あなたが「ノマド」をすべきではない理由

by 田中啓介 / Keisuke Tanaka

これから “ノマド” をしようっていう人

“ノマドワーカー” になりたいっていう人はいますか?

もしそうだとすると、それはなぜですか?

「今の仕事がつまらないから?」

「職場の人間関係が面倒くさいから?」

「通勤が面倒くさいから?」

「もっと自由になりたいから?」

みなさんそれぞれのご事情があるかと思いますが、

私が昨年の8月からインドで仕事をするようになって、

所謂 “ノマド” の働き方を部分的に疑似体験できたように思うので

備忘録のために少しまとめておきます。

 

私が今勤務している会社は、インドに日本人が私一人しかいません。

普段は、オフィスにも出勤せず、自宅やカフェ等で仕事をしています。

土日に仕事をすることもあれば、平日に休むこともありますが

週7日一日24時間ずっと仕事をしているような感覚にもなります。

私以外には、インド人スタッフがとなり街のバンガロールに、

同じ志を共有する日本人パートナーがアメリカに一人、日本に二人います。

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“ひとりぼっち” というわけではありません。

基本的にメールやスカイプでお互い密に連絡を取り合っています。

また、積極的にアポを取り、色々な人に時間をいただいて会ってもらっています。

有難いことにブログやツイッターのおかげで

今まで出会えなかった方々ともつながることができます。

人との出会いは何より私自身を勇気づけてくれます。

人と出会うことが生きる活力になっています。

 

ただ、その出会いを仕事につなげることは決して簡単ではありません。

無名の企業が仕事を得るには

個人の知識や経験だけでなく、

自らの人間力で勝負をせざるを得ません。

海外現地法人の社長を含む日本人駐在員の方々は

基本的に各企業のエリート級の人材ですから超優秀です。

そんな年上でかつ超優秀な方々に

一目を置いていただくだけの魅力が無ければ

仕事なんて絶対に取れません。

現場で仕事を取ってこれるかどうかは、結局のところ、個人の勝負です。

実のところは“ひとりぼっち”なんです。

“ノマド” になるってたぶんそういうことなんじゃないかなと思います。

“ひとりぼっち” ですべてのリスクと責任を自らが負って強く生きる覚悟

その覚悟ができている人はあまりいないように思います。

私の場合は、そのすべてではなく、部分的に負うことを選択しました。

 

企業が提供してくれている環境がどれだけ有難いことか

自分の給料を払ってくれる顧客がすでにいることもそう

オフィスに集まってくる同僚との出会いもそう

オフィスの存在そのものだってそう

すぐ隣りに怒ってくれる上司・先輩がいて

すぐ隣りに相談できる同僚がいて

すぐ隣りに指導すべき部下・後輩がいる

健康保険だって、厚生年金だって、通勤手当だってそう

自己管理だって、情報管理だって、確定申告だってそう

企業が提供してくれている環境に

自分がどれだけ頼って生きているのかをまず知らないといけない

これから “ノマド” をしようっていう人は

そのことを腹の底から理解した上で強く自由に生きることを選択してほしいなと思います。

 

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