先日10年ぶりに新しく選出された
インドネシアの新大統領ジョコ・ウィドド氏。
地方自治体トップでの実績が認められ、
頼れる“庶民派”として
国民からの期待が集まっているようですが、
その生い立ちは
今年の5月に10年ぶりの政権交代を実現させた
インド新首相ナレンドラ・モディ氏のそれとまさに重なります。
中国に次ぐアジアの二大大国インドとインドネシアが
今後どのような経済成長を見せるのか注目していきたいと思います。
さて、2014年7月10日に発表された
新政権下における初めてのインド中央政府予算案(2014-2015)の中から
日系企業に関連がありそうな税制改正の部分にフォーカスして、
その概要を「直接税」と「間接税」の2つに分けてご紹介したいと思います。
今回は、直接税に関する改正内容です。
1.個人所得税の免税基準の引き上げ
個人所得税の累進税率には変更がありませんでしたが、免税の基準となる金額が20万ルピーから25万ルピーに引き上げられ、年間所得が25万ルピー(約45万円)までは個人所得税が非課税になりました。(※その他税率の基準となる金額に変更なし)
2.配当分配税(DDT:Dividend Distribution Tax)の計算方法の変更
DDTの計算がグロスアップによる計算方法に変更され、DDT負担額が少し増えることになりました(税率は変更なし)。なお、DDTは法人税法上損金不算入であり、かつ、外国税額控除の適用対象外であるため、親会社等への資金還流方法については注意が必要です。
3.設備投資に関する優遇税制の条件緩和
新しい設備に対する投資額の条件が10億ルピーから2億5千万ルピーに引き下げられ、当該設備の投資総額が2億5千万ルピーを超える場合に、その取得額の15%を追加的に所得控除できることになりました。対象となる設備投資は2014年4月1日から2017年3月31日の3年間に取得・導入され、以後5年超継続的に使用されるものに限ります。
4.長期債券の調達に関する優遇税制の適用期間(時限立法)の延期
外国通貨によって支払われた非居住者に対する借入利息について適用できる源泉所得税の軽減税率5%の適用期間が、2017年6月30日まで延長されました。なお、インド国内法による一般税率は20%、日印租税条約による軽減税率は10%です。
5.事前確認制度(APA:Advance Pricing Agreement)の遡及適用が可能に
移転価格税制におけるAPAが、2014年10月1日以降、一定の条件下において申請時から4年間遡って遡及適用することが可能(ロールバック制度の新設)となり、申請前後で合計9年間適用できることになりました(従来は申請後5年間のみ)。世界最大級の訴訟件数を記録しているインドの移転価格税制への対応状況を考慮した規制緩和と言えます。
6.独立企業間価格(ALP:Arm’s Length Price)の算定方法の提案
移転価格税制におけるALPの算定は、従来はサンプル取引の平均値に基づく算定(例えば、4つのサンプル取引価格5+6+8+9の平均値である7がピンポイントでのストライクゾーン)が基本でしたが、今後はサンプル取引のレンジ概念に基づく算定(5, 6, 8, 9)の最低値5と最高値9を除く範囲内での数値)を採用することが提案されました。
7.源泉税(TDS:Tax Deducted at Source)に関連する損金不算入制度の規制緩和
居住者に対する費用の支払の際に、TDSの控除もしくは納付を実施しなかった場合には、処理された当該費用の30%のみが損金不算入となった(従来は100%全額損金不算入)。また、当該損金不算入制度の対象となる費用に、給与や役員報酬もその範囲に含められたため注意が必要です。
次回は、間接税に関する改正内容についてご紹介したいと思います。
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