インドで生活・旅行する上で、インドで生活・旅行する上で、気をつけたいことの1つが、感染症です。食中毒などでお腹を壊してしまったり、はたまた肝炎、狂犬病…と、日本で生活しているとかかることは稀な感染症にかかるリスクのあるインド生活。
感染すると大変なデング熱をインドで経験しないよう、そして感染初期の対応を誤って重篤化することを防ぐために、下記の基礎知識を予め知り、日々予防対策ができるようにしておきましょう。
Disclaimer:本記事は個人的なリサーチによるものであり、内容を保証するものではないことをご了承下さい。体調に不安がある場合は、医療機関の受診をお願い致します。 |
デング熱とは
デング熱とは、“デングウイルス”を持った蚊に刺されることによって起こる感染症です。
デングウイルスを媒介する蚊はヤブカ属に属する、ネッタイシマカ(Aedes mosquito)とヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が主といわれており、老若男女問わず感染する可能性があります。
インドでのデング熱の流行時期
デング熱は1年中感染確率のある感染症ですが、特にモンスーンの時期からモンスーン後(6月〜11月)にかけて流行します。
その為、デング熱の流行時期はインド各地でデング熱予防の為のペストコントロール隊が街中や住宅地に出没し、蚊を殺傷する煙をまいていきます。
また、モンスーンの時期はインドでインフルエンザが流行する時期でもあるので、インフルエンザの予防にも努めなければいけません。インフルエンザとデング熱の同時感染の可能性もあります。
デング熱の症状
蚊を媒介してウイルスが体内に侵入してから4〜10日間の潜伏期間の後、2〜7日間下記のような症状が出ます。
(感染した2〜4割の方が発症し、症状が出ない場合もあるそうです。)
|
また、デング熱に感染すると血小板の数値が下がる為、肌に手を押し付けると手形が肌につくことがあります。(参考画像※肌の状態のイメージ写真が表示されます。苦手な方は閲覧をお控えください)
重症化すると、出血症状やショック症状を引き起こすことがあり、2回目以降のデング熱感染時は重症化の確率が高まるので特に注意が必要です。
インドでのデング熱予防法
デング熱は人から人には感染せず、必ずデング熱ウイルスを持った蚊を媒介して感染します。
蚊を発生させない為に
水気のあるものを家に置かない
水気の溜まりやすい植木鉢やバケツなどは、逆さまにして水を溜めないようにしましょう。 モンスーンの季節は、バルコニーなどに水溜りを長時間キープして蚊を発生させないよう、定期的な水捌け作業が必須です。 また、花瓶の水は定期的に変えて蚊を発生させないようにしましょう。 |
長袖長ズボンを着用する
モンスーンの時期は蒸し暑いですが、なるべく長袖長ズボンを着用しましょう。 インド服は、強い日差しから肌を守る為に長袖長ズボンのものが多く、コットン製で風通しが良いので、蒸し暑いモンスーンの時期でも快適に着用することができます。 また、蚊を寄せ付ける傾向のある黒い色の服は避けましょう。 |
蚊に刺されない為に
- 虫除けクリーム、スプレー
インドでの虫除け剤は「ODOMOS(オドモス)」が有名ですが、オドモスの独特な匂いが気になる方は薬局やスーパーなどで手に入るレモングラスの匂いのオーガニック系虫除け剤がおすすめです。
そして、日本で「虫除け剤」と言えば、なんといってもフマキラー!
