チェンナイの日本人と日本企業

チェンナイの日本人と日本企業

タミル人は長崎県に住んでいた?『日本語の起源(新版)』(大野晋著)より

日本語とタミル語が似ている

というお話は以前ブログに書きましたが

国語学者であった故・大野晋氏の著書

『日本語の起源(新版)』

を友達が貸してくれました。

 

7,000キロも離れた日本とインドの長い歴史の中で

2,000年以上も昔からそこに存在したであろう「物」や「精神」を調査し

37年かけて日本語とタミル語の関連性を検証していく

その想像を絶する研究の全貌を理解するのは簡単ではありませんが、

タミル語が公用語である南インド・チェンナイに住む日本人として、

「日本語の起源はタミル語にある」という仮説には

時空を超えたどこかワクワクさせてくれるロマンがあります。

 

著書によると、日本語の同系語研究では

アイヌ語、朝鮮語、満州語、モンゴル語、トルコ語などが主流で、

インドはサンスクリット語系統の言語であるヒンドゥー語が主な公用語であるために

インドの言語は、長い間、研究対象にされてこなかったようです。

が、しかし、実は南インドにドラヴィダ語族という

別の語族があったことに気づいた日本人がその研究を始めたんだとか

その日本人のうちのひとりが大野晋氏だったというわけです

 

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さて、この著書を簡単に紹介すると、

日本語の、特に「やまとことば」には、南インドから伝わったと考えられる言葉がたくさんある

というお話です。例えば、「マツル(祭る:mat-uru)」という言葉

 

以下、著書より抜粋

「日本語のマツルとは、「神に食物その他を差し上げてもてなし、交歓し、生産の豊かなこと、

生活の安穏、行路の安全などを求めること」」

「タミル語を見るとmat-uという動詞がある。その意味は「食べさせ、のませる」」

「名詞化するために接尾語-aiをつけてmat-aiとすると、

「神に捧げる食物」とある。ここから日本の祭りは展開した。

神に捧げ物をして気分をよくしてもらいたい、多くの恵みを得ることを願うのである。」

 

また、「ベツ(ベチ)・ナイ」がアイヌ語で「川」を意味するらしいのですが、

今別(イマベツ)、腹別(ハラベツ)、苫米地(トマベチ)、仁別(ニベツ)

平内(ヒラナイ)、洞内(ホラナイ)、笹内(ササナイ)、佐羽内(サバナイ)

その言葉を含む地名が、北海道、青森、岩手、秋田に多いことは

アイヌ人がそこに多く住んでいたことの証拠されているのと同じように、

「pul-am(プラム)」はタミル語で「村」を意味するのですが、

(実際、私の勤務先オフィスはR.A.Puram(アール・エー・プラム)という地域にあります。)

このpul-amに対応するfur-e(フレ:古文で「村」の意)という単語

この「フレ」を含む地名が、なぜか長崎県の壱岐島にだけ100以上もあることは

ここにタミル人が住んでいたことの証拠になるのではないか、というお話まで

 

それが本当なのかどうかはとりあえず置いといて、

チェンナイ生活をなぜか(笑?)前向きに楽しめているのも、

自分がなぜか南インドのチェンナイに住むことを選択したことも、

知られざる日本語とタミル語の特別なつながりから生まれた

ご縁のおかげなのではなかろうかと

そう感じさせてくれる本書には心から敬意を表したいと思います。

 

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「トゥーミニッツ」の裏にある引き算の発想の欠如

「インド時間」という言葉をご存知でしょうか。

いわゆる「時間を守らない」というインドの時間に対するルーズさを

なかば総称してそう呼んでいるのですが、

典型的なのが「トゥーミニッツ」

インドで生活していると毎日耳にする言葉です。

いわゆる日本語で2分を意味しますが

「トゥーミニッツ」と言われると15分待たされることはもはや当たり前です。

さらに危険なのが「ファイブミニッツ」

これは下手すると1時間待たされます。

1時間待たされた挙句にまだなのかと問い合わせると

またまた「ファイブミニッツ」

これでさらに1時間待つなんてことも。笑

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先日、日系企業の社長さんから聞いた話なんですけど

あるテレビ番組でインド人と日本人で算数対決したんだそうです。

すると、足し算と掛け算では圧倒的にリードしていたインド人が、

引き算になった瞬間に計算が遅くなり、結局日本人の圧倒的勝利で終わったんだとか。

足し算は強いのに、

なぜか引き算にものすごく弱いインド人。

 

実は同じようなことを実際のビジネスの中でも感じます。

目の前のことをひとつひとつ積み重ねていくこと(足し算の発想)は得意のようですが、

ある目標や期日に向かって逆算してスケジュールを立てること(引き算の発想)は苦手なようです。

だから、待ち合わせの時間にも当たり前のように遅れてくる。

事前にあまり計画せず

ひとつひとつの作業を積み上げた結果、

いつの間にか納期に間に合わなくなっている。

「トゥーミニッツ」と言っても結局15分かかっちゃう。

これがいわゆる「インド時間」の正体なんではないかと思います。

 

インド人の長所である足し算の発想を生かすのか。

それとも、短所である引き算の発想を身につけてもらうのか。

インド人従業員を雇用している日系企業にとって

彼らをマネジメントするのにはいろいろと工夫が必要なのかもしれません。

(写真は年に一度の祭りポンガルの日にアパート前に描かれていたコーラム)

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会社法改正案が日系企業に与える影響とは?

