以前からそう思っており、今回チェンナイ行きを機に日本にいる間に情報収集をしました。結果、種類が多すぎて違いがよくわかりませんでした。
せっかく古典的な正統派ヨガに興味を持っても、専門用語も多く、私のような初心者には違いを理解するのが難しいと感じてしまいます。
だからわかりやすくエクササイズ化された現代的なヨガが人気なのでしょう。
インドで学べるヨガは日本と違うのか
インドのヨガについてまとめたホームページや書籍は数えきれないほどありますが、おそらく一番説得力がある出典は、
『ヨーガ・スートラ』でしょう。
ヨーガ・スートラは、正統バラモン教(インド哲学)のうち、ヨーガの修行で解脱を説く「ヨーガ学派」の教典です。完成したのは 4-5 世紀頃と考えられているそうです。現代のエクササイズ的なヨガの世界でも、基本経典として紹介されることがあります。
ヨーガ・スートラでは、「ヨーガとは心の働きの止滅(ニローダ)である」と定義されていて、自分の心を理解してコントロールできるようになるために8つの段階を順番に練習します。 おそらくこれがインドのヨガの基本です。 |
さて、続いてヨガの種類について。
古代インドから伝承されてきた古典的なヨガは、主に4つに分けられます。
(1)カルマ・ヨガ(行為のヨガ)、(2)バクティ・ヨガ(信仰のヨガ)、(3)ジニャーナ・ヨガ(知識のヨガ)、(4)ラージャ・ヨガ(王のヨガ)という4種類のヨガです。
現在のエクササイズ的なヨガは、ラージャ・ヨガの中の「肉体を動かし瞑想する」の部分がいろいろ枝分かれしてできた派閥のようです。
私たちが「ヨガやろう」と言ってヨガをしに海外に行く、資格を取ろうと考える場合、選ぶヨガはこの「ラージャ・ヨガ」の枝分かれした現在のヨガだそうで、いろいろな種類があります。
有名な名前をいくつか挙げてみます。
ハタ・ヨーガ(ヨーガ体操)
ハタヨガは、現代ヨガの元祖とも言われているヨガの基本を網羅したヨガだそうです。
呼吸に意識を向け、ゆっくりと1つ1つのポーズを無理なく丁寧に行うため、初心者、幅広い年齢層の方たちにおすすめされています。
シヴァナンダ・ヨガ
スワミ・シヴァナンダの教えに基づき、スワミ・ヴィシュヌ・デヴァナンダによってアメリカに紹介された、ハタ・ヨーガのスタイル。12の基本的なポーズでチャクラを活性化させます。
アシュタンガ・ヨガ
正式には「アシュターンガ・ヴィニヤーサ・ヨガ」といいます。
現在のパワー・ヨガの源流ともなっているヨガです。主なスタイルはインド・マイソールのパタビジョイス師により指導されています。ポーズの順番が決まっており、呼吸時の腹筋の使い方や、視点の定め方もポーズにより指導されるそうです。
パワー・ヨガ
パワー・ヨガは、アシュターンガ・ヴィニヤーサ・ヨーガをベースにし、脂肪を燃焼させ、美しい肉体を作ることを目的として主にアメリカで開発されました。
ハタ・ヨガが、1つのポーズをとったまま一定時間静止した上で次のポーズに移行するのに比べ、パワー・ヨガは、各種ポーズをストレッチのように行うのが特徴で、運動によるフィットネスが主な目的になっています。
インドではたくさんのヨガ講師が教室を開いており、インターネットや SNS で宣伝しています。そこのヨガ講師のプロフィールを読むと、特にこれというヨガ流派を謳っていないことも多いです。
自分が取得したヨガを独自に発展させて教えているという印象です。
シヴァナンダ・ヨガセンター・チェンナイへの入門の仕方
さて、色々な体験記を読むと、日本からヨガを学ぶために海外へ行く場合は、「アシュラム」に一定の期間籠って修行する方が多いようでした。
私は通いでヨガを習えるところがよかったので、自宅から一番近いシヴァナンダ・ヨガ・センターで、ビギナーズコースを受けることにしました。
瞑想もインドにいる間に取り入れたいルーティンのひとつです。
全12回なので、4週間で1クール。定期的に開催されています。
ホームページから会員登録し、5,000 ルピーを先に支払います。 |
コースの開始日はホームページにも記載されますが、インスタグラムの方が更新が頻回で情報が早いので、インスタをチェックした方が正確だと思います。
