点も多々あり、相応の代償を払うことになりましたが、それでも家族と真剣に向き合ってこれからの人生を考え、悩み、そして、たくさんの人に相談をして到達した結論。だからこの5年間は、自分は人に支えられて生かされているのだという感覚と、そして、自分らしく生きることの意味について考える大きな転機となり、これから前を向いてまた新しい人生の第一歩を踏み出せる自信にもなりました。

 

激動の5年間で仕事にプライベートにと外部環境は大きく変化しました。それでも、インドに移住する前からふんわりと想い描いていた「会社に頼らず、日本人個人としていかに世界で仕事をし、そして、いかに生きていくか」という新しい働き方や生き方の模索は、2012年のブログ開設時から一貫して変わっていません。私が新しい働き方や生き方に関心を持つようになった背景には、前職の外資系企業での経験が大きく影響しています。米系企業でしたが、当時は台湾人女性の上司と、東南アジア諸国やインドを含む多国籍の人たちと一緒に仕事をする超グローバルな環境の中で、日本人としていかにプレゼンス・価値を発揮できるか、を強く考えさせられました。そして、終身雇用や年功序列、そして、年金制度が崩壊している社会において、日本人個人が会社に頼らずに自らの責任で世界を生き抜いていくための準備をしなくては、と強烈に考えさせられたわけです。そして今回、『LIFE SHIFT』を読んでさらに考えさせられたのは、本書のデータによると私と同世代の日本人の50%100歳近くまで生きる可能性が高いこと。そして、私の子供世代はその50%がなんど110歳近くまで(!)生きる、と予想されていること。

 

つまり、若い世代であればあるほど、60代で引退などとは言っていられないぐらい、私たちは人生設計の改革を迫られているようです。だって、引退した後の老後が3040年間もあるのに、仕事もせず、ろくな年金ももらえなかったら絶対に生きていけない。そこで本書が提案しているのが人生100年プランを前提に自己改革を続けていくこと。20代で就職、60代で引退(=教育→仕事→老後)ではなく、人生のステージごとに自分を変革・創造(リクリエーション)していく生き方。様々な実験をして自分について理解し、自分らしさを追求する生き方。人生の選択肢を増やして、自分の価値観に合う仕事を選ぶ生き方。そして、その価値観を共有できる相性のいいパートナーを見つける生き方。価値観とは、例えば、企業内で仕事をするのか、それとも、自分でビジネスをするのか、何歳まで働くのか、そして、どこに住むのか、など。

 

会社に勤めるサラリーマンの場合には、会社の人事制度等に大きな影響を受けます。つまり、もし制度が整っていれば、在宅勤務制度や週末の時間を利用して副業をスタートしてみる、短時間勤務制度を利用してプチ起業してみる、短期間の海外インターンに申し込んで現地で起業のネタを探してみる、など緩やかに働き方を変えてみることはできるかもしれません。自分の時間を分散投資して、自分の価値観に合う仕事が何なのかをいろいろと実験してみるイメージです。副業や在宅勤務制度、短時間勤務制度、長期休職などが禁止されているような場合は、少し時間はかかるかもしれませんが、優秀な社員が個人の価値観を主張していけばいくほど、いずれは会社も自ら変わることを迫られるはずです。一方で、この点においては起業というのはリスクを取って覚悟を決めさえすれば素晴らしくスピーディーです。

 

例えば、どこに住むのか。インドが住む場所としていいかどうかは置いておいて(笑)、自分らしさを追求する生き方のヒントを得る場所としては、現在直面しているグローバル社会と日本経済の今後を考えると最低でも35年ほど海外に住んでおく経験は大切だと思います。そんな中でも日本人にとって超不自由でかつ超異文化のインドという国はとても面白い。その理由のひとつは、日本人が魅力的だと思う商品やエンターテイメントもなく週末は基本的にやることがないから、笑。自分の価値観と相談しながら何かやってみようなどと考えて、一度やりたいことやってみて、それが違ってたらまた考えて別のことをやってみる。子供が遊んでるのとあまり変わらない、笑。インド在住の日本人はいい意味で時間を「無駄」に過ごせていると思う。つまり、日本ではやっていなかったような「遊び」がすごくできていると思う。効率性、合理性、利便性といった日本特有の枠組みから一度自由になって、そして、過剰な消費活動に巻き込まれることなく「無駄」に時間を過ごしているからこそ、逆に日々が充実している感じがとてもいいと思っています。こういう時間の使い方に似た働き方や生き方ができたらいいな。

 

というわけで2017年もガンガン遊びます、笑!!!

 

インドのオンラインショッピング事情

昨今、インドではオンラインショッピングが盛んです。

IAMAI (Internet And Mobile Association of India) によると

インドのインターネットユーザーは

2012年時点で全人口の10%、約1億3,700万人

オンラインショッピングの市場規模は

2012年時点で約4,700億ルピー(約7,500億円)だったのが

2013年度は前年度比33%増の約6,300億ルピー(約1兆円)まで拡大すると予測しています。

また、昨年まではオンラインショッピングの大部分が航空券やホテル代などで

旅行以外のショッピングについては2012年時点で全体の約27%に過ぎなかったようですが、

それが、2013年度には約41%まで成長すると予測されています。

 

Flipkart

 

Snapdeal

 

さて、インドで有名なオンラインショッピングサイトと言えば “Flipkart” と “Snapdeal” です。

インドでのオンラインショッピングはこれまで一対多のB2C取引モデルが中心でしたが

いくつかのサイトでは、今年から不特定多数の多対多の取引を可能にした

「マーケットプレイス」モデルに移行しつつあります。

これは、製品情報はウェブ上で公開されますが、

実際の取引は第三者である現地の業者と消費者との間で行われる方式です。

つまり、「マーケットプレイス」とは売り手と買い手が自由に参加できる取引市場

しかし、一方で物流インフラや配送センターの未整備によって

商品の破損や盗難、お金を払ったのに商品が届かない、などの問題が発生しており、

代金引換払いや返品サービスなどを導入するなどして、

ここ数年で少しずつサービスの向上が図られているようです。

 

Amazon.in

 

eBay

 

ちなみに、現在インド政府は、外国企業がオンラインを通じて

消費者に直接商品を販売する「Eコマース」を禁止していますが、

「マーケットプレイス」モデルを採用することにより、

今年の6月にアマゾン(Amazon)がついに“Amazon.in”をインドに開設しました。

つまり、在庫を持って消費者に直接商品を販売するのではなく、

在庫を持たずに、売り手と買い手が自由に取引できるプラットフォームを提供することによって、

インドの外資規制に抵触しないビジネスを展開しています。

また、イーベイ(eBay)は8年前からすでにインド進出を果たしていましたが、

同社がそもそも同様のプラットフォームを提供するビジネスモデルであったことが功を奏し

インドのオンラインストアランキングで第2位にランクイン(DesiDime社による調査

すでにインドでの存在感を強めています

さらに、今年の6月にはインド大手Snapdealとの業務提携、および、投資計画を発表しました。

外国企業のオンラインショッピング市場参入にともない、

今後さらなるサービス向上が期待されます。

 