2013年8月8日に、

インド会社法改正案が連邦議会上院で可決されました。

現行の会社法は1956年に成立して以来、

すでに60年近くが経過しており、

中には時代遅れな規定も散見されるようになったことから、

随分と前から現行の会社法を廃止して、

新しい会社法を成立させようという動きがありました。

実際に、改正案は発表されておりましたが、

インドのお国柄か、これまでの国会での審議で前に進むことはなく、

発表されてからすでに数年が経過しておりました。

しかし、昨年12月にようやく改正案が連邦議会下院で可決され、

そして今回、ついに上院でも可決されました。

今後は大統領の承認が得られた後、

中央政府がその通知をした日から新会社法が適用されることになります。

 

今回は改正案の中から、

あらためて日系企業がインド進出を検討する上で影響が出ると思われる重要なポイント

(1)一人会社の設立

(2)取締役会の構成員に関する変更

(3)インド会社と外国会社の合併

の3点についてご紹介したいと思います。

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(1)  一人会社の設立

日本の会社法上では、株主が1人のみで会社を設立することが認められていますが、

インドでは今まで最低2人の株主が必要とされていました。

しかし、今回の改正により、

インドでも同様に一人会社(One Person Company)が認められることになります。

つまり、今まではインドに100%子会社を作る場合には、最低株主数の条件を満たすために、

親会社以外にも関連会社や取締役就任予定の個人を

名義株主として設定する等の形式的な対応が求められていましたが、

今後はその必要性が無くなることが予想されます。

また、定時株主総会の開催は不要、取締役の最低人数も1名となる予定です。

 

(2)  取締役会の構成員に関する変更

今回の改正により、非公開会社(Private Company)においても、

インドの居住者である取締役を1名以上選任しなければならない、

とする規定が適用される予定です。

インド人である必要はありませんが、

インドの居住者になるためには、前年に182日以上インドに滞在している必要があり、

今後、インドで新たに会社設立を行う場合、

日本人のみで取締役会を構成するのが現実的に難しくなることが想定されます。

また、改正案が適用後は、既存の非公開会社も同様に、

1年以内に本規定を順守することが求められる可能性があります。

 

(3)  インド会社と外国会社の合併

現在のところ、インド会社による外国会社の吸収合併のみが認められており、

外国会社が合併の承継会社になることは認められていません。

しかし、今回の改正により、中央政府が認める国に限っては、

外国会社によるインド会社の吸収合併が認められることになる予定で、

外国会社が買収および合併スキームを検討する上での

選択肢の自由度が高まることが期待されます。

 

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THE UNION BUDGET 2013-14 (インド予算案)

昨日2013年3月29日に

日本では税制改正関連法が、参院本会議にて成立しました。

設備投資等への減税策や

富裕層への増税策などが盛り込まれているようですが、

インドでも、毎年恒例のインド予算案がこの2月末に発表されています。

細かい論点はたくさんありますが、

今日はその中でも日系企業にも影響が出そうな

税制改正3点についてご紹介したいと思います。

 

(1)、法人と個人の所得税および配当分配税へのサーチャージ

まず、年間課税所得が1,000万ルピー(約1,700万円)を超える富裕層のみ

10%のサーチャージ(課徴金)が追加で取られることになりました。

この改正によって、個人の最高実効税率は33.99%になります。

少し余談になりますが、

この富裕層の人数が、昨年度の確定申告の実績上、

インド国内にわずか42,800人しかいないとの発表もされていました。

提携先の会計事務所とこの件について話していると、

さすがにこの数字はあり得ない、とのこと。笑

その背景として考えられるのは、

富裕層である政治家はおそらく申告していない、

農業事業者の所得は非課税なのでそれも多少影響がある、

投資家が得ている配当所得も基本的に非課税なのでそれも影響があるだろう、

というお話です。

ちなみに、野村総合研究所が発表しているレポートによると

日本の富裕層(投資可能資産1億円以上)の世帯数は約85万世帯もあると言われています。

一方、年間課税所得が1億ルピー(約1億7,000万円)を超える内国法人(子会社等)も

同様にサーチャージが5%から10%に引き上げられ、実効税率は33.99%に。

また、年間課税所得が1億ルピーを超える外国法人(支店等)も、

同様にサーチャージが2%から5%に引き上げられ、実効税率は43.26%になります。

最後に、配当を支払う側が課税される配当分配税(DDT: Dividend Distribution Tax)も

同様に、サーチャージが5%から10%に引き上げられ、実効税率は16.995%になります。

 

(2)、製造業者の新規取得資産に対する所得控除(Section 32AC of Income Tax Act)

これは中堅および大手製造業が対象になりますが、

2013年4月から2015年3月末までの期間において

総額10億ルピー(約17億円)超を “新規資産”  へ投資した製造業者は、

その投資額の15%相当額を、課税所得から控除することができます。

なお、“新規資産”と認められるための条件が設定されていることと、

それら資産を事業の用に供した日から最低5年間は保有しなければならいないこと等の規定があり注意が必要です。

 

(3)、非居住者へのロイヤリティや技術上の役務に対する支払に関する源泉所得税(TDS)(Section 115A of Income Tax Act)

非居住者(日本の親会社等)へロイヤリティや技術上の役務に対する支払を行う際のTDSが

従前の10%から25%に引き上げられました。

なお、日印租税条約において規定されている10%は、

要件を満たせば引き続き採用できると考えられます。

その要件とは、

(a)支払の受け取り側である日本の親会社がPAN(Permanent Account Number)を取得

さらに2013年4月以降は(a)に加えて、

(b)日本の親会社が居住者証明書(TRC: Tax Residency Certificate)を取得し、

(c)インド子会社に送付する必要があるため注意が必要です。

 

日系企業にとって有用だと思われるインド税制やスキームについて

今後少しずつご紹介していきたいと思います。

(安倍さんが首相指名選挙で指名された時の記事。タミル語なので全然分かりませんが。笑)

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インドのBOPビジネスの醍醐味とその難しさ

世界人口の約70%を占めるとも言われるBOP層

BOPとはBase of the Pyramidの略称ですが

三角形の所得ピラミッドの最下層にいる人々で、

一般的に一人当たりの年間所得が

3,000ドル未満(年収約30万円未満)

