【インド・グジャラート州】あの有名インド企業発祥の地!?「アナンド」をご紹介!

by Mika Nakamura
MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
皆様こんにちは!INDIA GOでライターをしているグジャラート州在住のMika Nakamuraです。
ごうぞう
ごうぞう
Nakamuraさん、ワナッカム(こんにちは)!

私は常々、色んな人から「インドのどこに住んでいるの?」「グジャラート州のどこに住んでいるの?」と聞かれれば、「西インド、グジャラート州のとある片田舎だよ。(リアルな田舎ではなく、あくまで片田舎です!)」と答えています。

これは私の主観かもしれませんが、私を訪れたことのある私の妹夫婦にも「インドのザ・片田舎」と言われているので、きっとそうなのだろうと思います。一般的に日本からの観光ではまず訪れることはない場所だと思います。

インドに、いやグジャラート州にどんな形であれ居住、滞在している方でもまず立ち寄ることすらないかもしれません。しかし、今や私にとってそんな片田舎は愛着のある第三の故郷になりつつあります。

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
そこで、本日は意外な事実が詰まったグジャラート州アナンド(県)をご紹介したいと思います!

 

 

アナンドってどこ?

まずは、アナンド県の基本情報である「アナンドってどこ?」からご紹介します。

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
アナンド県の中心地であるアナンド市はちょうどアメダバードとバドーダラの間にあり、アメダバード市内からは車で約1時間半~2時間(約85km)、バドーダラ市内からは車で約45分(約45km)の場所にあります。

アナンド県は約366の村、8つの市から構成されており、総面積は約3,204 ㎢、人口約210万人(2016年調べ/アメリカ合衆国ニューメキシコ州とほぼ同じ)です。

アナンド県は1997年にケダ県から分かれた新しい県ではありますが、ここ10年ほどで目まぐるしい経済発展を遂げているコスモポリタンシティであり、人口はまだまだ増加傾向にあります

ごうぞう
ごうぞう
流石インドだぞう

さらにアナンド県はアナンド県の中心アナンド市からカンバット市(アラビア海の湾のうちの1つであるカッチ湾が面するエリア)まで車でも軽く90分以上かかる非常に大きな県です。

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
日本の農林水産省が進める日本の優れた農業技術をパッケージとして提供し、発展途上国における農業生産性の向上や農産物の安全性の向上等を実現し、今後見込まれる世界の人口増加に対応した食料需給の改善を図ることを目的とするJ Method Farmingの実証実験が行われているのも、実はアナンド県なのです!
ごうぞう
ごうぞう
やっぱりインドと日本って、繋がりがいっぱいあるぞう!

このプロジェクトを通して収穫された野菜は、インドのNGOで女性の雇用増進や独立をサポートするSEWAが中心になり、主にアメダバードやムンバイの高級食材店で販売されています。

農林水産省とSEWAの皆さん

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
また、アナンド県アナンド市にはコスモポリタンシティだけでなく学研都市としても知られておりビジネススクールとして有名なInstitute of Rural Management Anand (IRMA)や農業大学である Anand Agricultural University、そしてSardar Patel Universityには約5万人の生徒がインド中から集まっています。

 

 

アナンドはNRI(Non- Resident Indians)がNo.1!

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
ここに1つ、面白いデータがあります。実はアナンド県はグジャラート、いやインドの中でもダントツにNRI(Non- Resident Indiansの略であり、インド国外に移住したインドにルーツを持つ人の総称)率が高いNRI率No.1な県!
ごうぞう
ごうぞう
えっ!?そうなんだぞう??

一説には、2人に1人は必ずNRIだというのです(これがコスモポリタンシティと呼ばれる所以です)。

特にアナンド県のペトラッド市にあるダルマージ村は、たかだか約1,700世帯(人口1万人強)にすぎない小さな村にもかかわらず、13種の銀行の支店が揃いインドで一番NRIが多く最も裕福で発展した村として知られており、ダルマージ出身のNRIが海外で稼いだお金を村に持ち帰り銀行に預金している総額は1,000Crore(日本円で約155億円/1ルピー=1.55円)を優に超えるというのです。

ごうぞう
ごうぞう
そんなにいっぱい!?すごいぞう…
MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
しかも、この小さな村にはありとあらゆる高級外車が走っています。

ダルマージ村の様子

確かに私の住むアナンド市でも周りを見回せばNRIがゴロゴロ。私の住むソサエティは全12戸ですがそのうち5戸はNRIが所有し、賃貸するか一時帰国の際に自分たちが利用するという目的で所有しています。

残りの7戸も6戸が家族の一部がNRIという家庭ばかりです。私の夫が経営する歯科医院の患者さんもアメリカ、イギリスは当たり前でカナダ、ドイツ、フランス、ノルウェー、ドバイ、ウガンダ、ケニア等々、NRIが非常に多いためNRI向けの分院まで開院しています。

