国によっては物事のプロセスやシステム自体が、今まで私たちが日本で馴染のあるそれとは全く異なるなんてこともあるのではないでしょうか?これは、インドに限らず海外のどこにいても在外邦人が一度は直面する課題かもしれません。
人との繋がり
しかし、この人脈こそが異国の地で生活するうえでは欠かせないものの1つであるとも思います。
そんな中で友人と呼べる人に巡り合えるかもしれません。
今、私が住んでいるソサエティはすべて地元の人々で成り立っており、いわゆるよそ者は私たち夫婦だけという状況です。(主人はバンガロール出身なので基本的には地元の人々からするとよそ者です。)
しかも、私は日本から来たインドにルーツすら持たない外国人です。引っ越してきた当初はある程度の距離感を覚えていましたが、挨拶から始まり、私がつたないグジャラート語で何とか意思疎通を図ろうとする中で、徐々にソサエティの人々と繋がることができました。
すると時にはグジャラートの郷土料理やホームメイドスナックをおすそ分けしてくれたり、私にグジャラート語の教科書を持ってきてくれたり、わざわざグジャラート語やヒンディー語を我が家にやってきて教えてくれる奥様たちがちらほら。
こうなったら、こちらもそれに甘えない理由はありません。そうすると、些細な事でも何か困ったことがあれば相談することもできます。
困ったときはどうする?
インドの人はグイグイやってきます。それなら、向こうがこちらを受け入れてくれるかどうかは関係なく、こちらからもグイグイ行くくらいの気持ちでいようと思えるようになりました
最初は、「こんなことで電話したら悪いかな?」とか「この人は自分のことをどの程度受け入れてくれているのだろう?」と思い悩んだこともありますが、とりあえず聞いてみると、案外だれも嫌な顔をせず、逆におせっかいと言えるほど助けてくれることがほとんどです。
仮に自分が相談した相手が分からないことであれば、その人の知り合いで知ってそうな人を教えてほしいと言えば、その人の人脈で数珠繋がり状態になるのが、インドの良いところともいえるでしょう。
このような場面は、私だけでなく私の主人を見ていてもよく見受けられます。
主人は何かあれば知り合いと言う知り合いにどんどん電話して情報を得ていますし、その知り合いから紹介された相手が全く自分にとっては見ず知らずの人であっても、平然として電話して自分の聞きたいことやってほしいことを話しています。
そうして、いつの間にやら物事が解決していたり、協力してくれる人が現れたりしています。
例えば、私がインドで結婚して婚姻登録をする際にシステムを理解していなかった役人を動かすときもこの手を使いました。
またある時はラジャスタン州からグジャラート州へ帰る途中、いきなり州をつなぐ道路が警察により封鎖されていて何が何でもその道路を渡ってその日中に帰らなければならなかった場合にもこの手を使いました。
今まで人から人へのつながりで、このように助けられた事例をあげれば枚挙にいとまがありません。些細な日常のことから結構大掛かりなことまで本当にこの人との繋がりが物事の進捗状況を左右します。
このようなインド人脈を利用しても解決できない時にはインド番イエローページと言うべきJUST DIALという民間サービスがあります。
これはインドの電話から88888 88888をダイヤルします。するとオペレーターにつながりますから自分がどこの都市でどんなサービスが必要かを伝えるだけで瞬時にして無数の業者から電話やSNSで連絡が入ります。
そこで各業者と話をして必要なサービスを探すことができるというサービスですから、覚えておくと便利です。
友達の友達は自分の友達
基本的にインドの人々は友達の友達は自分の友達と考えていることが多いようです。ですから、彼ら/彼女らは自分の知り合いに許可を取ることなく知り合いの連絡先を紹介してくれることが多く、逆を言えば私たちの連絡先も全く知らない人に紹介され、突然連絡があるなんてこともしばしばです。
私の本業は訪日手配業ですが、「私の既存取引旅行代理店の知り合いから紹介してもらった」と言って他の全く知らない旅行代理店から問い合わせが入ることも多く、逆に私が「ほかに訪日を扱っている旅行業者を知らないか?」と尋ねると本来なら彼らの競合他社にあたるかもしれない他の旅行会社(たいていはその人の友達や知り合いが営んでいる会社)や、そんな旅行会社を知っていそうなエアライン関係者などを気軽に紹介もしてくれます。
トラブルシューティング
最後は、こんなインド式の人脈ゆえのトラブルシューティングをご紹介します。
インドでは電話以外にはWhatsappの利用率が非常に高く、最近はインスタグラムを利用する若者がかなり増えていますが、Facebbokはそうではないようです。インド女性のFacebookの利用率が伸びないのは、男性の利用率がはるかに高く、見知らぬ男性からの連絡を敬遠して、と聞きました。
私の経験上でも確かにFacebookで1人のインド人と繋がると、男女問わず無数の友達リクエストが届きます。下心を持った人の中には、日本人の私たちと繋がることでどうにかして日本へ来ようと考えていたり、外国人だというだけで気軽に乗ってくるだろうという間違った認識で、ナンパしようとしているのが明確な人もいました。
電話やWhatsappで全く見知らぬひとからいきなり連絡が来るということは、こちらのプライバシーが駄々洩れだという証拠でもあります。まだまだインドの人々にはプライバシー保護という観念が希薄だと感じています。
日本人はNOと言うのが苦手だと言われていますが、やはりこういう場合は毅然としてNOと言いましょう。
曖昧な態度でいると付け込まれてしまいます。案外、ガツンと言うと向こうはこちらが考える以上にビビることも多いです。また、それでもしつこい場合は電話番号もSNSも全てブロックしてしまいましょう。