インドの経済特区 「SEZ」 とは?

by 田中啓介 / Keisuke Tanaka

「SEZ」というのをご存知でしょうか?

インドには国内にいながらにして

外国のように取り扱われる経済特区(SEZ:Special Economic Zone)があります。

ここに入居する企業は主には税務上の優遇措置を享受することができるんです。

外国のように取り扱われるのでもちろん関税は100%免除

逆に、SEZからインド国内への販売をしたときに初めて

国内購入者がその輸入関税を支払うことになります。

つまり、SEZ企業ではなく、この国内購入者が輸入したことになるんです。

そして、その他の物品税、サービス税、中央販売税等も100%免除

さらに法人税は最初の5年間は100%免除

次の5年間は50%免除

そして次の5年間は収益を再投資することによってさらに50%免除

ただ、ここ数年でSEZ企業が受けている恩恵も縮小傾向にあるようです。

2011年6月から以前は免税されていた

分配税(DDT:Dividend Distribution Tax)が課税されるようになり、

また、2012年4月から以前は免税されていた

最低代替税(MAT:Minimum Alternative Tax)も課税されるようになりました。

特に、この最低代替税の課税変更の影響は大きかったと言わざるを得ません。

最低代替税とは、法人所得税の納付額が帳簿上の利益の 〇〇% を下回る場合に、

最低でも帳簿上の利益の 〇〇%(同割合)を税金として納めなさい、というもので

インド課税当局が安定した税収を得るための制度になっています。

この制度は日本ではあまり馴染みがありませんが、

実はアメリカや諸外国でも同様の制度があり、特にインド特有の制度というわけではありません。

 

この写真はチェンナイ中心地から南に約50キロのところにある工業団地“マヒンドラワールドシティ”

ちなみにインド国内では100以上のSEZが運営されているようですが、

この敷地の半分近くもSEZにあたるようです。

SEZ企業が受けている恩恵が縮小傾向にあるとは言っても

日本企業がインドを輸出拠点として見た場合には

やはりこのSEZを利用するメリットは非常に大きいと思われます。

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