日本では妊婦やその家族、お医者さんが
当たり前のように行っている “あること” が、
インドでは違法になってしまうことがあります。
Giving or taking prenatal tests
including ultrasound scanning
solely to determine the sex of the fetus
was criminalized by Indian law in 1994.
In 2002, the penalties were stiffened
up to three years in jail and a Rs. 10,000 fine for the first offense
and five years imprisonment and Rs. 50,000 for the second
(Wikipedia: Abortion in Indiaより)
http://en.wikipedia.org/wiki/Abortion_in_India
これはウィキペディアから抜粋したものですが、
つまり、妊婦さんやその家族が出産前に胎児の性別を確認すること、
もしくは、医者が出産前に胎児の性別を妊婦さんやその家族に伝えることが
1994年に制定されたインドの法律上、禁止されているんです。
違反した場合には、懲役3年かつ1万ルピーの罰金
二度目は懲役5年かつ5万ルピーの罰金が科せられます。
ところで、なぜこのような法律が制定されたのか。
それは、インドでは男の子が生まれることを望む家庭が多く、
出産前に女の子であることが判明すると妊娠中絶をさせる家族が少なくないからのようです。
男性は一家の稼ぎ頭になり両親の面倒を見ることができますが、
女性は他の家のお嫁に行ってしまい両親の面倒を見ることができず、
また、インドでは娘がお嫁に行くときに家族が持たせなければならない多額の持参金が
家族にとって大きな負担になってしまうからだそうです。
衝撃的な記事があります。
2011年4月、ニューヨークタイムズでインド人女性ジャーナリストが書いた記事です。
http://www.nytimes.com/2011/04/13/world/asia/13iht-letter13.html
この記事によると、
インドの医療技術の発達によって性別判定が簡単にできるようになり、
政府の監視下においても、いまだに女児の妊娠中絶が盛んに行われているのだとか。
ここに取り上げられている30歳のインド人女性の話では、
自分の意志とは別に、両親から強引に妊娠中絶させられた挙句、
次は男の子を妊娠するように言われた、という残酷な話が紹介されています。
0~6歳の男児1,000人に対する女児の人口が
2001年には927人だったのが、
2011年には914人に低下しそうだ、とのデータも掲載されています。
一方で、都会においては結婚の費用は双方お互いが協力して負担し合う
というケースも少しずつ増えてきてはいるようです。
インドにおける女性に対する社会的な態度や地位が変わっていくことを切に願います。
(旅の途中で出会った謎の赤族の村 ↓)
4 comments
こんばんは。詳しく調べてみると、超音波による画像診断装置を備えた病院は都市部が多く、こうしたものを利用できる都市の住民や豊かな人々の間で、女児の堕胎が横行しているようですね。意外と地方は男女の性別割合が都市に比べてマシだったりするようです。
以前、私が読んだインドのニュースで最も衝撃的だったのをご紹介します。少しトラウマのようになってしまいました。
http://indiatoday.intoday.in/story/doctors-in-beed-feed-aborted-female-foetuses-to-dogs/1/189919.html
Michiさん、ありがとうございます。ホントですね。マハラシュトラ州の男児1000人に対する女児の人数の少なさには驚きました。以前もインドの水質のことについていろいろと詳しそうでしたが、Michiさんは普段からインドの調査をされてるんですか?
こんばんは、お返事ありがとうございます。
いえ、インドのことを色々調べるのが趣味なんです。以前女児の堕胎の問題に興味を持ち、国勢調査のデータなどをあたって色々と調べたことがあるんです。一応自分でもサイトを開いているのでご紹介しておきます(お恥ずかしいですが)。
http://tat-tvam-asi.jimdo.com/
この2月にチェンナイとバンガロールを旅行する予定にしていたのですが、都合で行けなくなってしまい、今は悶々としてチェンナイやバンガロールの情報を集めています(笑)
Michiさん、ありがとうございます。サイト拝見いたしました。素晴らしいサイトですね。深い探究心に感銘を受けます。なかなか深いところまで知ることができておらずいつも薄っぺらい内容になってしまうので大変勉強になりました。チェンナイに来られる機会がありましたらぜひご一報いただければ幸いです。
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