例えば 2023年3月のビギナーズコースは、3/6 (月) から始まる 9:30-11:00 のコースと、18:30-20:00 のコース、3/20 (月) から始まる 6:00-7:30 のコースがあります。
イベントや他のレッスンの詳細もこちらで告知されています。
私は最初、何日から新しいコースが始まるのか聞きたくてメールしましたが、結局返事はきませんでした。
電話するか、WhatsApp アプリで連絡するか、インスタなどSNSのDMを利用するのが早くて確実です。
だからこそ、しっかり教えてくれそうだなとも思います。
個人でやっているヨガ講師に教えてもらうよりも、こういう世界的に系統化されたセンターで習いたいなと思っていたので、ちょうど通える範囲にあってラッキーでした。
ちなみに毎日開かれている「オープンコース」は、ヨガの基本を一通り学んだあとで、1回から参加できます。
ビギナーズコースを修了するか、先生の許可があれば参加可能と書いてあります。
金額
|
実際のシヴァナンダ・ヨガ、レッスンの様子
初回
初日は5分前に着くように向かいました。半袖とゆるい長ズボンを着て、ヨガマットは自分のものを持参しました。
服装の決まりはありませんが、Tシャツはズボンにインできるタイプの方がいいです(短いTシャツだと、逆立ちしたときにTシャツがべろんと顔にかかって邪魔になります)
ヨガマットは入り口にたくさん置いてあるのでたぶん借りられますが、事前に確認した方がよいと思います。
ヨガセンターの駐車場に停めると既に入り口に何人か生徒さんがおり、続々と車が来ていました。
オープンクラスも同じく 6時開始で、受付では数人が並んでいました。
外で靴を脱いで裸足で建物内にあがります。
ロビーでは、スタッフや生徒同士がおしゃべりしたりしています。受付の奥ではTシャツや黄色いズボンなど、オリジナルグッズも買えます。
ビギナーズコースはセカンドフロア(日本でいう3階)で行っています。
開始の時には私を含めて参加者は4人で、女性3人男性1人。
簡単にそれぞれが自己紹介をしてから始まります。
あとから4人が遅れて来て8人になりました。女性6人男性2人。
出身地は聞いたことのない名前ばかりで、皆インド国内の人のようでした。
部屋は広く、窓がたくさんあって気持ちが良いのですが、カラスの鳴き声がうるさくて先生の説明する声が聞こえません。
みんな、何か質問されるたびに聞き返していました。
最初はおそらくシヴァナンダヨガの創始者の話をしてくれていましたが、それもカラスにかき消されてよく聞こえませんでした。
その後、心構え的なことの説明後に、準備運動をします。目の動かし方、首の動かし方、呼吸のリズムとか。
後半は簡単なストレッチと椎骨を緩める練習を主に行います。
ポーズも少しだけ練習します。難しかったのは、腰を腕で支えて足をまっすぐ天に上げるポーズ。
ビギナークラスでよかったです。
そうこうしていて、1時間半はあっという間に過ぎました。
ヨガの本場インド、頭だけで逆立ちするような挑戦的なポーズを想像していたので、ついていけそうな雰囲気でよかったです。
2回目
教室に入ると、生徒のヨガマットを敷く配置が変わっていました。前回声が全く聞こえなかったので近くに変更されたようです。
これだと生徒同士が向かい合わせに立つことになるので、目が合うと気まずいなーと思いました。こんなこと気にしてるのはたぶん私だけですが。
2回目は生徒が一人女性が増えて9人になりました。
この日のハイライトは「太陽の礼拝」です。
最初なので、ゆっくりやってくれる上に、先生が一人一人コメントしながら回るので、逆にきついです。途中長い間プランクを強いられます。ほぼ筋トレ。ぷるぷる。
慣れてしまえば簡単なポーズなんだと思いますが、普段使わない筋肉が必要とされてけっこう疲れます。
毎回のポーズの練習のたびに、先生がひとりひとりの顔をじっと見て質問がないか確認してくれます。
私も上の写真のところができなかったのでどうしたらいいんだと聞くと、
スローモーションみたいにゆっくり動かすか、逆の足の膝をついてサポートするといいよと教えてくれました。
なるほど確かに逆の膝ちょっとつけるとスムーズにできる!
