インドの会計と税金

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インドの減価償却費にかかる3つの法規定とその経理実務について理解する

南インドのチェンナイは自動車産業を中心とした製造産業が集積しており、多くの日系メーカーが進出しています。製造業者の経理実務において特に注目されるひとつの論点に「減価償却費」というものがあります。“減価償却”とは、時間の経過や使用によって価値が減少する資産を、その資産を取得した年度にまとめて費用に一括計上するのではなく、その資産の耐用年数にわたって少しずつ費用計上していく会計処理のことを指します。例えば、30万円で購入したパソコンの耐用年数が3年だと仮定すると、買った年に30万円の経費を一気に計上してしまうのではなく、3年間かけて毎年10万円ずつ経費を計上していく、この会計処理のことを“減価償却”といい、毎年計上する10万円の経費のことを「減価償却費」といいます。

 

まずは基礎編。減価償却費を理解するための3つの側面とは?

 さて、インドの法規定をご紹介する前に、まずは「減価償却費」をより理解するための3つの側面についてご紹介したいと思います。具体的には(1)損益計算に影響を与える「費用配分」の側面、(2)保有資産価値に影響を与える「資産評価」の側面、(3)キャッシュフローに影響を与える「資金回収」の側面、の3つです。

(1)費用配分の側面

こちらはすでに序章でご紹介をしたとおり、30万円のパソコンを3年間にわたって少しずつ費用計上をしていく(費用を毎年10万円ずつ3年間に配分する)ことで、買ったときに一度に費用計上をしないようにする、というものです。

(2)資産評価の側面

会社は、保有している資産の価値を“貸借対照表”という決算書の中で明確に示す必要があります。例えば、30万円で購入したパソコンという資産の価値は、購入したときは30万円ですが、1年後も2年後もずっと30万円のままではありません。1年後の価値はきっとある程度は下がっている、と考えるのが自然です。つまり、(1)で配分した減価償却費を差し引いた残りの金額30万円-10万円=20万円が1年後のパソコンの価値であると考える、というのが資産評価の側面です。

(3)資金回収の側面

会社は、30万円で購入したパソコンを使って、いろいろな経費を使いながら顧客からの売上を得て、そして、利益を稼ぎます。例えば、パソコンを購入した翌年、年間売上が100万円、年間費用が60万円だったと仮定します。つまり、2年目の利益は100万円-60万円=40万円です。ところが、「利益である40万円」=「手元に残ったキャッシュ」ではない点に注意する必要があります。経費60万円の中には(1)で配分したパソコンの減価償却費である10万円が含まれています。パソコンの費用は1年目にすでに全額支払ってしまっていますので、2年目に計上されている減価償却費は、費用が計上されているにもかかわらず実際には10万円のお金が支払われているわけではありません。つまり、2年目は手元に40万円+10万円=50万円のキャッシュが残っていることになります。会計上の利益は40万円ですが、キャッシュフローとしては毎年追加で10万円の資金が回収されていくという風に考えることができます。

 

最初に抑えるべきインドの減価償却費にかかる3つの法規定とは?

インドの減価償却費は、会計上の規定である、(1)「インド会計基準(AS6)」と(2)「インド新会社法」、そして、税務上の規定である(3)「インド所得税法(Section 32およびIncome Tax Rule, 1962 New Appendix 1)」の主に3つの法規定によって取り扱いが定められています。(1)の「インド会計基準」では、経済的耐用年数(=資産を中長期的に使用して経済的に耐えうる実務的な年数)を考慮することのみが規定されているため、あまり気にする必要はありませんが、注意が必要なのは(2)「インド新会社法」と(3)「インド所得税法」です。今回は、大きく分けて「会計上の減価償却費」と、「税務上の減価償却費」についてそれぞれ注意すべき点をご紹介したいと思います。

 

インド新会社法における減価償却費について(=会計上の取り扱い)

 インド新会社法では、定額法(Straight Line Method)もしくは、定率法(Written Down Value Method)のいずれの償却方法も認められています。そして、新会社法の“SCHEDULE II”において、資産グループごとに耐用年数が規定されており、これらの耐用年数に基づき計算される減価償却費を“最低償却額”(=最低限計上すべき減価償却費)として規定しています。

固定資産大区分

耐用年数

建物(工場)

30年

機械設備(一般)

15年

機械設備(継続的加工)

8年

什器備品

10年

車両

8年

オフィス家具備品

5年

コンピューター

3年

 

機械装置などの製造設備については、1シフトから3シフトまでの稼働時間に基づいて償却額が決定され、1シフトによる減価償却費を基準として、2シフトの場合には50%割増、3シフトの場合には100%割増することによって償却額を計算します(※建物や車両、什器備品といったその他の固定資産はシフト計算対象外)。

なお、新会社法に規定されている耐用年数よりも短い耐用年数を採用する(“最低償却額”を超える減価償却費を計上する)ことは可能ですが、その場合には、決算書の注記にて規定とは違う耐用年数を適用している旨の開示が必要となり、また、規定よりも短い耐用年数が合理的であることを示す証明書(=Technical Evaluation Certificateなど)の文書を整備しておくことも求められる可能性があるため、会計監査人に事前に相談しておくことをおすすめいたします。

 

インド所得税法における減価償却費について(=税務上の取り扱い)

インド所得税法では、定率法(Written Down Value Method)のみ採用することが認められており、所得税規則(Income Tax Rule, 1962)の“New Appendix 1”において、資産グループごとの償却率が規定されています。

固定資産区分

償却率(定率法)

住居以外の建物

10%

機械設備

15%

什器備品

10%

車両

30%

コンピューター

60%

その他無形固定資産

25%

 

インドには、日本にあるような少額資産等の規定はないため、原則、固定資産であればすべての資産が減価償却対象となります。インド特有の税務上の取り扱いとして挙げられる、(1)ブロック単位償却、(2)期中取得資産の180日ルール、の2点について、簡単にご紹介したいと思います。

(1) ブロック単位償却

インドの税務上では、減価償却費の計算の際に、「建物」や「機械設備」、「什器備品」などの資産区分を「ひとつのブロック」として認識するユニークな考え方を採用しており、固定資産ひとつひとつの個々の価値を考慮しません。したがって、個々の除売却損益も認識しないため、例えば、ある特定の固定資産を除却したとしても、税務上では除却損を認識せずに(=当該固定資産の簿価を残したまま)償却費の計算をします。(※一部の産業を除いてすべての産業において適用されます。)

(2) 期中取得資産の180日ルール

インドの税務上では、期中に新規取得した資産については、取得日から期末までに180日以上を経過している場合には、一律1年分の減価償却費の計上が認められ、期末までに180日未満しか経過しない場合には、一律6か月分の償却費が認められます。(※つまり、期末最終日3月31日に資産を取得したとしても、6か月分の減価償却費を計上することが可能)

  以上のことから、インドでは会計上の固定資産台帳と、税務上の固定資産台帳は全く別物として作成・管理しておく必要があります。設備投資が大きければ大きいほど、減価償却費が事業計画や実際の損益、キャッシュフローに与える影響は大きく、これらの会計上および税務上の取り扱いおよびその違いについて事前に正しく理解をした上で検討をしておくことがとても大切になります。

 

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速報!Vodafone税務訴訟判決!租税回避とその動向

昨日2014年10月10日(金)

ムンバイ高等裁判所にてある判決が言い渡されました。

Vodafoneのインド子会社が発行した株式を巡って

長くに渡って争われてきた移転価格に関する税務訴訟です。

簡単に争点を説明すると、

親会社に対してプレミアム発行を行った株式が

(※1株当たり額面10ルピー、プレミアム8,500ルピーとして発行)

親会社に対する不当に安い価格での株式譲渡に当たるとして

インド税務当局が主張する株価(※1株当たり53,775ルピー)との差額に対して

総額で約540億円もの課税をVodafoneに対して主張しており、

Vodafoneはこの多額の課税処分の取り消しを求めていました。

その結果、昨日Vodafoneが見事に勝訴を勝ち取ったようです。

Vodafone以外にも、シェル石油や香港上海銀行(HSBC)など多くの関連会社が

同様の移転価格に関する税務訴訟のまさに係争中であり、

今回の判決はVodafoneだけでなく、その他の企業、そして、今後の投資家に対して

インド市場への投資を促進する上で意味のあるポジティブな判決となったと言えます。

(※なお、インド税務当局が最高裁へ上告する可能性はまだ残されています。)

 

ボーダフォン

(※上図は分かりやすくするために簡略化しています。)

 

さて、ボーダフォンと言えば

「ボーダフォン事件」というインドで有名なもう一つの訴訟案件があります。

2007年にVodafoneのオランダ法人が、

インド法人に対して支配権を持つ国外の中間持株会社の株式を取得することによって、

間接的にインド法人の支配権を取得して租税回避行為を行ったとして、

インド国内におけるその課税関係が争われたものです。

このような間接的に持株会社を買収する節税スキームは一般的ではありますが

2010年9月にムンバイ高等裁判所は、Vodafone側の異議申し立てを却下し、

インド税務当局の主張を認める判決が下されてしまいました。

当然にVodafoneのみならず、海外投資家までもこの判決には驚きを隠せませんでした。

この判決の結果、Vodafoneに対しては約26億ドルもの課税処分が行われましたが、

Vodafoneは判決結果に不服であるとしてインド最高裁判所に上訴し、

その2年後の2012年1月に最高裁による判決で、

ようやくVodafone側の異議を認める逆転勝訴判決を勝ち取りました。

ところが「ボーダフォン事件」と言われる所以になった事態が起きます。

なんと2012年5月に、インド政府は間接的な買収に対しても課税できる税制改正を行い、

しかも、その税制改正について遡及的に適用できる旨のルールを定めました。

つまり、インド最高裁で「課税されない」という判決が出されたにもかかわらず

税制改正によって「課税できる」ことになり、税務訴訟は白紙に戻ったことになります。

現在もこの訴訟は係争中で、多くの投資家がその行方を見守っている状態です。

 

租税条約

 

なお、インド・モーリシャス租税条約やインド・シンガポール租税条約には

両国の法人が中間持株会社としてインド法人株式を保有し、譲渡した場合には、

その譲渡によって生じるキャピタルゲインはインド国内で課税されない旨を規定しており、

多くの投資家が節税目的でこの両国をインド投資の経由地として利用しています。

 

Investment Shares

(※Source : インド商工省DIPP(Department of Industrial Policy & Promotion)のHP)

 

実際、インド商工省のDIPP(Department of Industrial Policy & Promotion)によると

過去15年間のインドへの投資総額ランキングの上位2か国が

1位:モーリシャス(全体の37%)と2位:シンガポール(同11%)となっています。

ちなみに3位はイギリス(同10%)、4位が日本(同7%)、5位がアメリカ(同6%)です。

モーリシャスやシンガポールからの投資は、あくまで“経由地”としての投資がほとんどなので、

実質的にはイギリス企業、日本企業、アメリカ企業の貢献度が大きいことになります。

 

(↓↓チェンナイでは珍しい世界各国のコーヒー豆が買えるCafe Coffee Day@ Nungambakkam↓↓)

珈琲豆

 

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日印租税条約と外国税額控除制度について

「二重課税の排除」と「脱税の防止」などを目的に

二国間で締結されているのが租税条約です。

日本とインドの間でも

日印租税条約が締結されていますが

インドに進出している日系企業は

インドから日本へ何らかの支払をする際に

この租税条約を考慮する必要があることは良く知られているところかと思います。

つまり、日本の親会社がPAN(納税者番号)を取得し、日印租税条約を適用することで

一定の支払時に控除すべきTDS(源泉所得税)の税率を軽減させることができます。

例えば、インド子会社から日本の親会社に対して

技術役務提供の対価としての報酬やロイヤリティ等を支払う場合、

通常25%のTDS(源泉所得税)を控除して残りの75%を日本へ支払うことになりますが、

日印租税条約を適用することによって税率が一律10%となり

残りの90%を日本へ支払うことができるようになります。

一方で、インド側で控除された10%のTDS部分については

日本側で外国税額控除として納税額から直接控除することが可能となります。

なお、日印租税条約を適用して税率が10%であっても、

日本側では25%の外国税額控除が適用できるとする「みなし外国税額控除制度」は

2006年における改正議定書において廃止されています。

 

しかし、ここでの注意点が2つあります。

まず一つ目は、日印租税条約を適用した場合に日本の親会社が

インドの税務当局に対して直接、別途申告書を提出する必要がある点です。

実際に、インドの税務当局から申告漏れの指摘を受けている企業も出てきています。

少額の取引だし、そこまで手間・費用をかけたくないという企業の本音もある中で、

この手間・費用を避けるためにあえて日印租税条約を適用しないケースや

そもそも日本の親会社の申告義務を知らなかったケースも散見されます。

 

そして、二つ目は、日印租税条約を適用しなかった場合に

インド側で控除された25%のTDS部分については

その全額25%を日本側で外国税額控除として納税額から控除できない点です。

これは「租税条約による限度税率超過税額」に関する規定として

租税条約による限度税率(この場合10%)を超える源泉税部分については

外国税額控除が認められないこととなっているからです。(法人税基本通達6-3-8)

 

取引価格の重要性に応じて、

日印租税条約を適用させるか否かを適宜判断するしかありませんが、

その判断を行う上で、上記2点を考慮する必要があることにご注意ください。

 

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外食時のトリプルパンチ!

インドで外食した時に支払っている代金が

あなたが知らない間に高くなっている可能性があります。

その理由は2013年4月以降のサービス税の取り扱いが変わったから。

THE TIME OF INDIAの記事でも取り上げられていますが、

この4月1日から基本的に全てのレストランで

サービス税4.94%が課税されることになったんです。

今まではホテル内に併設されているような高級レストラン以外では

基本的に消費税(14.5%)とサービスチャージ(概ね5~10%)が請求され、

サービス税は課税されていませんでした。

ところが、4月1日に外食をした際の請求書を見てみるとやはり・・・

領収書

サービス税4.94%が取られています。

「VAT(消費税)」

「Service Charge(サービスチャージ)」

「Service Tax(サービス税)」

のトリプルパンチ!