我が家に勤めるメイドさんの従兄ですら、偶然にも非常に珍しいケースですが、日本にて就労&居住しているNRIです。

町中には「Study & Settle in  UK, USA, Australia, New Zealand, Singapore!」といったように海外への留学から移住を後押しするエージェントがひしめき合っており、NRIになることを夢見る老若男女が後を絶ちません

町中にあるれるエージェント広告

片田舎なので日本への認知がほとんど無いため、Study & Settle in Japanをうたうエージェントがないのは幸いだと思っていますが、代わりに日本に興味をもつ方々は直接私の夫へ連絡をしてきて「いくら払えば日本への就労ビザを手に入れられるか?」という質問が飛んでくることがあるのには閉口してしまいます。

ごうぞう
ごうぞう
ちょっとインドらしさが垣間見えたぞう。

こういう海外移住を後押しするエージェントの中には、相談料と称して2Lakh ~3Lakh (1 lakh=100,000ルピー/約31万円~47万円)を請求し、「エージェントにお金を払えば、100%NRIになれる」といかにも胡散臭い謳い文句を掲げる為、このような質問が飛び出してくるのです。

さらには、結婚を通してNRIになることを目指す人々もいますし、一部家族が先にNRIになりその家族のツテでNRIを目指す人もいます。そんなこんなで、最近では2人に1人といわずアナンドの人口と同じだけのNRIがいるともいわれます



この町に住む者にとって少し不利なのは、このようにNRI人口が多いため、アナンド市の物価は不動産価格も含め、アメダバードやバドーダラのような都市部より高いという、ちょっとしたねじれ現象のような状態にあることかと思います。

しかし、アナンド市には近隣の都市にあるようなお店(インド系全国チェーン含む)はほぼ揃っています。

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
インドですから、それなりに交通量はありますが、普段の生活では特に不自由することもなく、逆に都会の半端ない人込みや交通渋滞を避けれるというメリットもあります。

NRIが帰省してくる冬(11月下旬~3月上旬)は、大小含め様々なお店だけでなく、結婚式にいたるまで大きなビジネスチャンスなのです。

 

 

アナンドは何と、乳製品会社Amulの発祥の地!

さて、そんなこんなのアナンド県ですが、アナンド県が何よりも有名なのは世界最大級のミルク及び乳製品会社でありインドが誇るAmul発祥の地だということです。

ごうぞう
ごうぞう
ちなみに、Amulについてはこちらの記事で紹介しているから、是非よんでみてぞう!

世界最大級・インドのミルク及び乳製品会社「Amul」と日本の乳製品会社や歴史を比べてみた!

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
この事実を知るインドの方々からは、「蛇口からはいつでもミルクが出てきて、飲み放題でしょ!?」とか言われることがありますが、そんなことはもちろんありません!
ごうぞう
ごうぞう
そんなの夢だぞう

Amulは正式名称をAnand Milk Union Limitedといいます。元はアナンド県のカイラ地区ミルク製造組合(The Kaira District Co-operative Milk Producers’ Union)が前身であり、その当時の組合長であったTribhuvandas Kishibhai Patelが、1946年にSardar Patel指導の下にAmulを設立。1949年に今日インドにおける白革命の父( “Father of the White Revolution”)と呼ばれるDr.Verghese Kurienを招き入れました。

そしてDr. Kurienの多大なる努力の末、今日のAmulというブランドが確立され、インドを世界最大のミルク製造国におしあげました。

Amul75周年を祝う看板が町中で見られました。

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
2021年ははちょうどAmul発足から75周年の年であり、それを祝うポスターや展示がアナンドの至る所でも見られました。

ちなみに、Sardar Patelもまたアナンド県カラムサッド市出身です。

彼はジャワハルラール・ネルー初代首相の下で副首相・内務大臣を務め、インド・パキスタン分離独立に際しては多くの藩王国を巧みな手腕でインドに帰属させ、インドの鉄の男と呼ばれ、グジャラート州の新観光名所ともなっているStatue of Unityのモデルとなっている人物です。

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
Amulの本社敷地内にはミルク工場やAmulの歴史を知ることができる博物館、そして綺麗な庭園があり、庭園は誰でも特別な許可なく入ることができ、週末にはAmulのアイスクリームを食べながらピクニックをする家族などが多くみられます。
ごうぞう
ごうぞう
ごうぞうも、グラブジャムン持っていきたいぞう!!!

入口のセキュリティが待機するのもミルク瓶

 

Amul Dairy Factory  & Dr. V. Kurien Memorial Dairy Museum

  • Amul Dairy Factory Visit の見学希望者はhttps://visit.amul.in/からに来館予約を取ったうえで見学可能です
  • Dr. V K Memoryal Dairy Museuは 入場料不要。入館時にIDの提示必須。
  • 開館時間:平日14:00~17:00
  • 住所: Amul Dairy, Popati Nagar, Anand, Gujarat, India
  • TEL: 02692-225443
  • URL: https://www.amul.com/index.php
  • 最寄り駅: Anand Station (Anand StationからAmul Dairy Road沿いを徒歩で約15分)


ミルク工場も博物館も一般に公開されています。さらに工場の外側にはAmul直営のスーパーマーケットやレストラン、乳製品売り場、チョコレート売り場があります。このAmulが運営するスーパーマーケットではマグカップやキーホルダー等のAmulグッズが販売されていることもあります。

MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
このように誰でも気軽に立ち寄れるAmul本社はアナンド見どころです。
ごうぞう
ごうぞう
一般公開もされていて、グッズも買えちゃうなんて、楽しそうだぞう!