個々で苦手な部分は違うから、君はこうしよう、とか、まずこの方法を試してみて、とかアドバイスしてくれます。
出来ないことが出来るようになるプロセスを教えてもらうのは、ありがたかったです。
3回目
続く3回目のレッスンの日、ハイライトは呼吸法でした。
右の鼻孔を右親指で押さえて閉じ、左の鼻孔から 4秒かけて息を吸います。その後、8秒かけて息を吐きます。左の鼻孔を右薬指と小指で閉じて、同じく4秒かけて息を吸う、8秒かけて息を吐く、これの繰り返しです。
皆だいたい左右どちらか片方の鼻孔で呼吸をしていて、どっち側で呼吸してるかで心身の状態が違うそうです。このバランスを整える練習だと説明を受けました。
4回目
4回目からは、呼吸法がステップアップして、左の鼻孔から吸って右の鼻孔から吐く、右の鼻孔から吸って左の鼻孔から吐く、というやり方になりました。
でも集中して鼻呼吸を続けていると、終わる頃にはかなり鼻が通って呼吸が楽になります。
前回までに、2, 3, 9, 12 のポーズを練習しており、この日は 4, 5, 11 と、膝を抱えて丸くなってゆりかごみたいに身体を前後左右振るポーズ(一覧にはない) が導入されました。
先生から最後、調子どう?と聞かれ「股関節が硬いから大変」と答えたら、家で太陽礼拝をやったらいいと言われ、先生の音声データを聴かせてくれました。
これは「太陽の礼拝・自宅練習用」の音声データで、先生がいつもヨガ教室で「吸って吐いて」と言いながら動きを指示する歌のような声が入っています。横になってリラックスするところから始まって、太陽礼拝を何回かやって終わる。7分ぐらいの長さのものです。
欲しければあげると言われたので、もらっておきました。
5回目
珍しく雨でした。
こんな日は呼吸法からゆっくりちゃんとした方がいいと先生は言って、時間をかけて前回と違う呼吸を教えてくれました。
吸ったあとに両方の鼻孔を抑えて8秒息を止めて、ゆっくり吐く、というもので、鼻がつまっているとこれはかなり苦しいです。
この日は太陽の礼拝に始まり、2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, の順に練習しました。あと前回やったゆりかごポーズも。
色々直されるけれど、この頃になるとみんなちゃんとヨガっぽくなってきました。
6回目
ビギナーズコースもこの日で半分が経過。
太陽の礼拝は最初は息が上がっていましたが、だんだんと連続でやっても辛くないくらいに慣れてきます。
この日はドルフィンポーズ(一覧にない)というのが新たに導入されました。
そしてついに初めてヘッドスタンドポーズの練習が始まります。
先生に補助してもらって一応形にはなりましたが、足をまっすぐ上でキープするのが難しいです。
これを習得するための手順には8ステップあるそうです。これから順番にやるから焦らないように、と諭されます。
私のヨガマットの位置からちょうど隣の家の赤いサンドバッグが視界に入ります。集中したいときはあの赤いサンドバッグを見つめるようにしていました。特にバランスをとるポーズの場合、どこかを注視するとやりやすいことがわかりました。
7回目
前回からの呼吸法に加え、吐く時に腹筋に力をいれてお腹を凹ませ、息をふんっと小刻みに吐く方法が加わりました。
大きく吸って、鼻から勢いよく少し空気を吐くと同時にお腹を凹ませて、リラックスしてお腹を戻す。また吐いてお腹を凹ませて、リラックス、を繰り返す。
このリラックスするタイミングでは、「リラックスするだけ」で息は吸わないように!と言われますが、
30 回くらい連続でお腹を凹ませる動きをするので、息を吸わないともたない。。
みんな肺活量がすごいのでしょうか。苦しい修行がまた増えてしまいました。
呼吸法のあとは、まずは太陽の礼拝。
そしてドルフィンポーズから、ヘッドスタンドの練習。