(運よく飛行機から見ることができた日の出@南シナ海上空↓)

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チェンナイの過酷なビジネス影響(電力不足編)

昨日は朝9時から停電がスタート。

そのまま8時間も停電が続くとはつゆ知らず。

どうやら新聞に地域ごとの計画停電情報がちゃんと掲載されていたようです。

私生活においては、

あ、洗濯してる途中だったのに

あ、今からシャワー浴びようと思ったのに

あ、真っ暗で本読まれへんやん

といろいろ面倒なことも起こりますが、

とは言っても “その程度” のことなので

停電とうまく付き合っていくことは大したことではありません。

慣れてしまえばどうってことないと思えるのが人間のすごいところ。

 

ただ、ビジネスの世界ではそうはいかないようです。

多くの製造業者は工場に大型のディーゼル発電機を導入していて、

停電時の電力供給を発電機で頼っているんだそうですが、

その燃料代を考慮すると電気代は通常の2.5~3倍に膨れ上がってしまうんだとか。

さらに、工場の発電機はとにかくデカいので場所は取るし、

突然の停電によって稼働中だった機械が急停止し、

それが機械の故障を引き起こす原因になったり

製造中の製品に不良品を出したり、

生産が止まってしまうので当然生産性が落ちたりと、

様々な悪影響が引き起こしているようです。

 

先日、あるインド企業の社長さんから聞いた話では、

このディーゼル発電機

通常は25~35%ものロス(無効電力)が発生してしまうようですが、

自動力率調整器(APFC:Automatic Power and Frequency Control)という装置を導入することによって

そのロスをある程度は有効電力として利用できるようになり

発電効率を向上させることができるんだとか。

 

また、先日、ある日系企業の社長さんから聞いた話では

このディーゼル発電機の代わりに

無停電電源装置(UPS:Uninterrupted Power Supply)を導入していて

このUPSを活用して停電による負担をうまく軽減しているのだとか。

どういうことかと言うと、

ディーゼル発電機は燃料代によって電力コストが高くつく上に、

停電後に電力が復旧するまでの間にタイムラグがありますが、

UPSはその言葉通り、切れ間なく電力を供給し続けることができる装置なので、

UPSを利用することによって停電時の急な機械停止を事前に防ぎ、

停電後はUPSの供給の助けを借りて

稼働中だった製造工程を区切りの良い段階まで作業を終わらせてしまう

そして、電力が復旧するまで製造を一時的に止めて

ディーゼル発電機による余分なコストや

その他の悪影響をできる限り排除するようにしているんだそうです

 

工場の規模や停電時間の長さにもよるとは思いますが、

チェンナイの電力不足による過酷なビジネス環境を目の当たりにしながら

こうやって企業は様々な工夫をしているのだなーと思いました。

「2013年中に電力不足を解消する」

と発表したタミル・ナードゥ州政府。

果たして本当に実現できるのでしょうか。

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自動車部品業界に君臨する鋳造(ちゅうぞう)と鍛造(たんぞう)

最近、自動車部品メーカーを訪問する機会が多いのですが

特にその製造現場である工場は私にとって新しい世界です。

会計事務所や経理部門でしか働いたことのなかった私には

これまでの人生で学生の頃の工場見学以外、

実際の製造現場をほとんど見たことがありませんでした。

しかし、2012年8月からインドにに赴任して以来、

約100社近くのインド企業をインタビューし、

その実際の工場を視察させていただく機会を得るようになって

自動車業界の裾野の広さや工作機械の発明の素晴らしさ、ものづくりの奥深さ

インド人が日本に対して有している信頼感を実感するようになりました。

そして、その信頼感は日本の諸先輩方が築いてきて下さった財産であるということも。

 

特に興味深かったのは自動車部品の製造プロセスには欠かせない

鋳造(ちゅうぞう:Casting)や鍛造(たんぞう:Forging)といった金属加工

これら金属加工法は自動車の製造だけでなく、様々な物をつくる上で利用されてきました。

鋳造品は溶解した金属を型に流し込んで固める方法で

身近なものでは道路のマンホールや指輪等のアクセサリ、

水道の蛇口やあの奈良の大仏までもが鋳造によるものだそうです。

一方で、鍛造品は加熱した金属に圧力を加えるという方法で

日本では昔から日本刀や包丁などの刃物、銃身などの製造方法として利用され、

金属をより強靭にすることができるために

自動車部品の中でも特に強度が求められる部品の製造において利用されているようです。

 

例えば、鋳造に関しての一連の製造プロセスを見てみると、

CAD/CAM等のソフトウェアを使って部品のデザインをし、

そのデザインを基に金型のデザイン及び製造を行い、

原材料を仕入れ、それを溶解して、鉄や砂の型に流し込み、

固まった部品を熱処理して、一定の表面処理や加工を行い、

そして、接続部分などをCNC機械等で切削加工して製品化します。

さらに関連部品と一緒に組み立てる(アセンブリーする)企業も多くあります。

その一連の製造プロセスをどこまで社内で実施するのか

それらのプロセスをいかに効率的かつ効果的に

そして、いかに高品質かつ低価格な製品を提供できるか

どこまで顧客のニーズに見合う付加価値を提供できるかが事業の明暗を分けます。

以前に運転資金の考え方についての記事を書きましたが

特に製造業の場合にはその短期的な運転資金の管理は重要ですが、

それと同時に、機械設備の導入や技術者の雇用・教育には莫大な投資が必要で、

固定費・変動費を考慮した上でどれぐらいの期間で投資の回収ができるか

中長期的な視点での投資の回収戦略も非常に重要になってきます。

 

話は変わりますが、

インドの自動車部品業界におけるひとつのトレンドでもある

自動車の燃費効率を向上させるためには様々な方法があるようですが

その中でも特に分かりやすいのが車体重量を軽量化すること

先日、あるインドの大手自動車部品メーカーの方から聞いたんですが

部品の重量を軽量化する方法にもたくさんあるんですね。

より強度の強い素材(例:超硬合金等)を使うことで部品の厚さを薄くしたり、

今まで使っていた素材(例:スチール等)を

より軽い素材(例:プラスチックやアルミニウム、マグネシウム等)に変えたり、

そもそも製造方法(例:鋼棒による部品ではなく鋼管を利用した部品)に変えたり、

それらの素材や製造方法ひとつひとつにまた違った技術・機械設備が要求されるわけで

自動車部品業界はホントに奥の深い世界だなぁとひとりで感動していたのでした。

 

(最近訪問した鋳造部品メーカーの工場の様子)

Foundry

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世界中に旋風を巻き起こすUber社とは?