さすがにやりすぎだろうと文句を言ってみましたが、

制度が変わったから仕方ない、とのこと

ただ、小規模チェーンのレストランであれば消費税率2%が適用されているようなので

まだ許容範囲内でしょうか

 

ちなみに「Service Charge(サービスチャージ)」は、

お客側からスタッフへの“チップ”の意味合いがありますが

この4月以降は、消費税とサービス税のみを請求し、

サービスチャージを請求してこなくなったレストランも多々見かけます。

そもそも“チップ”はお店側から請求されるようなものではないので、

そう考えるとあるべき姿に少し近づいたようにも思いますが、

兎にも角にも、

なんで消費税とサービス税、両方取られなきゃなんないの?

と、どうも腑に落ちない税制であることに変わりはありません。

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THE UNION BUDGET 2013-14 (インド予算案)

昨日2013年3月29日に

日本では税制改正関連法が、参院本会議にて成立しました。

設備投資等への減税策や

富裕層への増税策などが盛り込まれているようですが、

インドでも、毎年恒例のインド予算案がこの2月末に発表されています。

細かい論点はたくさんありますが、

今日はその中でも日系企業にも影響が出そうな

税制改正3点についてご紹介したいと思います。

 

(1)、法人と個人の所得税および配当分配税へのサーチャージ

まず、年間課税所得が1,000万ルピー(約1,700万円)を超える富裕層のみ

10%のサーチャージ(課徴金)が追加で取られることになりました。

この改正によって、個人の最高実効税率は33.99%になります。

少し余談になりますが、

この富裕層の人数が、昨年度の確定申告の実績上、

インド国内にわずか42,800人しかいないとの発表もされていました。

提携先の会計事務所とこの件について話していると、

さすがにこの数字はあり得ない、とのこと。笑

その背景として考えられるのは、

富裕層である政治家はおそらく申告していない、

農業事業者の所得は非課税なのでそれも多少影響がある、

投資家が得ている配当所得も基本的に非課税なのでそれも影響があるだろう、

というお話です。

ちなみに、野村総合研究所が発表しているレポートによると

日本の富裕層(投資可能資産1億円以上)の世帯数は約85万世帯もあると言われています。

一方、年間課税所得が1億ルピー(約1億7,000万円)を超える内国法人(子会社等)も

同様にサーチャージが5%から10%に引き上げられ、実効税率は33.99%に。

また、年間課税所得が1億ルピーを超える外国法人(支店等)も、

同様にサーチャージが2%から5%に引き上げられ、実効税率は43.26%になります。

最後に、配当を支払う側が課税される配当分配税(DDT: Dividend Distribution Tax)も

同様に、サーチャージが5%から10%に引き上げられ、実効税率は16.995%になります。

 

(2)、製造業者の新規取得資産に対する所得控除(Section 32AC of Income Tax Act)

これは中堅および大手製造業が対象になりますが、

2013年4月から2015年3月末までの期間において

総額10億ルピー(約17億円)超を “新規資産”  へ投資した製造業者は、

その投資額の15%相当額を、課税所得から控除することができます。

なお、“新規資産”と認められるための条件が設定されていることと、

それら資産を事業の用に供した日から最低5年間は保有しなければならいないこと等の規定があり注意が必要です。

 

(3)、非居住者へのロイヤリティや技術上の役務に対する支払に関する源泉所得税(TDS)(Section 115A of Income Tax Act)

非居住者(日本の親会社等)へロイヤリティや技術上の役務に対する支払を行う際のTDSが

従前の10%から25%に引き上げられました。

なお、日印租税条約において規定されている10%は、

要件を満たせば引き続き採用できると考えられます。

その要件とは、

(a)支払の受け取り側である日本の親会社がPAN(Permanent Account Number)を取得

さらに2013年4月以降は(a)に加えて、

(b)日本の親会社が居住者証明書(TRC: Tax Residency Certificate)を取得し、

(c)インド子会社に送付する必要があるため注意が必要です。

 

日系企業にとって有用だと思われるインド税制やスキームについて

今後少しずつご紹介していきたいと思います。

(安倍さんが首相指名選挙で指名された時の記事。タミル語なので全然分かりませんが。笑)

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インドに流通する「紙幣」と「硬貨」のおはなし

最近、インドで新札をよく見かけます

特に多いのが1,000ルピー札と500ルピー札

インド経済の発展、そして、インフレが着々と進む中

高額紙幣である1,000ルピー札と500ルピー札が

より多く流通するようになってきたことの現れでしょうか

 

ちなみに、インドの最高額紙幣は1,000ルピー札(約1,600円相当)

そして、ご存知のとおり日本では10,000円札ですが、

世界にはもっと高額な紙幣がたくさんあるようです。

現在、流通している世界最高額の紙幣は

シンガポールの10,000ドル札(約770,000円相当)

その他にも、スイスの1,000フラン札(約105,000円相当)

ユーロ圏の500ユーロ札(約65,000円相当)などがあるようです。

日本では1957年に初めて5,000円札が聖徳太子の肖像デザインで発行され、

翌年の1958年に、初めて10,000円札が同じく聖徳太子の肖像で発行されました。

インドにも将来、5,000ルピー札や10,000ルピー札が発行される日が来るのでしょうか

ちなみに、インドでは原則全ての紙幣がマハトマ・ガンジーの肖像デザインになっています。

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さて、インド貨幣の話に戻りますが、

最近、10ルピー硬貨(約16円相当)もよく目にするようになってきました

もともと10ルピーは「紙幣」として流通していましたが

「紙幣」から「硬貨」へと移行されつつあるのかもしれません

ここでひとつ疑問なのが、なぜ「紙幣」から「硬貨」へ変わるのでしょうか

この謎を解くにはそもそも、なぜ高額な貨幣は「紙幣」で

低額な貨幣は「硬貨」なのか、を考える必要がありそうです。

本当のところはよく分かりませんが、こう考えるみることにします。

まず、大前提として「硬貨」は偽造されやすい

例えば、日本で1万円玉を作ってしまうと

簡単に偽造されてしまい、きっと安定した貨幣経済の維持が難しくなります

一方で、「紙幣」は偽造されにくい

様々な偽造防止技術が導入され、そう簡単には偽造できないのが「紙幣」です

簡単に偽造できても相応の価値が得られない

つまり、貨幣経済に影響を与えない低額な貨幣を「硬貨」で

偽造したくても簡単にはできない高額な貨幣を「紙幣」として

流通させているのが背景にある理由ではないかと思われます。

仮に現在のインドが「10ルピー紙幣」から「10ルピー硬貨」に変わりつつある過渡期だと仮定すると、

インド社会にとっての10ルピー(約16円)という貨幣価値は

今までは偽造されてしまうと問題になり得るレベルであったのに対して

今まさに、偽造されたとしても問題にはなり得ないレベルに

少しずつ移行しつつあるのかもしれません

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受取利息にまつわるインドの個人所得税のお話

1年ほど前からインドで定期預金をしています。

銀行で個人口座を開設すれば基本的に誰でも

オンラインですぐに始めることができます。

1週間単位の短期から数年単位の長期まで、

預金利息は概ね8%~9%と高金利です。

例えば、100万円を6ヶ月間定期に預けると

半年後に約4万円の利息を得ることができる計算になります。

ところで、所得を得るとそれに対する税金(所得税)を払わないといけないのが世の常。

今回は、金融機関からの受取利息にまつわる

インドでの個人所得税と源泉徴収義務について簡単にご紹介したいと思います。

 

ちなみにこちらはHDFC銀行の定期預金の利率表↓↓↓

HDFC Interest rate

 

原則、インド国内で受け取った利息収入は、“その他の所得(Income from other sources)”という名目で課税所得として認識されますが、“普通預金”の受取利息に対しては年間最大10,000インドルピーまでの所得控除が認められており、10,000インドルピーを上限に課税されることはありません。また、“普通預金”の受取利息に対しては、所得税の前払いの性質を持つTDS(源泉所得税)が控除されることもありません(所得税法第80TTA項)。

 

一方で、“定期預金”の受取利息に対しては所得控除の優遇税制がなく(全額課税対象)、原則、利息が支払われる際には金融機関によってTDSが控除されます。つまり、インドに駐在している日本人は必然的に最高税率30%が適用されるため、年度末の確定申告時に利息に対して30%の税金を納める必要があり、実質的には税引後で6%前後の利回りになります。また、受取利息が4月から翌年3月までの年間総額で10,000インドルピーを超えないことが事前に分かっている場合の例外を除いて、支払時に10%(PAN(納税者番号)がない場合は20%)のTDSが受取利息から控除されて支払われるため、年度末の確定申告時には金融機関が発行するForm 16を元に、その前払いしたTDSの分を差し引いた残りの所得税を納めて精算することになります。

 

また、少し話は変わりますが、期間が5年以上の定期預金に関しては、定期預金額のうち最大100,000インドルピーまでの所得控除が認められています(所得税法第80C項)。なお、この所得控除枠は、定期預金額以外にも支払年金保険料や支払生命保険料、住宅ローンの額面返済部分なども対象となります。

 

為替リスクは常にありますが、

中長期的にインドに住むのなら

比較的リスクの少ない高利率の定期預金はうまく利用したいですね!

 

↓↓↓近くのホテルに併設されているプール。連日40度越えなので最近の日課は水泳↓↓↓

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日本本社への資金還流方法とその実態に迫る

(↑↑↑ジャイプール郊外にあるアンベール城↑↑↑) 

インドに進出している日系企業にとって、インド現地法人が得た利益をいかに日本の親会社(=株主)に還元するか、つまり、インドから日本への資金還流方法について頭を悩ます日系企業が増えています。もちろん、日本の親会社が何らかのサービス等を提供している場合には、その対価として管理報酬や技術上の役務提供報酬、ロイヤリティなどを契約書等に基づいて支払うことなり、この場合にはサービス税や源泉所得税(TDS)、また、移転価格税制における税負担や税務リスクと合わせて取引スキームを検討することとなります。しかしながら、ここでは、サービス等の対価として支払うのではなく、株主との関係性において資本や税引後の利益剰余金をどのように株主に資金還流できるかをご紹介したいと思います。

 

(1)       配当(Dividend)

言わずと知れた株主の権利であり、かつ、最も一般的な資金還流方法が「配当」です(※インド新会社法第123条)。主に、取締役会決議による中間配当と、定時株主総会の普通決議による利益配当があり、単純に利益を株主に還元する最もシンプルな方法となっていますが、インド特有の「配当分配税(DDT:Dividend Distribution Tax)」が大きな障壁になっています。つまり、通常は配当を行った場合には配当を受けた株主側に課税(※配当支払時に源泉所得税として控除)されるのが一般的で、日本の場合は「外国子会社配当益金不算入制度」により大きな課税負担なく配当を受け取ることができるケースが多いですが、インドでは配当を行う側が配当行為に対して課税される「配当分配税(DDT)」という税金があります。したがって、支払時に所得税を源泉徴収する必要はありませんが、その代わりに支払側が実効税率約20%の配当税をインド税務当局に納税する必要があります。なお、個人の株主が100万ルピーを超える配当を受け取った場合には、株主側にも10%の所得税が課税される点については留意が必要です。

 

さて、ここで重要な論点となるのが、インド現地法人が負担する配当分配税(DDT)が日本法人側の外国税額控除として利用できるかどうか、という点ですが、明確な規定はなく、配当分配税は一般的な源泉所得税とは性質の異なる税金であることから、日本の親会社において税額控除として適用するのは難しいとの見解が有力であると思われます。つまり、インド現地法人としては、税引前利益からすでに法人所得税を納税しているにも関わらず、税引後利益から分配する配当に対してもさらにインド現地法人が税金を負担しなければならないといういわゆる“二重課税”が発生してしまうことから配当の実施はあまりに税負担が重く、積極的に配当を行っていない法人も多く見受けられます。

 

(2)       自社株買い(Buy Back Shares)

「配当」以外に考えられる資金還流方法の一つが「自社株買い」です。自社株買いとは、既存の株主から自己株式を買い取り、当該株式を消滅させる手続きのことです。つまり、既存株主全員が自社株買いに応じる場合に限って、各株主の持ち分比率(=会社に対する株主の影響力)を維持したまま株主へ資金を還元できることになります。なお、特定の株主が自社株買いに応じない場合には、当該株主が保有している株式が減少しないため、相対的に株式持ち分比率が高くなり、逆にその他の株主の株式持ち分比率は低くなります。

ちなみに、自己株式の買い取り価格が額面株価を上回る場合には、株式譲渡益(=キャピタルゲイン)に対する課税がなされ、原則、株主は株式売却に伴って得た利益に対して税金を納税する必要があります。しかしながら、2013年度の税制改正において、非公開会社が額面株価を上回る価格にて自己株式を買い取る場合には、株主が納税をする代わりに、株式を買い取る会社側が「利益分配税(Tax on Distributed Income)」という税金を納税する必要がある旨の規定が発表されました(※インド所得税法第115QA条)。つまり、自社株買いにおいて株式譲渡益が発生する限りにおいては、支払企業側は上述の配当分配税に似た「利益分配税」を結局は株主の代わりに払わなければならないこととなります。

 

さて、次に自社株買いの実施する上での条件や具体的な手続きについて見ていきたいと思います。自社株買いは、原則、付属定款(AOA:Article of Association)における当該規定の定めがあり、かつ、株主総会の特別決議で承認されれば実施可能です。自己株式を買い戻した後は、当該株式の取得日から7日以内に消却し、さらに、30日以内にROCに登記しなければなりません。ちなみに、過去3年間に下記3つのいずれかの債務不履行があった場合、また、自己資本について下記2つのいずれかに該当する場合には自社株買いは実施できないため注意が必要です。

 

【債務不履行にかかる3つの条件】

l  預り金、利息の支払不履行

l  社債の償還、優先株式の償還不履行

l  借入金の返済不履行

 

