金利ゼロ?インドの分割払いのお話

by 田中啓介 / Keisuke Tanaka

インドの消費市場に大きな影響を与えた

Equated Monthly Installment(EMI)

これは、昨今でのクレジットカードを利用した

定額月分割払いの総称として呼ばれていますが、

現在、クレジットカードの平均利用額は

年率約20%の勢いで成長しているようです。

 

このクレジットカード決済がインドで急速に拡大していることは

インド消費者の特性を考えるととても納得できます。

パパママストアと言われる小さなショップ“キラナ”には

小袋に分けられた様々な商品が並べられている、という記事を以前にも書きましたが、

例えば、30日分のシャンプーが100ルピーで売っていたとしても、

今日だけのために1日分のシャンプーを5ルピーで買うことを選ぶ人がまだ多い社会です。

総額では高くなるにもかかわらず、目の前の安さを優先する/せざるを得ない

 

2013年7月29日付のIndian Express誌によると

2013年度5月時点で約2,000万枚のクレジットカードがインド国内で発行されているようです。

特徴的なのは、携帯電話や白物家電メーカーが

銀行やクレジットカード会社と連携をすることで

“金利ゼロ”の月分割払いを実現させていること

実際、スマートフォンやプラズマテレビ等、オンラインで購入しようとすると

3回払い、6回払い、9回払い、12回払い、、、などと選択できるようになっていて

金利を一切払わずに分割払いができる方法があるようです。

ただ、実態としては、別途手数料を請求されるケースも多いようで、

“金利ゼロ”という売り文句に惑わされて高額な手数料を払わされ、

結果的に返済できなくなってしまう消費者もいるのだとか。

そこで、2013年9月24日付のEconomic Times誌によると

インド準備銀行(RBI)は“金利ゼロ”の月分割払いの販売慣習を禁止する通達を出しました。

ちなみに、IndiGOやJet Airwaysといった格安航空会社(LCC)でも

最近、2回分割払いによる支払方法を受け付けるようになりましたが、

銀行から14%の追加サービス税が、格安航空会社から1%の手数料が取られるようです。

 

偶然見つけたのですが、2008年にこのEMIを題材にしたインド映画が公開されています。

映画のタイトルは『EMI Liya Hai To Chukana Padega』

日本語で「借りたお金はちゃんと返しましょう」という意味のようですが、

まさに “ご利用は計画的に” ですね!

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