すでにご存知の方も多いとは思いますが、

世界中のタクシー業界に新たな旋風を

巻き起こしている米国企業があります。

2009年にサンフランシスコで創立された“Uber”社です。

ゴールドマン・サックスやグーグルの投資会社等が出資しており、

現在、45ヶ国150都市以上で事業展開しています。

日本では東京都心で既存タクシー会社の空車を利用したサービス展開を行っていて、

インドでもすでにチェンナイを含む主要都市においてサービスの利用が可能です。

まずは、インド国内のケースをもとに具体的なサービス内容を簡単にご紹介しておきます。

 

Ubar 1

Uberはタクシーの乗降車をより安心で快適にしたサービスで、

ダウンロードした専用アプリを使うことによって以下のことを可能にしています。

1、マップ上で乗降車位置を事前に指定

2、GPS機能を使って最も近くにいる車を自動配車(到着すると通知もあり)

3、運転手の顔写真、利用者評価、車両番号、車種等を事前に確認

4、専用アプリに登録した決済情報により自動的に支払完了

5、領収書は自動的にメールで配信

 

ちなみに、インドではUber社が手数料として

利用料金の20%を得る仕組みとなっているようですが、

Uber社のビジネスモデルは各国の法規制によって様々のようです。

(例えば、日本ではタクシー事業ではなく、「第2種旅行業者(仲介業者)」として事業展開しているようです。)

 

なお、日本のタクシー業界はサービスの質と価格をある程度均一にすることを目的に

国土交通省がタクシーの台数規制と料金規制を強いていますが、

東京に進出しているUbar社は、

従来の日本のタクシーサービスの質に変化を与えることになるため、

タクシー業界に新たな風を送り込むことになりそうです。

しかしながら、利用者にとっては便利である一方で、

世界各国のタクシー業界からは大きな反発もあるようで

実際、フランスやイタリアではUber社の参入に対して反対も多くあり、

タクシー組合による大規模な集団デモも起きているとのこと。

 

Ubar Black

(Source:Uber社のホームページより抜粋)

 

私が住んでいるチェンナイでは、日本のような ”流し” のタクシーはなく

基本的にコールセンターに電話をして、場所を説明し、30分から1時間程度待って、

乗車後はドライバーに行き先を説明し、降車時には現金で支払わなければならないので、

このUber社のサービスは大変便利で、少しずつ利用者が増えているようです。

 

今のところチェンナイではタクシー業界からの反発の声は聞こえてきませんが、

一方で、この度2014年8月に発表されたRBI(インド準備銀行)の通達により

Uber社のインドにおける事業展開の障壁になる可能性があります。

次回はそのあたりのRBI発表の通達についてご紹介したいと思います。

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法人設立手続き(1)前編:法人設立登記まで

事業立ち上げの準備でバタバタしており

前回の更新から随分とご無沙汰してしまいましたが、

法人設立手続きおよび設立後に必要となる手続について

以下のとおり3回に分けてご紹介したいと思います。

 

 

(1)前編(法人設立登記まで)

(2)中編(設立後の必ず必要な手続き)

(3)後編(状況に応じて必要な登録手続き)

 

 

(1)前編(法人設立登記まで)

2014年4月以降に新会社法が施行され、

全ての取締役がDSCを取得しなければならなくなる等の変更点はありますが、

法人登記が完了するまでの基本的な手続きについては、

下記に示した通り7つのプロセスに分けることができます。

書類の作成準備から起算して法人設立登記までに概ね2~3ヶ月かかります。

 

No.

手続

注意すべきポイント

1. DSC

電子署名証明書

アポスティーユ認証の付与が必要
2. DIN

取締役識別番号

アポスティーユ認証の付与が必要
3. Pre-name approval

商号事前承認

アポスティーユ認証の付与が必要
4, MOA & AOA

定款および付属定款作成

アポスティーユ認証の付与が必要ただし、取締役会における代理人の選任、もしくは、委任状によってアポスティーユ認証付与は省略可
5. Office Registration

事務所所在地の登記

事務所オーナーからのNOC(異議無し証明書)オーナ名義の電気代や電話代請求書コピー等が必要
6. Appointment of Directors

当初取締役の選任・登記

宣誓供述書(Form INC-9)はアポスティーユ認証の付与が必要、その他同意書等含め事前準備が必要
7. Certificate of Incorporation

設立証明書の取得

 

一連の設立手続きにおいて注意すべきポイントについて

以下に3つご紹介させていただきたいと思います。

 

① 公証人役場等でのアポスティーユ認証付与

必要書類を作成していく中で、パスポートや運転免許証のコピー、取締役会の決議書、宣誓供述書等、公証人役場でのアポスティーユ認証の付与を求められる書類があります。原本を提出する必要がある場合には、書類の準備に相当の時間がかかってしまうため、出来る限り事前に書類作成を進めておくことで、効率良く設立手続きを進めることが可能です。(日本とインドはハーグ条約を締結しているため、原則、外務省からの認証は不要です。)

 

② 定款及び付属定款への署名

法人設立時には定款及び付属定款を作成し、出資者が署名をした上でインド登記局へ届

出を行う必要があります。日系企業の場合には、この出資者がインド国外にいるケースがほとんどのため、通常はこの定款及び付属定款への署名後にアポスティーユ認証の付与を受けなければなりません。しかし、取締役会や委任状によって事前にインド国内にいる個人を代理人として選任しておくことで、インド国内文書としてアポスティーユ認証の付与を省略することが可能です。(インド在住の日本人が代理人になる場合にはパスポートの入国日が確認できるページのコピー等が必要となる可能性あり)

 

③ 状況に応じて提出が求められる書類

インド登記局の担当者気まぐれなのか分かりませんが設立手続を行っていく中で、時と場合によって提出を求められたり、求められなかったりする書類がいくつかあります。よくあるケースは出資者が会社の場合の法人登記簿謄本のコピーや、取締役の個人や親族の情報(Form MBP-1)です。万が一提出を求められた時にすぐ対応できるよう、事前に準備をしておくと法人設立手続きをよりスムーズに進めることができます。

 

次回は(2)中編(設立後の必ず必要な手続き)についてご紹介いたします。

 

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M&Aの動向とインド進出日系企業の事例から見る経営のポイント