の人々のことを指します。

インドは、このBOP市場をターゲットとする

BOPビジネスとしても注目される国ですが、

インドでBOPビジネスを展開している外資企業として最も有名なのは、

家庭用消費財メーカーである英国企業ユニリーバ社でしょう。

日本ではダブやモッズ・ヘアなどの石鹸・シャンプーで有名ですが、

このユリニーバ社は、

インドにおいてビジネスと社会貢献活動を両立させた

という点においてインドのBOPビジネスの成功例として

よくメディア等で取り上げられています。

具体的には、石鹸で手を洗う習慣の無かったインドの農村部において

一回使い切りタイプの低価格な石鹸やシャンプーを販売することによって

彼らの健康を守り、そして、

その販売員として現地女性の雇用を生むことに成功しました。

 

(ひとつ3ルピー(約6円)のシャンプー↓)

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先日、そんなBOPビジネスを

インドで展開している日系企業の駐在員の方に

直接お話を伺う機会がありましたので簡単にご紹介したいと思います。

現在、この企業さんは私が住んでいるチェンナイを州都とする

タミル・ナードゥ州に絞って販路の開拓をしておられ、

同州全土における販売拠点(提携先ディーラー)をひとつひとつ訪問し、

その数を着実に増やしてきています。

その背景として理解しておかないといけないのが、

店舗全体の90%超を占め、

インド全土に約1,400万店舗もあると言われる

小規模店舗“キラナ”の存在です。

 

(近所にある”キラナ”。いっぱいぶら下がっているのが一回使い切りタイプの商品です↓)

(インスタントコーヒー、洗剤、シャンプー、石鹸、虫除けクリーム等、様々です。)

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この“キラナ”は家族が何世代にも渡って顧客であり続けているケースが多く、

コストが安い上に、得意先にはツケ払いや配達サービスまで行っています。

都心ではスーパーやショッピングモール等が増えてきていますが、

依然としてインド全人口の約7割が農村部に住んでおり

まさに地域社会に根を下ろしているこの“キラナ”を攻略しなければ

インドの小売業は成り立たないと言われている所以です。

 

提携先ディーラーはこの“キラナ”へ供給する卸売業者のことを指します。

通常ディーラーの役割として期待されている機能は

「販売」、「配送」、「回収」、「保管」の4つと言われますが、

この企業さんの話によると、

最も重要な「販売」をうまく機能させるのが大変なんだそう

実際にディーラー契約を交わしたとしても、

定期的にディーラーや農村地域まで足を運ばなければ

なかなか「販売」が進まないのだとか。

日々の泥臭い営業活動と同時に、

毎週月曜日は、全従業員が会社のロゴマーク付のTシャツを着て

自らが歩く広告塔として企業のブランド力とその認知度向上に精を出されています。

また、今回インタビューさせていただいた駐在員の方は

今年でインド駐在8年目とのことですが

毎週インド人従業員に対してメルマガを送付し、

企業理念や経営方針、ご自身の考え方、インド事業に対する使命感などを

8年間に渡って伝え続けてきたのだそうです。

最初は誰も着ようとしなかったロゴTシャツも

少しずつインド人従業員の態度に変化が見られるようになり、

今では全員がTシャツを着て一丸となって営業活動を行っているとのこと。

 

「結局のところ、インドという国は2~3年では何もできやしない」

「せっかくインドに来たのだからインド人相手のビジネスがしたい」

といった声はよく聞きますが、

自ら率先して行動し、地道な努力を続ける粘り強さがいかに大切か

そんな小売業ならでのインドBOPビジネスの醍醐味とその難しさを目の当たりにしつつ

それらを体現できる日本人が果たしてどれだけいるだろうか。

日本人よ、たくましく生きよ!

 

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ECB規制とインドにおける資金調達のお話

たまには会計士らしい真面目な話を、、、笑

“貸借対照表(BS)” や “損益計算書(PL)” は

主に以下の4つの事業活動の結果を数字で表しています。

具体的な細かい数字は置いといて、

とりあえずこの仕組みを理解してもらえればと思います。

①    お金を調達する

②    そのお金を使って資産に投資をする

③    それらの資産を使って売上をあげる

④    売上から費用を引いた利益(及び損失)を認識する

 

財務諸表フロー

 

そこで、インド事業を始めるにあたってはまず

①    どのようにして資金を調達するのか、を検討しなければなりません。

上図のとおり、資金調達の方法には大きく分けて

借入金(返済義務のある負債)

出資金(返済義務のない資本)の2つがあります。

 

インドではこの資金調達についてのご相談を受けることが多くありますが、

ここでまずは、“運転資金” という重要な考え方について説明したいと思います。

夢中になっていたドラマ『半沢直樹』がついに終わってしまって寂しいので

ネジを作っている町工場のケースを取り上げてみますが、

下記の1~4はネジの原材料を仕入れてから

製造、販売、売上金の回収に至るまでのプロセスです。

 

1、ネジの原材料を仕入れる(支払期間30日)

2、ネジを製造する(製造期間30日)

3、完成品のネジを倉庫に保管する(製造後、販売までの期間30日)

4、ネジを販売してお金を回収する(回収期間30日)

 

それぞれのプロセスに要する時間を単純化して30日と仮定してみます

どういうことか

つまり、どれだけたくさんのネジを販売できたとしても、

そのお金を回収するまでにはどうしても時間がかかってしまうということです。

このケースだと、ネジを作り始めてからお金を回収できるまでに約3か月かかります。

一方で、ネジの材料の仕入先に対する支払期間は1か月間しか待ってくれませんから、

自社の商品がたくさん売れることがたとえ事前に分かっていたとしても、

ビジネスを継続していくためには最低でも2か月分の資金が必要となります。

これが一般的に言われる“運転資金”です。

 

