日本でも広く信仰されている仏教の開祖・お釈迦様が約2500年前に悟りを開かれたのがビハール州のブッダガヤです。
※私が訪問したのはコロナ前の2020年1月ですが、2021年12月に訪問した知人に確認した最新情報を掲載しています。
ブッダガヤ旅行に最適な時期
ブッダガヤは4月から9月にかけて極めて猛暑になり、巡礼者も少なく、街は閑散としています。
一方、冬は多くの仏教徒が世界中から訪れ、大変な活況を呈します。市場では仏教圏の特産品を買ったり、ヒマラヤの料理を楽しめます(コロナ後は外国人が来られなくなり、インド国内の仏教徒しかおらず閑散とした状況です)。
ブッダガヤ旅行に必要な日数
郊外のスジャータ村、ナーランダー僧院やラージキルへはそれぞれ車をチャーターして1日かかるので、全て周るなら3泊4日は必要です。
ブッダガヤへのアクセス
コルカタやバラナシからガヤ空港への直行便が出ています。鉄道の場合には、バラナシやデリーからガヤ駅へ向かいます。
なお夜間は真っ暗になり、携帯の電波も届かない場所もあるため危険です。チャーター車を手配しましょう。
マハーボーディ寺院
ブッダガヤ観光の目玉は、何と言ってもマハーボーディ寺院(大菩提寺)です。ここはお釈迦様が悟りを開かれた菩提樹があります。
冬の時期は寺院内を、各国から集まった無数の巡礼者が時計回りにグルグルと回っており、その光景は圧巻です。まさに仏教の聖地です。
マハーボーディ寺院はスマートフォンの持ち込みはできません。
入口では入場を待つ人々が長蛇の列を作っています。
マハーボディー寺院
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各国寺
ブッダガヤには仏教国が寺院を建立しています。中でも日本寺は4山もあります。
インド山日本寺
インド山日本寺はインド政府の呼びかけに応じて宗派を超えて日本の仏教徒が協力し、日本の文部大臣の認可を得て1968年に設立された財団法人によって建立されたお寺です。
上記の写真に記載の通り、日本寺では朝晩に坐禅会が行われます。日本人の僧侶が常駐している時には坐禅指導を受けることができますが、不在の場合には各自が勝手に坐禅を行うことになります。
個人的にインド山日本寺の最大の目玉は図書館です。誰でも自由に無料で利用することができます。
図書館には、仏教やインドに関する日本語の書籍が多数置かれています。中には手塚治虫の「ブッダ」もあります。
印度山日本寺 |
仏心寺
朝7時と夕方5時に、木魚を叩きながら南無阿弥陀仏を唱えるお勤めがあり、私も参加しました。
仏心寺には宿坊があります。
仏心寺 |
日蓮宗 大生山一心寺
こちらのお寺も常駐でお坊さんがいらっしゃるそうなのですが、あいにく私が訪れたときは無人で話を聞くことはできませんでした。ブータン寺の向かいあたりにあります。
大生山一心寺 |
正覚山釈迦堂 大乗教インド別院
大乗教インド別院は敷地が広々としていますが住職は見当たりませんでした。
大乗教インド別院には大仏があります。鎌倉の大仏に似ていますが、こちらは釈迦如来です(鎌倉大仏は阿弥陀如来です)。
インド人が多く訪れていましたが、みな大仏を見て驚嘆し、自撮りをしていました。
大乗教インド別院 |
中国寺
1962年の国境紛争以降中国人住職は不在だと聞きましたが、中国人の参拝者を大勢見かけました。
中国でよく見かける仏像です。
ベトナム寺
ベトナム寺には無料で休憩できる場所があります。
タイ寺
タイ寺はメイン通り沿いにあります。
ブータン寺
他にもバングラディッシュ寺、韓国寺やスリランカ寺、チベット寺、カンボジア寺もあります。国ごとの仏教寺院の雰囲気の違いを楽しめます。
前正覚山(Dungeshwari Cave Temples)
前正覚山は、お釈迦様がマハーボディ寺院で悟りを開かれる前に数年間の厳しい修行をし、しかし悟りは開けなかった場所です。
前正覚山へは10分ほど登山します。駕籠も利用できます。
前正覚山はチベット仏教が整備したようで、チベット仏教の装飾や建物が見られました。
お釈迦様が修行をされた洞窟の中に入ることができ、中には仏像が安置されています。私が訪れたときはプジャ(祈りの儀式)をしており、大行列となっていました。
