【インドでもマラソンは人気!?】インドで開催されるマラソン紹介と、チェンナイマラソンをレポート!

by 三浦ゆう子/ Yuko Miura

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
インドのマラソンってどんなイメージがありますか?汚いところを走らされそう?排気ガスで体に悪そう?

ごうぞう
ごうぞう
大気汚染もあるからかな、ぞう…

たしかに日本に比べると衛生的に心配。

ちゃんと水分補給の場があるのか、車道の整備は大丈夫なのか、いろいろ不安がありますよね。

今回、インドのチェンナイに来てすぐに、インド人の知人に地元のマラソン大会に誘われました!

10kmとハーフがあるということだったので、試しに出てみることにしました。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
聞く話によると、どうやらインドはマラソン大国らしいです。

 

 

インドのマラソンてどんな感じなんだろう

インドでマラソン走ったりするイメージがそもそもなかったのですが、各地で頻回に開かれているようです。

世界中のマラソンを探せるこのサイト、インドで登録されているマラソンは26件でした。

フルマラソンはなくてもハーフマラソンも入れると、このサイトに登録されているイベントで51件あります。

大きな都市だと年に何回も開催されているようですね。

さて、インドでのマラソンで有名なのはまずムンバイマラソンと、インドの観光スポットして大人気のヒマラヤ山脈のふもとで行われる、ラダックマラソンです。

三浦ゆう子さん
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ラダックにはこの夏私も旅行してきました。標高約5,600mの峠を越えたりするのですが、景色がよくて最高でした。

あと、好きな人は好きなトライアスロン。危険と隣り合わせのレースもインドでやっています。

まずはこのあたりを簡単に紹介します。

 

 

①ムンバイマラソン

毎年1月の第3日曜日に開催されるインド最大の国際マラソン。前2回はコロナ窩で中止でしたが、次回は 2023/1/15 に開催されます。

チェンナイにいるインド人の知人たち曰く、ムンバイマラソンはインドで一番憧れのマラソンだそうです。参加者は年々増加し、前回は大会全体で55,000人以上が参加。東京マラソンの定員が35,000人なので、かなり大規模な大会だと予想できますね。

ちなみにムンバイマラソンは定員を設けていないので、参加料さえ払えば参加できます。(ただしフルとハーフマラソンは、以前走ったレコードが必要だそうです)

2004年にはじまったムンバイマラソン。2018年からはタタ・コンサルタンシー・サービスにスポンサーが代わり、今このマラソンはタタ・ムンバイマラソン (TMM) と呼ばれています。

ごうぞう
ごうぞう
ごうぞう、そ、そんなに走れないぞうっ…給水スポットに、グラブジャムンあるぞう?
三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
ちなみにこのタタ・グループはインド最大の財閥で、インド中の産業・商業ほとんどの領域で上位勢力となっています。

ムンバイマラソンの魅力のひとつが、全長5.6キロメートル、8車線の海上高速道路「バンドラ・ウォーリ・シーリンク(Bandra Worli Sea Link)」がコースに入っていることです。普段は歩いたりできない海の上の高速道路を、気持ちよく走ることができます。写真をみると、レインボーブリッジのような感じです。

 

②ラダックマラソン

ラダックマラソンは、インドのラダック連邦直轄領の町レーで開催されるマラソン大会です。11,500〜17,618フィート(3,505〜5,370m)の高所で開催され、世界で最も標高の高いマラソン大会と言われています。

ごうぞう
ごうぞう
わー-!そんな標高が高いところで走るぞうっ!?

(ただし最高所としては、ギネスで認定されたエベレスト・マラソンもあり、意見が割れているようです。) 

こちらも2021と2021の2年間はCOVID-19のため中止となりましたが、2022年9月の今年の大会は無事行われました。

2023年には、9/7-10 に開催されます。

ラダック・マラソンは、2010年のラダック大洪水を受け、復興の願いを込めて2012年に始まりました。

三浦ゆう子さん
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最も過酷なレースとされるのが72km のウルトラマラソン「Khardungla Challenge」で、2012年の11名から、2019年には168名まで参加者が増えています。

また、2020年の第9回ラダック・マラソンから、10.5kmの簡単なランと、なんと122kmのウルトラマラソン「Silk Route Ultra」の2つのレースが導入されることになりました。ひい。

