新興国においては生活やビジネスにおいて「不便」「不備」「不足」はつきものですが、基本的なインフラや各業種・業界のルール・規制が整備されていないからこそ、一気に変革が進むという側面もあります。
これを一般的にカエル跳びに例えて「リープフロッグ現象」などとも称されますが、ある種インドの目覚ましい経済発展の代名詞とも言われるほどインド市場やサービスの変化において大きなインパクトをもたらしています。
今回は、そんなインドのリープフロッグ現象の背景や政府の施策について、ごうぞうさんと一緒にご紹介したいと思います。
田中
ごうぞうさん、今日はよろしくお願いします。
ごうぞう
田中さん、よろしくだぞう！
インディア・スタックとは？
田中
早速だけど…ごうぞうさん、インドのデジタル変革が急速に進んでいる背景として注目されている、インド政府が主導している政策って何かわかりますか？
ごうぞう
アーダール（Aadhaar）のことだぞう？
田中
さすがごうぞうさん！！！そのとおり！確かにアーダールは世界最大の生体認証システムで、インド版マイナンバーとも言える最も重要な政策の1つやね。ただ、もう少し大きな視点で言うとインド政府が積極的に推進してきた「インディア・スタック」を知ることがとても重要です
ごうぞう
聞いたことあるぞう！
田中
この「インディア・スタック」はインド政府が主導して開発されたオープンAPI群で、インド政府が公開しているデジタル公共財。その中でも最も重要なレイヤーで、かつ、土台になっているのが「アーダール」なんだ
田中
その他にも、オンラインで本人確認ができる「eKYC」や、オンラインで銀行間の送金がリアルタイムにできる「UPI」などが、大きなインパクトもたらしています。詳しくはこの記事で説明をしているので興味があれば読んでみてね！
インディア・スタックによる改革とは？
ごうぞう
読んでみるぞう！「インディア・スタック」で、具体的にどんな変革が起こっているぞう？
田中
例えば、UPIについては、インド在住者なら誰でも知っている電子決済アプリPaytmやGoogle Payで、電話番号やQRコードだけで送金ができたりするよね？
ごうぞう
あれ、ものすごく便利だぞう！
田中
2022年9月のデータによると、1ヶ月間でUPI経由の取引額が9兆ルピーを超えたらしいよ
ごうぞう
そ、そんなにだぞう？グラブジャムン、いくつ買えるぞう…
田中
オープンAPIとして一般公開されているからこそ、多くのスタートアップ企業がこのインディア・スタックのデジタル公共財を活用して、国全体にシームレスなサービスを開発・提供していて、だから利用者もどんどん増えて、ますます便利になるからいいね
田中
コロナ禍ではワクチン予約サイトアプリCoWINによって、約13億人ものインド全土の国民がスムーズにワクチン接種の予約・管理・証明書発行などを行えるようにしたのだからスゴいよね
ごうぞう
ごうぞうも、CoWINを使ってワクチン接種したぞう！
田中
このオープンAPI群を活用したサービスを展開しているスタートアップ企業については、以下の記事でご紹介しているのでぜひ読んでみてね！
ヘルス・タックとは？
田中
あと、もうひとつ面白いのがインディア・スタックの医療分野を司る「ヘルス・スタック」！
田中
患者と医療関係者が相互に利用できるデジタルヘルス基盤を整備して、さっき紹介したアーダールや携帯電話番号などとも紐づけることで、患者が受けることができるヘルスケアサービスの利便性向上を図ろうとしているんやで
ごうぞう
おーー！それは興味深いぞう！
田中
ただ、個人情報保護やプライバシーの問題もあるだろうから、患者のセンシティブな情報を今後どのように取り扱っていくのか、いろいろ課題もありそう。3年ほど前に提出されていた個人情報保護法案が2022年8月にいったん国会から取り下げられたのも、気になるね…
田中
この「ヘルス・スタック」については以下の記事で紹介しているので興味があればぜひ読んでみてね。今後の動向についてもぜひウォッチしていきましょう！
ごうぞう
ごうぞうも興味津々だぞうっ！ごうぞうも勉強するぞう！
今回はインドのリープフロッグ現象の背景や政府の施策について、ごうぞうさんと一緒にご紹介をしました。
次回はリープフロッグ現象が実際に起きている業界についてもう少し深掘りをしていきたいと思います。
田中
次回もお楽しみに！
ごうぞう
もしインドビジネスについて相談したい場合は、INDIA GO!の運営会社INDIGITALのホームページのお問い合わせから相談できるぞう！
