日本とインドの会計士・弁護士事情

by 田中啓介 / Keisuke Tanaka

日本やアメリカで一般的に呼ばれている

「公認会計士(CPA: Certified Public Accountant)」のことを

インドやイギリス、オーストラリアでは

「勅許会計士(CA: Chartered Accountant)」と呼びます。

 

日本公認会計士協会、及び、インド勅許会計士協会のデータによると

2012年時点の日本国公認会計士の会員数は約3万2,000人で、

2012年時点のインド国勅許会計士の会員数は約19万2,000人です。

インド勅許会計士資格の試験制度は、

第1試験CPT、第2試験IPC、第3試験Finalの3段階の筆記試験と、

3年間の実務経験(Articleship)から構成され、

インドで最も難関な国家資格の一つです。

会計士が行う業務のひとつとして有名なのが会計監査

日本では資本金が5億円以上、もしくは負債総額200億円以上の大会社に義務付けられていますが、

インドでは全ての会社がこの会計監査を受けなければならないことも背景にあって、

インド国勅許会計士は社会的にも高い地位の職業として広く認識されているようです。

 

一方で、インド国弁護士に対する認識は随分と違うようです。

日本の司法試験のような難しい資格試験はなく、

原則、法学部を卒業し、登録料を納付すれば弁護士登録をすることができます。

法学部を有する大学はインド全国に約900校もあり、

毎年約4~5万人の弁護士が新たに誕生しているようです。

2011年に“All India Bar Examination”と呼ばれる弁護士資格試験が新たに導入されましたが、

全ての卒業生が受験をしなければならないわけではなく、

また、2011年以前の卒業生には適用されないために、

依然としてインドではほとんどの弁護士が試験に合格することなく業務を行っています。

日本弁護士連合会のデータによると、

2012年時点の日本国弁護士の会員数は約3万2,000人であるのに対し、

インドでは120万人超の弁護士がいると言われており、その数はなんと日本の約40倍です。

当然、専門家としてのレベルも様々で、

インドに進出している日系企業にとっては、

信頼できる適切な会計士・弁護士を見つけ出すことはとても重要です。

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