トヨタの高級ブランド「レクサス」、いよいよコインバトールにも進出!〜インドで高まる自動車市場〜

by Mariko Hanaoka

トヨタの高級プレミアムブランドとして知られるレクサス。

Mariko Hanaokaさん
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経済成長著しいインドにおいても、現在その市場が伸びてきています。そんな中、昨年12月、レクサスのブランドスペース『Lexus MERAKI』 がコインバトール にオープンしました。

チェンナイのアンバトゥール工業団地に拠点をおくLexus ChennaiCEOのRR Rajさんによる第二号店です。

Mariko Hanaokaさん
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今回は、Rajさんにお時間をいただいたインタビューと共に、『Lexus MERAKI』オープンの背景と、高まるインドの自動車市場についてまとめてみました。
ごうぞう
ごうぞう
インタビューへ、GO!だぞう!

 

 

“おもてなし”が詰まったオープニングパーティー

『Lexus MERAKI』は、コインバトール 市内の閑静な住宅街“レースコース”にあるITC Welcome Hotel、メインエントランスを入ってすぐの1階角にガラス張りのスペースとしてオープンしました。

Mariko Hanaokaさん
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石砂利の上に立つ、神社の鳥居を連想する木製エントランスが、小さなオフィススペースの入り口を、なんとなく厳かな雰囲気に演出しているように感じるのは、私が日本人だからでしょうか。

中はとてもシンプルで、レクサスの高級感をミニマルなアイテムで表現しながら、茶器や扇子、ダルマ、『IKIGAI』『ZEN』『KAIZEN』『ICHIGO ICHIE』などの本が、日本の象徴として、限られたスペースにゆったりと並べられていました。

オープニング当日は、ホテル内のホールを貸し切ってのオープニングパーティが開かれ、コインバトール在住の日本人もご招待いただきました。

CEOのRajさん曰く、

「Lexusのテーマは『Part of Life』です。つまり、ただ車を所有するだけではなく、ライフスタイルの一部としてのあり方を大切にしています。そしてそこには、日本の“おもてなし”の精神が宿っていると考えています」

パーティでは、バンガロールの日本食レストランのインド人シェフによる巻き寿司デモンストレーション、バーカウンターには日本のウィスキーもラインナップ。

ごうぞう
ごうぞう
すごい、楽しそうだぞう!
Mariko Hanaokaさん
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日本から取り寄せたダルマの開眼式、そしてチェンナイ在住の日本人駐在員の方によるバイオリン演奏など、あらゆるところに“日本色”を取り入れた、まさにRajさんによる“おもてなし”を感じさせる演出となっていました。

 




 

 

なぜ今コインバトールだったのか

レクサスは、トヨタがメルセデスベンツやBMVなど欧米の高級ブランドに対抗するために作った、高級車ブランド(プレミアムブランド)です。

「Experience Amazing」をスローガンに、1989年からアメリカで展開が開始され、2005年から日本のマーケットにも展開されました。

Mariko Hanaokaさん
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そして、レクサスがはじめてインド進出を果たしたのは2017年3月24日。経済発展を続けるインドにおいて、富裕層のラグジュアリー車の購買力が伸びていく中での進出となりました。

ニューデリー、グルガオン 、ムンバイ、ベンガルールの4都市に専売店を、チャンディガール、ハイデラバード 、チェンナイ、コーチの4都市にはアフターサービス専門施設を展開し、RX、ES、LXの3車種の発売を開始しました。

専任セールスマネージャーが販売を担当し、24時間365日対応カスタマーコールセンターを設け、プレミアムブランドならではの誇りと、日本のおもてなしの精神で、質の高いサービスを提供し続けてきました。

2022年12月現在、上記8都市のうちコチを除く6専売店と、グルガオンのブランドスペースを展開していたレクサスが、その次のブランドスペースとして選んだのがコインバトールだったのです。

