「インドのデトロイト」とも言われる
タミル・ナードゥ州のチェンナイは
自動車産業を中心としたグローバル企業が集積しています。
現在のチェンナイ進出日系企業数は300社を超え、
4年前と比べると約4倍に増えています。
その数は今後さらに拡大していくことが期待されますが、
工業団地、インフラ、電力等において多くの課題も抱えています。
例えば、基本インフラ(上下水・排水・電力供給等)が整備がされた工業団地の不足
港への接続道路の慢性的な渋滞
電力不足による日々の停電
そして、進出を検討する上で必要な情報の不足
インド進出を検討されている日本企業の中でも
これらの課題が非常に大きな負担としてのしかかっているのは
他でもない日本の中小企業だと思われます。
大手自動車メーカーの方の話によると、
一次下請け、二次下請け、三次下請けまで含むと、
一社の大手自動車メーカーの下に
600~700社もの中小企業がぶら下がっていて
その多くがまだインドには進出してきていないとのこと
現在、チェンナイ日本商工会(JCCIC)では
製造業の世界的なハブ地域として発展させることを
目指しているタミル・ナードゥ州において、
様々な部品、高精度な設備等を現地調達できる環境の整備が重要であるとの理解のもと、
同州政府に対して現状の課題について
改善を求める建議書を提出しようとしているようです。
一方で、日本企業向けに開発が進められている工業団地もあります。
例えば、大手日系商社の「双日」がチェンナイから南西に約50キロのところに工業団地を開発中(双日マザーソン工業団地)
シンガポール系大手ディベロッパー「アセンダス」がみずほ銀行と日揮と共同で
工業団地を含む複合都市をチェンナイから南に約50キロのところに開発中(オメガプロジェクト)
そして、先週発表された下記記事によると
チェンナイから北部50キロほどのところにあるスリーシティ(Sri City)で
日本の中小企業向けにレンタル工場を準備する方向で動いている、とのこと
http://www.thehindubusinessline.com/companies/article3991486.ece
(チェンナイから南西に約50キロ、オラガダム(ORAGADAM)工業団地にあるルノー日産の工場 ↓)
また、私が毎週インド企業に取材をしていて誇りに感じるのは
日本企業と一緒にビジネスをやりたい
日本企業のインド進出をサポートしたい
と考えている中小企業がインドにはたくさんあるという事実です。
基本インフラが整備された未使用の工業用地を持っているのでぜひ活用してほしい、
同業界における法規制上必要な手続や
インド国内の販路拡大、様々な状況で必要となるコミュニケーションのフォローなど
ビジネス以外の面でも日本企業をサポートできるのでぜひ一緒にビジネスをやりたい、と。
日本の中小企業がインド企業と力を合わせることによって
インド進出の足掛かりをつかむ
そしてお互いのビジネスを拡大していく
そんな架け橋になれる仕事をすることが今の私の目標です。