では、この中でインドが原産地で約4,000年前から栽培されているフルーツはどれでしょう?
それはズバリ!マンゴーです。
この記事を書いている6月はインドの夏真っ只中、マンゴーが一番美味しい5月中旬以降、モンスーンまで(6月下旬)のTop Seasonと言われる時期にあたります。
今回の記事はインドマンゴーのお話です。
インドに存在するマンゴーの種類
インド政府の直近の統計によるとインドに存在するマンゴーの種類はなんと1,500種類!そしてそのうち流通に出回っているのは約1,000種類とのことです。
確かにインドのマンゴー地図なるものをパッと見るだけでも、色んな種類が各州ごとに生産されているのが分かります。そして、インドは他国を遥かにしのぐ世界一位のマンゴー生産国であり、その生産量はなんと年間20,000,000トンというとてつもない数字をたたき出している国でもあります。
あと2ヶ月もすればインドはマンゴーのシーズンだぞう🧡✨
実はインドのマンゴーは30種類以上あって、それぞれ味や食感が違うんだぞう🇮🇳👍
日本のみんなもよく知っているマンゴーの王様・アルフォンソマンゴーは西インドで収穫されるんだぞう🥭🥭
今年はインドのマンゴー全種類食べ比べするぞう🧡 pic.twitter.com/EC7k7vLQNF
— 🇮🇳INDIA GO!🐘インドがまるっと分かるよ💡 (@INDIA_GO_) February 25, 2022
そんなインドマンゴーの全体の生産高の54%をアンドラ・プラデシュ州、ウッタル・プラデーシュ州、ビハール州の3州が占めているというのも驚きです。(ビハール州とカルナータカ州がいつも3位の座を競っているという事実もあります。)
実はそれもそのはず!インドで生産されるマンゴーのほとんどが、インド国内で消費されるからだというのです。
確かに、私の住むグジャラート州では特にケサール種のマンゴーが有名で、マンゴーの季節になると町の至る所でケサールマンゴーを専門に売っている業者を見かけ、彼らは1箱9Kgの単位で販売していますし、それを買い求める側も数箱単位で購入している姿をよく見かけます。
しかし、最近ではインド政府もマンゴーの輸出に力を入れていますから、日本にもっとインド産のマンゴーが入ってきてほしいものです。
マンゴーの旬
では、マンゴーの旬はいつなのでしょうか?
インドは本当に広い国ですから場所によって気候もまちまちです。しかし、たいてい南西部にあたる州で4月~7月、東北部にあたる州で6月~7月であり、いずれも各地でモンスーン(雨季)が始まるまでと言われています。
インド人によるとモンスーンが始まるとマンゴーの中に小さな虫の幼虫が発生するまたは入り込むという事らしく、雨季が始まるまでに消費仕切るというのが鉄則とのことで、雨季が始まると実際にマンゴーを買う人はほとんどいなくなります。
マンゴーの熟成方法
次に、マンゴー農家さんから教わったマンゴーの熟成方法をご紹介したいと思います。
インドでマンゴーを購入した経験のある人ならわかると思いますが、いわゆるスーパーマーケットであれ路上のマンゴー屋さんであれ、売っているマンゴーに青い未熟性のものが混ざっていることが多々あります。
実際に、箱単位で購入する際は全てが熟していれば、1箱食べ終わる頃には腐ってしまうということになります。そのため、特に箱で購入する際は熟している物と未熟の物が混ざったものを購入することになり、特に未熟性の青いものは家で熟成させることになります。
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少し話はそれますが、マンゴーを箱で購入する際は必ず中を確認してください。そして必ず石灰の粉が入ったパウチが箱の中に忍ばされていないことを確認しましょう。
この石灰のパウチは人工的にマンゴーを熟成させる方法なのですが、体に有害なため本来は禁止されている行為です。また、そのように熟成させたマンゴーはアレルギーを引き起こす可能性もあります。
グジャラート名物Kesar
Kesarとはサフランを意味し、まさにその熟したマンゴーの色は鮮やかなオレンジで、独特の甘い匂いに加えてほのかにサフランのような匂いがするのが特徴です。
また、Kesarは非常に甘みの強いマンゴーで、強い甘みの中に若干の酸味がある、グジャラーティ―が愛してやまないマンゴーです。このKesarの最も有名な産地はライオンで有名な「ギール国立公園のある」ギール(Gir)でGir Kesarと呼ばれていますが、実はこの他に日本でもハンドクラフトが盛んなことで有名なカッチ(Kutch)で生産されているKutch Kesarという品種があります。
この品種は、コロナ前までは特にグジャラーティが多いヨーロッパとアメリカに向けて輸出されて、インド国内ではほとんど門外不出でした。Kutch KesarはGir Kesarに比べると若干サイズが大きく、味がより濃厚だという特徴があります。コロナ以降Kutch Kesarの輸出がストップしたことで逆に注目度が高まり、不幸中の幸いとも言うべきかインド国内にもある程度流通するようになりました。
グジャラートではKesarを買い求める際にGir KesarかKutch Kesarかと確認して購入します。
幻のマンゴーを追い求めて
このマディヤ・プラデーシュ州は昨年(2021年)、インド国内で日本の太陽のタマゴの生産に成功したりと(このいきさつはまた別の機会に)何かとマンゴー運のある州だと私は勝手に思っています。そんなマディヤ・プラデーシュ州に世界最大級のマンゴーが存在するというのです。
その大きさはマンゴー1個が約7~10Kgとも言われ、大きさもさることながら値段もけた違いで最低でも約30,000ルピー(約50,000円)~最高約1ラック(約170,000円)であり、ある1つの農家だけが主にその地の王族のために栽培しているというのです。
そして王族が食した以外のマンゴーは予約またはオークションでしか手に入らないというではありませんか!そこで、その農家がどうやらグジャラート州とマディヤ・プラデーシュ州の州境にあるという情報を入手し、行ってみました。
幸いにも遭遇した第一村人が同じ村の別のマンゴー農家のオーナーであったためすぐに案内してもらうことができました。今年のマンゴーは全て予約で完売だそうで手に入れることができませんでしたが、予約済みの現在木になっている物は見せてもらうことができ、来年の1玉だけは予約ができました。ちなみにこのマンゴーはヌージャンと言います。
Aamrasのレシピ
最後にマンゴーの時期のグジャラートタリーに欠かせないAamrasのレシピをご紹介します。これはとっても簡単で、グジャラートでは年間を通してマンゴーを楽しむために冷凍保存をしている家庭も多く、プリー(インドの揚げパン)と一緒に食べると格別です。
Aamrasのレシピ(材料/4人分)
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