今回の記事では、インドの中でも特にグジャラート州で盛大に祝われるナブラトリのお話と、世界的に有名なガルバ会場などをご紹介したいと思います。
ナブラトリとは?
ナブラトリはサンスクリット語で「9つの夜」を意味する言葉であり、その言葉の通り9夜10日(9回の夜と10回の昼)をかけて、神々へ祈りや踊り(ガルバ)が捧げられ、祝われるヒンドゥー教のお祭りです。
9夜にわたりヒンドゥー教の女神ドゥルガ神がその化身である9種の女神の姿をなし、それらの女神が体現する女性原理の神聖な力が崇められると信じられています。
ドゥルガ神の化身は9夜かけて日によって変わり、
となり、それぞれの日にそれぞれの化身に対して異なるお供物をし、人々は踊ることにより祈りをささげます。 |
グジャラーティーのナブラトリへの情熱
では、グジャラーティーがどれほどナブラトリを愛しているのでしょうか?
なぜかというと、実際にナブラトリ期間中にガルバに参加すればわかるのですが、ガルバに参加している人々はまずその独特な衣装(女性ならチャニヤチョリや女性用のケディユにドティパンツ、男性ならロングクルタ、バンガラジャケット、またはケディユと呼ばれるトップスにドティパンツ)にこだわりを持っています。
仲の良い友人同士や職場の同僚などでチームを組んでいる場合などは、こちらが見ているだけでも楽しいくらい格好良かったり、ユニークであったりと自分たちのチームに合わせた衣装をオーダーメイドで仕立てていることも多いです。
ガネーシャ卿をお祭りするGanesh Chaturthiの少し前から町中にガルバ用の衣装を扱う店が現れたり、ガルバ専用の衣装を販売する特設会場(Exhibition)も多く見かけられ、連日そういうお店は特に女性で賑わいを見せます。
また、リズムに合わせて様々なパターンのダンスを繰り広げるグジャラーティー達に言わせれば、ガルバダンスは彼ら彼女らの血統に生まれ持って組み込まれているとのことですが、勿論そうでない人や私たち外国人のために、ナブラトリの約6カ月前くらいからガルバダンス教室が至る所にみられ、その教室に参加し腕を磨く人やその教室で新たなチームを組む人なども多いようです。
さらにナブラトリの期間中は9夜連日でガルバに参加する強者も多く(通常ガルバは夜の20頃から始まり、そのピークはは22時頃~1時頃まで続きます)、特に女性たちは毎日の衣装やメーク、身に着けるジュエリーなどにもこだわりを見せ、ナブラトリ期間中のビューティーサロンは、着飾る女性たちの予約で連日大賑わいです。
ガルバダンスのステップ
ガルバの中にはダンディヤという棒を使うものもありますが、ここではダンディヤを用いない簡単な初心者向けのステップをご紹介します。
実際に文字であらわすのは少し難しいのですが、ティンタリ(グジャラートではトランタリ(Tran Taali))をご紹介します。
ヒンディー語でティンは数字の3、タリ(taali)は拍手や手を叩くという意味ですから、まさにこのダンスでは3回の手拍子を足のステップに合わせて行います。
ガルバダンスは基本的に人々が輪になって行われるグジャラート州に伝わるフォークダンスですから、ステップを踏みながら、時計回りに移動することを頭においてください。
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そこまで本格的にやらなくても。。。という人への秘策もあります!
実際にはガルバ会場に飛び込んでみて自分が後ろに続きたい!と思った人を見つけてその人の踊る様子を見よう見まねでフォローして、輪に加わるというのも大いにありです。
そうしてレパートリーを増やしていくと、ガルバダンスが凄く楽しくなり、気が付いたら「ラストまで踊っている」なんてこともあるかもしれません。
世界で最も有名なUnited Wayとは?
ナブラトリの期間中、グジャラートの至る所にガルバ会場が出現します。各ソサエティで形成された小規模なものから大々的に商業的にやっているものまで様々です。
United Wayは、フォーブス紙にて世界100のNGOのうち26位に認められた、インドでは唯一のNGOでもあります。
2011年には最も人を集めた会場としてギネス記録にも登録され、その来場者数は連夜10万人を優に超え、平均で毎晩125,000人が訪れてたという事です。
United Wayでは、開催当初から今も絶えることなく世界中に絶大なファンともの凄い数のフォロワーをもつガルバ界の王様(King of Garba)と呼ばれるAtul Purohit氏が、会場を盛り上げます(Atul氏は非常に気さくな方なので、最後まで会場に残っていると記念撮影に応していただけることもあります)。
このUnited Wayでのガルバに参加するにはオンラインで登録の上、当日参加者Passを受け取る必要があります。
また、United Wayに参加するにはきちんとガルバ用の衣装を着用することなどいくつかのルールも設けられていたり、登録に際しては政府公認の顔写真付きIDなども必須となります。
United Way of Baroda
(注) United WayはNGOにより運営されている年1回のイベントであり、その収益は教育や医療と言った分野で寄付活動に使われています。絶大な人気を誇る会場のため定員に達した段階でパスの購入は出来なくなるので気を付けてください。 |