2013年3月に安倍内閣が表明した
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加
昨今の日経新聞の記事でもよく取り上げられていますが
2006年に発効したTPP原加盟国は、
もともと、シンガポール、ブルネイ、
チリ、ニュージーランドの4か国だけでした。
「小国同士の戦略的提携によってマーケットにおけるプレゼンスを上げること」
そんな目的を持って小さな国が集まって形成されていたTPPですが、
そこに交渉参加に乗り出してきたのがアメリカ、カナダ、ペルー、メキシコ、
ベトナム、マレーシア、オーストラリア、そして、日本です。
日本にとっては、アメリカ大陸圏との経済連携の強化を目指す意味合いが強い TPP ですが
一方で、日本がアジア圏における経済連携の強化を目指す上で重要になってくるのが RCEP です。
昨年11月に交渉立ち上げが宣言された
東アジア包括的経済連携協定(RCEP:アールセップ)
ここで、まずはその中核をなすASEANについてご紹介しておきます。
ASEAN(東南アジア諸国連合)は
インドネシアのジャカルタに本部を構え
その加盟国は全部で10か国
インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、
ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア
域内の人口は6億人を超えていて
5億人の人口を抱える欧州連合(EU)よりも多い
このASEAN諸国域内においてはASEAN経済連携協定(AFTA)が結ばれ
原則、輸入関税を撤廃することによる自由貿易経済圏が形成されつつあります。
そして、この自由貿易経済圏は、ASEAN+日本、中国、韓国、
さらには、インド、オーストラリア、ニュージーランドまで拡大しつつあります。
このASEAN(10か国)+上記6か国の合計16か国で
包括的な経済協定を結ぼうというのがRCEPです。
RCEPが実現すれば、域内の人口はなんと約34億人
世界人口の約半分を占める巨大かつ広域経済圏が出現することになります。
私が注目しているのは、この経済圏にインドが含まれていること
日系製造業における最適なグローバルサプライチェーンを構築していく上で、
このRCEPは今後のインド事業に多少なりとも影響が出てくることが考えられます。
その具体的な影響については、次回の記事でご紹介したいと思います。
(参考:Wikipedia『東南アジア諸国連合』『環太平洋戦略的経済連携協定』) (参考:経済産業省『東アジア経済統合に向けて』)