インド企業との交渉やインタビューで気を付けるべきこと

by 田中啓介 / Keisuke Tanaka

1. インタビューの際に気を付けていること

インド企業にインタビューに行っていつも私が実践していることが3つあります。それは、(1)プライベートを自分からオープンにする、(2)自分の言葉で伝える最大限の努力をする(通訳を使う場合はあくまで補助的な役割とする)、そして、(3)自分の熱量をしっかりと相手に伝えるために自分の中にある「スイッチ」をちゃんと入れることです。

最初にいきなりビジネスの話をしてもあまりいい雰囲気を作ることができません。私生活や家族の話、チェンナイの好きなところ、タミル語を少々話してみたりすると、雰囲気が和み、無意識にもそこにあった壁のようなものが少し低くなるようです。通訳を介さず、自分の言葉で、相手の目を見て伝える努力をする、そして、自分が伝えたい考えや思いを圧倒的な熱量を持ってしっかりと相手に伝えることで、自分がビジネスで付き合うに値する人物であるということも自己紹介とともに理解させる必要があります。

 

2. 限られた時間の中で有益な情報を得る工夫とは?

インタビューにおいては一度いい雰囲気ができると相手も自社の実績や顧客名、強み、業界の裏事情などなどこちらが質問したことに対して、期待以上に止めどなく話をしてくれるのですが、結局のところ、一番知りたかったことがよく分からない。そんな残念な結果になることも決して少なくありません。限られた時間の中で、知りたいことだけを、できる限り効率的に話してもらうそのためには「話をさせる工夫」と同時に、「話をさせない工夫」も必要だと感じています。話を聞いているうちに方向性がズレていると感じたら一度、話を止めて質問を再度投げて方向修正する必要があるし、このまま話してもらっても知りたいことが得られそうもないと感じたら思い切って話を止めて、次の質問に行くという判断も必要です。

さらに、インド人へのインタビューをより有意義なものにするために、私自身の課題として今取り組んでいるのは、「話をつなげる工夫」です。これは、止めどなく話してくれるその内容の中から思わぬ有益な情報がポロッと出てくることを期待しながら、もし出てきたときにはわざと方向転換をしてさらに突っ込んで質問してみるというやり方です。思わぬところから別の話につながってまた違ったビジネスや新しい人脈につながっていく、それが何より人と会って話すことの価値なのではないかと考えています。

 

3. インド人との信頼関係は食事から

メールでも電話でもなく、インド人と会って話す。一緒に食事に行く。写真でも動画でもなく、現場に足を運んでみる。自分が見て、聞いて、感じたことを自分の感覚を信じて何らかの形でつなげていく。インド特有の難しさはありますが、それがきっかけになって仕事が生まれればこんなに楽しいことはないかもしれません。より専門的なインド人やインド企業との付き合い方や交渉術については、当ポータルサイトの運営会社であるGlobal Japan AAP Consulting Private Limited社の下記記事をご覧ください。

 

【参考記事1】インド国内の販売代理店とどのように信頼関係を構築していくべきか?

https://g-japan.in/faq/entry_into_india-2/

【参考記事2】インド企業の合弁パートナーをどのように評価・選定すべきか?

https://g-japan.in/faq/entry-a-3/

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