【自己資本にかかる2つの条件】

l  自己株式の取得金額が自己資本の25%を超の場合

l  自己株式取得後の自己資本が負債金額の50%未満の場合

 

なお、非居住者の株主たる日本本社から自己株式を買い取る場合には、当該自己株式の買い取り価格がインド国勅許会計士(Chartered Accountant)が証明した公正な価格(上場会社の場合には、インド証券取引委員会に登録しているカテゴリー1のマーチャントバンカー(SEBI registered Category-I, Merchant Banker)が決定する公正な価格)を上限とする株価で買い取る必要があります(※外国為替管理法基本通達第15番/2015-16)。また、日系企業のような外国法人が株主である場合には、出資当時からの為替レートの変動により為替差損益が発生します。自己株式の買い取りについては税務リスク等も含めて慎重に判断する必要があるため、専門家へ事前に相談することをおすすめ致します。

(↓↓↓ニムラナフォート!ここでランチ&スパは至福↓↓↓)

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インド中古品輸入の落とし穴

インドに中古品を輸入するときのお話。

例えば、中古機械をインドに輸入する場合において、

インドでは、輸入通関時にCEC(Chartered Engineer’s Certificate)という

検査証明書を提出することが義務付けられています。

つまり、輸出国の公認検査技師もしくは同等の検査会社が

その中古機械の耐用年数や価格等が適正であるかどうかの検査を

事前に受けておく必要があります。(ジェトロ『貿易・投資相談Q&A』参照)

ただ、輸入関税はインド税関が適正だとする価格をベースにして計算がされてしまうため、

どれだけ安い価格で中古機械を買うことができたとしても、

相当の輸入関税を負担することになってしまうケースもあるのだとか。

何より厄介なのが、

「日本の中古品は、インドの新品よりもむしろキレイで新品っぽく見えてしまう」ということ。

いくら「中古品」として申告していたとして、

インド税関によってこれは「新品」だと査定されてしまうと、

「虚偽申告」もしくは「過少申告」だと見なされて

最悪のケースは多額の罰金を支払わなくてはならなくなるんだそうです。

 

例えば、定価1,000万円の機械を

中古品として激安価格200万円で購入できたとします。

ただ、これを第三者機関に査定してもらったところ、

この中古品の適正価格は500万円だという判断がされたとする。

この場合に、関税率を30%だと仮定すると、

購入価格200万+輸入関税150万(適正価格500万×30%)=350万円

これが通常負担すべき中古機械の実質的な費用。

ただ、この中古品の保存状態があまりに良く、

仮にインド税関にこの機械は「新品」だと査定されてしまうと、

購入価格200万+輸入関税300万(定価1,000万×30%)=500万円

そして、さらに罰金を追加で取られて大変な負担を強いられることになります。

 

これを事前に防ぐためには、

この機械が中古品であることを証明できる書類を

可能な限り準備しておくしかありません。

輸入品によっても関税率が非常に高いケースもあるので

中古品をインドに輸入する際には注意が必要です。

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インド法人設立初年度に気をつけるべき経理実務の実態

今回は、インドに進出したばかりの日系企業が初年度に直面する経理実務の実態をご紹介したいと思います。インド法人設立後は、各種税金やライセンスの申請・登録手続、申告・納税義務、インド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)への報告義務、取締役会の開催やインド登記局(ROC:Register of Companies)への決議内容の登記義務など、さまざまなコンプライアンスに適時に対応していくことが求められます。

一方で、具体的な事業が開始していない状況下では顧客との取引が一切なく、単に家賃や給与、ベンダー等への支払しか発生していない場合が多いため、ついつい経理業務がおろそかになりがちです。しかしながら、インドでは日々の支払をする際、源泉所得税(TDS:Tax Deducted at Source)やサービス税の面で特に注意が必要となりますので、今回はTDSおよびサービス税の概要について、そして、初年度においてよく見うけられる税務上の経費に関するインド特有の取り扱いについてご紹介をしたいと思います。

 

 「支払をするときに気を付けるべきポイント(1)源泉所得税(TDS)編」

 法人設立後は、日々さまざまな支払を行っていくことなります。アパートや事務所の家賃、コンサルタントや弁護士への報酬、ブローカーへの手数料、駐在員やインド人への給与、レンタカー会社への支払などなど、これらは立ち上げ当初にごく当たり前に発生する費用です。日本では何てこともない単なる支払業務ですが、インドではこれらひとつひとつの支払の性質カテゴリーごとに一定の税率にもとづいた源泉所得税(TDS)の控除義務が規定されており、例えば、事務所の家賃を支払う場合には、原則、支払先には10%のTDSを控除した後の金額(90%部分)を支払い、控除したTDS(10%部分)はインド税務当局に翌月7日までに納税する必要があります。よくあるケースとしてTDS控除義務が規定されている項目を以下にまとめておきます。

適用条文 支払の性質 免税金額

(インドルピー)

支払先

法人

支払先

個人

192 給与

(Salary)

N/A N/A 累進課税
194C 業務請負

(Contractor)

取引単位: 30,000

年間総額: 75,000

2% 1%
194H コミッションや仲介手数料

(Commission or brokerage)

年間総額:  5,000 10% 10%
194I 地代家賃・家具レンタル

(Rent for land, building etc…)

年間総額:180,000 10% 10%
194J 専門家や技術的役務提供

(Professional or technical service)

年間総額: 30,000 10% 10%

 

なお、ここに規定されている免税金額を超えない場合には源泉徴収をする必要はありませんが、同課税年度内に同じ支払先に対する支払合計金額がこの免税金額を結果的に超えてしまった場合には遡って源泉徴収を行い、納税する必要があります。 

(西欧人に人気のゴアのアシュベムビーチ。小難しい税金のことは忘れてストレッチ、笑)

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「支払をするときに気を付けるべきポイント(2)サービス税編」

 上記に挙げたような支払をする際には、その費用がサービスの課税対象である場合、原則、サービス税(2015年6月1日以降税率14%)が課税されます。通常は、このサービス税をサービスプロバイダーに支払い、支払ったサービス税は支払先が代わりに税務当局へ納税する仕組みです。なお、この支払ったサービス税は、当該サービスが関連する自社の製造行為やサービス提供によって稼いだ売上に付随して受け取る物品税やサービス税と相殺をすることができます。(※CENVAT Creditとして利用できる。詳細は省略いたしますが、原則論としては日本のように、預かった仮受消費税から、支払った仮払消費税を差し引くことができ、残りの預かり消費税額を税務当局へ納付する日本の消費税の仕組みと同じです。)

しかしながら、①リバースチャージメカニズム(RCM:Reverse Charge Mechanism)と②軽減税率(Abatement Rate)という仕組みがあるために、必ずしも14%のサービス税を全て支払先に払わなければならないわけではありません。

①リバースチャージメカニズムとは、支払先にサービス税を支払う代わりに、一部もしくは全部のサービス税を自ら税務当局に直接納税しなければならない仕組みです。分かりやすい一例としてはサービスの輸入があります。例えば、インド子会社が日本親会社から何らかのサービス提供を受けた場合、インド子会社は日本親会社からサービスを輸入したことになります。日本の親会社が発行する請求書上にはサービス税が請求されてきませんが、インド子会社は日本親会社にサービス税を支払う代わりに、インド税務当局に14%のサービス税を直接納税する必要があります。

このリバースチャージメカニズムに該当するサービスの提供が行われた場合には、支払時に誰がサービス税の納税義務者であるのか、納税義務者と納税額に基づいて正しく請求書が発行されているか等を確認した上で、支払処理を行う必要があります。支払先が発行した請求書がそもそも間違っているケースも散見されるため、注意が必要です。リバースチャージメカニズムの対象となる主なサービスは以下のとおりです。

No. サービスの種類 納税義務者 と 負担割合
サービス提供者 サービス受領者
1. サービスの輸入 Nill 100%
2. 弁護士等による法務サービス Nill 100%
3. 個人事業主等が提供する人材派遣や警備サービス等 Nill 100%
4. 一定の物流サービス等 Nill 100%
5. 個人事業主等が提供する請負業務 50% 50%

 

②軽減税率とは、その名のとおりサービスの性質によってサービス税率に一定の軽減が規定されており、例えば、レストランでは60%の軽減(食事代金の40%部分のみに課税)、物流サービスでは70%の軽減(30%部分のみに課税)といった具合です。軽減税率が適用されている場合には、この支払ったサービス税は、売上に付随して受け取る物品税やサービス税とは相殺できない(CENVAT Creditとして利用できない)ケースも多々あります。

 

「設立初年度は税務上経費にできない費用が多い?」

さて、通常インド法人設立前後にはさまざまな費用が発生します。一般的に、法人設立までに必要となる費用を「創業費」、法人設立後、事業を開始するまでに必要な費用を「開業費」などと言ったりしますが、これらの費用は通常、日本では初年度に全額損金算入もしくは5年以内に任意償却することができます。一方で、インドでは一定の条件を満たす創業費(Preliminary expense)のみ会計上一括費用計上が求められ、税務上は5年で均等償却をすることになりますが、開業費については税務上一切損金算入が認められていません。

ここで注意が必要なのは、いつのタイミングをもって「事業の開始(Commencement of Business)」とみなされるのかの認識があいまいになっている点です。なぜなら、インドではこの「事業の開始日」以降に発生した費用から税務上の損金算入が認められているからです。つまり、インド税務当局は納税額を増やすために「事業の開始日」の認識を遅らせようと指摘をしてくる傾向にあり、これに対して会社側は納税額を減らすために「事業の開始日」の認識を早めようとする傾向にあります。金額的な影響力が大きい場合や特に製造業の場合などでは初年度の経費をほとんど損金算入できない可能性もありますので、事前に十分な検討をしておく必要があります。

(↓現代ヒッピーの聖地とまで言われるゴアのアランボールビーチ)

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インドで仕事をする日本人の所得税とビザに関する実務

インドで仕事をする日本人の数が年々増加傾向にあります。いまや約1,000社以上の日系企業がインドに進出しており、それを大きく上回る数の日系企業が、何らかの形でインドとのビジネスに関わっています。昨年あたりから世界で就職する「セカ就」や「海外就職」などという言葉をよく聞くようになり、私が住むチェンナイにおいても、現地採用で働く日本人の若者がここ一年ほどで急に増えてきました。また、脱サラして当地インドで自ら起業をして奮闘している日本人も少なくありません。今回は、そんなインドで仕事をする日本人が、インドに滞在する上で重要な論点である「個人所得税」と「査証(ビザ)」の実務についてご紹介をしたいと思います。

  

「インド出張者の給与にかかる個人所得税と税務上の取り扱いについて」

インドに出張する日本人は、ビジネスビザ(Business Visa)を取得し、原則、日本法人がその給与や出張手当等を支払い、かつ、負担しているケースがほとんどかと思います。つまり、当該出張者の個人所得税は日本側で納税が完結しており、インド税務当局に対しては一切納税をしないことになりますが、これは日印租税条約第15条に規定される「短期滞在者免除」が適用される場合においてのみ、インドでの納税義務の免除を受けることが可能です。つまり、以下3つの条件を全て満たす必要があります。

 

(1)、課税年度におけるインド滞在日数の合計が183日以内であり

(2)、給与・手当・賞与等が日本法人から支払われており

(3)、給与・手当・賞与等がインド法人によって一切負担されていない

 

長期出張、もしくは、複数回の出張により年間のインド滞在日数の合計が183日を超える場合には、日本側でしか給与を支給していなかったとしても、インドで仕事をしたことによって得た所得(インド国内源泉所得)全てに対してインド国内で課税されるため、年度末にインドで確定申告をしてインド税務当局に対して納税する必要があります。

なお、長期出張者のインド連続滞在日数が180日を超える場合には、FRRO(Foreigner Regional Registration Offices)において外国人登録(RP:Residential Permitの登録)を実施する必要があるため、当該外国人登録を避けるために連続滞在日数が180日を超える前に一度インドを出国させるという対応を取っている日系企業は多いかと思います。一方で、逆に外国人登録がないとインドで銀行口座が開設できない等何らかの支障が出るケースもあるため、ビジネスビザであっても必要に応じて自主的にあえて外国人登録をしている日本人も多数いるのが現状です。

また、当該出張者のサポートについて、もし日本法人が人的役務提供サービスとしてインド法人に対して請求をする場合には、「技術上の役務提供にかかる報酬(Fee for Technical Services)」に該当し、インド国から見るとサービスの輸入に該当するため、サービス税(税率14%)の課税対象取引となり、かつ、日本への海外送金時に源泉所得税(日印租税条約適用の場合は税率10%)の課税対象取引となる点については事前に留意が必要です。

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 「判例から見るインド出向者(駐在員)の税務に関して注意すべきポイント」

インドに出向(駐在)する日本人は、原則、就労ビザ(雇用ビザ:Employment Visa)を取得し、インド法人の従業員もしくは役員としてインド法人から毎月給与もしくは役員報酬を得ることになります。ここで注意が必要なのは、日本人駐在員の給与の支払・負担方法です。理想的には、全ての給与・手当・賞与等をインド法人が支払・負担できれば問題ないのですが、現実問題そういう訳にはいきません。つまり、インドでの駐在期間も、日本の社会保障制度の受益権を継続させておくために、また、単身赴任者が日本に残してきているご家族の生活費のためにも、日系企業はインド払い給与と日本払い給与の2つに分けて給与を支給しているケースがほとんどです。

しかしながら、この状況は以下のような観点から、インド税務当局から「サービスPE課税」を受けてしまうリスクがあります。実際に、ある外国企業の税務訴訟において、2014年4月にデリー最高裁判所にて同様の課税判決を言い渡されたケースが出てきています。(※「サービスPE課税」とは、外国法人の従業員がインドにおいて技術支援等何らかの役務提供を行っていると見なされ、外国法人が享受しているとされるみなし所得に対して課税されることを指します。)

 

(1)、駐在員の真の雇用者は外国法人であるとする駐在者との雇用関係

(2)、駐在員を通して外国法人がサービスを提供しているとする役務提供取引の実態

(3)、外国法人が駐在者の管理・監督・契約に関する実質的な権利を有しているとする権利関係の実態

 

