地名の付け方にはさまざまな由来があります。
人の名前からつけられたもの、地形や土地の特徴からつけられたもの、演技のよい言葉からつけられたものなどなど…その由来もさまざまです。
国名の由来
インドという名前は、インダス川の古名から「シンド(Shindhu)」と呼ばれ、ペルシャ人は「ヒンズー」と呼びました。
その後、16世紀初頭にペルシャに来航したポルトガル人が、「ヒンズー(Hindu)」をポルトガル語に直し、「インド(Indos)」となりました。
インドの国旗の由来
インドの国旗は、上からサフラン・白・緑の3色で、中央にはチャクラ(法輪)と呼ばれる仏教のシンボルが書かれています。
この国旗はイギリスからの独立運動の中で生まれ、サフラン色は「ヒンドゥー教」、緑色は「イスラム教」の伝統色で、白は両者との和解と平和を表しています。
よく聞く地名の由来
ここからは、デリーやベンガルール、チェンナイなど、インドの大都市の地名について、それぞれの名がつけられた経緯や意味をご紹介します。
※地名は長い歴史の中で語り継がれてきたものであっても、記録がなく信憑性が低いものも多いです。今回紹介する由来もあくまで伝承の中で信じられてきたものになりますので、それらも踏まえて読んでみてください。
デリー(Delhi)
インドの首都である「デリー」。
こちらの由来は明確にはなっておらず、いくつかの説や由来が伝えられています。
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グルグラム(Gurugram)
首都デリーを南西に約30kmの位置にある経済都市「グルグラム」。
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ここでいう先生(Guru)は、インドの叙事詩である「マハーバーラタ」に登場する「グル・ドロナ・チャリヤ」のことを指しています。
※歴史を尊重し、2016年にグルグラム(Gurugram)へと改称されました
ムンバイ(Mumbai)
ボリウッド映画産業の中心地である「ムンバイ」。
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チェンナイ(Chennai)
タミル・ナードゥ州の州都であり、南インドの玄関口とも言われる「チェンナイ」。
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アーメダバード(Ahmedabad)
農業や綿織物業が盛んな都市「アーメダバード」。
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コルカタ(Kolkata)
人口1,000万人を超えるインド東部にある都市の1つ「コルカタ」。
市域の人口密度で比較すると、インドの首都デリーや、インド最大都市ムンバイよりも上の巨大都市です。
コルカタの由来は、他の都市と比べて、多くの説や由来が伝えられています。
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ベンガルール(Bengaluru)
インド南部に位置するIT都市「ベンガルール」。
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※ベンガルールを英語化した「バンガロール(Bangalore)」とも呼ばれていましたが、2014年に正式に「ベンガルール」への改名が正式に認可されました
改称された地名
これはイギリスの統治の中で、イギリスやポルトガルなどの諸外国が呼びやすい名前に改称されたという過去があり、こうして名付けられた地名から、多くの州や都市が現地の言葉に近い発音に改称したためです。
ボンベイ→ムンバイ(1995年)
その後、イギリスが統治を始めると、この名前が英語化されて「Bombay」となりました。
1995年に正式に、ボンベイからマラーティー語での名称「ムンバイ(Mumbai)」に改称されました。
マドラス→チェンナイ(1996年)
チェンナイと呼ばれるようになった起源は上で紹介した通り「チェンナッパッタナム(Chennapattanam)」と呼ばれていたことからきていますが、実はその前にこの地域は「マドラサパッタナム」と呼ばれていたそうです。
その後、イギリス人が「チェンナッパッタナム」よりも「マドラサパッタナム」の方を好んで呼ぶようになり、略称の「マドラス」が一般的に使われるようになりました。
1996年に正式に、マドラスからチェンナイ(Chennai)に改称されました。
地名につけられることの多い自然地形
インドに限らずですが、地名にはその土地の特徴から名付けられたものが多くあります。
接尾辞 | 意味 | 都市の例 |
-gram | サンスクリット語で「村」 | Gurugram / Sevagram |
-nagar | サンスクリット語で「街・都市」 | Srinagar |
-pur / -pura / -puri / -puram | サンスクリット語で「街・城塞」 | Jaipur / Ramanathapuram |
-garh | ヒンディー語で「砦」 | Chandigarh / Rajgarh |
-abad | ペルシャ語で「街・都市」 | Ahmedabad / Hyderabad |
まとめ
インドの地名の意味についてご紹介しました。
わたしも今回この記事を執筆するにあたって、改めてインドの長い歴史や人々の想いを知ることができました。