フマキラーもインド進出をしており、キラナショップ(小規模小売店)を中心に商品を展開。
1回使い切り個装タイプの虫除けクリーム「SKIN VAPE(スキンベープ)」(1個当たり5ルピー)が販売されています。他の虫よけクリームと比べてサラッとした使用感でベトつかず、速乾性が高いのが特徴です。
- 蚊取り線香
言わずと知れた蚊取り線香も、インド国内で販売されています。
そして、煙の量を抑えてかつ燃焼時間が長持ちするLess Smoke(1箱14巻で36ルピー/燃焼時間は9時間)というタイプも展開されています。
今回、フマキラーインディア社の梅本社長にお話をお聞きしたところ、”Super Power”はインド国内で一般的に販売されている蚊取り線香の約3倍の(3巻を同時に燃焼したのと同じ)効力があるそうです。
そして、効力を図る上での重要な指標のひとつである「ノックダウン効果(害虫が気絶して動かなくなるまでの時間)」で比較すると、インド国内の一般製品が10分以上かかるところ、フマキラーのSuper Powerはたった3分で明らかな効果が得られるとか。
一方で、Less Smokeは炭を多く配合することにより煙の量を減らしているので、寝室での就寝時におすすめです。
- 虫除けプラグ
コンセントに差し込むタイプの虫除け剤も役に立ちます。特に就寝時は蚊に刺されやすいので、必ず虫除け剤のスイッチをONにしてから就寝しましょう。
- 樟脳(camphor)
インドでは宗教儀式の際によく使用される樟脳(camphor)。日本人にも馴染みのある樟(クスノキ)の木から抽出されるもので、結晶状や粉状で販売されています。
インドではコロナ第一波の時に、虫除けプラグや虫除けスプレーが品薄になり、樟脳を虫除けとして使用することが話題になりました。
一粒を水と一緒に小さなボウルに入れて部屋に置くと、匂いで蚊を撃退することができます。
- 蚊帳
インドのアマゾンでは日本と同じく、ベッドに置くだけで使用することのできる立体的な蚊帳が販売されています。夏の時期になると、道路で販売されているのも見かけます….。
少し余談ですが、フマキラーインディア社の梅本社長によると、インドでは自国産業保護のため、殺虫剤は中間品や完成品も含めて全面的に輸入を禁止しているようです。
また、そもそもインドで処方が認められている殺虫剤は効果が比較的低いものが多く、したがって、インド国内で販売されている虫除けクリームや蚊取り線香などはフマキラー社が日本で販売している最新型(プレミアムシリーズ)と比べると効果が少し劣るそうです。
インドに滞在される際には、虫除けクリームや蚊取り線香などは日本で買ってきてインドに持参をした方が良いかもしれませんね。
もし、デング熱かな?と思ったら
インドでは、大きな都市だと日本語での受診が可能な病院もあります。
けやきファミリークリニック(グルガオン) けやきファミリークリニック けやきファミリークリニック サウスポイントモール院 デリーNCR グルガオン 日系ク... けやきファミリークリニックは、日本人経営・日本人医療通訳常駐の総合診療クリニックです。かぜ・インフルエンザ・デング熱・食あたり・ものもらい・結膜炎・あせも・湿疹など、内科・小児科のほか、眼科・皮膚科など専門科の初期治療にも対応した総合診療クリニックです。 ヒーリングレイクリニック(グルガオン&ニムラナ) 日本語通訳を手配するジャパニーズヘルプデスク(対応エリアは以下ご参照) 出典:ジャパニーズヘルプデスク |
デング熱を診断する検査は主に血液検査によって行われますが、インドの検査機関は結果判定までに要することがあり、医師がデング熱の可能性が高いと判断した場合は検査結果が出る前でも入院を勧められることがあります。
また、デング熱の治療は対処療法が中心となるため、軽症の場合は自宅療養となること多いようです。
デング熱にかかった際、またはデング熱かどうかはわからない発熱や頭痛がある場合はアスピリン・イブプロフェン・ロキソニンなどの成分が入った解熱鎮痛剤の服用は症状を悪化させる可能性があるそうで、危険なので絶対に服用はしてはいけないらしいのです(例:バファリン、イブなど)。病院でお医者さんにしっかり確認しましょう…!
また、安静にして経口補水液などで水分補給を沢山することも重要です。ポカリスエットがなくても、インドでは電解質を含んだ経口補水液(ORS)は薬局などで気軽に買えます。
インドで生活・旅行していると、他人事ではないデング熱。
アスピリン・イブプロフェン・ロキソニンなどの成分が入った解熱鎮痛剤の服用はデング熱の症状を悪化させる危険があるなんてこと誰も教えてくれません….。私はインドに来てからはじめて知りました。
Disclaimer:本記事は個人的なリサーチによるものであり、内容を保証するものではないことをご了承下さい。体調に不安がある場合は、医療機関の受診をお願い致します。 |