インドで資金調達をする際に多くの日系企業が頭を悩ませている背景には

インド国外からの借入金をこの “運転資金” として使うことが

原則、認められていないという点にあります。

これはECB(対外商業借入:External Commercial Borrowings)と呼ばれるインド国外からの借入は

インド連邦準備銀行(Reserve Bank of India:RBI)が規程するECB規制によって

資金使途や借入期間等の制約を受けるからです。

つまり、低金利で日本からお金を借りたいけれど、

資金使途に制限があるために借りることができない

一方で、親会社に増資(追加の出資金)を依頼したとしても、

返済義務のない出資金は親会社にとって全額回収できる見込みがないため嫌がられる

さらに、インド国内でお金を借りると金利が高すぎて利息負担が重過ぎる、などなど

 

ところが、2013年9月4日にRBIが新たな通達を発表しました。

それは、ECBであっても以下の条件を満たせば

運転資金を含む一般的な事業資金として借入金を利用しても良いというもの

 

1、貸付側が借入側の株式25%以上を持っていること

2、又貸し等のECB規制に規定された禁止事項に抵触しないこと

3、平均借入残存期間が7年以上で、返済はそれ以降に行うこと

 

正直、まだ前例がありませんから何とも言えませんが、

通常は3年以上の期間において借入が認められているECBが、

“平均借入残存期間が7年以上”という条件が新たに提示されていることにより

結局は相当の金利負担を強いられる結果となることは目に見えていますので

実務的にどのように運用されていくのかが注目されます。

 

(チェンナイ・マリーナビーチの日の出とハトの群れ↓)

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あなたが「海外就職」をすべきではない理由

最近、「海外就職」という言葉をよく耳にするようになってきました。

ここインドでも少しずつその動きが広がってきているようです。

ある日系企業ではインドにある全ての事業拠点において

現地採用の日本人を常駐させている、とのこと。

また、別の日系企業でも

今までは日本から駐在員を派遣していたけれど

今後はコストを抑えるために現地採用に切り替えていく、と。

20代の若者が自分の行きたい国にやりがいのある仕事を求めて就職もしくは転職をする。

一方、コスト削減を迫られる海外現地法人の中堅・中小企業はそんな若者を

現地採用の人材として積極的に活用していく、という構図です。

 

例えば、駐在員の場合だと年間およそ1,000万円程度のコストがかかると言われていますが、

インドの現地採用の日本人で平均300万円程度(もちろん個人差はあります。)

コストを3分の1以下に抑えられるわけです。

 

さて、ここで重要になってくるのが、

現地採用の日本人にかかる平均300万円のコストが高いのか安いのか、ということです。

なぜなら、同じ20代のインド人年収が約40万~100万円程度だからです。

つまり、インド人を雇えばコストをさらに3分の1以下に抑えることができます。

日本語を猛勉強して話せるようになったインド人にこの若者は勝てるでしょうか?

 

その判断基準となるのは、

この若者が下記5つの「日本人メリット」をどれだけ生かせる人材かどうか

その総合力の高さに尽きます。

 

(1)、日本語が話せる

(2)、日本のビジネス商習慣を理解し・実践できる。

(3)、日本人とのコミュニケーション(阿吽の呼吸)を理解し、実践できる。

(4)、日本人特有の責任感を理解し、実践できる。

(5)、日本社会における何らかの専門性を持っている。

 

これらの「日本人メリット」を総合的に生かせる人材でなければ、

300万円という現地採用の日本人コストは高いと言わざるを得ない。

極端な話をすると、

社会人経験の無い若者は、

日本のビジネス商習慣を理解していないだろうし、

日本人特有の責任感をビジネスの中で実践できないかもしれない

そして日本社会における何らかの専門性も持っていない。

そうだとすると、日本語が話せるインド人に勝てるわけがないんです。

 

だから、「海外就職」を考えている20代のみなさんは

ご自身が(1)~(5)の日本人メリットを全て武器として備えているかどうか

今一度確認してみましょう。

もし、ひとつでも欠けている武器がある場合には、

現在の環境の中でまずはそれを獲得できるように努力をしましょう。

これから先30年以上にわたる長い仕事人生を考えると

その武器を獲得するために努力をする日本での時間のほうがきっと価値があります。

「海外で働く」というのは、

「日本人として働く」という全く新しいチャレンジであることに他ならないからです。

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「インドは好きな人じゃなきゃ来たらダメ?」 インドでの現地採用を検討している人へ

私はチェンナイで日本企業のインド進出をサポートする仕事をしています。

特に、すでにインドに進出している日本企業からは

会計・税務の専門家としての役割を求められます。

つまり、インド子会社の会計や税務、親会社に対する財務報告などを

インド子会社と親会社の双方のニーズに合うような形でサポートさせていただく、

そして、チェンナイで日々奮闘している駐在員の方が

インドで本業に専念できるような体制を作っていく

これは、本業以外に時間を取られがちなインド子会社と

求めているレベルの財務報告が

子会社からタイムリーに得ることができていない親会社にとって

価値を見出してもらえるサービスだと考えています。

 

一方で、私がチェンナイでご訪問させていただいた日本企業からは、

このような日本人が提供する会計事務所のサービスに対して

残念ながらネガティブなイメージを持っておられる企業が多いことに気づきました。

理由は単純です。

1~2年で担当者がすぐに辞めてしまうのだそうです。

そして十分な引き継ぎがないまま経験のない日本人が後任としてやってくる

経験やノウハウの蓄積がされていないのでいつまでたってもサービスは良くならない

海外に住む日本人が現地で日本企業をサポートしようとしているにもかかわらず、

結果としてその評判が良くない、というのはあまりにも悲しい話です。

 