ごうぞう
ごうぞう
ひい、だぞう

ちなみにこの Silk Route Ultra 122km の耐久レース、今年の完走者は男性19名、女性2名のみ。全員インド国籍でした。

ラダックに行かれたことがある方ならおわかりと思いますが、標高5,000m 超えの高地では、走ることはおろか最初は歩くだけでも息が上がります。アップダウンのある 72km や122km を走り続けるとか、正気の沙汰とは思えませんね。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
いつか挑戦してみたいような気もしますが。。(遠い目)

ちなみにラダック・マラソンでは、参加者を訓練するために、マラソン前に長いトレーニング・スケジュールを組み、高地と丘陵の条件に順応できるようにしています

このラダックマラソンの魅力はなんといっても、山、川、谷の素晴らしい景色を見ながら、ラダックの地元の人々と共に走ることができることです。

また「ラダック・マラソンを走った」と言ったら、羨望と好奇の目でみられること間違いなしです。

 

③ゴア・トライアスロン

インドでもトライアスロン大会やってます。その名も「IRONMAN 70.3 Goa」 

少し前に私の周囲でトライアスロンがすごく流行っていたのですが、今も日本では流行っていますでしょうか?

しかし、インドの暑さでトライアスロンに参加するというのは並の精神力ではないですね。

ホームページの写真はすごく綺麗なゴアのビーチなんですが、1.9km 泳ぎ、90km自転車をこぎ、21km走るという過酷なコースです。合計113km!

三浦ゆう子さん
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2019年は参加者が980名、666名が完走。完走者のリストを見ると、外国籍の参加者も結構いました。日本人も2名いらっしゃいましたよ!素晴らしい〜

こちらはきたる 2022年11月19日 に開催予定です。

2023年の IRONMAN 70.3 は世界選手権のようで、今回の2022年の大会では予選枠が用意されているみたいです。激しい戦いになりそうですね。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
間違っても私はトライアスロンに出ようとは思わないですが、好きな人はぜひチャレンジしてみてほしいです。最高の思い出作れると思います。
ごうぞう
ごうぞう
ごうぞうは、道で一生懸命応援するぞう

 

 

チェンナイマラソンレポート:ネットでエントリー、前日に大きな会場で受付

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
さて、私のマラソンレポートに話を戻します。

私の住むチェンナイは、年中暑い気候です。海の近くなので、湿度もとても高い。チェンナイの季節は hot、hotter、hottest と言われるように、基本的には年中日本の夏みたいな感じです。

ごうぞう
ごうぞう
ごうぞうの出身、チェンナイだぞうーっ

そんな場所で急にマラソンを走るというのは体力的に心配だったのと、少し前に膝を痛めていたので、最悪歩いてもゴールできる10km のショートコースでエントリーしました。

今回参加したのは、Hexaware Dream Runners Half Marathonというマラソン大会

Dream Runners はランニングを通じて健康的なライフスタイルを推進するグループで、恵まれない人々に義足を無償で提供する活動を積極的に行っています。

三浦ゆう子さん
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メインスポンサーの Hexaware は IT 関連の企業で日本にも支店があるようです。

参加費はひとり1,350ルピー(約2,430円)でした。

前日にゼッケン (Bib) など参加に必要なものをもらうため、受付会場に自分の IDを持って受付をします。

三浦ゆう子さん
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我々外国人はパスポートが必要なので持参します。

受付会場は、普段はwedding hall として使われている巨大な建物でした。

受付会場。

 

受付で、受付番号とパスポートを見せて、ゼッケンをもらいます。

ゼッケンの裏にはタグがくっついていて、これで自動的にタイムを記録してくれる仕組み。

 

ゼッケンの他に、バッグ、マラソンTシャツ、マンゴージュース、プロテインなどが配布されます。

もらえるもの。マンゴージュースはすぐ飲んでしまったため写っていませんが、濃くてとても美味しかったです。

 

受付会場内は大勢の人でとにかく熱気がすごいです。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
正直、年中蒸し暑いチェンナイでマラソン人口が多いのは驚きでした。どう考えても外を走りたくなる気候ではないのに。

今回一緒に参加したインド人たち曰く、マラソンはインド人に人気のスポーツだそうです。インドでは近年ランニング人口が急増しており、たしかに早朝や夜は外を走っているランナーも見かけます。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
健康志向のインド人が増えているんでしょうか。

 

受付会場内はこんな感じ

 

会場内では舞台に人が集まっています。協賛している会社の義足の紹介イベントのようでした。

この会場ではいろいろな催しがなされており、無料でコーヒーなどが配られていました。

どんな猛暑日でも熱いコーヒーを飲むインド人

 

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
こんなに暑い日でも熱いコーヒーに長蛇の列!デフォルトはすごく甘いので、without sugar にしてもらわないと私は飲めません。
ごうぞう
ごうぞう
お砂糖とミルクたっぷりのコーヒーは、インドのソウルドリンクの1つだぞう




 

 

スタート時間は基本朝4時〜5時、太陽が昇る前にゴール!