インドM&A市場の動向

最近、M&Aや合弁をインド進出の選択肢として積極的に検討する日系企業が増えているように感じます。10年以上前に大型M&A案件として注目を浴びた第一三共によるランバクシー社の買収やNTTドコモによるタタテレサービシーズ社への出資などで盛り上がりましたが、両社ともにインド企業側との係争に発展してしまい、事実上の撤退にまで至りました。これを機に「やはりインドは難しい」と、インド進出への意思決定を懸念する日系企業も少なくなかったのではないかと思います。しかしながら、2014年にモディ政権が誕生後、保険セクターを中心とした外資規制緩和やデジタル・インディア政策にもとづく各種手続きの電子化、高額紙幣廃止によるデジタル経済の促進、GST新税制導入、外貨借入(ECB)規制の緩和を含め、投資環境の改善が着々と進んできた中で、「やはり無視できないインド」に再び注目が集まっているように思います。

並ぶときいつもこんな感じ。そんなにひっつかなくても。。。笑

M&Aとインド進出を成功に導くポイント

 日系企業からのM&Aを望むインド企業の背景としては、日本ブランドの獲得や低利の資金調達、先端技術の導入、日系クライアントへの販路拡大など様々です。M&Aが成立するまでのプロセスとしては、パートナー選びや基本合意、対象企業のデューデリジェンス、最終契約という流れになりますが、多大な労力と費用をかけてようやくM&Aが成立したにもかかわらず、M&A成立後の経営統合(PMI:Post Merger Integration)がうまくいっていない日系企業が多いように思います。私の経験上、インド事業を成功に導くためには以下3点が重要なポイントであり、これはM&Aに限らずインドに進出する日系企業すべてに共通して言えるものだと感じます。(※そもそも黒字化できるビジネスモデルであることが前提ですが。)

1.役割分担と権限委譲

M&A成立後の日系企業とインド企業の役割が明確か、また、当地インドに駐在する日本人の役割に無理がないか、そして、現場の経営者に日々の実務をスピーディーに意思決定できる十分な権限移譲がなされているか。もし、日本人駐在員の英語力や経験、知識から、期待されている役割が過剰である場合には、十分な予算をつけて一部の経営管理業務を外部委託する必要があります。M&Aや合弁におけるインド企業パートナーが外部委託によるコスト負担に懸念を示すケースが散見されますが、不用意なコスト削減が経営をブラックボックス化しないよう注意が必要です。

2.現地法人経営者のスキル

インド現地法人を経営する者はビジネスの取引先と交渉し、従業員と対話し、社内外のステークホルダーや専門家などと協調しながら、スピード感をもって経営判断を行っていくことが求められます。つまり、幅広い分野・領域のインド人と対等に会話ができる経営者としてのバランス感覚、チャンスとリスクを的確に感じ取るセンス、人間力、そして、実務で使える圧倒的な英語力が必要になります。イギリスの植民地という歴史を持つインドであり、アメリカ志向の強いインド人にとって、英語ができない人を“下”に見る傾向は強く、これは、タイやベトナムのように日本語が話せる現地人と連携してうまく事業を回していくやり方では通用しないインド独特の厳しさがあります。

3.帰属意識と安心感

最後に、私がもっとも重要だと考えているポイントがこれです。あくまで南インド・チェンナイにおける私自身の会社経営の経験がベースになっていますが、現地法人のインド人従業員がどれだけ会社に「帰属意識」と「安心感」を持っているかが何より重要だと考えています。特に、M&A成立直後はこの2つの要素が欠落してしまっている可能性があり、日系企業としてはPMIの期間は特に細心の注意を払う必要があります。つまり、現地法人の経営者自らが、現場ひとりひとりの従業員(や場合によってはその家族)との丁寧なコミュニケーションを大切にし、顧客への価値創出のための明確なアドバイスと感謝の気持ちを毎日伝え続けること、ミスを積極的に許すこと、経営者の弱さも見せること、定期的に食事を共にすること、こういった日々の小さな言葉や行動の積み重ねが「帰属意識」と「安心感」を社内に醸成します。これが欠落すると、従業員の不正リスクや離職率の悪化、さらには、事業の生産性にまで大きく影響します。

開発が進むムンバイのパレル地区(Parel)
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インドで「アイデンティティー」について考える

「インド独立の父」として世界的に有名な

グジャラート州出身のマハトマ・ガンディー

 

“Be the change that you wish to see in the world”

(見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい)

 

今日はそんな言葉を残したガンディーさんの誕生日

3ヶ月ぶりの更新となる今回はカンディーさんへの尊敬の念を込めて

ちょっとばかし人生について考えてみたいと思います。

あ、すみませんカンディーさん今日もお酒は飲ませて下さい、笑

 

人生って「アイデンティティー」を見つける旅みたいなもんなのかな

な~んて思ったりすることがあります。「アイデンティティー」とは、

「自分は何者であり、何をなすべきか、という個人の心の中に保持される概念」

大学生の頃、自分が何をしたいのか分からなくなって

大学2回生が終わったときに休学しました。

“自分さがしの旅”などと格好のいいことを言って

現実逃避するために海外に飛び出した記憶はまだ新しいですが、

自分がどんな性格で、自分にはどんな仕事が向いているのか

自分はどんな人間になりたいのか、そして、将来どんな人生を歩んでいきたいのか、

そんなことをいつも悶々と考えながら、でも結局は何も見つからなかった。

いままで自分自身と向き合う時間を大切にして生きてきたように思いますが、

「アイデンティティー」を確立することってむしろ自分以外の人と向き合うこと、

そして、新しいことにチャレンジして失敗を繰り返すことなんだと最近感じています。

「アイデンティティー」とは、

「自分がやりたいこと」と

「自分が期待されていること」との狭間にあるもの

「自分が心地いいと感じること」と

「自分がストレスに感じること」との狭間にあるものなんじゃないかと思います。

 

インドに住み始めてもう3年が経ちました。

仕事も私生活も日本とは比べものにならない程に難しい環境だからこそ、

とてもじゃないけど自分ひとりでは生きていけないことを痛感します。

全く違った価値観、考え方、異文化、そして、極端なまでの格差を目の当たりにして

それをかみ砕いて、飲み込んで、消化するまでのプロセスはある種の苦痛を伴いますが、

だからこそ、この地でこの苦痛を共有して生きている人々とのつながりは強く

そんな強いつながりの中から自分らしさを発見することも多いように思います。

日本のような成熟した社会においては特に、

仕事の選択肢、人生の選択肢は無数にある代わりに、

人から期待されていることがなんとなくぼやけている印象です。

幸か不幸かありとあらゆる選択肢が目の前に準備されているから

自分にとって居心地のいい選択肢についつい安住してしまいがちだったのかもしれない

自分らしく生きるための時間の過ごし方ができていなかった

今振り返るとそのように感じます。

一方で、インドのような発展途上の社会・生活環境においては

仕事の選択肢、人生の選択肢は日本と比べると限定的です。

仕事のみならず私生活も含めてチャレンジと失敗の連続ですが、

逆に、自分がこの地で期待されていることはとても明確で、

自分がストレスに感じることでも、否が応でもやるしかない。やってみるしかない。

自分さがし、つまり、「アイデンティティー」の確立とはある意味

そんなチャレンジと失敗を繰り返しながら自分の価値観、考え方でもって

選択肢を少しずつ切り捨てていく作業に似ているのかもしれません。

 

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「原産地規則」がグローバルサプライチェーンに与える影響とは?

