ラダックはインドの中でも特殊な地域であることから、ラダック旅行のあたっては他のインドの地域とは異なる特別な準備が必要になります。
ラダック旅行に最適な時期
ラダックは標高3,000メートルを超える高地にあるため、最も暑い8月でも気温が25度くらいで半袖でも過ごすことができます(但し紫外線防止のため長袖長ズボンがおススメです)。
10月を過ぎると極寒になるので、高級ホテルを除き多くのゲストハウスやレストランが休業します(高級ホテルは営業しています)が、寺院は冬でも見学することができるので、敢えてオフシーズンの冬に観光するのも良いかも知れません。
ラダック旅行に必要な日数
高地順応に1日必要なため、最低でも4泊5日必要です。
仮に1週間の場合、以下のようなスケジュールになります。
項目 | 日数 | 詳細 |
レーでの準備 | 1日 | 1日高度順応、SIMカード購入、ILP手配(後述) |
レー散策 | 1日 | レー王宮、メインバザール、ナンギャル・ツェモ・ゴンパなど |
寺院巡り | 1日 | 上ラダック、下ラダック各1日 |
パンゴン・ツォ | 2日 | |
ヌブラ渓谷 | 2日 | |
トレッキング | ー | 体力と希望に応じて1日から1週間程度 |
デリーからラダックの中心地にあるレー空港へは飛行機で1時間半ですが、レーは雨季の6~9月は雲がかかることも多く飛行機の遅延も多いため、乗り継ぎの時間には余裕を持ち、できれば行きも帰りもデリーで1泊するのがオススメです。
ラダック旅行に必要な費用
個人旅行の場合は以下の通りです。
成田⇔デリー飛行機代 | 8~10万円程度 |
デリー⇔レー飛行機代 | 2~4万円程度(時期により変動) |
宿泊代 | 3,000円/1泊~(高級ホテルもあり) |
食事代 | 1食300円~1,000円程度 |
入域許可証取得費 | 2,000円程度 |
車のチャーター代 | 1日1~1.5万円程度 |
現地での移動手段手配
ラダックは他のインドの地域と異なり、UBERやOLAなどのタクシー配車アプリは使えず、オートリキシャーなど流しのタクシーも走っていません。
バスは中心地のレー周辺なら頻繁に走っていますが、そのエリアから外に出たら各村行きのバスがある村とない村があります。バスがない地域の現地の人々はヒッチハイクや乗り合いのチャーターバスで移動をします。
ラダックの街を走っていると老若男女問わず、ヒッチハイクをしている人をよく見かけました。
ただ、時間制約がある中で効率的に観光するならバスやヒッチハイクは効率が悪いため、チャーター車の一択です。
ラダックの中心都市レーのメインバザール周辺には多くの旅行代理店があり、専用車をチャーターすることができます。
レーの空港からメインバザールまでは空港のプリペイドタクシーを利用することができますので、プリペイドタクシーでメインバザールまで行って、現地の旅行代理店で車をチャーターするのはありかと思います(レーは治安が良いため、デリーでよく聞くボッタくり旅行代理店などはありません)。
ラダック旅行に強い日系旅行代理店3選
Neo Ladakh
池田悦子さんという日本人の方が、旦那さんのワンボーさんと一緒に経営されている旅行代理店です。
参考リンク |
池田さんご夫妻はレーから17kmほど離れたストック村で古民家ゲストハウス「にゃむしゃんハウス」を運営されており、宿泊すると日本語でラダックの説明をして頂けます(写真は、にゃむしゃんハウスの外観と庭です)。
※本記事の執筆にあたって、2021年10月時点でのラダックの最新の状況を池田さんにご教示頂きました。
上甲紗智さんという日本人の方が、旦那さんのツェワン・ヤンペルさんと一緒にレーで経営されている旅行代理店です。
参考リンク |
西遊旅行
西遊旅行はラダック専門の旅行会社ではありませんが、世界各地の秘境を取り扱っており、多くのラダック旅行者が利用しています。
参考リンク |
高山病対策
レー空港は標高3,200メートルのところにあるため、いわば富士山の山頂に近い標高へ飛行機で降り立つわけです。
そして、ヌブラという美しい渓谷へ行くときには、世界一標高5,000メートルを超える、世界一標高の高い自動車道路を通ります。
登山等の運動をせず単に観光をするだけの場合でも高山病には注意が必要です。
そして高地慣れのため、到着初日は張り切って観光や登山をせずに、レー市街の市場を散策したりカフェなどでゆっくり過ごし、翌日から少しずつ動いていきましょう。
空港や市内で酸素ボンベも販売しているため、心配な方は購入しましょう。
入域許可証の手配
ラダックはパキスタン・中国と国境に近いエリアであり、現在も国境紛争が続いている地域なので、訪問にあたって許可が必要なエリアがあります。
観光客が大勢訪れるところでは、パンゴンツォという湖やヌブラという渓谷へ行く場合にはInner Line Permit(ILP)という許可証が必要になります。
申請費用は2名で1,300ルピー、午後1時頃に申請して夕方の6時に許可証を受け取ることができました。当日に許可証を受け取るためには、大体午後2時頃までに申請する必要があるそうです。
許可証の申請にはパスポートの原本を提出する必要があります。
公用旅券保持者、アフガニスタン・パキスタン・バングラディッシュ・ミャンマー・中国国籍の方はラダックでILPを取得することができず、デリーの管轄窓口での申請が必要です(詳細は旅行代理店にご確認ください)。
ILPの参照は下記URLをご参照ください。
カシミールの状況に注意
ラダックの治安は極めて良好ですが、ラダックは中国との国境紛争の最前線であり、また隣接するカシミール地域はパキスタンとの紛争の火種になっています。
2020年には中印国境紛争が発生しましたが、ラダックは中国との国境紛争の最前線なので、軍の施設も多く、”Photo prohibited”と書かれている箇所で不用意に写真を撮らないよう注意する必要があります。
SIMカードの手配
ラダックはパキスタンや中国との国境に近く軍事的に重要な地域であるため、下記の制限があります。
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通信制限の詳細は下記URLをご確認ください。
Mobile network coverage in Ladakh
デリー空港のAirtelショップで購入した前払SIMは利用できず、ラダック到着後にプリペイドSIMを購入する必要があります(私がラダックへ訪問した2019年8月時点ではこちらのブログで紹介されている場所にAirtelショップがありましたが、最新の状況は事前に旅行代理店にご確認ください)。
しかし、ラダックでは携帯電話を使えなくても困ることはありません。
「観光地の見学後、ドライバーを呼び出せず困るのではないか?」と思いましたが、ドライバーと会えなくなるほど多くの車が止まっている箇所はなかったので、1週間SIMカードがなくてもドライバーと会えなくなることはなく、全く困りませんでした。
たまにはインターネットから解放されてデジタルデトックスをするのも良いかも知れません。