さて、当日は朝4時に起きました。我々は10キロのレースだったので、5時半スタート。ハーフマラソンは4時半スタートなので、朝3時には起きないと間に合いません。というか3時は私にとっては夜ですので、その場合は眠らずにスタートを迎えると思います。

太陽が昇るとともに気温がどんどん上がってしまいます。基本的に暑い国のマラソンのスタートは4−5時台が多いのです。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
幸いこの日は、前日に雨が降ったためかとても涼しくて、朝4時の気温は、26℃!

これならいけるという気がしました。

支度をして車で向かいました。駐車スペースが相当混むから早めにいった方がいいよとアドバイスされ、確かに行ってみると周囲は渋滞。ぎりぎりにくるとかなり遠いところでしか車は停められません。実際、一緒に参加したインド人のひとりはスタート時間に間に合いませんでした。

 

20分前くらいからスタート地点に人が集まってきます。まだ真っ暗でしたが、人の熱気ですでに暑いです。

スタート地点

 

マラソン会場はクラブのような熱気と爆音

スタート地点では、太鼓を叩くミュージックチームや、タイムキーパーの旗を背中にくくりつけたスタッフたちが場を盛り上げていました。

爆音で音楽が流れ、姿は見えなかったが DJ のような人が先頭の方でひたすら喋り続け、なんだかクラブイベントのようです。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
こういうところは日本とは違いますね。日本のマラソンスタート地点はもっと緊張感が漂っていた気がします。
ごうぞう
ごうぞう
Welcome To Indiaだぞうっ

スタートとともに電光版の時計がカウントされますが、なんせ人が多いので、動き始めるまでにタイムラグがあります

やっとスタートの門を通れてもまだ歩いているくらいのスピード。かたまりになって走っているところからなんとか飛び出して、やっとマラソンぽくなってきます。

 

スタート後、少しずつ明るくなってきます。

ライトアップされた教会と寺が遠くに見えて幻想的。

 

ビーチの近くは朝焼けがとても綺麗。マラソンの見物なのか、朝早いのに人がちらほら腰掛けていました。

声援するでもなく、ただ座って眺めている地元民

 

走り出すと、普段よりは涼しいといっても、ここは南インドです。湿度も高く、日本の冬にしかマラソン経験がない私にとってはかなり体力を消耗します。

10kmのコースには給水所が4箇所あり、2番目と4番目の給水所では、カットしたバナナ、オレンジ、スイカ、ライム(塩が一緒に置いてある)がサーブされます。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
これは大変ありがたく、とくに最後の給水所で塩をライムにつけて一緒に摂取すると体力が超絶回復して、暑さの中で走ることになれていない自分にとっては天の救いでした。塩、大事。

 

10キロのマップ。多めに給水所が設けてあります。(出典:https://www.dreamrunnershalfmarathon.com/)

 

ハーフのマップ(出典:https://www.dreamrunnershalfmarathon.com/)

 

警察が交通整備をして車が通行止めの状態で走れるところもあり、普段は車で通り過ぎることしかなかったチェンナイの街並みや店などを眺めながら走ることができます。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
大きな橋の上も走りました。普段「汚いなあ」と思っているところを自分の足で走ってみると、実際やはりかなり汚いです。道端にゴミが並んでいる。ただこういうのもインドっぽいなあと、インドでマラソンしてるんだなあと、なんだか感慨深く感じたものです。
ごうぞう
ごうぞう
ポイ捨てだめぞうー--

大通りの歩道を走る時は、車の騒音と排気ガスで正直いい気分はしなかったが、一本道が変わると閑静な住宅街に入り景色が一変します。緑の街路樹の中に急に入るので急に静かになって気持ちがよいです。