TPP、EPA、FTA、そして前回ご紹介したRCEP

これらはまとめて「経済連携協定」や

「自由貿易協定」などと訳されますが

日系企業にとって重要なのは

輸出入にかかる関税の免除もしくは軽減措置

すでに、インドでも多くの国との協定が締結されており、

例えば、ASEAN10か国との間にはFTAが(2010年1月に発効)

日本との間にはEPAが(2011年8月に発効)締結されています。

これによって、輸出入の際に通常適用されるWTO規定の関税率ではなく、

特定の品目を除くその他全ての物品において

関税の免除、もしくは、軽減税率を利用できるようになります。

 

さて、インドに進出する製造業の日系企業にとっては、

必要な原材料や部品等をどれだけ現地調達(インド国内で仕入れること)できるかが

製造コストを削減するために最も重要なポイントになります。

例えば、ここ南インド・チェンナイ近郊に工場を持つ日産自動車が

自動車部品を製造している下請企業に対してチェンナイに進出してきてほしいと願うのは

日本や東南アジア諸国から部品を輸入する代わりに、インド国内で調達することによって

輸入関税やその他の輸入にかかる物流コストを削減できるからです。

ただ、現実的にはある程度をインド国外からの輸入に頼らざるを得ないわけですが、

このEPA/FTAにもとづく輸入関税の免税や軽減措置を活用していくためには

各国と締結している協定の内容を理解し、適用を受けるための準備が必要になります。

 

ここで問題になるのが「原産地規則」というルールです。

つまり、EPA/FTAにもとづく輸入関税の免除や軽減措置は

この「原産地規則」を満たした場合にのみ適用される、というルールです。

これは、他国を経由させて輸入(迂回貿易)したらダメですよ、というもので

例えば、他国の原材料を輸入する場合に、

意図的に日本を経由させてインドへ輸入しても

日本から輸入したものとは認めませんよ、

ちゃんと日本が原産地であることを証明して下さいね、というルールです。

 

原産品であることを証明する「原産地証明書」というものは

日本では商工会議所がその発行機関になっていますが、

一般的に、「原産品」であることを証明するための評価基準とされるのが

「付加価値基準」と「関税分類変更基準」の2つです。

そして、この基準が各国の協定によって異なっていることが

日系企業のグローバルサプライチェーンを管理する上で障壁となっているようです。

 

「付加価値基準」とは、

例えば、2,000円で輸入したもの加工して2,500円で輸出する場合、

20%(500円/2,500円)が付加価値比率として認識されますが、

この付加価値比率が○○%以上であれば「原産品」として認めます、というもの。

一方で、「関税分類変更基準」とは、

「HSコード」という貿易品目を分類するための世界で統一された6桁の番号

輸入時のこの番号が、輸出時の番号と異なれば「原産品」として認めます、というもの。

例えば、液晶画面(HS-8471.60)とハードディスク(HS-8471.70)を輸入して

パソコン(HS-8471.30)を製造して輸出した場合、

HSコードの下2桁が変更するため「原産品」として認めますよ、となるわけです。

(国によっては、上4桁も変更しなければならない、とする協定もあります。)

 

EPA/FTAには、これら2つの基準のどちらかを満たせばOKとする協定が多いのですが、

インドとの協定では、原則、「35%以上の付加価値」かつ「関税分類変更基準」

両方の基準を満たさなければならず、他国には類を見ない厳しい条件が課せられています。

 

ここで、前回ご紹介したRCEP(アールセップ)に期待が寄せられています。

また、このRCEPの発効によってもし統一した「原産品」の判定基準が整備されれば

今後の日系企業のグローバルサプライチェーン管理が改善されるかもしれません。

例えば、日系メーカーが、タイで部品の製造を行い、インドへ輸出している場合、

これまでは、その部品をタイからインドへ輸出する際に、

その部品がタイの「原産品」であることを証明しなければならず、

タイ国内において「35%以上の付加価値」と

「関税分類変更基準」の両方を満たさなければ、

通常のWTO規定の関税を支払わなければなりませんでした。

しかし、RCEPが発効され、インドを含む広域経済圏が形成されると、

日本、タイ、インドがひとつの締約国内として認められるため、

付加価値基準においては、日本及びタイで発生した付加価値の累積で満たせばよく、

関税分類変更基準においては、締約国内におけるHSコードは同じでも問題ないため、

比較的簡単に2つの基準を満たすことができるようになることが考えられます。

製造業の日系企業にとっては特に

今後のグローバルサプライチェーンのあり方を変える

重要なインパクト持つ可能性がありますので注意が必要です。

 

(オフィスから徒歩3分のヨガスタジオにて↓)

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ECB規制とインドにおける資金調達のお話

たまには会計士らしい真面目な話を、、、笑

“貸借対照表(BS)” や “損益計算書(PL)” は

主に以下の4つの事業活動の結果を数字で表しています。

具体的な細かい数字は置いといて、

とりあえずこの仕組みを理解してもらえればと思います。

①    お金を調達する

②    そのお金を使って資産に投資をする

③    それらの資産を使って売上をあげる

④    売上から費用を引いた利益(及び損失)を認識する

 

財務諸表フロー

 

そこで、インド事業を始めるにあたってはまず

①    どのようにして資金を調達するのか、を検討しなければなりません。

上図のとおり、資金調達の方法には大きく分けて

借入金(返済義務のある負債)

出資金(返済義務のない資本)の2つがあります。

 

インドではこの資金調達についてのご相談を受けることが多くありますが、

ここでまずは、“運転資金” という重要な考え方について説明したいと思います。

夢中になっていたドラマ『半沢直樹』がついに終わってしまって寂しいので

ネジを作っている町工場のケースを取り上げてみますが、

下記の1~4はネジの原材料を仕入れてから

製造、販売、売上金の回収に至るまでのプロセスです。

 

