【インド・ムンバイ】ボリウッド俳優の豪邸とスラムが混在する、ムンバイの街並みをレポート

by 中谷秋絵 | Akie Nakatani

「インド第2の都市」と言われる大都会ムンバイ。インドの有名企業が集まり、大富豪やボリウッド俳優、有名人などのセレブが多く住むことでも知られています。

一方「世界最大規模」と言われるスラムも存在し、インドで最も貧富の差を感じる場所ではないでしょうか。

ムンバイはインド映画の一大拠点であるため、ボリウッド俳優が数多く住んでいるだけではなく、ダンスや演技のアカデミーも多数存在します。

中谷秋絵さん
中谷秋絵さん
私はボリウッドダンスを習っているため、ムンバイは憧れの地でもありました。そして「ボリウッドの本場でレッスンを受けたい!」と思い、ムンバイを訪れたのです。そのときの体験とともに、貧富の差が渦巻く都市ムンバイについてレポートします!

 

 

有名ボリウッド俳優の豪邸


ムンバイはインドの西海岸に面するマハラーシュトラ州の州都で、首都デリーに次ぐ都市です。人口は2,200万人以上で、フォーブスの「世界の『ビリオネア最多都市』ランキング(2019年)」で、ムンバイは10位にランクインしました。

ムンバイにはそのような大富豪だけではなく、インド映画に出演する超有名俳優たちが数多く住んでいます。

そしてムンバイではなんと、このボリウッド俳優たちの豪邸をまわるツアーまで存在します。ツアーに参加せずとも有名俳優たちの家は誰もが知っているので、なにもないときに行っても家のまわりには常にたくさんのインド人がいる状態なのです。

中谷秋絵さん
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私もボリウッド界の重鎮「アミターブ・バッチャン」の自宅に行ってみました。50年以上のキャリアの中で200本以上の映画に出演し、インド映画史上最も偉大な俳優の一人と言われる人物です。大きな門の横には警備員がいて、さすがのセキュリティといったところ。まわりには数人のインド人たちがたむろしていました。

聞いたところ、アミターブ・バッチャンは定期的に家の外にいるファンたちに向かって手を振ってサービスしてくれるそうです。

ごうぞう
ごうぞう
それはファンにとって、とっても嬉しいそう!

ボリウッドスターって自宅も知られていて、プライバシーは全然ない感じなんですね……。びっくりです。

 

 

ダンスや演技のアカデミーがたくさん! エンタメのまちムンバイ

ムンバイはボリウッド映画の一大拠点だからでしょう。ムンバイ北部にはダンスや演技のアカデミーがたくさんありました。

「フィルムアカデミー」と書いてあります。(筆者撮影)

アクターズスクール。「1日3,000ルピー(約4,500円)」と書いてあります。(筆者撮影)

私が滞在した宿にいたインド人青年は「演技を勉強するために地方から来ている」と言っていました。長期間滞在し、演技のアカデミーに通っていたのです。

宿泊した宿の壁にはこんな絵が。「ムンバイだなぁ……」と感じました。

中谷秋絵さん
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私も様々なダンスレッスンに参加しました。大人気の先生のところに行くと、生徒が50人以上スタジオにぎっしりいて、踊っていても先生が見えないほど……
ごうぞう
ごうぞう
大人気なところだったんだぞう!

ムンバイで有名なダンススクールの先生は、大きなショーに出演したり、ボリウッド俳優とSNSで共演したりして、彼らもスターのような風格です。やはりインドでは、ダンスの需要が多いことを感じました。そして、このようなレッスンに通えるのも、インドでは裕福な部類の人々であろうことも感じたのです。

 

 

クラブで年越しパーティ

中谷秋絵さん
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私は以前デリーに住んでいましたが、ムンバイはいろんな意味でデリーよりも「都会的」だと思いました。

まず、物価はデリーよりも高いと感じました。実際、日本人が住むような家の家賃は、デリーの1.5〜2倍ほどのようです。オシャレで高級なカフェやレストランもたくさんあり、そこに来ている人々は明らかにお金持ち!という雰囲気を醸しだしていました。

中谷秋絵さん
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そして、私が最も驚いたのは年越しのときです!
ごうぞう
ごうぞう
どうしてびっくりしたぞう?

年末、私が滞在していたドミトリーに、デリーから来た若いインド人女性グループが泊まりに来ました。着いて早々、みんな短いスカートのパーティ衣装に着替え出かけると言います。どこに行くのかと聞くと「クラブで年越しパーティがある」とのこと。そう、彼女たちはこのパーティに参加するのが目的で、遥々デリーからやってきたのです。




デリーでは、あんなに短いスカートを履いたインド人女性は見たことがなかったので「ムンバイって、なんて都会なんだ……」とカルチャーショックを受けたのです。しかも、そんな格好をして深夜に出かけるのです。

中谷秋絵さん
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他人ながら、私は心配になってしまいました。翌日、パーティを楽しんだ彼女たちはさっさとデリーに帰っていきました。本当にパーティに参加することだけが目的だったんだ!と、はじめて出会ったインド人ギャル達に衝撃を受けたのです。

 

 

近くにはスラムが


都会的で、お金持ちが多いムンバイですが、そのすぐ横には貧困がありました。

私が滞在したムンバイ北部は、多くのボリウッド俳優も住んでいる地域だったため、裕福なエリアであることが予想されます。そんな地域でも少し道を外れると、粗末な小屋が並ぶスラムがありました。人々は小屋の外で火を炊いてご飯を作ったり、子どもが裸足で外を駆けまわったりしていたのです。




また「世界最大規模のスラム」と言われるダラヴィ・スラムは、このムンバイにあります。ダラヴィ・スラムは映画『スラムドッグ$ミリオネア』の舞台にもなったことから、一躍有名になりました。そして、ムンバイの人口のうち4割がスラムに住んでいると言われています。

中谷秋絵さん
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豪邸に住む大富豪と、スラムに住む貧しい人々。「インドは貧富の差が激しい」とは言いますが、大都会ムンバイはそれを一番強く感じる場所でした。

この圧倒的な貧富の差を目の前にして、私には何ができるかなんて、到底わかりません。また「インドの貧困問題はインド国内で解決すべきで、海外が支援することではない」という意見も耳にします。インドも経済が発展してきてこれだけの大富豪がいるので、そう思う気持ちもわかります。

難しい問題ですが、現地に住む人の「リアル」を感じることも、はじめの一歩として大事ではないでしょうか。ダラヴィ・スラムを見学できるツアーもあるようなので、関心のある方はぜひムンバイを訪れ、体感してみてください。

ごうぞう
ごうぞう
こちらの記事でも、そんなムンバイの街並みをレポートしているぞう!インド最大の民間企業リライアンス・インダストリーズの会長ムケシュ・アンバニ氏の自宅と100年以上の歴史を誇る巨大洗濯場「ドービー・ガート」は、こちらをチェックだぞう!

世界最大の格差はムンバイにあった!




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