本社前にあるAmulレストランさらに2018年にAmulはアナンド県モガール村にAmul Chocolate Factoryをオープンさせ、ナレンドラ・モディ首相も記念講演及び視察に駆け付けました。

この工場はNational Highway 64でアナンドを超えバドーダラへ向かう道沿いにあり、大きなインド国旗が空を舞う様子とともに見ることができます。

また、こちらもAmul Chocolateのことが学べる博物館を設置しており見学が可能となっていますからアナンドの見どころの1つだと思います。

ナレンドラ モディ首相視察

Amul Chocolate Factory 

  • 来館、見学希望者はhttps://visit.amul.in/からに来館予約を取ったうえで見学可能です。
  • 住所: Amul Chocolate Unit-Food Complex, Mogar, Gujarat, India
  • TEL: 02692-226785
  • URL: https://www.amul.com/index.php
  • 最寄り駅: Anand Station(Anand Stationからタクシーまたはオートリキシャにて約15分)

さらに先述したSardar Patelの、記念公園である”Sardar Patel Memorial”が彼の出身地であるカラムサッド市にあり、こちらもとても綺麗に手入れされた庭園です。

Sardar Patel Memorial

  • 来館予約不要(10:00 ~17:00)
  • 入場料不要
  • 住所:Anand-Sojitra Road, Nr. Shri Krishana Hospital, Karamasad – 388 325, Dist: Anand, Gujarat, India
  • TEL: 02692-223005
  • URL: http://sardarpateltrust.org/
  • 最寄り駅: Anand Station (Anand Stationからタクシーまたはオートリキシャにて約25分)

 

アナンドの見所「ヒンドゥー教保守のスワミナラヤン派のお寺」

インドにはヒンドゥー教をはじめとしたお寺が無数にあり、それらを見どころとして挙げていくとキリがないのですがAnandの見どころとして1つだけヒンドゥー教保守のスワミナラヤン派のお寺を挙げておこうと思います。



スワミナラヤン(スワミナラヤン派の開祖)の生涯の間に、スワミナラヤン派は信者の神への献身的な崇拝を促進するために6つのお寺を建立しました。スワミナラヤン派で有名なのはデリーの観光地として有名なアクシャルダムです。6つのうちの1つがAnand県ケダ地区のVadtalです。

そのため、この寺院はスワミナラヤンサンプラデーの巡礼者の中心であり常に人々で溢れ門前のマーケットには活気があります。

また、こちらの寺院では、少しの金銭を払うだけで誰でもスワミナラヤン派のお料理(グジャラートタリー)を食べることができます。(スワミナラヤン派はニンニクと玉ねぎを食することを禁止していますから、こちらで食べることができるお料理はニンニク、玉ねぎ無しです。)

簡素な食堂ですが連日大賑わい

Vadtal Shree Swaminarayan Mandir

  • 来館予約不要(10:00am ~21:00)
  • 入場料不要
  • 昼食 夕食ともに25ルピー
  • 食事提供時間:7:00~ 21:00
  • 住所:At: Vadtal, Dist: Kheda, Gujarat-INDIA
  • TEL: 0268-2589728
  • URL:https://www.vadtalmandir.org/
  • 最寄り駅:Vadtal Swaminarayan Stationから徒歩5分
  • Anand Station からタクシーまたはオートリキシャで約40分
MIKA NAKAMURAさん
MIKA NAKAMURAさん
いかがでしたでしょうか?普段は片田舎だと思っている私の第三の故郷ですが、まだまだ書ききることができないことも多く、案外記事にしてみると自分でも中身の濃い町のように思います。

なかなか日本からの観光で時間を使って訪れる機会はないかと思いますが、今回の記事を通してちょっとしたバーチャルツアーとして楽しんでもらえたらと思います!

ごうぞう
ごうぞう
今回の記事の中で紹介したAmulの記事を貼っておくから、気になった人は読んでみてぞう♪

世界最大級・インドのミルク及び乳製品会社「Amul」と日本の乳製品会社や歴史を比べてみた!

ごうぞう
ごうぞう
INDIA GO!では、インドの色んな地域を紹介しているユニークな記事があるぞう!

【これがインド料理!?】未開の地マニプール州山岳地帯のロンメイナガ族の料理を紹介

美しい寺院で有名なインド・タミルナドゥ州の古都タンジャブール【有名書籍「国家の品格」でも絶賛】




0 comment

Related Articles