1、ネジの原材料を仕入れる(支払期間30日)

2、ネジを製造する(製造期間30日)

3、完成品のネジを倉庫に保管する(製造後、販売までの期間30日)

4、ネジを販売してお金を回収する(回収期間30日)

 

それぞれのプロセスに要する時間を単純化して30日と仮定してみます

どういうことか

つまり、どれだけたくさんのネジを販売できたとしても、

そのお金を回収するまでにはどうしても時間がかかってしまうということです。

このケースだと、ネジを作り始めてからお金を回収できるまでに約3か月かかります。

一方で、ネジの材料の仕入先に対する支払期間は1か月間しか待ってくれませんから、

自社の商品がたくさん売れることがたとえ事前に分かっていたとしても、

ビジネスを継続していくためには最低でも2か月分の資金が必要となります。

これが一般的に言われる“運転資金”です。

 

インドで資金調達をする際に多くの日系企業が頭を悩ませている背景には

インド国外からの借入金をこの “運転資金” として使うことが

原則、認められていないという点にあります。

これはECB(対外商業借入:External Commercial Borrowings)と呼ばれるインド国外からの借入は

インド連邦準備銀行(Reserve Bank of India:RBI)が規程するECB規制によって

資金使途や借入期間等の制約を受けるからです。

つまり、低金利で日本からお金を借りたいけれど、

資金使途に制限があるために借りることができない

一方で、親会社に増資(追加の出資金)を依頼したとしても、

返済義務のない出資金は親会社にとって全額回収できる見込みがないため嫌がられる

さらに、インド国内でお金を借りると金利が高すぎて利息負担が重過ぎる、などなど

 

ところが、2013年9月4日にRBIが新たな通達を発表しました。

それは、ECBであっても以下の条件を満たせば

運転資金を含む一般的な事業資金として借入金を利用しても良いというもの

 

1、貸付側が借入側の株式25%以上を持っていること

2、又貸し等のECB規制に規定された禁止事項に抵触しないこと

3、平均借入残存期間が7年以上で、返済はそれ以降に行うこと

 

正直、まだ前例がありませんから何とも言えませんが、

通常は3年以上の期間において借入が認められているECBが、

“平均借入残存期間が7年以上”という条件が新たに提示されていることにより

結局は相当の金利負担を強いられる結果となることは目に見えていますので

実務的にどのように運用されていくのかが注目されます。

 

(チェンナイ・マリーナビーチの日の出とハトの群れ↓)

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IT大国インドのエンジニア人材争奪戦の舞台裏

日本における人材不足と海外からの人材獲得動向

日本では出生率低下に伴う高齢化社会、世界でも稀にみる人口減少により人材不足に直面しています。経済産業省が2016年にまとめた資料によると、IT部門では、既に約 17 万人もの人材が不足していると言われており、特にIoTやAI、ブロックチェーン等の先端IT技術の需要拡大に対し、高度なIT人材の供給が追い付いていない現状はみなさんもすでにご承知のことと思います。このような背景から海外のIT人材を雇用する動きは増えていますが、特に中国、韓国、アメリカ、ベトナムからの採用が大多数を占め、また、東南アジア諸国において日本は就労先としての人気が高く、特にベトナム人の日本における就労者数の増加率は他国と比較して顕著です。

 

海外志向のインド人ITエンジニアが目指すキャリア

2018年2月に出版された武鑓行雄氏著『インド・シフト』では、“インドのシリコンバレー”と称されるバンガロールを中心に、インド国内の豊富な高度IT人材や世界のトップグローバル企業の海外戦略が紹介されました。つまり、世界の主要企業のほとんどがインド国内に社内向け開発拠点であるGIC(Global In-House Center)を設置しているものの、日本企業の海外戦略については概してまだそのレベルにありません。メルカリ社が新卒インド人材を30人以上雇用したというニュースには注目が集まりましたが、インド人にとって、日本での就労環境は日本人従業員の意識や英語力、コミュニケーション能力などの点において、まだ日本企業がインド人材を積極的に活用できるだけの準備が整っているとは言えません。ちなみに、インド工科大学(IITs :Indian Institute of Technology)はIITに合格できなかったインド人がアメリカのMITやハーバードに行く、などと評されることもあり、極めて優秀な人材が揃います。また、毎年1万人以上が入学するトップ工科大学が全国に23校あり、優秀なエンジニアが毎年大量に輩出される世界でも稀にみるエンジニア大国となっており、グーグルやアマゾンをはじめとする巨大IT企業も新卒で年収一千万円を優に超える金額を提示して毎年超トップ級のインドIT人材争奪戦を繰り広げることは有名です。

製造業を中心とする“メカ系”のインド人エンジニアは日本への関心が比較的高い傾向にあるものの、インドの高度IT人材については概して欧米、特にシリコンバレーに強い憧れを持っており日本での就労を希望するケースは決して多くありません。日本はIT分野の技術力やマーケットの参入障壁、就労後のキャリアプラン等の点においてアメリカのような魅力が不足していると言われています。言わずもがな一番の理由は言語の壁です。インドでの高等教育は全て英語で行われており、いわゆるエリート層の英語力はネイティブに劣りません。驚くことに英語が第一言語であるインド人も決して少なくないため、英語がほぼ通じないと言ってもよい日本国内でインド人が生活をし仕事のキャリア展望を持つことは極めてハードルが高いことは想像に難くありません。また、日本で就労するうえで日本独特の企業文化(飲み会や残業強制、昔ながらの規律や暗黙ルールを前提とする柔軟性の欠如など)や終身雇用を前提とした不明瞭なキャリアパスは、インド人だけでなく外国人にとって理解しがたい事も一般的な障壁としてよく挙げられています。

日本で働くインド人ITエンジニアの声

一方で、少しずつですが日本でもようやくインド人材への注目が集まりつつあります。つまり、2018年10月にIITハイデラバード校で開催されJETROや経済産業省も主催に名を連ねた日系企業の合同就職説明会や、IIT在校生に的を絞った日系企業へのインターンシップサービス(ウェブスタッフ社による日本語教育プログラム“PIITs”)、ここ数年で日系企業へインドの高度IT人材を紹介するサービス等が目立ち始めています。しかしながら、一部の日本文化やサブカルチャーのファンを除いて、より高い給与を得るための”ツール”として日本語を学び、高水準な給与を得るために日本を就労先として選ぶインド人がほとんどであるように感じられます。このような現状を考慮すると、日系企業にとってはIITのような超トップ級工科大学ではなく、南インドを中心とした中堅クラス校の卒業生をターゲットにする方が日系企業との相性が良いように思われます。地方中堅クラス出身のインド人材であれば、南インド特有の比較的温厚な人柄と合わせて、英語もあまり流暢ではなく国際経験も乏しいからこそ、日本語や日本の商習慣を習得することにあまり抵抗がないこと、そして、日本に行くことで自分が希望する給与水準を獲得できるなど、お互いにWin-Winの関係になりやすいと考えます。上記の理由からインドでは中堅クラス校の卒業生を大量採用して日本語や日本の商習慣について社内研修を実施し、日本からのオフショア開発や日本へのIT技術者派遣を専門に請け負っている企業も存在します。一方で、これからの課題としては、就労先として日本を選んでもらう前にまず日本という国に興味を持ってもらうための活動が必要ではないかと感じています。