ただ、その根本的な原因を考えてみると、

このインドに限ってはある意味で当然の話なのかもしれません。

日本企業の駐在員は住宅や危険手当、家族の教育費全額負担、海外買い出し休暇等含めて

相当に手厚い待遇を得ています。

そして通常彼らには2~3年という任期がありますが、

親会社でたっぷりと経験を積んだ後任の候補者が次の出番を待っていて

常に控えがいる場合が多いのでほとんど問題にはなりません。

一方で、インドの中堅・中小の会計事務所で働いている日本人は

現地採用である場合がほとんどで給与水準も低く(=経験も浅く)、

それなりに厳しい生活を強いられています。

そんな状況の中で生活をしていると

「やってられなくなる」人が出てくることも想像に難くありません。

そして、突然仕事を辞めてしまう。

会計事務所はあわてて経験の浅い後任を外部から採用せざるを得なくなるわけです。

10年近くインドに住む現地採用の女性が

「インドは好きな人じゃなきゃ来たらダメ」

っと言っていたのをよく覚えています。

確かにそれも一理あるかもしれませんが、

私はそれ以上に長期的にインドでやっていくだけの覚悟が必要だと思います。

インドが好きなだけでは仕事はうまくいきません。

 

会計事務所に限った話ではありませんが、

法律事務所や保険会社、証券会社等の金融機関も含めて

物を売らないサービス業者にとって

何よりの資源である「Human Resource(人材)」が、

長期的に、かつ、一定以上の品質でサービスを提供し続けることができる体制を整えていくことが

難しくもあり、かつ、事業拡大には大切なことです。

つまり、まずは自分自身が経験やノウハウを蓄積できるように長期的に頑張らなければならない

そして、長期的に頑張っていける環境を自分で作っていかなければならない

もし、職場環境や給与に不満が出てくれば、

自分が抱いている不満に対する正当性をしっかりと評価した上で、

正直にそれを勤務先に伝えていかなければならないし、

いつでも転職もしくは起業して独立できるだけの準備をしておかなければいけない

特に生活環境の厳しいインドでは

この国で働くということの意味を事前に理解しておく必要があります。

月刊誌『COURRiER Japon』の昨年10月号のタイトルは

「行き詰った日本を捨てて、あなたは海外で生きられますか?」

ここにアジア各国で働く日本人が紹介され、

各国の在留邦人のデータが掲載されていましたが

インドはこんな特集にさえ取り上げられていません。

中国:約14万人

タイ:約5万人

シンガポール:約3万人

フィリピン:約2万人

インドネシア:約1万5000人

マレーシア:約1万人

これに対して中国とほぼ同じ人口規模を誇るインドの在留邦人はたったの約6000人です。

ここチェンナイには約700人しかいません。

現地採用でインドに来ることを検討している日本人の方は

この現実を自分自身でしっかりと評価した上でご判断されることをおすすめします。

なーんて言ってますが覚悟さえ決めてインドに来てしまえば大したことはありません。笑

逆に青天井に広がる可能性を目の前に

こんなにワクワクできる場所はインド以外他にはないんではないかと思います。

いつでもお気軽にご相談ください♪

 

(近所の野菜マーケット。この人混みの中にも牛がいます。笑)

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面接はご家族もいっしょ?インドの家族愛

「インド人スタッフの採用は難しい」

そんな話を日系企業の駐在員から

今まで何度も聞いたことがあります。

チェンナイでは完全に売り手市場になっていて、

なかなかいい人が見つからない上に、

当然の話ですが、スキル・経験のあるインド人求職者ほど

かなりの高待遇を要求してくるのだそうです

ある人材紹介会社の話では、希望年収は平均でも現在の収入の20~30%アップ

たくさんの会社からオファーレターを貰いならが転職活動を続け、

そのオファーレターを利用しながら

より高い待遇のオファーを出してくれる会社を探すのだとか。

なので、ようやくいい人を見つけて採用オファーを出しても、

結局、入社しないケースが多いのだそうです。

また、退職するまでの期間が長い場合も多いようで、

その人の気が変わらないうちに早く入社してもらうために

ある一定のお金を企業が負担をすることによって

退職時期を早めてもらう(買取制度を利用する)企業も多いようです。

 

一方で、興味深いお話も聞いたことがあります。

「インド人との面接当日、ご家族全員がいっしょに現れた」

「採用したインド人の家族が突然オフィスの視察に来た」

「採用が決まって契約までしたのに入社初日に来なかった」

「入社初日に来たのは母親だった」

私が働いている会社でもインドらしい出来事がありました。

ちょうど昨年末のとある月曜日に

一緒に働いていたインド人スタッフから

「2か月後に結婚が決まりました!」と。

「それはおめでとう!!!」ということで

「いつ出会ったの?!」「どんな人なの?!」などと質問すると

金曜日、つまり3日前。

そして、その2日後の水曜日

「仕事を辞めないといけない」と。

「え?なんで?」と聞いてみると

どうやら、婚約者のご家族からのリクエスト。

もっと有名なブランドのある大企業に勤めてほしい、と。

結婚式までに転職しないといけないということで、

その後、早々にに有名な某大企業の内定を勝ち取り

転職していったのでした。

 

日本と比べると、インドは家族とのつながりが本当に強い

自分の人生なんだから、と個人の自由を尊重することも大切

一方で、家族あっての自分なんだから、と自分を犠牲にしてでも家族の意向を尊重することも大切

インドはその後者をより大切だと考える文化のように感じます。

とは言っても、日本も30年前は家族とのつながりがもっと強かったのだろうか

そう考えると、インドも30年後は・・・

いやいや、インド独特の家族愛は今後も変わることはないだろうな

自分の人生と家族の人生。

その両方をうまく大切にできる道を模索していきたいですね。

 

(牛さんが通られますので少しお待ちを・・・)

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インド進出の足掛かりをつかめ!

