日系企業のフロンティアか?インドのタミルナドゥ州第二の都市コインバトールをご紹介

by Mariko Hanaoka

インド最南端に位置するタミルナドゥ州。

Mariko Hanaokaさん
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その州都チェンナイに次ぐ都市コインバトールとはどんな街??

今回は、コインバトールの主産業とその歴史的背景、そしてこれからの可能性についてなど、コインバトール基本情報をご紹介致します。

ごうぞう
ごうぞう
コインバトールを知る記事!だぞう!ごう!

 

 

 国際線も就航するTier 2都市

Mariko Hanaokaさん
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コインバトールは、タミルナドゥ州第二の都市。州の南西部に位置し、お隣ケララ州との州境にある街です。

ユネスコ世界遺産であるウェスタンガーツ山脈の生物多様性ホットスポットにあり、近郊の山々ではゾウ、シカ、サル、バイソン、クマ、タイガー、ヒョウなど多様な動物が生息するとても自然豊かな場所。

ごうぞう
ごうぞう
ごうぞうの仲間がいる場所だぞうっ

その地理的条件から、夏以外の気温は約24~30度と安定していて、とても過ごしやすいのが魅力です。

2022年現在、人口約290万人のTier 2都市で、近年は毎年前年比約2.6~2.7%(約7万人)というスピードで人口増加が進んでいます。

市の中心地から約10キロに位置するコインバトール・インターナショナル空港は、インド国内主要都市へのアクセスのみならず、シンガポール航空、スリランカ航空、エアーアラビアの3便が就航する国際空港です。

ちなみに、エアポートコードはCJB(Coimbatore Junction Board)。

出典:Airports Authority Of India(上)、SimpliC!ty(左下)、COIMBATORE AIRPORT (CJB)(右下)

 

 

テキスタイルの街「インドのマンチェスター」

バンガロールが「インドのシリコンバレー」と呼ばれるように、テキスタイル産業で有名なコインバトールは「インドのマンチェンスター」と呼ばれています。

1885年、コインバトールの起業家S.P.Narasimhalu Naiduがムンバイを訪れたのを機に、彼の親近者であったSir Robert Stanesによって、1888年コインバトールにはじめての紡績・織物工場「Coimbatore Spinning & Weaving Mills Limited」が設立されました。

Mariko Hanaokaさん
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この工場を皮切りに、多くの農家オーナーたちが綿花のトレードを始め、コインバトール近郊に次々と紡績・織物工場が設立されていったのです。

ちなみに、S.P.Narasimhalu Naiduの名前にある「Naidu(ナイドゥ)」というのは彼が属するコミュニティの名前でもあり、彼らは何世代も前にアンドラプラデーシュ州から移住してきました。そのため、Naiduの人たちは今でもアンドラプラデーシュの言語テレグ語を母語として話します。

Mariko Hanaokaさん
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これは、コミュニティ社会、多言語国家であるインドならではの現象ですね!

 

 

複数の通称名をもつ「モノづくりの街」

アパレル産業都市としての通称名は「インドのマンチェスター」ですが、実はそれだけではありません。

Mariko Hanaokaさん
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コインバトールは「ポンプシティ」「ハート・オブ・レーシング」など複数の通称名を併せ持つ、多才な街なのです!
ごうぞう
ごうぞう
色んな通称名があるんだぞう

戦後の日本において、織り機から繊維機械、そして製造業の街へとシフトしていった豊田市などと同様に、コインバトールはアパレル産業のみならず、製造業の街としてもその地位を確立しています。

空港から市街地へ伸びるメインロード沿いにあるGeDee Naidu Car Museum

Mariko Hanaokaさん
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ここには「インドのエジソン」「コインバトールの富の創造者」と言われる発明家 GD Naiduが、自らの情熱と自動車学校の生徒への指導目的に海外から買い集めた車が展示されています。

彼の功績は、インド初の電気モーター、現在コインバトールがインドシェアの半分以上を占めるポンプの製造など、多岐にわたります。

出典:Wikimedia

その後もコインバトールは、インド初の国産ディーゼルエンジン、インド初のシングルシーター小型レースカー「FISSME」の開発など、多くの起業家たちの情熱によって製造業の街として成長してきました。

Mariko Hanaokaさん
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なお、このGD Naiduも「Naidu」コミュニティの人物だということにお気づきでしょうか。「Naidu」は、コインバトール最大のビジネスコミュニティのひとつなのです。

 

 

今急成長を続ける新たな産業「IT」

「インド=IT」というイメージが、日本でも広く浸透している昨今。

Mariko Hanaokaさん
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コインバトールはチェンナイに次ぐ、州内第二のソフトウェアの街でもあります。

現在11のITパークと3つのIT経済特区(SEZ)が連立し、

  • Amazon
  • Altran
  • Bosch
  • Cognizant
  • Ford
  • Tata Consultancy Service(TCS)
  • Zoho
  • Apexon
  • KONE
  • NTT DATA など

100を超える世界の大手企業がオフィスを構えています(2021年時点)。

世界最大のドイツ自動車部品メーカーBOSCHは、2006年よりR&Dセンター機能の中心をコインバトールに移行しています。

Mariko Hanaokaさん
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この成長を後押ししているのは、「工学系大学の街」として知られるコインバトールの豊富な人材にもあるのだと思います。

 

 

広大なインド。日系企業のインド開拓はこれから

コロナ前に比べて日系企業のインド進出やインド人材への関心が高まる中、デリー、ムンバイ、バンガロール、チェンナイなどの主要都市以外の情報には、なかなかリーチできていないという現状を感じています。

Mariko Hanaokaさん
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コインバトールもその例外にもれず、タミルナドゥ州第二の都市でありながら、まだまだ日本人への認知度が低く、進出日系企業もわずかです。しかし、大きなポテンシャルを秘めているこの街は、これからの日系企業のフロンティアとなり得るかもしれません。

今回は、コインバトールの主産業の背景を中心にご紹介しました。

Mariko Hanaokaさん
Mariko Hanaokaさん
それぞれのトピックについてさらに深掘りした記事など、これからもコインバトールの魅力やリアルな姿を連載していきたいと思います!
ごうぞう
ごうぞう
楽しみだぞうっ




 

 

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