10kmという短いルートでしたが、チェンナイのいろんな景色を見て楽しめました。

街路樹の中を走るのは気分がいいです。

途中、暑さと膝の痛みで歩いてしまった時間があったのでタイムは振るいませんでしたが、無事ゴールできました。

一番懸念していたのはやはり熱中症。しかしダウンしないで走りきれたので、自分としては大満足のマラソン体験でした。

さて、ゴール地点付近はものすごい人だかりです。あとちょっとなのに歩いてる人もいっぱいいて、ややゴール渋滞。。

ゴールのタイムは自動で記録されて、HPにアップされます。例えば10kmで走ると、1km、6km、10km の LAP time と LAP SPEED (lm/h) 、 LAP PACE (min/km) がそれぞれ表示されます。タイムを上げていきたい人はかなりモチベーションが上がると思います。次のレースへの励みになりますね。

少し進むと長蛇の列ができていました。イベントで列があると並びたくなってしまう性質なので、とりあえず並びます。前の人に聞くとメダルをもらうための列だとのこと。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
横入りなどもなくきちんと列をなして順番を待っていました。

整然と並んでいるインド人たち

 

列に並ぶともらえるメダル。けっこうずっしり重くて立派です。10km 走っただけでこれがもらえるのは結構うれしい。

インドの思い出

 

終了後はイベント会場でアイスや朝ごはんが無料配布

さらに奥にいくと原っぱにイベント会場があり、ここではアイスや朝ごはんが配られています。朝は何も食べずに走ったので、Tiffin をもらって立ったままむさぼりました。走ったあとのごはんはとても美味しく体に染み渡ります。

みな思い思いに、Tiffin を食べ、地べたに転がったり、記念撮影をしたりしています。奥では爆音で音楽が流れ、上位者が表彰されていました。

 

 

インドのチェンナイでマラソンを始めて走った感想

実際参加してみて感じたことです。まず、

  • 早朝だと、思ったより涼しい。

日中の気温は38℃とかになるのですが、朝太陽がのぼる前だと、30℃になる前に走り終われます。ただそれでも湿気がすごいので、無理は禁物です。

  • 熱中症対策、タイムレコーダーなど、意外とすごくちゃんとしている。

日本と比べて遜色ないです。フルーツや塩などは、私が以前日本でマラソンに出たときより色々用意されていた印象です。やはり暑いから、熱中症で倒れる人が多いのでしょう。

  • 交通整備に警察やスタッフがすごく気をつかっている。

車やトラックや牛たちをかき分けながら走るとか想像してましたが、そんなカオスな場面はなく、普通に道路を安全に走れました。いたるところに警察官が立っていて、さらに一緒に走るスタッフやタイムキーパーがランナーを危険がないように誘導したり、気を遣っているのをすごく感じました。

  • 列をつくってきちんと並んでいる(割り込みがない)

レース終了後の列にすごく普通に並んでいたのに驚きました。どこでも密着して隙あらば横入りされることが経験上多いのですが、ここではちゃんとパーソナルスペースを確保しつつ順序よく並んでいたので驚きました。マラソンに出るようなインド人はそういう感じなんでしょうかね。嬉しかったです。

  • 会場で、ゴミがちゃんとゴミ箱に捨てられている。

これも日本では当たり前のことなんですが、インド人はけっこうそこらへんにゴミを捨てます。なので道にゴミが溜まっていたり、川や海にゴミが浮きまくっているのが通常

の光景です。でも広場でアイスのゴミや朝ごはんのお皿がちゃんとゴミ袋に集まっていて、感動しました。

  • ナチュラルに盛り上がる。

これはインド人の性格というか文化なのだと思いますが、スタート時や走ってる間のパーティーっぽい盛り上がりはなかなか面白かったです。苦しくても楽しもうという気持ちが勝るんだと思います。たぶん日本人は、ランナーとして走ることが目的で参加しているなら、走りながら爆音で音楽流すとか、歌うとか、大声出すとか、あんまりしないですよね。そんな力があったらもっと集中して早く走ろうと頑張るんじゃないかなと。なんというか、インド人は盛り上げることを優先する人が多い気がして、頑張る方向が日本人とは若干違うんだろうなと感じました。

 

以上、短い10kmですが、インドのマラソンレポートでした。

三浦ゆう子さん
三浦ゆう子さん
どこにいても、やはり走った後の爽快感は最高ですね。
ごうぞう
ごうぞう
ごうぞうも三浦さんのレポート読んで、ちょっと走りたくなっちゃたりしたかも…だぞう!

チェンナイでも頻繁にマラソン大会は開催されているようなので、心肺機能を整えてまた参加したいなあと思いました。

ラダックマラソンを走った方がいたら是非感想を教えていただきたいです!




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