「インドのデトロイト」とも言われる

タミル・ナードゥ州のチェンナイは

自動車産業を中心としたグローバル企業が集積しています。

現在のチェンナイ進出日系企業数は300社を超え、

4年前と比べると約4倍に増えています。

その数は今後さらに拡大していくことが期待されますが、

工業団地、インフラ、電力等において多くの課題も抱えています。

例えば、基本インフラ(上下水・排水・電力供給等)が整備がされた工業団地の不足

港への接続道路の慢性的な渋滞

電力不足による日々の停電

そして、進出を検討する上で必要な情報の不足

インド進出を検討されている日本企業の中でも

これらの課題が非常に大きな負担としてのしかかっているのは

他でもない日本の中小企業だと思われます。

大手自動車メーカーの方の話によると、

一次下請け、二次下請け、三次下請けまで含むと、

一社の大手自動車メーカーの下に

600~700社もの中小企業がぶら下がっていて

その多くがまだインドには進出してきていないとのこと

現在、チェンナイ日本商工会(JCCIC)では

製造業の世界的なハブ地域として発展させることを

目指しているタミル・ナードゥ州において、

様々な部品、高精度な設備等を現地調達できる環境の整備が重要であるとの理解のもと、

同州政府に対して現状の課題について

改善を求める建議書を提出しようとしているようです。

一方で、日本企業向けに開発が進められている工業団地もあります。

例えば、大手日系商社の「双日」がチェンナイから南西に約50キロのところに工業団地を開発中(双日マザーソン工業団地)

シンガポール系大手ディベロッパー「アセンダス」がみずほ銀行と日揮と共同で

工業団地を含む複合都市をチェンナイから南に約50キロのところに開発中(オメガプロジェクト)

そして、先週発表された下記記事によると

チェンナイから北部50キロほどのところにあるスリーシティ(Sri City)で

日本の中小企業向けにレンタル工場を準備する方向で動いている、とのこと

http://www.thehindubusinessline.com/companies/article3991486.ece

 

 

(チェンナイから南西に約50キロ、オラガダム(ORAGADAM)工業団地にあるルノー日産の工場 ↓)

また、私が毎週インド企業に取材をしていて誇りに感じるのは

日本企業と一緒にビジネスをやりたい

日本企業のインド進出をサポートしたい

と考えている中小企業がインドにはたくさんあるという事実です。

基本インフラが整備された未使用の工業用地を持っているのでぜひ活用してほしい、

同業界における法規制上必要な手続や

インド国内の販路拡大、様々な状況で必要となるコミュニケーションのフォローなど

ビジネス以外の面でも日本企業をサポートできるのでぜひ一緒にビジネスをやりたい、と。

日本の中小企業がインド企業と力を合わせることによって

インド進出の足掛かりをつかむ

そしてお互いのビジネスを拡大していく

そんな架け橋になれる仕事をすることが今の私の目標です。

 

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日・インド社会保障協定の発効による日系企業への影響と実態に迫る

2012年11月に署名がされて以来、多くの日系企業が待ち望んだ日・インド社会保障協定の発効ですが、ついに2016年10月1日から発効されることになりました。日本にとっては日・インド社会保障協定が16か国目の協定となり、対象となる社会保障制度は、日本における「国民年金」および「厚生年金」、そして、インドにおける「被用者年金(EPS:Employees’ Pension Scheme)」および「被用者積立基金(EPF:Employees’ Provident Fund)」等です(※例えば、日本の政府管掌健康保険等については対象外)。先日当地チェンナイでも開催された厚生労働省および日本年金機構によるセミナー内容も踏まえてまとめると、大きなポイントとしては、(1)日印両国における保険料の二重負担の解消、(2)年金受給条件の緩和、(3)申請書類の代理受付、3点に集約することができます。今回は、これらのポイントごとに具体的な内容についてご紹介をしたいと思います。

 

  

「保険料の二重負担が解消!これはデカい!」 

 今回の日・インド社会保障協定の発効による影響が最も大きいのがこの保険料の二重負担の解消です。これまではインドに滞在する多くの日本人駐在員は、インド駐在期間中であっても国民年金等の日本の社会保障制度への加入を継続しながら、インドにおいてもEPSやEPFといった社会保障制度に半ば強制的に加入せざるを得ないケースが多く、両国における保険料の二重払いは日系企業にとって大きな負担となっていました。しかしながら、今回の日・インド社会保障協定が発効する2016年10月1日以降は、派遣期間が5年を超えない駐在員の場合にのみ、日本年金機構から適用証明書(COC:Certificate of Coverage)を取得することによって、例外的にインドの社会保障制度に加入する必要がなくなります(※なお、自営業者は当該協定の対象外)。具体的には、日本側で取得した適用証明書を駐在員がインドまで持参した上で社内に保管しておくことになります(=提出義務はなし)。また、派遣期間を延長して、合計が5年を超えるような場合には、予見できない特段の事情等がある場合にのみ、個別に両国間での協議・合意の上、最大3年間の延長が認められることになっています。なお、協定発効日時点においてすでにインド駐在中の場合には、2016年10月1日から起算して5年以下の駐在期間が見込まれる方が当該協定の対象となります。(※なお、適用証明書は2016年10月1日以降に申請可能で、申請後約2週間程度で発行される予定とのこと。適用証明書のサンプルはこちら:https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/sinseisho/0826-02.files/7.pdf

 

「積立基金および年金の受給資格要件が緩和!これもデカい!」

 現在、インド駐在期間中の日本人がいて、かつ、インドの社会保障制度(EPSならびにEPF)にすでに加入している日系企業にとっては受給資格要件の緩和も大きな変更点のひとつ。具体的には(1)保険期間の通算、と(2)適用証明書(COC)取得による積立金還付の即時申請、という2つのポイントがあります。