ドルフィンポーズは、肘をマットにつき、両手をマット上で組み腕で三角を作り、お尻を浮かせた状態で、足をピンと伸ばし、体幹を前後に動かします。
ヘッドスタンドはそこから、頭をマットに置き、手で支えるように添える。つま先を頭に近づけるように足を近くまで動かして、片足ずつ膝を曲げながら浮かせます。
両膝を曲げた状態で足が浮いたら、片足ずつ天井に向かってまっすぐ伸ばす。
これを先生の補助のもとゆっくり練習しました。
ヘッドスタンドは4→5が関門だと思います。
腕の筋肉の力も必要ですが、それより体幹をまっすぐ保つバランス力が大事な感じがしました。
上で足をまっすぐに保つ時には、腹筋に力をいれてゆっくり呼吸するとブレないです。
目を閉じるとゆらゆらするので目は開けておくように言われます。
できるかどうかは、体調やメンタルにもよる気がします。集中できないと無理そうです。
ちょっと脱線しますが、インドでは、ヨガ講師を慕っているために、ヨガのせいで怪我をしたと言い出せない生徒が多いと聞いたことがあります。痛いのに無理して続けることもあるそうです。
さて、毎回出席するメンバーは固定され、この日出席した6人は毎回出ているが、1回か2回だけで来なくなってしまった生徒もいました。
体は硬くても大丈夫ですが、そこそこ体幹の筋力がないと難しいポーズは多いです。できないことが多いとやっていても楽しくないような気がします。
数人の生徒はもう来ないだろうなあと先生は言っていました。
8回目
ここまででまだ導入されていないポーズが4つあり、この日は比較的スピーディにポーズを消化しました。
呼吸の練習は、①両鼻孔から順番に吸って吐くのと、②大きく吸ったあと、お腹に力をいれて緩ませる、を連続して練習します。
ヘッドスタンドに関しては、頭と腕をマットについたポジションから片膝ずつ曲げて浮かせる練習をしましたが、なかなか難しいです。
先生は「これは時間がかかる、すぐにはできない。1年かけて習得する人もいる」と言っていました。
生徒のひとりが、頭に重さが乗りすぎて痛いと言い、「頭と両腕の3箇所に均等に重さが乗るように」とアドバイスされていました。
新しいポーズが導入されました。
ひとつは、カエルの格好から足を浮かせるもの。
(昔、小学校の体育でこの練習した気がします)
これはできました。やや手のひらの向きを内側にして、足をしっかり上げるのがポイントだと思います。
集中するためにどこかを注視すると、足がふらつかないで長くできます。
もうひとつは、
うつ伏せで寝そべった状態から片足、両足を高くあげるもの。
これはかなり背筋を使うせいか、足のあがる高さに個人差があった。
これで 10b 以外は一通り習ったことになります。
9回目
なんと、先生が来ませんでした。
この日のビギナーズコース参加者は4人と少なくて、開始時間に私はリラックスポーズで完全に寝ていました。
すると開始予定時刻 20分後にスタッフが教室に来て、急遽 4人でオープンクラスに合流することになりました。
ポーズはほとんど習っているので問題なくできましたが、ペースが早く、担当の女性の先生は終始真顔で少し怖かったです。
オープンクラスの参加者はビギナーズコースに比べ年齢層が高めで、ポーズが上手く出来ていない人もいたし、先生のように動けている人もいました。
ヨガにとってポーズをとることはあくまで1つの要素であって、他の大事な要素も大切にしている雰囲気をなんとなく感じます。
レッスン後に、ビギナーズコースの4人が残って女性の先生と少し話をする時間がありました。先生は、レッスン中には全く見せなかった眩しい笑顔で、「オープンクラスどうだった?」と、このギャップにやられて一瞬で好きになりました。
実は私はこの次の週、最後の3回は別の予定があり出席できませんでした。
それを伝えると、他のスタッフと少し話したあとで、「ビギナーズコースが終わってからの7日間、フリーでオープンクラスに出ていいわ」とのこと。
なんと!