以上のことから、ある程度のサービスPE課税リスクを取ることは実務的には仕方がないとしても、当該リスクを可能な限り軽減するために、上記3つの観点からしかるべき内容を含む「出向契約書」や「雇用契約書」等を正式な文書として整備しておき、事前に税務調査に備えておくことが望ましいと考えます。

(※なお、日本本社が負担している給与については、法人税基本通達9-2-47「出向者に対する給与の較差補てん金の取扱い」に規定される範囲内において、日本法人における税務上の損金算入が認められています。)

また、日本払い給与をインド法人に付け替える場合にも注意が必要です。つまり、当該費用が「技術上の役務提供にかかる報酬(Fee for Technical Services)」と見なされないように、あくまで日本払い給与実費の立替精算(Reimbursement)であることを、契約書や請求書等において明記しておく必要があります。もし、当該立替精算が、書類の不備等によって「技術上の役務提供にかかる報酬(Fee for Technical Services)」に認定されてしまった場合には、上記と同様に、サービス税と源泉所得税の課税対象取引となっていまい、ダブルパンチを受けることになってしまいますので注意が必要です。

 

「日本人がインドで起業する際に適用されるビザの取り扱いについて」

日本人がインドで起業する場合には、適用されるビザとその発給要件について事前に理解をしておくことが重要です。ちなみにMHA(Ministry of Home Affairs:インド内政省)がそれぞれのビザの発給要件等を公表していますが、これらの規定があまり明確ではありません。私のこれまでの経験を考慮した実務的な見解としては、個人投資家としてインド法人に直接出資をする場合にはビジネスビザ(Business Visa)が、日本法人を設立した上で当該日本法人を介してインド法人に出資をする場合には就労ビザ(雇用ビザ:Employment Visa)が適用されることになります。

ここで注意が必要なのは、個人投資家としてインド法人に直接投資をした場合です。ビザ取得申請時は日本の東京および大阪にあるインドビザ申請センター(在日インド大使館管轄)に出向いて取得申請手続きを行うことになりますが、インドビザ申請センターの理解と、FRRO(MHA:Ministry of Home Affairsインド内政省管轄)の理解が違っているケースがあり、ビジネスビザが適用される基準が明確になっていません。インド内政省管轄のFRROでは、「個人投資家の出資比率が10%未満程度であれば、ビジネスビザではなく、就労ビザが適用できる可能性もある」などと曖昧な表現をしており、多くの個人投資家が適用すべきビザについて混乱を招いています。

私の場合は出資比率が10%を大きく上回っていたために、日本のインドビザ申請センターで一度適用を受けた就労ビザがインドでは認められず、渡印後にFRROでの外国人登録ができず、一度日本に帰国させられる事態となりました。なお、個人投資家としてのビジネスビザ(=別称“投資家ビザ”)が適用されると、設立から2年以内に年商1,000万ルピーを達成しなければならない、という発給要件も設定されており、当該要件を満たせなかった場合にはそれ以降はビジネスビザが更新できなくなる、という高いハードルが課せられています。

したがって、可能であれば日本法人を設立した上で、当該日本法人を介してインド法人に出資をし、就労ビザでインドに滞在する方が無難、という見方もできますが、一方で、就労ビザの場合には発給要件として最低年収25,000米ドルという要件を満たさなければならないので、当該給与負担をまかなっていけるだけの出資計画および事業計画を立てておく必要があります。

ちなみに、以前まで観光ビザ取得の選択肢として利用されていたアライバルビザ(Visa on Arrival)が今年から実質廃止となり、事前オンライン申請によるETA(Electronic Travel Authorization)の新制度に移行されています。以下リンク先のホームページに実務的な手続きに関する詳細が分かりやすく紹介されていますのでご参考まで。

http://etours.jp/india/visa-service/arrivallvisa

(チェンナイ市内から車で1時間のコーバラムビーチ。それにしても人が多い、、、笑。)

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インドでの経理コストが高くつくワケ

サラリーマンであれば

会社が代わりに年末調整をしてくれますが

ビジネスをする場合は

どうしても自分で経理業務を実施する必要があります。

帳簿をつけて、試算表をつくり、

決算書をつくらなければならないですし

必要な税務申告をして、

期限まで税金を納付しなければならない。

つまり、経理スタッフを社内で雇用するにしても、

会計事務所等に外注するにしてもコストがかかるわけですが、

インドではその“経理コスト”が概ね日本よりも高くなりがちです。

様々な理由が考えられますが、

今日はその主な理由3つについてご紹介したいと思います。

 

1、事業者が申告・納付すべき税金の種類が多い

2、税金ごとの申告作業が複雑かつ納付期限がタイト

3、インド税務全般を深く理解した人材が少ない

 

1、事業者が申告・納付すべき税金の種類が多い

インドでは事業者が申告・納付すべき税金の種類が多く複雑です。大きくは「直接税」と「間接税」に分けられますが、「直接税」には法人所得税や個人所得税、配当税、最低代替税などがあり、「間接税」には物品税や州付加価値税、中央販売税、サービス税、関税などがあります。特に「間接税」は特徴的です。例えば、物品税は日本には無い概念ですし、州付加価値税や中央販売税、サービス税の3つをまとめたのが日本における消費税のイメージです。

 

2、税金ごとの申告作業が複雑かつ納付期限がタイト

それぞれの税金ごとに細かい税法が規定されているため、そのひとつひとつのコンプライアンスを順守していくには相応の手間と時間がかかります。例えば、TDS(源泉所得税)は毎月納付する必要がありますが、日本よりも多くの支払がTDSの源泉徴収義務対象となり、さらに、支払の内容に応じて控除すべきTDSの税率や源泉徴収義務免除の上限規定がひとつひとつ異なります。具体的には、家賃のTDS税率は10%で年間総額180,000ルピーまでは源泉徴収義務なし、専門家等への報酬は10%で年間総額30,000ルピーまでは源泉徴収義務なし、請負業者への支払は2%(個人等へは1%)で年間総額75,000ルピーまで、もしくは、一取引額30,000ルピーまでは源泉徴収義務がありません。また、支払先のPAN(納税者番号)情報が得られない場合にはその税率が一律20%になってしまいます。また、日本では従業員が常時10人未満である源泉徴収義務者は「納期の特例」の承認を得ることで半年に一回まとめて申告・納付ができる仕組みがありますが、インドの場合はすべての会社が毎月納付、かつ、四半期に一回申告をする必要があり、個人事業主や中小企業だからといって経理業務を簡便化することができません。以下にそれぞれの税金にかかる申告・納付期限をご紹介しておきます。

税務申告スケジュール

 

3、インド税務全般を深く理解した人材が皆無

そして最後に、上記2つの理由から考えると当然の話なのですが、税金の種類が多く、かつ、それぞれに細かい税法が規定されているが故に、その全てに精通した人材はほとんどいないという切実な実情があります。法人税や物品税、付加価値税、サービス税、関税など、それぞれに精通した専門家はいますが、その全てに精通している専門家がほとんどいないので、事業規模がまだ大きくない段階から社内で人材を雇用しようとすると、対応すべき税務に対して適切に処理・管理できる人材をチームで採用する必要があり、相対的にかなり高い人件費がかかってしまいます。ましてや、その処理が間違っていたり遅れたりすると、必然的に延滞税等のペナルティが随時加算されていってしまい、さらなるダメージを受けることになります。ですので、事業立ち上げ段階では事前にある程度の経理コストがかかることを想定しておき、余裕のある予算を組んでおくことが大切であろうかと思います。なぜなら、早めに対応しておくことが結果的には手間と金銭的コストを最小限に抑える近道になるからです。

 

(↓↓↓チェンナイでブラックのアイス珈琲飲める店見っけた!↓↓↓)

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2014年インド中央政府予算案における改正内容(直接税編)(Indian Budget 2014 : Direct Taxation)

先日10年ぶりに新しく選出された

インドネシアの新大統領ジョコ・ウィドド氏。

地方自治体トップでの実績が認められ、

頼れる“庶民派”として

国民からの期待が集まっているようですが、

その生い立ちは

今年の5月に10年ぶりの政権交代を実現させた

インド新首相ナレンドラ・モディ氏のそれとまさに重なります。

中国に次ぐアジアの二大大国インドとインドネシアが

今後どのような経済成長を見せるのか注目していきたいと思います。

 

さて、2014年7月10日に発表された

新政権下における初めてのインド中央政府予算案(2014-2015)の中から

日系企業に関連がありそうな税制改正の部分にフォーカスして、

その概要を「直接税」と「間接税」の2つに分けてご紹介したいと思います。

今回は、直接税に関する改正内容です。

 

1.個人所得税の免税基準の引き上げ

個人所得税の累進税率には変更がありませんでしたが、免税の基準となる金額が20万ルピーから25万ルピーに引き上げられ、年間所得が25万ルピー(約45万円)までは個人所得税が非課税になりました。(※その他税率の基準となる金額に変更なし)

 

2.配当分配税(DDT:Dividend Distribution Tax)の計算方法の変更

DDTの計算がグロスアップによる計算方法に変更され、DDT負担額が少し増えることになりました(税率は変更なし)。なお、DDTは法人税法上損金不算入であり、かつ、外国税額控除の適用対象外であるため、親会社等への資金還流方法については注意が必要です。

 

3.設備投資に関する優遇税制の条件緩和

新しい設備に対する投資額の条件が10億ルピーから2億5千万ルピーに引き下げられ、当該設備の投資総額が2億5千万ルピーを超える場合に、その取得額の15%を追加的に所得控除できることになりました。対象となる設備投資は2014年4月1日から2017年3月31日の3年間に取得・導入され、以後5年超継続的に使用されるものに限ります。

 

4.長期債券の調達に関する優遇税制の適用期間(時限立法)の延期

外国通貨によって支払われた非居住者に対する借入利息について適用できる源泉所得税の軽減税率5%の適用期間が、2017年6月30日まで延長されました。なお、インド国内法による一般税率は20%、日印租税条約による軽減税率は10%です。

 

5.事前確認制度(APA:Advance Pricing Agreement)の遡及適用が可能に

移転価格税制におけるAPAが、2014年10月1日以降、一定の条件下において申請時から4年間遡って遡及適用することが可能(ロールバック制度の新設)となり、申請前後で合計9年間適用できることになりました(従来は申請後5年間のみ)。世界最大級の訴訟件数を記録しているインドの移転価格税制への対応状況を考慮した規制緩和と言えます。

 

6.独立企業間価格(ALP:Arm’s Length Price)の算定方法の提案

移転価格税制におけるALPの算定は、従来はサンプル取引の平均値に基づく算定(例えば、4つのサンプル取引価格5+6+8+9の平均値である7がピンポイントでのストライクゾーン)が基本でしたが、今後はサンプル取引のレンジ概念に基づく算定(5, 6, 8, 9)の最低値5と最高値9を除く範囲内での数値)を採用することが提案されました。

 

7.源泉税(TDS:Tax Deducted at Source)に関連する損金不算入制度の規制緩和

居住者に対する費用の支払の際に、TDSの控除もしくは納付を実施しなかった場合には、処理された当該費用の30%のみが損金不算入となった(従来は100%全額損金不算入)。また、当該損金不算入制度の対象となる費用に、給与や役員報酬もその範囲に含められたため注意が必要です。

 

次回は、間接税に関する改正内容についてご紹介したいと思います。

 

(↓↓↓ 最近は毎日コレ!ラッシー!水で割って飲むとすっきり飲めて美味い!↓↓↓)

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税金がよく分からん!レシートの謎にせまる

お店やレストランでお金を払うとき

最近よくレシートをチェックするんですが、

結構な確率でまちがってますね、笑

注文してないものが含まれていたり

注文したものが含まれていなかったり

逆に金額が少なかったりすることもあるので

悪気があるというよりは単純にテキトーすぎるっていう、笑

 

さて、そんなレシートに書かれている税金について今日はご紹介したいと思います。

レストランでは主にVAT(州付加価値税)、サービス税、サービスチャージ

の3つが合計金額に上乗せされて請求されるケースがほとんどです。

まず最初に、以前から個人的にひとつ腑に落ちないのは

食事をした総額に対してVATとサービス税の両方が課税されているという点です。

 

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例えば、先日ハンバーガー(575ルピー)とコーヒー(150ルピー)を注文しました。

合計で725ルピーですが、この総額に対して(タミル・ナードゥ州の場合)VAT 14.5%と、

サービス税4.95%、サービスチャージ6%が請求されています。

「二重課税じゃないか!」と言いたくなるのですが、

これが現状のインドにおけるレストラン課税システムです。

レストランは食べ物だけを提供しているのではなく、

テーブルや椅子、インテリアや音楽、そして、エアコンの効いた快適な食事環境という

“サービス” を提供しているからサービス税も課税される、というのが理屈です。

ただ、もちろん食事代金の100%がサービスに該当するわけではないので

通常のサービス税の税率12.36%の代わりに、軽減税率4.944%が適用されています。

つまり、12.36%のうち60%部分は免除されていて、

12.36 × 40% = 4.944%が課税されているわけです。

食事代金総額のうち60%が食べ物代金、40%部分がサービス代金というイメージですね。

ただ、結局VATについては食事代金の100%に対して

課税されていることを考えると「なんだかなぁ。やっぱり二重課税やん」という感じです。

ちなみに、サービスチャージは「チップ」に当たりますので

レシートにサービスチャージが請求されていれば、

別途さらにチップをあげる必要はない、と考えて差支えないと思いますが、

高級レストラン等ではさらにチップを払うインド人をよく見かけます。

 

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ここで、別のレシートを見てみましょう。

ここでは食事代金の総額3,013ルピーに対して、VAT 2%

サービス税4.944%、サービスチャージ10%が請求されています。

そう。VATの税率が違うんです。

これは総じて見るとレストランのレベルによってこのような違いが生まれています。

だいたい4つ星や5つ星等の高級レストランではVAT 14.5%が請求され、

3つ星以下の中級以下のレストランではVAT 2%を請求しているケースが多いようです。

ちょっとばかしお固い経理の話になってしまいますが、

このVAT 14.5%を採用しているレストランは

Input Tax Credit Methodというスキームを採用していて、

富裕層をターゲットにしているためにお客さんには高い税金を請求する代わりに、

レストランは食材の仕入等の際に支払ったVATを控除できるメリットがあります。

一方で、VAT 2%を採用しているレストランは、

Compound Tax Methodというスキームを採用していて、

中間層以下をターゲットにしているためにお客さんには低い税金を適用できる代わりに、

レストランは食材の仕入等の際に支払ったVATを控除することが認められていません。

つまり、レストランが仕入時に支払ったVATはそのままレストランの負担になります。

消費者に多く税金を払わせればレストランもメリットを享受できるという仕組みです。

 

さて、私たちがよく利用するスーパーマーケットの場合はどうでしょうか。

結論から言うと、スーパーでは基本的にVATのみです。

ただ、日本とは違って商品によってVATの税率が違うので

タミル・ナードゥ州の場合は概ね(1)免税、(2)5%、(3)14.5%

の3つに分けられているケースが多くなっています。

こないだ買い物に行ったときのレシートを見るとこんな感じ。

 

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マッシュルームは免税、チキンと魚は5%、バターは14.5%という具合です。

他にも例えば、州外や国外から輸入したお酒は58%のVATが、

タバコには20%のVATが課税されたりします。

私たちが払っている税金はVATやサービス税だけではありませんが、

課税の仕組みから、それぞれの税率までとにかく複雑難解。

もう少しシンプルにしてほしいですね!