まずは(1)年金の保険期間の通算について見ていきましょう。日本の老齢年金の受給資格要件は保険加入期間25年間。一方で、インドの年金(EPS)の場合には保険加入期間10年間です。これまでは、例えば下記のようなケースでは、日本の保険加入期間が合計で23年(=25年を満たさない)、そして、インドの保険加入期間が3年(=10年を満たさない)となるため、日本でもインドでも年金受給資格を得られませんでした。つまり、これまでのケースはほとんどがインドで支払っている当該EPSに対する年金保険料は単なる掛け捨てのコストとして認識せざるを得ませんでした。しかしながら、今回の日・インド社会保障協定の発効によって、保険期間の通算が認められるため、例えば、下記のケースでは通算後の保険加入期間はトータルで28年となり、日本においてもインドにおいても両国で年金受給資格を得ることができ、それぞれの国おいて年金保険料を支払った期間に応じて、年金が給付されることになります。つまり、下記のケースの場合、日本では23年分の年金給付を、インドでは3年分の年金給付を受けることができることになるわけです。ちなみに、インドにおける老齢年金EPSは58歳以降に受給開始となります。

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次に、(2)適用証明書(COC)取得による積立金還付の即時申請について見てきましょう。これまでは被用者積立基金(EPF)については、駐在員の年齢が58歳に達する時点もしくは会社を引退する時点のいずれか遅い時点までは当該積立基金に対する還付を申請することができませんでした。つまり、これまでは駐在員が日本に帰国する際には、インドの個人口座を、閉鎖せずに積立金の受け取り用口座(=非居住者口座)として維持しておき、かつ、受給資格が得られるまではただひたすら待つ、、、、という状況でした。しかしながら、2016年10月1日以降は、帰任済の駐在員については適用証明書取得後に速やかに、また、現在駐在中の方は帰任等によりインドを離れる際にすぐに還付申請を行うことができるようになります。

なお、積立基金および年金の受給申請には主に、(A)書類上での雇用者証明による還付申請と、(B)UAN(=Universal Account Number)番号ベースの雇用者デジタル署名による還付申請、の2種類の方法があります。(A)の場合には、提出書類であるForm19(積立還付申請)およびForm 10C(年金受給申請)において、“1ルピーの印紙貼付”、および“雇用主による記載内容の証明(署名・押印)”が必要となりますので注意が必要です。一方で、(B)UAN番号ベースの還付申請を実施する場合には、当該機関EPFOのポータルサイトにて被用者の基本情報(KYC:Know Your Customer)を更新し、雇用者の権限保有者にデジタル署名(=DSC)にてオンラインで証明をしてもらった上で、UAN番号による還付申請用のForm19およびForm10Cを提出します(=この場合、雇用者による書面上の証明は必要なし)。受給申請時に添付する必要がある書類としては、下記のようなものが考えられます。(※状況によって必要書類は変わる可能性がありますのでご留意下さい。)

 

■ Form19(積立基金受給申請)

■ Form 10C(年金受給申請)

■ Non-Employment Declaration

■ Form 15G(確定申告にかかる供述書)

■ 赴任時のアポイントメントレター(Appointment Letter)

■ 帰任時のリリービングレター(Relieving Letter)

■ PANカードコピー(自署が必要)

■ Employment Visaのコピー(自署が必要)

■ FRRO登録のコピー(自署が必要)

■ キャンセル済小切手原本(自署が必要)

 

 

「申請書類の代理受付が日本で可能に!ただ、日本から申請できるとは言え、、、?」

 そして、最後のポイントが日本での書類代理受付です。これまではインドの積立基金や年金の受給申請はインドの担当窓口でしか受け付けてもらえませんでしたが、2016年10月1日以降は、日本の年金担当窓口も代理で書類の受付を行ってくれるとのこと。今回の日・インド社会保障協定の発効にともない作成された新しい申請書類フォーマットも用意されているようで、日本語、英語、ヒンディー語の3言語が併記されているので、すでに日本に帰任されている方にとっては書類作成および申請が日本でできるのでとても有り難い話です。がしかし、、、日本年金機構の担当者に話を伺ってみたところ下記の観点からいろいろとまだハードルは高そうです。

■ 日本側は単なる窓口機能で、原則、書類をそのままインドに受け渡すのみ

(※書類の不備等があった場合の対応や、還付までに要する時間が不透明)

■ 日本の口座を受け取り用口座として指定できるはずだが実績がないので不透明

■ 申請書類によって1ルピーの印紙貼付が必要(=インド側で準備する必要あり)

■ 申請書類によってインド側の雇用主による記載内容の証明(署名・押印)が必要

■ 積立基金や年金受給後は、受給額に応じてインドで確定申告をする必要あり

 

そして最後に、、、これまで説明してきましたインドにおけるEPF(積立基金)やEPS(年金)については、言わずもがな“個人”に帰属するものであることが大前提となっています。つまり、受給資格を得るということは、その個人が受給する権利を得ることになり、原則、駐在員の個人口座に入金されます。一方で、多くの日系企業は、駐在員の待遇面における手取保障の観点からインドでの社会保険料については駐在員本人負担分についても会社が代わりに負担をしているケースがほとんどであるため、個人に帰属する還付金について、どのように取り扱うべきか、会社と駐在員個人間で事前に合意をしておく必要があります。また、例えば積立金の還付時には10%のTDS(源泉所得税)が控除され入金されますが、還付額が多い場合には10%の納税では足りないため、別途確定申告および追加納税を実施する必要があるため注意が必要です。

いずれにしても、積立基金や年金の受給は外部の専門家のサポートを得ながら所得税の課税関係についても正しく清算した上で還付申請手続きを進めていくのが望ましいのではないかと思われます。

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チェンナイの過酷なビジネス影響(電力不足編)

昨日は朝9時から停電がスタート。

そのまま8時間も停電が続くとはつゆ知らず。

どうやら新聞に地域ごとの計画停電情報がちゃんと掲載されていたようです。

私生活においては、

あ、洗濯してる途中だったのに

あ、今からシャワー浴びようと思ったのに

あ、真っ暗で本読まれへんやん

といろいろ面倒なことも起こりますが、

とは言っても “その程度” のことなので

停電とうまく付き合っていくことは大したことではありません。

慣れてしまえばどうってことないと思えるのが人間のすごいところ。

 

