すでにご存知の方も多いとは思いますが、
世界中のタクシー業界に新たな旋風を
巻き起こしている米国企業があります。
2009年にサンフランシスコで創立された“Uber”社です。
ゴールドマン・サックスやグーグルの投資会社等が出資しており、
現在、45ヶ国150都市以上で事業展開しています。
日本では東京都心で既存タクシー会社の空車を利用したサービス展開を行っていて、
インドでもすでにチェンナイを含む主要都市においてサービスの利用が可能です。
まずは、インド国内のケースをもとに具体的なサービス内容を簡単にご紹介しておきます。
Uberはタクシーの乗降車をより安心で快適にしたサービスで、
ダウンロードした専用アプリを使うことによって以下のことを可能にしています。
1、マップ上で乗降車位置を事前に指定
2、GPS機能を使って最も近くにいる車を自動配車(到着すると通知もあり)
3、運転手の顔写真、利用者評価、車両番号、車種等を事前に確認
4、専用アプリに登録した決済情報により自動的に支払完了
5、領収書は自動的にメールで配信
ちなみに、インドではUber社が手数料として
利用料金の20%を得る仕組みとなっているようですが、
Uber社のビジネスモデルは各国の法規制によって様々のようです。
(例えば、日本ではタクシー事業ではなく、「第2種旅行業者(仲介業者)」として事業展開しているようです。)
なお、日本のタクシー業界はサービスの質と価格をある程度均一にすることを目的に
国土交通省がタクシーの台数規制と料金規制を強いていますが、
東京に進出しているUbar社は、
従来の日本のタクシーサービスの質に変化を与えることになるため、
タクシー業界に新たな風を送り込むことになりそうです。
しかしながら、利用者にとっては便利である一方で、
世界各国のタクシー業界からは大きな反発もあるようで
実際、フランスやイタリアではUber社の参入に対して反対も多くあり、
タクシー組合による大規模な集団デモも起きているとのこと。
(Source:Uber社のホームページより抜粋)
私が住んでいるチェンナイでは、日本のような ”流し” のタクシーはなく
基本的にコールセンターに電話をして、場所を説明し、30分から1時間程度待って、
乗車後はドライバーに行き先を説明し、降車時には現金で支払わなければならないので、
このUber社のサービスは大変便利で、少しずつ利用者が増えているようです。
今のところチェンナイではタクシー業界からの反発の声は聞こえてきませんが、
一方で、この度2014年8月に発表されたRBI(インド準備銀行)の通達により
Uber社のインドにおける事業展開の障壁になる可能性があります。
次回はそのあたりのRBI発表の通達についてご紹介したいと思います。