 

(街中で見かけた金色のベンツ。ぶっ飛んだ成金野郎だ、笑!)

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商社が登録を求められる「First Stage Dealer」と「Registered Importer」の違いとは?

今日はちょっと真面目なお話。。。

輸入ビジネスに関連するインド税務のお話です。

日本やインド国外から物品を輸入して、

インド国内の製造業者に販売している輸入者は

2014年4月以降の取引について注意が必要です。

 

例えば、商社が物品をインド国外から輸入する際には

「相殺関税」や「特別追加関税」を支払っているわけですが、

(※インド関税の詳細については過去の記事をご覧ください。)

商社はそれらの物品を使って製造やサービスの提供を行わない、つまり、

顧客から受け取る物品税やサービス税(アウトプット税)が発生しないため、

取引の性質上、支払ったそれらの関税(インプット税)を相殺することができず、

いわゆる“CENVATクレジット”(仕入税額控除)を利用することができません。

そこで、一定の登録を行うことによって、

その“CENVATクレジット”を製造業者である顧客に移転させることが可能となります。

その登録とは、インドの同業界内では言わずと知れた

「First Stage Dealer(ファーストステージディーラー)」の登録のことですが、

2013年12月31日と2014年2月28日に

インド税務当局(Central Excise)が発表した一連の通達によると

2014年4月以降は、輸入者に限り、新たに別の登録が求められることになりました。

(※1 通達番号 Notification No.18/2013-Central Excise)

(※2 通達番号Notification No.8, No.9, No.10, No.11/2014-Central Excise)

 

発効前

 

当該通達が発効される前までは、「First Stage Dealer」とは

元来の定義として「製造業者から直接物品を購入する代理店」のことを意味しており、

「輸入者」は本来「First Stage Dealer」の定義には含まれていなかった背景があります。

また、物品税法上の登録フォームにおいても、「Dealer(代理店)」という項目はあっても

「Importer(輸入者)」という項目は存在していませんでした。

つまり、インドに進出している日系商社(輸入者)などは、

「輸入者(Importer)」としてではなく、実務的に「代理店(Dealer)」として

「First Stage Dealer」の登録を行うことによって、

“CENVATクレジット”を顧客に移転するという間接税スキームを利用してきたわけです。

 

発効後

 

ところが、一連の通達(Notification)の発表により、

2014年4月以降は、「Dealer(代理店)」としてではなく、「Importer(輸入者)」として

新設された「Registered Importer」の登録を行わなければならない、と明記しています。

つまり、今後“CENVATクレジット”を移転するためには、

インド国内の製造業者から直接物品を購入する代理店(Dealer)は

「First Stage Dealer」としての登録を

インド国外の製造業者から直接物品を輸入する輸入者(Importer)は

「Registered Importer」としての登録を行い、

それぞれの登録下において別々に四半期申告を実施していく必要があります。

 

(↓↓↓チェンナイにもついにスタバとクリスピークリームドーナツの第一号店が!!!↓↓↓)

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インドにおける個人の確定申告および資産開示制度について

日本と違ってインドでは法人、個人ともに4月から翌3月までを課税期間として規定しており、インドにおける個人の確定申告期限は7月末です。日本のサラリーマンは会社が本人の代わりに年末調整を実施することによって、個人所得税の納税がいつの間にか勝手に完結しているケースがほとんどなので、“確定申告”そのものを行ったことがない方は多いと思いますが、インドには年末調整という制度はなく、個々人が確定申告を実施する必要があります。また、インド現地法人のいわば“経営者”という立場で駐在している日本人も多く、日本国外に出てから初めて税金の仕組みや税金コストの負担を強く実感された方も多いのではないでしょうか。今回は、インドにおける個人の確定申告および開示制度についてご紹介をしたいと思います。

 

 

「インド在住日本人が納付すべき個人所得税が高いわけ」

日本人駐在員の中には、ご自身の確定申告書を見て「こんなに給料はもらっていないはずだ!」「え?こんなに税金を払っているの?!」などと驚かれた方も多いのではないかと思います。例えば、駐在員の場合、多くのケースにおいて、インドでのアパート家賃、通勤やプライベート用のレンタカー代、買い出し休暇やリフレッシュ休暇、日本一時帰国の補助など、現金で支給されている給料以外に様々な手当や補助が現物支給されています。これらの現物給与(=従業員の代わりに会社が負担をしてくれるもの)は当然、個人の“課税所得”として認識されますが、これら全ての所得を合計した金額に対して課税される個人所得税も会社が代わりに負担をしてくれているケースがほとんどです。つまり、この会社が代わりに負担をする税金も現物給与として認識され、さらに“課税所得”として加算されます(※一般的にこの計算方法を“グロスアップ”と言います)。その結果、確定申告書には、会社が納税してくれた税金(=給与としては受け取っていない税金)も自分の所得に含まれているため、「こんなに給料はもらっていないはず」と感じるわけです。

なお、現地採用の場合は、日本とインドの所得税率の違いによって、税金の負担が重くなっている可能性があります。つまり、年収300万円の人は、日本だと税率が10%ですが、インドだと税率は30%です。(※比較を簡略化するため住民税は考慮していません。)日本とインド共に所得に比例して税率が高くなりますが、インドは所得水準が低いため、雇用ビザで勤務するほとんどの外国人は必然的に最高税率が適用されてしまうわけです。

 

日本の所得税率(2015年度以降分)

所得金額

税率

195万円以下 5%
195万円を超え、330万円以下 10%
330万円を超え、695万円以下 20%
695万円を超え、900万円以下 23%
900万円を超え、1,800万円以下 33%
1,800万円を超え、4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

 

インドの所得税率(2016年3月期)

所得金額(1ルピー=1.5円換算)

税率

25万ルピー(約38万円)以下 免税
25万ルピーを超え、50万ルピー(約75万円)以下 10%
50万ルピーを超え、100万ルピー(約150万円)以下 20%
100万ルピー(約150万円)超 30%
※1,000万ルピー(約1,500万円)超 サーチャージ12%追加

 

 

「租税回避行為を取り締まる世界とインドの動向」

  モサック・フォンセカ法律事務所のパナマ文書に代表される租税回避行為が世界的にも注目されており、それらを取り締まる動きが活発になってきています。脱税や非合法な取引によって生まれるブラックマネーは犯罪組織の資金源にもなっており、従来から多くの国で指摘されています。これらの動きを背景に、日本でも2014年から国外財産調書制度が導入されました。つまり、時価5,000万円超の国外資産を保有している場合、「国外財産調書」として確定申告時に税務署に保有資産を開示することが求められています。もし開示を怠ったり虚偽の記載をすると1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。いわゆる“お金持ち”を対象にした規制のわりには罰金の金額が低いような印象を受けますが、以前は同様の制度があったにもかかわらず罰則規定がなかったことを考慮すると、徐々に厳しくなってきていると言えます。そして、昨年2015年にインドでもブラックマネー法(The Black Money (Undisclosed Foreign Income and Assets) and Imposition of Tax Act, 2015)が施行されました。従来から、インドにおいて「通常の居住者(ROR)」の居住ステータスに該当する人(=過去10年間で2年以上インド居住者であり、かつ、過去7年間で730日以上インド滞在している人)は、全ての国外保有資産および当該資産から得ている所得の開示が求められており、つまり、インド駐在3年目あたりから全世界所得課税かつ全世界資産の開示が必要でしたが、当該ブラックマネー法の施行により、2015年3月期以降、開示を怠った場合の罰則規定が明記され、高額な罰金に加えて10年以下の禁固刑という非常に厳しい罰則が科せられることとなりました。(※非居住者ステータスの期間に新規取得した資産で、当該資産から所得を得ていない場合は開示不要。)

 

 

「新たに追加されたインド国内資産及び負債の開示要件」

 さて、居住ステータスが「通常の居住者(ROR)」でなかったとしても(つまり、「非居住者」や「非通常の居住者(RNOR)」であったとしても)、従来から一定の条件を満たす者は個人資産の開示義務が規定されていました。つまり、250万ルピーを超える事業所得もしくはコンサルタント報酬等(=給与は含まない)を得ている者は、個人が保有するインド国内資産及び負債を開示しなければなりませんでした。しかしながら、2016年3月期以降は、上記の金額基準が500万ルピーに引き上げられる代わりに、従来の対象者に加えて給与所得者を含む一定の者(日本人駐在員を含む)が新たに対象となり、開示義務のある対象者が大きく拡大されました。(※なお、従来は300万ルピーを超える一定の純資産を保有する個人は、300万ルピーを超える部分の1%を富裕税(Wealth Tax)として申告・納税する必要がありましたが、2016年3月期以降は廃止されています。)多くの日本人駐在員は、インド国内で資産を保有するケースは少ないため、実務的には現預金残高や車両等の限定的な資産開示に留まるケースが多いですが、「通常の居住者(ROR)」に該当した場合には罰則規定が厳しいため、申告すべき所得および開示すべき資産には引き続き注意が必要です。特に、Entry Visa等で帯同している配偶者が「通常の居住者(ROR)」に該当した場合、インドでは一切所得を得ていないにもかかわらず、日本において不動産収入や配当所得、利子所得等を得ているような場合、インドにおいてすべての所得を申告・納税、さらに資産等を開示する必要がありますので注意が必要です。

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日系企業が知っておくべきVAT・CSTにまつわる4つのFormとは?

インドでビジネスをしている日系企業は、日々さまざまな税金を納付しています。特に商社や製造業は、TDSやサービス税の他にも、物品を販売した際に課税されるVAT(Value Added Tax:州付加価値税)やCST(Central Sales Tax:中央販売税)、そして、物品を製造して出荷した際に課税されるExcise Duty(物品税)など、納付すべき税金の種類が多くなりがちです。州をまたいで物品を購入もしくは販売するかによって、また、物品を輸入もしくは輸出するかによって、納付すべき税額が変わってくるので、各企業のビジネスモデルごとにどのような取引スキームを採用すべきかの十分な検討が必要です。今回は税金コストを低く抑えるために日系企業が最低限知っておくべきVAT・CSTにまつわる「4つのForm」についてご紹介をしたいと思います。

 

州をまたいで物品を購入もしくは販売した場合の軽減税率について(Form C)

 同じ州内で物品を購入もしくは販売する取引にはVATが課税され、日本の消費税と同じように、仕入先に対して支払ったVATと、クライアント(バイヤー)から受け取ったVATをお互いに相殺した残りを税務当局に納税することになります。一方で、州をまたいで物品を購入もしくは販売する取引にはCSTが課税されます。(※原則、VATもCSTも税率は同じで、物品によって一定の税率が規定されています。)。ここで問題になるのは、CSTを支払った場合にはこの支払税額をクレジット(税額控除)として相殺に利用することができず、そのままコストになってしまう点です。そこで、この税金コストを軽減するために登場するのが税務当局が発行するForm C(証明書)です。つまり、バイヤーが仕入先に対してForm Cを提供した場合のみ、支払うべきCSTの税率を2%に軽減することができます。逆の見方をすると、販売元はバイヤーからForm Cを取得した場合のみ、バイヤーから受け取った2%のCSTのみを税務当局に納税すればよいことになります。

ここで注意が必要なのは、このForm Cが発行されるタイミングです。Form Cはバイヤーが税務当局に対して申告を行った月以降にしか発行されません。つまり、販売元はバイヤーが翌月以降3ヶ月以内にちゃんとForm Cを提供してくれることを信じて、2%というCSTの軽減税率を適用した請求書を発行することになります。しかしながら、もしバイヤーがForm Cを発行してくれなかった場合には、軽減税率は無効となり、販売元は実際にはバイヤーから2%のCSTしか受け取っていないにもかかわらず、VATと同じ高い税率の税金をバイヤーの代わりにインド税務当局に納税しなければならなくなります。したがって、州外への販売が多い日系企業は特に、クライアントごとにこのForm Cを適時に取得できているか、そして、適切に管理されているかをモニタリングしておくことが重要となります。(※なお、タミル・ナードゥ州から他州に物品を販売した場合に適用されるVATクレジットの3%リバース規定は、同州における規制緩和として2015年4月以降撤廃されました。)

図1

 

 

州をまたいて物品の移動を行った場合のCST免税について(Form F)