ただ、ビジネスの世界ではそうはいかないようです。

多くの製造業者は工場に大型のディーゼル発電機を導入していて、

停電時の電力供給を発電機で頼っているんだそうですが、

その燃料代を考慮すると電気代は通常の2.5~3倍に膨れ上がってしまうんだとか。

さらに、工場の発電機はとにかくデカいので場所は取るし、

突然の停電によって稼働中だった機械が急停止し、

それが機械の故障を引き起こす原因になったり

製造中の製品に不良品を出したり、

生産が止まってしまうので当然生産性が落ちたりと、

様々な悪影響が引き起こしているようです。

 

先日、あるインド企業の社長さんから聞いた話では、

このディーゼル発電機

通常は25~35%ものロス(無効電力)が発生してしまうようですが、

自動力率調整器(APFC:Automatic Power and Frequency Control)という装置を導入することによって

そのロスをある程度は有効電力として利用できるようになり

発電効率を向上させることができるんだとか。

 

また、先日、ある日系企業の社長さんから聞いた話では

このディーゼル発電機の代わりに

無停電電源装置(UPS:Uninterrupted Power Supply)を導入していて

このUPSを活用して停電による負担をうまく軽減しているのだとか。

どういうことかと言うと、

ディーゼル発電機は燃料代によって電力コストが高くつく上に、

停電後に電力が復旧するまでの間にタイムラグがありますが、

UPSはその言葉通り、切れ間なく電力を供給し続けることができる装置なので、

UPSを利用することによって停電時の急な機械停止を事前に防ぎ、

停電後はUPSの供給の助けを借りて

稼働中だった製造工程を区切りの良い段階まで作業を終わらせてしまう

そして、電力が復旧するまで製造を一時的に止めて

ディーゼル発電機による余分なコストや

その他の悪影響をできる限り排除するようにしているんだそうです

 

工場の規模や停電時間の長さにもよるとは思いますが、

チェンナイの電力不足による過酷なビジネス環境を目の当たりにしながら

こうやって企業は様々な工夫をしているのだなーと思いました。

「2013年中に電力不足を解消する」

と発表したタミル・ナードゥ州政府。

果たして本当に実現できるのでしょうか。

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表現者と鑑賞者が互いに作用し合うこと

先週の日曜日はチェンナイ日本人会主催の夏祭り

300人を超える人の前でバンド演奏するという

とても貴重な経験をすることができました。

何度も練習してきたバンドメンバーと

応援してくれた人、盛り上げてくれた人、

みんながひとつになれたようなそんな感覚。。。

やっぱり音楽っていい!

 

少し話は変わりますが、今から10年以上も前

スペインのバルセロナにあるカタルーニャ音楽堂でクラシックを聴いたことがあります。

当時、クラシックの「ク」の字も知らなかった私が、

世界遺産であるカタルーニャ音楽堂でクラシックの生演奏が聴けるのなら、ということで

スペインひとり旅の途中に立ち寄ったんです。

この演奏がとにかく素晴らしかった。

言葉にならず、ただひたすらに聴き入っていました。

心を揺さぶられたような感覚を今でもカラダが覚えています。

「音楽を聴いて感動する」とはこういうことなのか、と

このときはじめてそう思ったのでした。

 

今から5年ほど前

アメリカのシカゴの街を歩いていたときに今までにない感動を覚えたことがあります。

真っ黒い巨大なビルの目の前に、真っ赤な巨大なオブジェ

しばらく立ち尽くしてしまいました。

ミース・ファンデル・ローエ設計の『連邦政府センタービル』と

アレクサンダー・カルダー作のオブジェ『フラミンゴ』

高層ビルに囲まれた空間の中に、自分が吸い込まれていくような感覚

人間のスケール感ではとうてい捉えきれない小宇宙

どうしようもなく、ボーっと眺めていました。

 

芸術とは?

「表現者と鑑賞者が互いに作用し合うことで、

精神的・感覚的な変動を得ようとする活動」(ウィキペディア)

 

音楽を聴くとき

絵画を観るとき

たとえば、オブジェを観るとき

優れた芸術作品と向き合ったときに、何も言葉が出てこないときがあります。

この曲の、この絵画の、このオブジェの、どこがどういいのかがわからない

ただただ、言葉にならず立ち尽くしてしまうことがあります。

でも大学を卒業してから、この感覚がむしろ大切なんじゃないかと思うようになりました。

それまでは「なにこれ?意味わかんないし、、、」と受け入れようとしませんでしたが

でも、意味を知る必要も、理解する必要もない

わからないという状態をそのまま無防備に受け入れる

その作品に身をゆだねてみる

耳をすましてみる

目をつむってみる

よく眺めてみる

遠くから見てみる

近くから見てみる

時間をかけてみる

自分に共鳴してくるものがないかをじっと待つ

優れた芸術作品を前にして言葉が出てこないのは、

それが自分にとって「虚無」なのではなく、

まだ表出していない「感動」なんだと考えるようになりました。

そこには、無防備な人間だけが得ることを許された感動があるのかもしれない

そう考えるようになりました。

 

最後に、脳科学者である茂木健一郎さんの著書『すべては音楽から生まれる』から

好きな一説を紹介します。

 

(以下抜粋)

「人間は、生きていく上で様々な事態に出逢う。

時には困難と向き合わなければならない。

だが、絶対的な座標軸-たとえば「喜びや美の基準」といったものさし-が

自分の中にあれば、日々の難事や苦しみは、ずいぶんとやわらぐものである。

「美しい」「嬉しい」「悲しい」「楽しい」・・・

一瞬一瞬に生身の体で感動することによって

人は、自己の価値基準を生み出し、現実を現実として自分のものにできるのである。

それが「生きる」ということである。

だからこそ、本当の感動を知っている人は、強い。

生きていく上で、迷わない。揺るがない。折れない。くじけない。

音楽はそんな座標軸になり得る。

音楽の最上のものを知っているということは、

他のなにものにも代えがたい強い基盤を自分に与えてくれるのだ。」

 

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