日本で働きたいインド人をいかにして増やすか

ここで、非英語圏であるドイツとフランスの取り組みについて紹介したいと思います。日本にも拠点を持つ非営利団体「ゲーテインスティテュート(ドイツ)」、「アリアンスフランセーズ(フランス)」は、ドイツ語やフランス語を教える語学学校としてだけでなく、ハイソなカルチャーセンターとしてもインド国内で認識されています。例えば、ゲーテインスティテュートはインド全土に6か所あり、毎週のように子供向けアートイベント、映画祭、アート展、ジェンダースタディーに関するディスカッション等のイベントが英語で行われています。これらの非営利団体は積極的に留学生の斡旋をしているわけではありませんが、ドイツに留学するインド人学生の人数は2017年のデータで約17,000人(大学以上)に対して、日本では約1,000人(高等専門学校以上)となっており、上述のような取り組みがインド人に対するその国の具体的なイメージや知名度の向上に一役を買っていると思われます。

あるインド人エンジニアの話によると、インドの工科系大学生は日本のアニメやゲームカルチャーなどのサブカルチャーとの親和性が比較的高く、オタク文化のファンも多いようです。工科大学には高速LANが整備されているケースが多いため、誰かがインターネットで拾ってきた英語字幕付きの海賊版アニメ動画をファイル共有ソフト等を使ってダウンロードして収集・共有するのが定番となっている、というエピソードを聞いたことがあります。2018年末には、「ANIME INDIA」という日本のアニメ情報を英語で紹介するサイトがインドでオープンしましたが、主催のArjun Arya氏も工学科出身のアニメファンだそうで、「インドで知名度の低いアニメ文化について教育(!)するため」に始めたと同氏のブログ記事に書いており、近年の日本語学習者の中でもアニメファンの割合は急増しているようです。また、新海誠監督のアニメ映画最新作『天気の子』においては、2019年4月にインドでの公開を求める署名活動が起こり、約5万人のファンが賛同し署名をするにまで至りました。なんとその声が新海誠監督や東宝の海外配給担当、インドの配給会社の耳に届き、ついに2019年10月11日からインド国内で正式に公開されることになっています。徐々に富裕層が増加しているインドにおいて、日本を代表する文化であるアニメが、今後のインド人留学生やエンジニアにとって日本に関心を持ってもらうきっかけとしてのコンテンツになるのは間違いないのではないかと感じます。

インド人にとっての日本の就労環境や生活環境の改善、企業の意識改革、そして、オタク文化やサブカルチャーを通じた日印交流の促進などを含め、日本人個人としても乗り越えるべき課題は多く、そのすべての実現にはまだ時間がかかるかもしれません。しかしながら、日本人と南インド人の極めて高い人間的相性を生かして、世界を舞台に活躍を続けるインド人から私たち日本人が学ぶことを意識すれば、私たちの未来はそう暗くないと信じています。日本とインドが相思相愛の関係になることを祈って。

 

※写真はバンガロール在住永田氏より提供。同氏のブログはこちら

バンガロールで開催された『コスプレウォーク2019』の様子

 

インドに多大な影響を与えた外国人を知る

「インドに多大な影響を与えた外国人3名と言えば?」

そう聞かれて誰を思い浮かべるでしょうか。お恥ずかしながらピンとこなかった私。

インド駐在経験が豊富なある方からの一言「インドに住むならそれぐらい知っておけ」

そんな言わずとしれた3名の外国人についてご紹介したいと思います。

 

1, マザー・テレサ(1910年マケドニア生まれ。キリスト教徒。)

マザー・テレサは、「飢えた人、裸の人、家のない人、体の不自由な人、病気の人、必要とされることのないすべての人、愛されていない人、誰からも世話されない人のために働く」ことを目的として創立された修道会「神の愛の宣教者会」の創立者です。もともとカトリック教会の修道女で、若いころからコルカタの聖マリア学院で20年近くにわたって地理を教えていた彼女は、後に貧しい人々のために無料で授業を行うようになり、また、ヒンズー教の廃寺院を利用して、ホスピスや児童養護施設を開設。少しずつ彼女の活動がインド全土に知れわたるようになりました。

相手の宗派や置かれている状況を問わずに、献身的かつ長期的に苦しみのなかにいる人々に安息をもたらしたとして、1979年に「ノーベル平和賞」を受賞。ノーベル平和賞と言えば、「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」という非核三原則を提唱した佐藤栄作が日本人として唯一1974年に受賞した賞。また、「インドの宝」という意味で、インド国民に与えられる最高の賞と言われる「バーラト・ラトナ賞」や、アメリカ合衆国政府によって外国人に与えられる名誉市民権で、現時点で歴史上7名にしか授与されていない「アメリカ名誉市民」に選出されています。なんと、インド大統領や首相以外で国葬されたのはあの有名なサティヤ・サイ・ババとマザー・テレサしかいないのだとか。

 

2, ソニア・ガンディー(1946年イタリア生まれ。キリスト教徒)

ソニア・ガンディーはイギリスのケンブリッジ大学留学中にインド人であるラジーヴ・ガンディーと知り合ったことによって人生の大きな転機を迎えます。つまり、インド初代首相ジャワハルラル・ネール氏、その娘でその当時の首相インディラ・ガンディー氏、さらにその息子がラジーヴ。つまり、ソニアはネール・ガンディーの一族であり、かつ、当時のインド首相の息子ラジーヴと恋に落ちて1968年に結婚します。

ラジーヴは1980年ラジーヴの弟の飛行機事故を機に政治に関わり始め、1984年母親インディラの暗殺後にその地位を引き継いで首相に就任しました。そして、ソニアはついにインドのファーストレディーになります。しかし、悲劇的なことに1991年に夫であるラジーヴまでも暗殺されてしまいます。ラジーヴは、統一タミル国家建設を目的としたLTTEという過激派グループの女性自爆テロによって暗殺されましたが、その暗殺現場は他でもないタミル・ナードゥ州のチェンナイ郊外でした。