 物品を他州の支店などに移転させる場合(在庫移転)には、販売取引には該当しないため、原則、CSTは課税されません。この「販売取引ではない」ことを証明するために登場するのがForm F(証明書)です。つまり、移転先である支店等は、税務当局に対してForm Fの発行依頼を行い、物品の移動明細と合わせてForm Fを移転元にて保管しておく必要があります。もし、これらの書類に不備があった場合には、在庫移転としてのCST免除が否認されてしまうため、通常の税率でCSTの納税義務を負ってしまう可能性があります。実際に、税務当局から書類の不備を指摘されて、不必要な追徴課税を受けるケースが散見されるため注意が必要です。

なお、2015年12月現在、タミル・ナードゥ州から他州に在庫移転する場合、州内で支払ったVAT税率の5%までの部分については、全体の売上に対して州外売上が占める割合分だけ、VATクレジットをリバースする必要があります(=つまり、その割合部分だけ税額控除として認められない)。このVATリバースの税率は州によって違うため、州をまたいだ販売とすべきか、在庫移転を行ってから州内販売とすべきか、州ごとにどちらにメリットがあるのかを十分に検討する必要があります。

図2

 

購入した物品をインド国外に輸出する場合のVAT還付申請について(Form W)

購入した物品、もしくは、購入した物品を使って製造した製品を、インド国外に輸出する場合、購入した際に支払ったVATのうち、全体の総売上のうち輸出売上が占める割合部分についてのみ、輸出後にVATの還付申請をすることが可能です。この還付申請をする際に利用するのがForm W(申請用紙)です。Form Wによる還付申請を行ってから1~2ヶ月程度で還付がされることになっていますが、金額によって、また、提出した書類によっては3~6ヶ月と還付されるまでの期間が長期化することもめずらしくありません。当該VAT税額が資金繰りに与える影響は決して小さくないため、還付を受けることができるまで定期的かつ粘り強くフォローアップをしていく必要があります。

ちなみに、タミル・ナードゥ州にはForm WWというものもありますが、これは年間の売上高が1,000万ルピーを超える場合に、インド勅許会計士等によってVATのコンプライアンスに関して監査を受ける必要があるVAT監査(VAT AUDIT)のレポートの書式のことを指し、Form Wとは全く別のフォームです。

図3

 

購入した物品をインド国外に輸出する場合のVAT・CST免税について(Form H)

購入した物品、もしくは、購入した物品を使って製造した製品を、インド国外に輸出する場合、VATの還付を受けることができるのは前述のとおりです。一方で取引の見方を変えると、物品の販売元であるサプライヤーや製造業者にとっては、バイヤーが代わりに輸出を行っていることになり、つまり、Deemed Export(みなし輸出取引)を行っていると考えることができます。この場合、税務当局によって発行されるForm H(証明書)をバイヤーが取得し、サプライヤーや製造業者が関連書類と合わせて社内に保管をしておくことで、VAT・CSTを免税にすることが可能です。このスキームは、VAT還付申請と比べて、(一時的であっても)VAT・CSTの税金を一切負担する必要がないため、バイヤーの資金繰りに負担をかけずに取引を行うことができる点において大きなメリットがあります。

Form Cと同様、ここで注意が必要なのは、Form Hが発行されるタイミングです。Form Hはバイヤーが税務当局に対して発行依頼を行い、申請後1~2ヶ月程度で税務当局によって発行されるのが一般的です。つまり、販売元であるサプライヤーや製造業者は、バイヤーが近い将来ちゃんとForm Hを提供してくれることを信じて、VAT・CSTを免除した請求書を発行することになります。請求書を発行する際には、当該物品は輸出されることを前提とした取引である旨を明記し、請求書単位での免税申請を行うことになります。当該Form HによるVAT・CST免除を活用したインド国外へのDeemed Export(みなし輸出取引)が多い日系企業は、バイヤーごとにこのForm Hを適時に取得できているか、そして、適切に管理されているかをモニタリングしておくことが重要となります。

図4

(↓インドでは珍しい?ビーフビリヤニのお店!これがなかなか美味い!)IMG_2781

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インド内部監査の実態と今後の動向

会社法上、インドでは様々な監査を受ける必要があります。

今日はそれらの中でも基本的な3つの監査についてご紹介します。

(1)法定監査(Statutory Audit)

(2)税務監査(Tax Audit)

(3)内部監査(Internal Audit)

 

(1)法定監査(Statutory Audit)

これはすべてのインド会社が義務付けられている監査で、

外部から会計監査人を選任し、

財務諸表に関して監査を受ける必要があります。

 

(2)税務監査(Tax Audit)

これはIncome Tax Act, 1961の44AB条に規定されており、

①    過去に1会計年度でも600万ルピー以上の売上を計上したことがある事業者、または、

②    専門職事業で過去に1会計年度でも150万ルピー以上の売上を計上したことがある事業者

のいずれかに当てはまる場合は、

法定監査とは別に所得税法上の「税務監査」も受けなければなりません。

通常、法定監査と税務監査は同じ会計監査人が兼任するケースが多いようです。

 

(3)内部監査(Internal Audit)

これはCompany(Auditor’s Report) Order, 2003(”CARO”)において明示されており

①    上場会社

②    期首に払込済資本金および剰余金合計額が500万インドルピー以上の会社

③    直近3年間の平均売上高が5000万インドルピー以上の会社

のいずれかに当てはまる場合は、

法定監査において発行される監査報告書の中で

当該会社の中で適切な内部監査システムが構築されているかどうかの意見を述べなければならない

とされていて、内部監査が“間接的に”義務付けられています。

ただ、この内部監査は法定監査を行う会計監査人以外の

別の勅許会計士もしくは会計事務所を選任する必要があり、

たとえ、上記3つのいずれかに該当する会社であっても、

小規模の会社にとっては現実的に単なる負担にしかならない場合もあり

内部監査を意図的に実施していない会社も多いようです。

その場合においては、監査報告書の中で

「この会社は内部監査システムが構築されていない」との意見が記載されることとなり

限定意見(Qualified Opinion)が表明されます。

この限定事項(Qualification)に対しては当該会社の役員が

なぜ内部監査システムを構築していないか、の理由を正当化する必要がありますが、

「当社は十分な内部統制が機能しているため、内部監査システムは構築していない」

という説明をもって返答することにより、

実務上は、事なきを得ている会社が多いということでした。

 

しかし、現在審議中の「新会社法」によれば、

今後はこの内部監査も“直接的に”義務付けられる、という内容の規定が盛り込まれる予定だそうで

その場合には内部監査を実施していない会社には罰金等の制裁が科せられることになり

半年以内には発効予定であるという「新会社法」の動向が注目されます。

 

(バスの運転手さんがオレを撮ってくれと猛アピール↓)

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日系企業が気をつけるべきサービス税の税務リスクの実態

多くの日系企業が、サービス事業者ではなかったとしても、何らかの形でサービスを受けたり、サービスを提供したりしていると思います。原則、そのサービス取引の内容が課税対象である場合には、14.5%(※2015年11月15日以降スワッチ・バーラット目的税0.5%を含む)のサービス税が課税され、サービス受領者は、サービス提供者からの請求書にもとづいて、サービス提供者に対してこのサービス税を支払い、サービス提供者がサービス受領者の代わりにインド税務当局へサービス税を納付することになります。つまり、サービスを受ける側は、原則、直接納税をすることはなく、サービスを提供する側がインド税務当局に対して納税手続きを行います。しかしながら、上記の原則から外れる例外取引が数多くあるために、多くの日系企業がさまざまな税務リスクを抱えているケースが散見されます。本日は、日系企業が特に気をつけるべきサービス税の税務リスクの実態についてご紹介したいと思います。 

サービス税①

 

「サービスを受ける側が気をつけるべき税務リスクについて」

 サービスを受ける側の例外としては、①リバースチャージメカニズム(RCM:Reverse Charge Mechanism)と②軽減税率(Abatement Rate)という仕組みがあります。今回は税務リスクにフォーカスをするため、特に①のリバースチャージメカニズムについてより詳細にご紹介をしたいと思います。

①リバースチャージメカニズムとは、サービス提供者に対してサービス税を支払う代わりに、一部もしくは全部のサービス税を自らがインド税務当局に直接納税しなければならない仕組みです。分かりやすい一例としては「サービスの輸入」があります。例えば、インド子会社が日本親会社から管理業務サポートや技術サポート等の何らかのサービス提供を受けた場合、インド子会社は日本親会社からサービスを輸入したことになります。サービスの輸入はリバースチャージメカニズムが適用されるため、日本の親会社が発行する請求書上にはサービス税が請求されてきませんが、インド子会社は日本親会社にサービス税を支払う代わりに、インド税務当局に14.5%のサービス税を直接納税する必要があります。

サービス税②

 

税務リスクとなる背景としては、インド子会社が受け取った請求書に対して支払手続のみを行って、サービス税の自主的な納税手続きが漏れてしまうリスクがあります。また、リバースチャージメカニズムが適用されるにもかかわらず、誤ってサービス提供者がサービス税を請求してきているケースもあり、過剰にサービス税を納税してしまうリスクもあります。そのため、サービスを受ける側は、常にサービス取引の性質・内容を十分に理解した上で、リバースチャージメカニズムの適用可否について評価・判断し、正しく請求書が発行されているか、正しくサービス税の納税手続きができているかを確認しておく必要があります。リバースチャージメカニズムの対象となる主なサービスを再度以下に掲載しておきます。

No. サービスの種類 納税義務者 と 負担割合
サービス提供者 サービス受領者
1. サービスの輸入 Nill 100%
2. 弁護士等による法務サービス Nill 100%
3. 個人事業主等が提供する人材派遣や警備サービス等 Nill 100%
4. 一定の物流サービス等 Nill 100%
5. 個人事業主等が提供する請負業務 50% 50%

 

 

「サービスを提供する側が気をつけるべき税務リスクについて」

サービスを提供する側が特に気をつけなければならないのは、例えば、インド子会社が日本の親会社(もしくはインド国外の外国企業)に対して仲介サービス等の何らかのサービスを提供する場合です。つまり「サービスの輸出」をするケースです。

サービス税③

 

まず、サービス税にはPOPS(=Place Of Provision of Services:通称ポップスルール)という大原則があります。つまり、「サービス受領者の所在地」がインド国内(課税地域内)であるかどうかによってサービス税の課税可否を判断する、というものです。つまり、インド子会社が日本の親会社にサービスを提供する場合には、サービス受領者は日本の親会社であり、その所在地(日本)は非課税地域(インド国外)であるため、原則、サービス税は免税となります(サービス税の輸出免税)。この大原則に則って、多くの日系企業は「サービスの輸出=免税」と理解しています。しかしながら、この大原則から外れる例外規定に該当するとサービス税の輸出免税は適用されず、サービス税が課税されるため注意が必要です。以下に主要なケースをいくつかご紹介しておきます。

サービス税④

 

例外規則第4条(Rule4)

物品および個人に対して物理的に何らかのサービスを提供する場合には、「サービス受益者の所在地」ではなく、実際にサービスが提供されている場所によって課税可否が判断されます。

例えば、日本法人との契約に基づいて、インド法人が物品の修理サービスをインド国内で日本法人に対して提供した場合には、「サービス受益者の所在地」は非課税地域(日本=インド国外)であるにもかかわらず、実際に修理サービスを提供している場所がインド国内であるためにサービス税課税取引として認識されることになります。同様に、インド法人が日本法人との契約に基づいて、例えば、インド国内を出張中の当該日本法人の従業員に対して何らかのサービスを提供した場合には、同じくサービス税課税取引として認識されてしまうことになります。

 

例外規則第5条(Rule5)

不動産に関して何らかの付随サービスを提供する場合には、「サービス受益者の所在地」ではなく、実際に不動産が所在している場所によって課税可否が判断されます。

例えば、日本法人との契約に基づいて、インド国内における工場の建設や改装工事、建物の修繕サービス、不動産賃貸サービス、不動産仲介サービス、不動産管理サービスなどを提供した場合には、「サービス受益者の所在地」は非課税地域(日本=インド国外)であるにもかかわらず、実際に不動産が所在している場所がインド国内であるためにサービス税課税取引として認識されることになります。

 

例外規則第6条(Rule6)

何らかのイベントに関してサービスを提供する場合には、「サービス受益者の所在地」ではなく、実際にイベントが開催される場所によって課税可否が判断されます。

例えば、日本法人との契約に基づいて、インド国内で開催される展示会等のイベントデザインや設営、出展サポート(展示会の入場料等も含む)のサービスを提供した場合には、「サービス受益者の所在地」は非課税地域(日本=インド国外)であるにもかかわらず、実際にイベントが開催されている場所がインド国内であるためにサービス税課税取引として認識されることになります。

 

例外規則第9条(Rule9)

一定の仲介サービスやオンラインIT関連サービス、金融サービスなどを提供する場合には、「サービス受益者の所在地」ではなく、「サービス提供者の所在地」によって課税可否が判断されます。

例えば、日本法人との契約に基づいて、旅行代理店が航空券の手配等のサービスを提供した場合には、「サービス受益者の所在地」は非課税地域(日本=インド国外)であるにもかかわらず、「サービス提供者の所在地」がインド国内であるためにサービス税課税取引として認識されることになります。

 

なお、規則第3条(Rule3)において、以下のようなサービスがPOPSの大原則が適用される具体例として記載されています。つまり、これらのサービス内容に該当すると認められる場合には、「サービスの輸出免税」を適用できることになります。

1, コンサルティングサービス(Consultancy Services)

2, トランザクション及びバックオフィスサービス(Transaction/back office services)

3, 物品の販売促進やマーケティング(Services of marketing/sales promotion of goods)

4, 人材採用および人材派遣サービス(Manpower recruitment of supply services)

5, システムおよびソフトウェア開発(Development of information technology software)

6, 知的財産権の譲渡および供与(Temporary transfer or permitting the use of IPR)

 

(↓タミル・ナードゥ州内の最高司法機関であるマドラス高等裁判所)

