トヨタの高級プレミアムブランドとして知られるレクサス。
チェンナイのアンバトゥール工業団地に拠点をおくLexus ChennaiCEOのRR Rajさんによる第二号店です。
“おもてなし”が詰まったオープニングパーティー
『Lexus MERAKI』は、コインバトール 市内の閑静な住宅街“レースコース”にあるITC Welcome Hotel、メインエントランスを入ってすぐの1階角にガラス張りのスペースとしてオープンしました。
中はとてもシンプルで、レクサスの高級感をミニマルなアイテムで表現しながら、茶器や扇子、ダルマ、『IKIGAI』『ZEN』『KAIZEN』『ICHIGO ICHIE』などの本が、日本の象徴として、限られたスペースにゆったりと並べられていました。
オープニング当日は、ホテル内のホールを貸し切ってのオープニングパーティが開かれ、コインバトール在住の日本人もご招待いただきました。
CEOのRajさん曰く、
「Lexusのテーマは『Part of Life』です。つまり、ただ車を所有するだけではなく、ライフスタイルの一部としてのあり方を大切にしています。そしてそこには、日本の“おもてなし”の精神が宿っていると考えています」 |
パーティでは、バンガロールの日本食レストランのインド人シェフによる巻き寿司デモンストレーション、バーカウンターには日本のウィスキーもラインナップ。
なぜ今コインバトールだったのか
レクサスは、トヨタがメルセデスベンツやBMVなど欧米の高級ブランドに対抗するために作った、高級車ブランド(プレミアムブランド)です。
「Experience Amazing」をスローガンに、1989年からアメリカで展開が開始され、2005年から日本のマーケットにも展開されました。
ニューデリー、グルガオン 、ムンバイ、ベンガルールの4都市に専売店を、チャンディガール、ハイデラバード 、チェンナイ、コーチの4都市にはアフターサービス専門施設を展開し、RX、ES、LXの3車種の発売を開始しました。
専任セールスマネージャーが販売を担当し、24時間365日対応カスタマーコールセンターを設け、プレミアムブランドならではの誇りと、日本のおもてなしの精神で、質の高いサービスを提供し続けてきました。
2022年12月現在、上記8都市のうちコチを除く6専売店と、グルガオンのブランドスペースを展開していたレクサスが、その次のブランドスペースとして選んだのがコインバトールだったのです。
「コインバトール はタミルナドゥ州第二の都市であり、繊維産業、製造業を中心とした工場オーナーや企業家が数多く住んでいます。
過去5年間のタミルナドゥ州におけるレクサス車販売数は約250台でしたが、そのうちの30〜35%のお客様がこのコインバトール・ベルト(ティルプール、ポラチ、イーロドなどを含むコインバトール近郊地域)の方です。 州都であるチェンナイのシェアは55〜60%と最大ですが、広いタミルナドュ州におけるコインバトールのシェア率を考えると、コインバトールの経済成長の高さが伺えます」 |
『MERAKI』に込められた想いとは
コインバトールは、インド初の国産ディーゼルエンジンの製造や、「ハート・オブ・レーシング」と呼ばれる所以となったインド初のシングルシーター小型レースカーの開発の地であり、またインド初のフォーミュラー・ワン レーサーであるNarain Karthikeyanを輩出した街でもあります。
今回のコイントールのブランドスペース名『MERAKI』とは、ギリシャ語で「Creativity」。
また、何かに自分の魂と愛情を注ぐという意味の形容詞でもあり、「精一杯尽くすことで、いい結果につながる」という、小さなことにも情熱を注ぐことに価値をおく、ギリシャ文化の特徴ともいえるようです。
伸びゆくインド経済を象徴する自動車市場の広がり
高級車としての生産技術力が必要なトヨタ・レクサス車の生産国は、現在、日本、アメリカ、カナダ、そしてインドの4カ国です。インドでは、3年前からカルナータカ州のビダディの工場にて、1車種(ES300h)の生産が開始されました。
インド市場における高級車セグメントは、コロナ禍で一時販売台数が落ちたものの、昨年2022年には37,000台近くまで回復しています。また、2022年のインドの新車販売台数(乗用車+商用車)は、日本の420万台を抜いて、中国とアメリカに継ぐ第3位に浮上しています。
そして今、トヨタ自動車のインド子会社トヨタ・キルロスカー・モーターの一部門である「レクサス・インディア」は、電気自動車( EV車)の発売を検討しているそうです。
インド政府はEV普及のために補助金などの政策を示していて、TATA自動車や中国系のBYDインドなどが、積極的にEV車の製造を進めています。また、インド自動車市場首位のマルチ・スズキもEVのコンセプトカーを公開しました。
インドはこれから益々中間層が厚みを増していき、自動車市場はまだまだ成長の大きな余白を残しています。
また、自動車に限らず、今年中国を抜いて世界一となる人口を有するインドでは、農村部においての二輪市場も、これから益々高まっていきます。