インドに来た方が購入される方が多いアイテムの1つ「ジュエリー」。長く住んでいる方であればオリジナルのデザインでオーダーメイドしたり、観光ツアーであればジュエリーショップへの訪問が含まれていることも多いです。今回はそんなインドジュエリーについてご紹介します。
インドのジュエリー産業
インドの宝飾産業は世界的に見てもとても大きい産業です。
インド国内で消費されるゴールドの量が多いだけでなく、加工面(材料を輸入し加工品を輸出する)でも大きく力をいれている国でもあります。
世界の約9割のダイヤモンドはインドで研磨され、日本に流通しているダイヤモンドの7割はインドからきているとも言われており、インドの研磨や加工技術がいかに優れているのかということも見て取ることができます。
その一方で、原石の多くは実はインド産ではなく、ロンドンのダイヤモンド販売会社である「ダイヤモンド トレーディング カンパニー(DTC)」に正式登録されたサイトホルダー(=ダイヤモンドの原石供給を受ける事のできる権利を持つ会社)から調達されたものが中心です。
ダイヤモンドの原産地は「アフリカ諸国」「オーストラリア」「ロシア」などで、ここから調達された原石を加工し、他国へと輸出していくという流れになっています。
インドの主な輸出品
- 石油製品
- 宝石類
- 電気機器
- 一般機械
- 化学関連製品
インドの宝石集積地「ジャイプール・ムンバイ」
インドの宝石産業を支えている宝石の集積地は大きく2つあり、インド最大の都市ムンバイとピンクシティと呼ばれるジャイプールです。
とくにムンバイは「ダイヤモンドの取引の中心地」とされており、ムンバイ中心部にある商業施設「Bandra Kurla Complex(BKC)」は巨大なダイヤモンドマーケットになっており、日本から直接買い付けに来る方も多くいる施設になっています。
その一方で、研磨や加工についてはムンバイから200km程北にある「スーラト」がメインの集積地となっています。つまり、ダイヤモンドの加工はスーラトでおこなわれ、ムンバイで売買がおこなわれるという形になります。
ダイヤモンド以外の石は「ジャイプール」が加工の集積地となっています。
アフリカ諸国・ブラジル・ロシアなど世界各地から原石がジャイプールに持ち込まれ、研磨をしています。
ジャイプールにはいくつか観光としても有名な宮殿がありますが、その中の1つ「風の宮殿」の近くには研磨工場が多くあり、その数は700とも言われているそうです。
インドの石工場・ジュエリー工場
ジュエリーというと、形が綺麗なのはもちろん、表面に傷1つない綺麗な状態のものを誰しもが思い浮かべると思います。
この完成品のジュエリーに至るまでには細かな仕事がいくつもあります。
インドでは分業制度が今でも根強く残っているため、ジュエリー1つ作る場合でもざっくりわけて「石工場」と「ジュエリー工場」に分かれています。
そして、それぞれの工場の中でもそれぞれのプロフェッショナルである職人さんが分業して仕事を行っています。
石工場の場合
- 石を切る人
- 石にファセット(=宝石の外側につけられた多数の平面の研磨面)を施す人
- 石を磨く人 など
ジュエリー工場の場合
- 原型を作る人
- 金線をつくる人
- 石を留める人
- 仕上げを担当する人 など
インドで購入できる代表的な石
ムンバイ・ジャイプールに限らず、大きな都市に行くとジュエリーショップが街中にいくつもあるのを見かけます。
旅行者の方の中にはジュエリー購入が目的でインドに訪れるという方もいるそうです。
多くの石がインドでは購入できるのですが、その中でも代表的なものをご紹介します。
ガーネット
1月の誕生石でもあるガーネット。
採掘されるときに赤いざくろの実が集まっているような姿をしていることから、日本では「ざくろいし」という名称でも親しまれています。
宝石言葉:真実・情熱・友愛・繁栄・実り など
アメジスト
2月の誕生石でもあるアメジスト。
和名の「紫水晶」という名前のとおり、透明度の高い紫色が美しい水晶です。
古くから愛されてきた宝石の1つで、王族や貴族など地位が高い人々からとくに好まれてきた石でもあるそうです。
宝石言葉:高貴・誠実・心の平和 など
ムーンストーン
6月の誕生石でもあるムーンストーン。
古代インドで名付けられたこの宝石は、独特の色合いとインドの月の神様の額にはめ込まれたと言われており、月の神様の考え方を石がわかるという迷信からつけられました。(※諸説あり)
古代インドの人々は、ムーンストーンを「聖なる石」として崇め、お守りとして身に着けていたそうです。
宝石言葉:幸運・恋の予感・円満・純潔 など
サファイア
9月の誕生石でもあるサファイア。
サファイアというと、深い青色を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は多彩なカラーを持つ石でもあります。
宝石言葉:慈愛・誠実・忠実・真実 など
ターコイズ
12月の誕生石でもあるターコイズ。
紀元前5000年に作られたターコイズのビーズも見つかっていたりと、世界最古のジュエリーとして古くから愛されてきた石です。
加工しやすいのも特徴で、アクセサリーだけでなく、インテリアや彫刻品・玉座や短剣など、幅広く使われてきた素材でもあります。
宝石言葉:成功・繁栄・健康・自由 など
インドでジュエリーが購入できるオススメショップ
わたしの住む北インドのオススメジュエリーショップをご紹介します。
インドではオーダーメイドで自分だけの世界に1つだけのアクセサリーをお手頃価格で作ることもできるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
Glamour@グルガオン
ジャイプールに自社工場を持っているのもあり、要望も聞いてもらえるお店になっています。
インドのデザイン=派手なものを思い浮かべがちですが、シンプルかつ上品なデザインも取り扱っており、日本人の方でも買いやすいものが多くあります。
Mogha Jewellery@デリー
デリーにある「ル・メリディアンホテル」内にあるジュエリーショップで、日本人の方にも大人気なショップになっています。
市内からも近く、アクセスがよいので観光者というよりは在住者が行きやすい立地なのも人気な1つになっています。
指輪・ピアス・ペンダントヘッドなど、お手軽なものだと1万円程から購入が可能です。
Samdaria@デリー
Mogha Jewelryさんと同じ「ル・メリディアンホテル」の1階にあるジュエリーショップです。
各国のMelaなどにも出店していることもあり、見かけたことがある方も多いお店になっています。
某有名ジュエリーショップに似たデザインがお手頃価格でゲットできたり、上質なカラーストーンの中から自分好みのものを探すのも楽しめます。
おわりに
インドジュエリーについてご紹介しました。
決してお安い買い物ではありませんが、日本で購入する場合と比べてかなりお手頃価格で良質な宝石を購入できるインド。
- オーダーメイドでオリジナルデザインを作るも良し◎
- 旅行の記念に1つ購入するも良し◎
- 本帰国前にちょっと奮発して大きめの石を購入するも良し◎
ジュエリーショップというとスタッフの方もピシッとしていて、フラッと入ってはいけないような敷居が高いイメージがありますが、インドのジュエリーショップのスタッフさんは気さくかつフレンドリーな方が多く、こちらから言わずとも次々石を見せてくれることが多いです。