2004年に迎えた総選挙では、イタリア人であるソニアがついに首相候補として選出されましたが、イタリア生まれであることが批判されていたこともあって自ら首相就任を固辞。代わりにマンモハン・シンを首相に指名したという経緯がありますが、現在もなおコングレス党(インド国民会議派)の総裁として、夫が暗殺された後も政治に関わり続けています。

 

3, 鈴木修(1930年日本生まれ)

そして、忘れてはいけないのがなんと言っても我らが日本人である鈴木修氏。インドの自動車産業を振り返ると、鈴木修氏が率いるスズキのインドにおける影響力がいかに大きかったかがよく分かります。遡ること80年以上も前の1930年代、米ゼネラル・モーターズ(GM)と米フォードはすでにノックダウン方式による生産をインド国内で始めていました。しかし、インド政府は国内産業を保護するために、外資規制や部品輸入の制限等を行い、ついに1954年にGMとフォードはインドから撤退してしまいます。そんなGMとフォードの撤退以降、外資として初めてインド市場に参入したのがスズキ自動車です。

インド政府とスズキ自動車の合弁であるマルチ・ウドヨク社は、当時のインド首相であったインディラ・カンディーの次男であるサンジャイ・カンディーが、国民車開発構想の下に立ち上げた自動車メーカーを国有化して外資と組むことで、それまでの技術や工業化の遅れを取り戻すことを目的として1981年2月に設立されたもの。当初、インド政府は欧州メーカーと組む予定だったそうですが、鈴木修氏社長自らが、当時GM本社があるデトロイトに出向いていたインド調査団を訪問し、積極的なプレゼンテーションによって相手の関心を惹きつけ、インド政府をこちらに振り向かせたことによって、政府との合弁によるインド進出を見事に果たしました。鈴木修氏の力強いリーダーシップとインド市場に対する覚悟が、スズキ自動車の海外事業の強化だけにとどまらず、インド自動車産業そのものの発展や技術革新等に大きく貢献しました。

 

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チェンナイメトロ路線図を眺めてみる

先日チェンナイの道路をオートで走っていたら

工事中の囲いの中に直径7メートルぐらいはあろうかという

円柱系のドデカい機械を発見

(写真を撮り忘れてしまったのでお見せできなくて残念)

ちなみにその機械メーカーのリンクはこちら

 

どうやら地下鉄用トンネルを掘るための機械のようです。

デリーやムンバイなどではすでにメトロ(地下鉄)が運営されているようですが、

ここチェンナイではメトロ開通に向けて現在工事の真っ最中

 

昨年9月のBusiness Standardの記事によると

人口200万人超のインド国内19都市において

順次メトロ整備プロジェクトをスタートさせていく、とのこと。

日系企業にとってはこういうビジネスチャンスをつかみ取っていきたいところ

チェンナイでは JICA(独立行政法人 国際協力機構)が

円借款としてインド政府との貸付契約を締結していて、

「チェンナイ地下鉄建設事業」として

日本はチェンナイメトロの整備プロジェクトに関わっています。

ただ、このような都市インフラ整備プロジェクトは

当初から官民連携を前提にているケースが多くて、

そのプロジェクトに入り込むために

中央政府や州政府のインフラ整備政策を事前によく理解すること

そして、プロジェクトそれぞれの入札に関する具体的な情報をつかむことが重要です。

そのためには現地のコンサルタントを利用することも必要になってくると思われます。

 

チェンナイメトロがいつ開通するのかは分かりませんが、

全部で32駅できる予定のようです。

この完成予定路線図を眺めていると

メトロが開通する頃にはチェンナイでの生活も随分と変わってくるだろうなとワクワクします。

(Chennai Metro Rail Limitedホームページより)

Chennai Metro

 

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タミル・ナードゥ州首相に有罪判決!

2014年9月27日(土)の昼過ぎ

タミル・ナードゥ州首相である

ジャヤラリタ氏(66歳)に有罪判決が下され、

実刑4年の懲役。10億ルピーの罰金が言い渡されました。

チェンナイ市内では多くの警察官が出動して

メディア関係者と共に街中は騒然としており

また、不気味な静けさもあって物々しい雰囲気です。

その頃、外出先のカフェにいたのですがすぐに店から締め出されてしまいました。

また、同氏の政権グループであるAIADMK支持者が暴徒化して

公共バスや二輪車、自動車等が放火にあったり、

最大のライバル政権でもあるDMK関連者が被害にあっている模様です。

 

18年も続いたという裁判でいったい何が起こっていたのか

ニュースや新聞等の記事を参考に簡単にまとめておきたいと思います。

 

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(Source:2014年9月27日付”THE HINDU”紙の記事より)

 

ジャヤラリタ氏がタミル・ナードゥ州の州首相に初めて就任したのが1991年

AIADMK政権の州首相となったジャヤラリタ氏に対して、

その当時、Janata政権(現在のBJP政権)のリーダーであり

そして、18年前に裁判を起こした当事者でもあったスブラマニアン氏によると

ジャヤラリタ氏の州首相就任当初、同氏には約2,000万ルピーの資産しか無かったとのこと。

しかしながら、1991年に州首相に就任し、申告上の給与は1ルピーであったのにもかかわらず

州首相を辞職した5年後の1996年には、同氏、そして、その同居人3名の

総資産額は約6億6,000万ルピーになっていたのだとか。

これらの資産には土地や金宝飾、サリー等も含まれていて、

また、同居人でありかつ養子でもあるスドハカラン氏の1996年の結婚式では

約5,000万ルピーものお金が使われたと報道されています。

起訴された1996年当時から、第一審裁判所や高等裁判所、最高裁判所と

長い年月をかけてその他も含めて計14件の訴訟が争われていたようですが、

実はそのほとんどが無罪判決に終わっていたようです。

一方で、今回の資産隠ぺいにかかる訴訟に関しては

最大のライバルであるDMK政権のリーダーであるアンバザガン氏と、

そして、当初起訴したBJP政権のスブラマニアン氏の後援もあって

公平な裁判を行うためにも法廷の地がバンガロールに移され、

結果的に18年も続いた資産隠ぺい容疑に対する裁判は

ジャヤラリタ氏に初めての有罪判決が言い渡される結果となったということのようです。

 

実際、インド国内の政治家の世界はこのような汚職が当たり前のようで

インド人にとってはこんなこと日常茶飯事だと言わんばかりの様子ですが、

これを当たり前のままにしてはいかん!

少しずつでも変わっていってほしいものです。

 

しばらくチェンナイ市内も道路の閉鎖や暴動が起きる可能性がありますので

危険に巻き込まれないよう十分に注意しましょう。

 

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