ごうぞう
ごうぞう
なるほぞう!
Mariko Hanaokaさん
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なぜコインバトールだったのか、Rajさんにお話を伺ってみました。
「コインバトール はタミルナドゥ州第二の都市であり、繊維産業、製造業を中心とした工場オーナーや企業家が数多く住んでいます。

過去5年間のタミルナドゥ州におけるレクサス車販売数は約250台でしたが、そのうちの30〜35%のお客様がこのコインバトール・ベルト(ティルプール、ポラチ、イーロドなどを含むコインバトール近郊地域)の方です。

州都であるチェンナイのシェアは55〜60%と最大ですが、広いタミルナドュ州におけるコインバトールのシェア率を考えると、コインバトールの経済成長の高さが伺えます」

 

 

『MERAKI』に込められた想いとは

コインバトールは、インド初の国産ディーゼルエンジンの製造や、「ハート・オブ・レーシング」と呼ばれる所以となったインド初のシングルシーター小型レースカーの開発の地であり、またインド初のフォーミュラー・ワン レーサーであるNarain Karthikeyanを輩出した街でもあります。

Mariko Hanaokaさん
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それはコインバトーリアンたちの誇りでもあり、人々の中には自動車に対するなにか特別な思いがあるのも確かです。

今回のコイントールのブランドスペース名『MERAKI』とは、ギリシャ語で「Creativity」。

Mariko Hanaokaさん
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その他、魂、創造性、愛とも訳されるようです。

また、何かに自分の魂と愛情を注ぐという意味の形容詞でもあり、「精一杯尽くすことで、いい結果につながる」という、小さなことにも情熱を注ぐことに価値をおく、ギリシャ文化の特徴ともいえるようです。

Mariko Hanaokaさん
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「Creativity」。古くからアパレル産業、製造業の街として栄えてきたコインバトールには、ぴったりのネーミングです!
ごうぞう
ごうぞう
素敵だぞう

 

 

伸びゆくインド経済を象徴する自動車市場の広がり

高級車としての生産技術力が必要なトヨタ・レクサス車の生産国は、現在、日本、アメリカ、カナダ、そしてインドの4カ国です。インドでは、3年前からカルナータカ州のビダディの工場にて、1車種(ES300h)の生産が開始されました。

Mariko Hanaokaさん
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これは、現地生産のほうが関税が低いという理由もありますが、スズキ、ホンダ、ニッサンなど、日本車メーカーの生産地でもあるインド自動車産業の品質が向上している証拠でもあります。

インド市場における高級車セグメントは、コロナ禍で一時販売台数が落ちたものの、昨年2022年には37,000台近くまで回復しています。また、2022年のインドの新車販売台数(乗用車+商用車)は、日本の420万台を抜いて、中国とアメリカに継ぐ第3位に浮上しています。

そして今、トヨタ自動車のインド子会社トヨタ・キルロスカー・モーターの一部門である「レクサス・インディア」は、電気自動車( EV車)の発売を検討しているそうです。

インド政府はEV普及のために補助金などの政策を示していて、TATA自動車や中国系のBYDインドなどが、積極的にEV車の製造を進めています。また、インド自動車市場首位のマルチ・スズキもEVのコンセプトカーを公開しました。

Mariko Hanaokaさん
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世界第3位を誇る販売台数も、14億人を超えるインドにおいては、まだ国内の自動車保有率の3%と言われています。

インドはこれから益々中間層が厚みを増していき、自動車市場はまだまだ成長の大きな余白を残しています。

また、自動車に限らず、今年中国を抜いて世界一となる人口を有するインドでは、農村部においての二輪市場も、これから益々高まっていきます。

Mariko Hanaokaさん
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インフラの整備など、まだまだ課題は山積みですが、自動車産業を筆頭に、経済の波に乗ったインドの成長からは目が離せません!
ごうぞう
ごうぞう
ありがぞうー!今回の記事でコインバトールのことが気になった人は、こちらの記事もどうぞう!

日系企業のフロンティアか?インドのタミルナドゥ州第二の都市コインバトールをご紹介




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