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製造業者が工場完成までに直面する経理実務の実態

今回のテーマは、インドに進出した日系メーカーがインド国内で工場が完成するまでに直面する経理実務の実態についてです。例えば、南インドのチェンナイにおいて製造を行う企業は、工場建設に際して、土地の確保から建設許可(CTE: Consent To Establishment)の取得、その他消防許可や水供給、電力、受電安全設備、工場ライセンス、操業許可(CTO:Consent To Operation)など、さまざまな許認可・ライセンス等を取得する必要があり、他州においても同様の法令・義務が規定されていることと思います。また、実際の工場建設の現場では、電気や水処理、通信配線等の各種インフラ設備の導入や、製造機械の据え付けなど、工場完成までのプロセスの中で直面する重要な局面において、インド駐在員だけでなく、日本からの出張者が適宜そのサポートに入るケースは多いのではないかと思われます。

しかしながら、これら一連のプロセスにおいて発生するさまざまな取引実態を正しく理解し、そして、企業経営や会計監査の観点、さらにはインドの税務、法務、訴訟リスクに至るまで、それぞれの観点から多面的に経理実務を正しく判断・処理していくことは決して簡単ではありません。今回は、そんな製造業特有にインド経理実務の実態についてご紹介をしたいと思います。

 

 「工場完成までに支払う人件費やその他間接費の取り扱いについて」

インド会計基準は、製造業者に対して、工場建設にかかる直接的または間接的に発生する費用はすべて資産計上することを求めています。実務的には、工場建設に関連する費用をすべて“建設仮勘定”として資産計上しておき、工場が完成した時点で“建物”として固定資産に振り替えます。なお、“間接的に発生する費用”の定義があいまいであることや、また、その全てを拾い上げることは簡単ではないために、金額的に重要性の高いものを中心に、そのひとつひとつの費用を資産計上すべきか否か判断していくことになります。ここで最も重要なのは、工場建設に際して発生する労務費です。つまり、(1)工場建設サポートのために日本から来る出張者の人件費および彼らの出張旅費は、原則、全て資産計上をする必要があります。そして、(2)インド駐在員の人件費についても、全体の業務時間のうち、工場建設のために費やした業務時間部分については、その割合に応じて人件費を按分し、工場建設にかかる駐在員の人件費として同様に資産計上をする必要があります。また、しばしば論点になるのは、上記インド駐在員が利用しているレンタカー代や、アパートの家賃、また、工場建設のための借入金の利息、工事にかかる電気代などもその費用の性質や金額的重要性の観点からひとつひとつ判断していく必要があるため注意が必要です。

  

「工場が完成するまでに支払うサービス税や物品税の取り扱いについて」

製造業者は、工場が完成するまでに様々なサービスの提供を受けたり、物品を購入したりしますが、工場建設に関連する費用は原則、“建設仮勘定”に資産計上する必要があることはすでに申し上げたとおりです。ここでは、その際に企業が同時に支払うサービス税や物品税の取り扱いについてご紹介したいと思います。

税金の相殺制度については前回ご紹介したので詳しくは触れませんが、原則、直接的もしくは間接的に製造にかかわるサービス提供や物品の購買に際して支払うサービス税や物品税については、CENVAT Creditとして税額控除の対象となります(=将来的に控除できるため支払った税金がコストになりません)。ちなみに、具体的にどのような支払税金が税額控除の対象となるかの詳細については、“CENVAT Credit Rules, 2004”の中で規定されています。しかしながら、2011年3月にインド税務当局から発表された通達によると、工場の建設等(setting up of a factory)にかかる支払サービス税については、同規定上、税額控除の対象から除外されることとなりました。この通達の発表により、工場が完成するまでに支払うサービス税の取り扱いについては、さまざまな議論・判断を要する論点となっています。

例えば、工場建設用の土地を99年リースで取得した場合には、土地リース代をサービス税込で一括前払いしているケースが散見されます。この場合には、一括前払いした支払サービス税の中に、工場の建設が完了するまでの期間にかかるサービス税と、工場が完成して製造オペレーションが開始した後の期間にかかるサービス税の両方が含まれていることになりますが、一括前払いしたサービス税のどこまでが税額控除の対象となるのかが不明瞭です。場合によっては、これらの支払サービス税についても“建設仮勘定”に資産計上しておくべきという判断もあり得るため、取引実態を正しく理解した上で十分な検討が必要となります。実際に、通達が発表されてからまだ4年ほどしか経っていないため、過去の最高裁等の判例の数がまだ少ないという点においても判断が難しい論点あることは間違いありません。

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「出資金を定期預金に預けて運用する場合に気を付けるべきポイント」

製造業者がインドに進出する際には、土地や工場建設、そして、機械設備等への投資が必要となるため、当初の払込出資金額も相当に高額になるケースは多く見受けられます。一方で、インド法人を設立してから実際に工場建設のための投資をしたり、機械・設備に投資をしたりするまでには、一定の期間が空くため、多くの日系企業が資金的に余裕のあるこの空白期間を利用して、出資金を短期の定期預金で運用して利息収入を稼ぐというのが通例になっています。日本の定期預金の感覚からすると、注意を要するほどの利息収入を稼ぐことは期待できないため、経理実務上においてあまり論点にはなりませんが、インドでは例えば6ヶ月定期に預けると年利7.0~8.0%で運用できるため、利息収入も相当に高額になります。

このような状況下において、日系企業の多くは「まだ工場も立ち上がっていないのだから当然に売上はないし、一方でさまざまな経費ばかりを支払っているので、いくら利息収入が多いからといっても初年度は当然に赤字だろう(法人税等の納税義務はないだろう)」と考えます。しかしながら、ここに落とし穴があるのが前回ご紹介した論点「事業の開始日(Date of Business Commencement)」です。つまり、インドでは事業の開始日以前に発生した費用は、原則、税務上の損金算入が認められていないため、工場が立ち上がっていない(事業がまだ開始していない)時期に得ている利息収入には、そのまま法人税等が課せられてしまうことになります。

ここでさらに重要になってくるのが予定納税です。インドでは法人税の年間見積納税額に対して、以下のとおり一定割合を年4回に分けて納税する必要があります。(法人税の前払いに当たります)

納付期限 納付すべき金額
6月15日 (第一回) 年間見積納付額×15%
9月15日 (第二回) 年間見積納付額×45%-前回までの納付額合計
12月15日(第三回) 年間見積納付額×75%-前回までの納付額合計
3月15日 (第四回) 年間見積納付額×100%-前回までの納付額合計

 

なお、上記の納付すべき金額が不足していたり、期限後に納税をした場合には、その延滞期間に応じて年利12%の延滞金利が課されます。つまり、上記のとおり「初年度は納税義務はないだろう」と思っていた日系企業が、年度末の税務申告時にふたを開けてみると、定期預金によって稼いだ利息収入全額に課税され、かつ、予定納税未納分に対する延滞金利まで追加で課せられるというダブルパンチを受けることになります。

インドに進出したばかりの日系企業は進出当初1~2年は特に初めてことばかりで対応が後手に回りがちです。不必要な税金コストを負担することなく、かつ、資金繰りに不用意な負担がかからないよう事前にどのようなタイミングでどのような税金を納付する必要があるのか、また、税金コストを最小限に抑えるためにどのような取引スキームが最適か等、信頼できる専門家をうまく起用して、進出当初から十分な検討をしておくことがとても重要となります。

(↓ムンバイの国際空港。ものすごい近未来的。チェンナイとは格が違うね、笑)

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インド数字 Lahk/Crore

“Lakh” と “Crore”

インドで仕事をしているとこのふたつの文字を毎日のように目にします。

どういう意味かわかりますか?

これらはインドにおいてある数字を意味しています。

 

Lakh : 1,00,000 (10万)読み方は“ラーク”

Crore : 1,00,00,000 (1千万)読み方は“クロール”

 

このように、Lahk(ラーク)は10万をあらわし、

Crore(クロール)は1千万を表します。

インドを中心にバングラディッシュやパキスタンでも使われているようです。

例えば、2008年発売当時、インドで最安値の1台約28万円で発売された自動車“TATA nano”は

発売当時のレートで1Lahk Car(ワンラークカー)として注目を浴びた車だったようです。

また、日本でも有名になったインド映画『Slumdog Millionaire(スラムドッグミリオネア)』も、

インドのヒンドゥー語による原題では『Slumdog Crorepati(スラムドッグクロールパティ)』と書かれていて、

日本で言うところの「百万長者」を、

インドでは1千万をあらわすCroreという単語を使って「クロールパティ」と呼んでいることが分かります。

インドに来たばかりのころ、

ショッピングモールにあった高級家具を見ていたら、

値札にRs.4,00,000 と書かれていました。

これ、いくらか分かりますか?

すでに(,)(カンマ)の打ち方に疑問を持たれていた方も多いかと思いますが、

インドではこれが正しい数字の表記方法になっています。

つまり、Lahk(ラーク)およびCrore(クロール)の単位を基準にしているため、

欧米式の3ケタ方式にはなっていないんです。

ちなみに、この高級家具は4ラーク(40万ルピー:約60万円)ということになります。

(その時、私はもう少しで店員さんに値段表記が間違っていると伝えるところでしたw)

もしインドで高い買い物をするときは、

値段を勘違いしないようにしてくださいね

 

ちなみに、下の表はインド最大の商用自動車メーカーTATA Motorsの決算書です。

売上高はいくらか分かりますか?

表の右上に (in crores) と書かれているのが分かると思います。

つまり、2012年3月期の売上高は54,880クロール、

5,488億ルピー、約8,000億円です。

商社の頭を悩ませるインドの関税とその仕組みとは?

インドの関税は国内産業保護の観点から税率が高く、

複雑な仕組みになっています。

具体的には、下記3種類の関税が存在していて、

かつ、別途、教育目的税という税金も課税されるため、

合計で関税率が25%を超えるケースがほとんどです。

 

1、  基本関税(BCD:Basic Custom Duty)

2、  相殺関税(CVD:Countervailing Duty)

3、  特別追加関税(SAD:Special Additional Duty)

 

(※参考までに、1991年に外資規制が解放されるまでは

基本関税率が実に350%を超えていたようです。

しかし、現在ではそれが10%になっており、

2011年8月に発効となった日印経済連携協定により

この基本関税率は今後10年以内に段階的に引き下げられていくようです。)

 

これら合計の関税率が高くなる一方で、

(1)関税の一部が税額控除の対象となるケース

(2)事後的に還付申請することができるケース

(3)免税の対象となるケース

(4)関税の一部を納入先である製造業者に移転するケース

などがあり、実質的な負担額はそれよりも低くなることが考えられます。

 

(1)税額控除の対象となるケース

3つの関税の中で「相殺関税」は

国内で製造した製品に課税される「物品税」に対応するもので、

また、「特別追加関税」は

国内での販売に課税される「付加価値税」や「販売税」に対応するものです。

輸入者が製造業者である場合には、

この「相殺関税」と「特別追加関税」を物品税申告上において税額控除の対象とすることができます。

 

(2)事後的に還付申請することができるケース

輸入者が販売業者である場合には、

製造行為を行わないため、

必然的に物品税の申告義務はなく、

「相殺関税」と「特別追加関税」を税額控除の対象とすることができません。

しかし、販売業者がインド国内に販売した際には、

「特別追加関税(=州付加価値税や販売税に対応)」の負担に加えて

別途、追加的に本来の州付加価値税や販売税も課せられてしまうために

実質二重課税が生じていることになります。

インド中央政府は、これに対してインドの輸入業者から多くの批判の声を受けて

2007年、この二重課税を回避する目的で還付制度が導入されました。

つまり、一定の条件下において「特別追加関税」のみが

事後的に還付申請することができるようになっています。

 

(3)免税の対象となるケース

また、”事後的に” 還付をする代わりに、

”事前に” 免除対象とできるケースもあります。

これは、上記還付申請には非常に煩雑な手続きが求められる上に、

還付を受けるまでに相当の時間を要することに対する批判の声を受けて

2010年の税制改正で小売用に包装された製品等について

一定の条件下において「特別追加関税」のみが

免除されるという規定ができました。

 

(4)納入先である製造業者に移転するケース

これは、「事後的に還付」もしくは「免税」という話ではなく、

販売業者である輸入者がある一定の登録を行うことによって、

「相殺関税」および「特別追加関税」を納入先である製造業者に移転し、

製造業者側で(1)の税額控除の対象としてもらう方法です。

ただ、このケースでは輸入時の支払関税額を

納入先に対して明記する必要があり、

販売業者側の原価とそのマージンが知られてしまうため、

販売業者(商社など)にとってインドのビジネスがやりにくいと言われる所以になっています。

 

インドで輸出入関連のビジネスをしていくには

複雑な関税制度や、貿易政策、その他優遇制度をよく理解し、

余計な手間やコストがかからないよう積極的に活用していく必要がありそうです。

 

(ラジャスタン州ジャイプールの街を通り過ぎる象)

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日本への海外送金に際して理解すべき手続の全容

巨額資産申告漏れの罪の疑いによって

有罪判決を受けていたタミル・ナードゥ州の

ジャヤラリータ前首相に対して

カルナータカ州最高裁判所は今月

なんと無罪の判決を言い渡しました。

それを受けて本日23日、同氏が政治復帰します。

個人的には「なんだかなぁ」と釈然としない中

熱狂的な市民が彼女を一目見ようと市内はお祭りモード。

外の気温は38度。灼熱のチェンナイ到来とともに街はものすごい熱気です。

 

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さて、インドから日本に海外送金するためには

インド準備銀行(RBI)が規定する

外国為替管理法(FEMA)にしたがって

一定の書類を準備する必要があります。

「えっ?単に送金するだけなんじゃないの?」

って思われる方が多いのですが、これがなかなか面倒なのです。

書類を作成するだけじゃなく、銀行手数料以外にも証明書の取得費用までかかる。

という訳で、前々回の記事に引き続いて国際取引を適切に処理するための

以下3つのポイントの中から、今回は第2回です。

第1回の記事はこちら(http://tanakkei.com/?p=11612

  • 第1回「日本法人が取得すべきPANおよびTRCについて」
  • 第2回「インドから日本への海外送金時に準備すべき書類について」
  • 第3回「日本法人がPAN取得後に対応すべきこと」

 