洞窟外の博物館にも同じ仏像がありました。内部は混雑するので、記念撮影用に同じ仏像を置いたのかも知れません。
スジャータ村
スジャータ村へは、ブッダガヤから徒歩で行くには少し遠いため、オートリキシャかチャーター車を利用するのがオススメです。
東南アジアの仏教徒の方の寄付によって建立された像が建てられています。
スジャータさんの家があったと伝えられている場所にはストゥーパ(仏塔)が建てられています。
私は行く時間がありませんでしたが、スジャータ村の近くには日本人から「トトロの樹」と呼ばれる神秘的な大木があるそうです。
霊鷲山(りょうじゅせん・グリッドラクータ)
霊鷲山はブッダガヤから80kmほどあり、ナーランダー僧院と合わせてチャーター車で日帰り訪問することができます。
ここはお釈迦様がいた時代に栄えていたマガダ王国の首都で、霊鷲山ではお釈迦様が説法をされたとされています。有名な仏典「法華経」もこちらの霊鷲山で説かれたと言われています。
霊鷲山は徒歩でも登れますが、リフトもあります。
チケットは1人80ルピーです。
人数分の運賃表もあります。
山の上には日蓮宗妙法寺が建立されています。
霊鷲山は法華経が説かれた場所とされているため、法華経を重んじる日蓮宗のお寺が建てられたのかも知れません。
妙法寺の脇にある道を降りると、お釈迦様が説法をされたとされる霊鷲山へ至ります。
妙法寺からこの道へ行くときには、案内の看板もなく携帯の電波もないので、周囲の人に場所を尋ねましょう。
霊鷲山の場所は長年不明でしたが、1903年1月14日に日本人の大谷光瑞が仏典を頼りに特定しました。
とても狭い岩場ですが、ここで1,000人以上の僧侶が集まってお釈迦様の話を聞かれたそうです。
マイクもない時代にどうやって声を届けたのか、この狭い場所にどうやって1,000人も集まったのか、とても不思議です。
ナーランダー僧院
ナーランダー僧院は5世紀に設立された仏教の大学で、12世紀ごろまで仏教の中心として栄えていましたが、最後はイスラム勢力によって破壊され今では廃墟です。
最盛期には1万人近くが学んでいたとされ、西遊記で有名な中国の玄奘もナーランダー僧院へ来て学びました。
ナーランダー僧院はブッダガヤにしては珍しく入場料がかかり、600ルピーです。
2014年、ナーランダー僧院は近くに再興され、800年ぶりに授業を再開しました。
ナーランダー僧院公式サイト
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ももたろーハウス
ブッダガヤには日本人向けゲストハウスがいくつかありますが、ももたろーハウスはインド人の旦那さんと日本人の奥さんがご夫婦で経営されているゲストハウスです。
このゲストハウスの目玉は食事です。
日本への買い出しの他、ブッダガヤはアジア系の巡礼者が集まるので何とか食材を入手できるのだそうです。
空港への送迎が800ルピー、その他スジャータ村や霊鷲山へのチャーター車も手配してもらえます。
なお、タオル等のアメニティはないのでご注意ください。
ご夫妻がこちらのYouTubeに1:07から登場します。また、3:14から登場するお坊さんは上述した仏心寺の良将さんです。
ももたろーゲストハウス |
ビハール州はインドでも特に貧しい地域のため、また寄付を装った詐欺などの話を耳にすることもあります。信頼できるゲストハウスで情報を集めましょう。
ブッダガヤで楽しめる食事
ブッダガヤは仏教国各地から巡礼者が集まるので、インドにしては珍しくインド料理以外の様々な料理を楽しむことができます。こちらはブータン料理です。
こちらはチベット料理のモモ(餃子のようなもの)です。インドのバラモンは菜食が原則ですが、チベットの僧侶は牛肉を食べるそうです。但し食べられる肉には制限があるようです。
チベット料理店ではバター茶も飲むことができます。
タイ料理や中華料理があるほか、チベット料理やブータン料理などヒマラヤ山脈の料理も豊富です。
現役の聖地ブッダガヤ
ブッダガヤは過去の遺跡ではありません。日中間や東南アジア、スリランカ、ヒマラヤ地方など各国から大勢の仏教徒が巡礼に訪れるブッダガヤは現役の聖地としての熱気とエネルギーに溢れています。