“MRP”
インドではほぼ毎日目にする文字です。
これ何を意味しているか分かりますか?
「インドでは買い物をするたびに値段の交渉をしないといけない」
まだ日本にいた頃、そんな噂をどこからともなく聞いていましたが、
実際には全てに交渉が必要なわけではありません。
例えば、ショッピングモールに行けば基本的に表示価格通りで買えます。
スーパーに行っても値段が決まっているので、
日本とあまり変わりなく買い物をすることができます。
その理由が “MRP” にあります。
これは”Maximum Retail Price”の略で小売価格を意味します。
例えば、ジュースやお菓子などの裏を見るとMRPが記載されていますし、
電化製品の箱を見ても、MRPが記載されたシールが貼ってあります。
Maximumと書いているぐらいですから
これが小売価格の上限であることを意味していて
1970年代に原則すべての製造業者はこの”MRP(最大小売価格)“を決めることが義務付けられたんだそうです。
そうは言ってもインドも自由競争社会ですから
どこもかしこも値段が同じという訳ではありません。
全国展開しているようなスーパーでは、
「Buy 2 Get 1 free(2つ買ったら1つはタダ)」
と書かれた販促キャンペーンをよく見ますし、
「”Save 3Rs.” MRP60Rs. 57Rs.(小売価格から3ルピー割引して57ルピー)」
といった表記はスーパーでは当たり前になっています。
それでも、あるデータによるとインドでは小売店の9割以上を
「キラナ」と呼ばれる個人商店が占めていて、
少しでもお金を稼ごうと
MRPを無視して販売している店も少なくないのが事実のようです。
それに対して、法的にMRPを無視することが許されているケースもあります。
例えば、ホテルやレストランで出されるミネラルウォーターやジュースです。
これは2012年5月のHindustanTimesの記事を見ても分かりますが、
「ホテルやレストランで出される飲み物は“商品を販売”している訳ではない」
という考え方に基づいています。
つまり、スーパーでは20~30ルピーで買えるはずのミネラルウォーターが
ホテルやレストランでは例えば100ルピーで買わされる上に、
レストランだとさらにサービスチャージ(5~10%程度)も請求されるわけですから、
やっぱり割高感は否めないですね