第2回「インドから日本への海外送金時に準備すべき書類について」

送金目的(支払の対象となっている取引内容)にもよりますが、

海外送金時には、原則、銀行から以下のような書類の提出を求められることになります。

  1. 請求書のコピー
  2. その他関連証憑書類のコピー(立替精算の場合の根拠書類や契約書、合意書など)
  3. 海外送金依頼書(Remittance Application:銀行所定の申請用紙)
  4. 海外送金報告書(Form A2:RBI規定の用紙)
  5. 海外送金にかかる源泉徴収報告書(Form 15CA:税務当局指定の用紙)
  6. 海外送金にかかる源泉税に関するインド勅許会計士の証明書(Form 15CB)
  7. 法人設立証明書(COI : Certificate Of Incorporation)
  8. 外国対内送金証明書(FIRC : Foreign Inward Remittance Certificate)
  9. 宣誓供述書(Declaration : 設立費用の立替精算の場合など)
  10. その他インド勅許会計士による証明書(Certificate : 設立費用の立替精算の場合など)

 

それぞれの書類準備にも相応の時間がかかるのですが、

No.6やNo.10のインド勅許会計士が発行する証明書は、

外部のインド勅許会計士に依頼をしなければならないため

証明書の発行手数料としてかなりの費用がかかります。

また、海外送金において日印租税条約(DTAA)に規定された軽減税率を適用する場合には

前々回の記事でご紹介をした通り、日本法人がPANおよびTRCを取得する必要があり、

インド側だけでなく、日本側でも支払に際して書類の整備が求められることになります。

なお、サービス提供等に対する対価の支払いであれば支払期限の規制はありませんが、

日本からインドへの物品等の輸入に対する支払については、

原則、船積みから6ヶ月以内に支払をしなければならない規定もあり注意が必要です。

支払時に求められる一連の手続を事前に理解した上で、

どのような契約内容にするのか、

どのようなタイミングで支払を実施していくのか等

当事者双方で十分な検討が必要です。

 

(自宅付近でジャヤラリータ州首相を激写。助手席に座るのね。)

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ECB規制とインドにおける資金調達のお話

たまには会計士らしい真面目な話を、、、笑

“貸借対照表(BS)” や “損益計算書(PL)” は

主に以下の4つの事業活動の結果を数字で表しています。

具体的な細かい数字は置いといて、

とりあえずこの仕組みを理解してもらえればと思います。

①    お金を調達する

②    そのお金を使って資産に投資をする

③    それらの資産を使って売上をあげる

④    売上から費用を引いた利益(及び損失)を認識する

 

財務諸表フロー

 

そこで、インド事業を始めるにあたってはまず

①    どのようにして資金を調達するのか、を検討しなければなりません。

上図のとおり、資金調達の方法には大きく分けて

借入金(返済義務のある負債)

出資金(返済義務のない資本)の2つがあります。

 

インドではこの資金調達についてのご相談を受けることが多くありますが、

ここでまずは、“運転資金” という重要な考え方について説明したいと思います。

夢中になっていたドラマ『半沢直樹』がついに終わってしまって寂しいので

ネジを作っている町工場のケースを取り上げてみますが、

下記の1~4はネジの原材料を仕入れてから

製造、販売、売上金の回収に至るまでのプロセスです。

 

1、ネジの原材料を仕入れる(支払期間30日)

2、ネジを製造する(製造期間30日)

3、完成品のネジを倉庫に保管する(製造後、販売までの期間30日)

4、ネジを販売してお金を回収する(回収期間30日)

 

それぞれのプロセスに要する時間を単純化して30日と仮定してみます

どういうことか

つまり、どれだけたくさんのネジを販売できたとしても、

そのお金を回収するまでにはどうしても時間がかかってしまうということです。

このケースだと、ネジを作り始めてからお金を回収できるまでに約3か月かかります。

一方で、ネジの材料の仕入先に対する支払期間は1か月間しか待ってくれませんから、

自社の商品がたくさん売れることがたとえ事前に分かっていたとしても、

ビジネスを継続していくためには最低でも2か月分の資金が必要となります。

これが一般的に言われる“運転資金”です。

 

インドで資金調達をする際に多くの日系企業が頭を悩ませている背景には

インド国外からの借入金をこの “運転資金” として使うことが

原則、認められていないという点にあります。

これはECB(対外商業借入:External Commercial Borrowings)と呼ばれるインド国外からの借入は

インド連邦準備銀行(Reserve Bank of India:RBI)が規程するECB規制によって

資金使途や借入期間等の制約を受けるからです。

つまり、低金利で日本からお金を借りたいけれど、

資金使途に制限があるために借りることができない

一方で、親会社に増資(追加の出資金)を依頼したとしても、

返済義務のない出資金は親会社にとって全額回収できる見込みがないため嫌がられる

さらに、インド国内でお金を借りると金利が高すぎて利息負担が重過ぎる、などなど

 

ところが、2013年9月4日にRBIが新たな通達を発表しました。

それは、ECBであっても以下の条件を満たせば

運転資金を含む一般的な事業資金として借入金を利用しても良いというもの

 

1、貸付側が借入側の株式25%以上を持っていること

2、又貸し等のECB規制に規定された禁止事項に抵触しないこと

3、平均借入残存期間が7年以上で、返済はそれ以降に行うこと

 

正直、まだ前例がありませんから何とも言えませんが、

通常は3年以上の期間において借入が認められているECBが、

“平均借入残存期間が7年以上”という条件が新たに提示されていることにより

結局は相当の金利負担を強いられる結果となることは目に見えていますので

実務的にどのように運用されていくのかが注目されます。

 

(チェンナイ・マリーナビーチの日の出とハトの群れ↓)

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日・インド社会保障協定の発効による日系企業への影響と実態に迫る

2012年11月に署名がされて以来、多くの日系企業が待ち望んだ日・インド社会保障協定の発効ですが、ついに2016年10月1日から発効されることになりました。日本にとっては日・インド社会保障協定が16か国目の協定となり、対象となる社会保障制度は、日本における「国民年金」および「厚生年金」、そして、インドにおける「被用者年金(EPS:Employees’ Pension Scheme)」および「被用者積立基金(EPF:Employees’ Provident Fund)」等です(※例えば、日本の政府管掌健康保険等については対象外)。先日当地チェンナイでも開催された厚生労働省および日本年金機構によるセミナー内容も踏まえてまとめると、大きなポイントとしては、(1)日印両国における保険料の二重負担の解消、(2)年金受給条件の緩和、(3)申請書類の代理受付、3点に集約することができます。今回は、これらのポイントごとに具体的な内容についてご紹介をしたいと思います。

 

  

「保険料の二重負担が解消!これはデカい!」 

 今回の日・インド社会保障協定の発効による影響が最も大きいのがこの保険料の二重負担の解消です。これまではインドに滞在する多くの日本人駐在員は、インド駐在期間中であっても国民年金等の日本の社会保障制度への加入を継続しながら、インドにおいてもEPSやEPFといった社会保障制度に半ば強制的に加入せざるを得ないケースが多く、両国における保険料の二重払いは日系企業にとって大きな負担となっていました。しかしながら、今回の日・インド社会保障協定が発効する2016年10月1日以降は、派遣期間が5年を超えない駐在員の場合にのみ、日本年金機構から適用証明書(COC:Certificate of Coverage)を取得することによって、例外的にインドの社会保障制度に加入する必要がなくなります(※なお、自営業者は当該協定の対象外)。具体的には、日本側で取得した適用証明書を駐在員がインドまで持参した上で社内に保管しておくことになります(=提出義務はなし)。また、派遣期間を延長して、合計が5年を超えるような場合には、予見できない特段の事情等がある場合にのみ、個別に両国間での協議・合意の上、最大3年間の延長が認められることになっています。なお、協定発効日時点においてすでにインド駐在中の場合には、2016年10月1日から起算して5年以下の駐在期間が見込まれる方が当該協定の対象となります。(※なお、適用証明書は2016年10月1日以降に申請可能で、申請後約2週間程度で発行される予定とのこと。適用証明書のサンプルはこちら:https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/sinseisho/0826-02.files/7.pdf

 

「積立基金および年金の受給資格要件が緩和!これもデカい!」

 現在、インド駐在期間中の日本人がいて、かつ、インドの社会保障制度(EPSならびにEPF)にすでに加入している日系企業にとっては受給資格要件の緩和も大きな変更点のひとつ。具体的には(1)保険期間の通算、と(2)適用証明書(COC)取得による積立金還付の即時申請、という2つのポイントがあります。

まずは(1)年金の保険期間の通算について見ていきましょう。日本の老齢年金の受給資格要件は保険加入期間25年間。一方で、インドの年金(EPS)の場合には保険加入期間10年間です。これまでは、例えば下記のようなケースでは、日本の保険加入期間が合計で23年(=25年を満たさない)、そして、インドの保険加入期間が3年(=10年を満たさない)となるため、日本でもインドでも年金受給資格を得られませんでした。つまり、これまでのケースはほとんどがインドで支払っている当該EPSに対する年金保険料は単なる掛け捨てのコストとして認識せざるを得ませんでした。しかしながら、今回の日・インド社会保障協定の発効によって、保険期間の通算が認められるため、例えば、下記のケースでは通算後の保険加入期間はトータルで28年となり、日本においてもインドにおいても両国で年金受給資格を得ることができ、それぞれの国おいて年金保険料を支払った期間に応じて、年金が給付されることになります。つまり、下記のケースの場合、日本では23年分の年金給付を、インドでは3年分の年金給付を受けることができることになるわけです。ちなみに、インドにおける老齢年金EPSは58歳以降に受給開始となります。

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次に、(2)適用証明書(COC)取得による積立金還付の即時申請について見てきましょう。これまでは被用者積立基金(EPF)については、駐在員の年齢が58歳に達する時点もしくは会社を引退する時点のいずれか遅い時点までは当該積立基金に対する還付を申請することができませんでした。つまり、これまでは駐在員が日本に帰国する際には、インドの個人口座を、閉鎖せずに積立金の受け取り用口座(=非居住者口座)として維持しておき、かつ、受給資格が得られるまではただひたすら待つ、、、、という状況でした。しかしながら、2016年10月1日以降は、帰任済の駐在員については適用証明書取得後に速やかに、また、現在駐在中の方は帰任等によりインドを離れる際にすぐに還付申請を行うことができるようになります。

なお、積立基金および年金の受給申請には主に、(A)書類上での雇用者証明による還付申請と、(B)UAN(=Universal Account Number)番号ベースの雇用者デジタル署名による還付申請、の2種類の方法があります。(A)の場合には、提出書類であるForm19(積立還付申請)およびForm 10C(年金受給申請)において、“1ルピーの印紙貼付”、および“雇用主による記載内容の証明(署名・押印)”が必要となりますので注意が必要です。一方で、(B)UAN番号ベースの還付申請を実施する場合には、当該機関EPFOのポータルサイトにて被用者の基本情報(KYC:Know Your Customer)を更新し、雇用者の権限保有者にデジタル署名(=DSC)にてオンラインで証明をしてもらった上で、UAN番号による還付申請用のForm19およびForm10Cを提出します(=この場合、雇用者による書面上の証明は必要なし)。受給申請時に添付する必要がある書類としては、下記のようなものが考えられます。(※状況によって必要書類は変わる可能性がありますのでご留意下さい。)

 

■ Form19(積立基金受給申請)

■ Form 10C(年金受給申請)

■ Non-Employment Declaration

■ Form 15G(確定申告にかかる供述書)

■ 赴任時のアポイントメントレター(Appointment Letter)

■ 帰任時のリリービングレター(Relieving Letter)

■ PANカードコピー(自署が必要)

■ Employment Visaのコピー(自署が必要)

■ FRRO登録のコピー(自署が必要)

■ キャンセル済小切手原本(自署が必要)

 

 

「申請書類の代理受付が日本で可能に!ただ、日本から申請できるとは言え、、、?」

 そして、最後のポイントが日本での書類代理受付です。これまではインドの積立基金や年金の受給申請はインドの担当窓口でしか受け付けてもらえませんでしたが、2016年10月1日以降は、日本の年金担当窓口も代理で書類の受付を行ってくれるとのこと。今回の日・インド社会保障協定の発効にともない作成された新しい申請書類フォーマットも用意されているようで、日本語、英語、ヒンディー語の3言語が併記されているので、すでに日本に帰任されている方にとっては書類作成および申請が日本でできるのでとても有り難い話です。がしかし、、、日本年金機構の担当者に話を伺ってみたところ下記の観点からいろいろとまだハードルは高そうです。

■ 日本側は単なる窓口機能で、原則、書類をそのままインドに受け渡すのみ

(※書類の不備等があった場合の対応や、還付までに要する時間が不透明)

■ 日本の口座を受け取り用口座として指定できるはずだが実績がないので不透明

■ 申請書類によって1ルピーの印紙貼付が必要(=インド側で準備する必要あり)

■ 申請書類によってインド側の雇用主による記載内容の証明(署名・押印)が必要

■ 積立基金や年金受給後は、受給額に応じてインドで確定申告をする必要あり

 

そして最後に、、、これまで説明してきましたインドにおけるEPF(積立基金)やEPS(年金)については、言わずもがな“個人”に帰属するものであることが大前提となっています。つまり、受給資格を得るということは、その個人が受給する権利を得ることになり、原則、駐在員の個人口座に入金されます。一方で、多くの日系企業は、駐在員の待遇面における手取保障の観点からインドでの社会保険料については駐在員本人負担分についても会社が代わりに負担をしているケースがほとんどであるため、個人に帰属する還付金について、どのように取り扱うべきか、会社と駐在員個人間で事前に合意をしておく必要があります。また、例えば積立金の還付時には10%のTDS(源泉所得税)が控除され入金されますが、還付額が多い場合には10%の納税では足りないため、別途確定申告および追加納税を実施する必要があるため注意が必要です。

いずれにしても、積立基金や年金の受給は外部の専門家のサポートを得ながら所得税の課税関係についても正しく清算した上で還付申請手続きを進めていくのが望ましいのではないかと思われます。

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