嬉しい計らいです。
私にとっては最終日だったので、ビギナーズコースの最後にもらえることになっている本とポスターをもらいました。
先生たちは、右下の顔写真がちゃんと入っているかすごく気にしていました。
このピーコックは結局やらずだったけど、到底できるとは思えないです。道は長い。
ちなみにこの日のレッスン終了後、10時くらいにいつもの先生からメールがありました。
寝坊した、ごめん、とのこと。
事故や病気じゃなくて一安心です。
10〜12回
ということで、最後の3回は出られませんでした。
この 3 回は、主に今までのポーズ練習の繰り返しと、主にヨガ哲学についての説明があるようです。
ヨガ哲学について質問したい方は、最後の1週間は優先的に出席した方がよさそうです。
ポーズを頑張りたい私と哲学を重んじるインド人
ヨガは全身を使います。普段しないようなポーズを取るので、使ってない筋肉が鍛えられ、バランス良く筋肉がつきます。
股関節もやわらかくなります。
メンタル的には、できなかったことができるようになるのは気分がいいし、他の考え事をしているとバランスが崩れてポーズが取れないから、ヨガをしている間は無になるというか、自分の身体のことにだけ集中できる時間になります。
周りの人を気にしがちな方に勧めたいなと思いました。
ヨガを好んで続けている人たちが心身ともにヘルシーなのも納得です。
私のように形から入ると、体を動かしてポーズを取ることに達成感を感じがちですが、インド人は講師はもちろん、シヴァナンダ・ヨガセンターの生徒たちも、ポーズ以上にヨガの精神的・哲学的なことを重んじているように思いました。
今回ビギナーズコースの中盤くらいで、「チャクラ」についての説明がありました。
「チャクラ」を調べると、「生命エネルギーの中心」や「エネルギーが出入りしている場所」と記載されていることが多く、第7チャクラまであります。
最初はずっと肛門の話でした。 肛門は全ての老廃物が出ていく部分であり、肛門をキュッとするのが大事。 おそらくこれが第1チャクラの話です。 次に、お腹に力を入れたり緩めたりするとチャクラが整うという話。これは第2チャクラで、呼吸方法の練習をしたあれです。 ここで第2チャクラを高める運動をしていたのだということがわかりました。呼吸法やポーズがチャクラを鍛えるために行っていた、というのがこの話を聞いた時に実感できて、大変納得がいきました。 |
おそらく座学で聞いているだけだと納得はいかなかったと思います。ポーズを取ることと、なんのためのポーズなのかを知ることがセットでできてこそ、ヨガが面白くなってくるんだろうなと、興味深い体験でした。
ヨガはスピリチュアルな部分の理解が最難関
今回は、インドでヨガセンターに通うことで得られるたくさんの経験をさせてもらいました。だからこそ気づきもいっぱいあって、ここからさらにヨガを極めていくのはなかなか難しいなあと感じています。
インド人に比べて、根底にあるヨガ哲学が欠けているような気がするからです。
今回インド人の生徒みんなの受け答えを見ていると、特にヨガ哲学のようなスピリチュアルな話のときに、先生と共通認識がありそうでした。
私には聞きなれない話ばかりだったので、義務教育にヨガの授業があったり、または家庭で親兄弟とそういう話をする機会が多いのではないか、と思いました。
先生がヨガレッスンの最初と最後に祈りの言葉を唱えるとき、例えば「シャンティ」と言うときに自然にみんな唱和したりとか。
おそらくヨガのポーズを取ることに関してはインド人の生徒も私と同レベルでしたが、精神的根本での文化が違います。そこに重点を置いているヨガの世界を追求するには、それを「信じる」という気持ちが一番大事で、そこに自分の精神を持っていくのが難しいなと痛感しました。
そもそも、ヨーガ・スートラでは、「ヨーガとは心の働きの止滅(ニローダ)である」と定義されているので、心の動きを止めないといけない。
その境地に至るには、相当な年月がかかりそうです。